人より劣っているのではなく自分は傷ついている

2022年1月2日カウンセリングの説明心理カウンセリングとは?

人より劣っている!と感じてしまう心理とは?

ケガをして焦っている男性のイラスト

他人と比べて自分に物足りない気持ちを感じたとき、人間は、『自分は人より劣っている!』と感じてしまうのかもしれません。

なので、人間が、人より劣ると感じる意味は、自分の成長を促すサインとも言えます。

この記事は、人間が、『自分は人より劣っている!』と感じる心理について、心理学に沿って解説しています。

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人より劣るの意味とは?

人より劣っている…とよく聞きますが、人より劣るとは、具体的にどういった意味なのでしょうか?

自分は人よりうまく話せないから人より劣っている。

自分は人より自信がないから人より劣っている。

人より劣るの意味とは、他人は持ち合わせていて自分は持ち合わせていない。という意味なのかもしれません。

 

このように、自分が人より劣っているという気持ちを劣等感とも言います。

なので、人より劣ると感じるのは、相手と自分の違いを認め、相手を羨ましがっている。ともいえるのかもしれません。

自分は人より劣っている…と感じる気持ち=劣等感は、お仕事場や学校や家庭などの人間関係のなかで、時折、心にチクチクと感じる気持ちなのかもしれません。

 

人より劣っている点=心の傷

さて、自分は本当に人より劣っているのか?私はこんなふうに思っています。

それは、人より劣っているのではなく、自分は傷ついている。ということです。

 

例えば、どれだけ努力をしても、人並みの速さで走れない人がいたとしましょう。

早く走れるようになりたくて、いくら努力を重ねても、なぜか?足が痛くて人並みの速さで走れず、残念な結果ばかり…

そんな状況が長く続けば、自分は他人より劣っている。と思えてしまうでしょう。

そして、万策が尽きたと感じ、愕然として自分が嫌い!死にたい!気持ちになっても当然だと思います。

自分には、人より優れているところがないんだ!自分は、他人より全てにおいて劣っているんだ!と感じてしまうでしょう。

 

でも、もしその人が、

実は、物心つくかつかないころに骨折をしていて、完治しないままに大人になっていたのだとしたら…

生まれたときは元気いっぱいだったけど、物心つくかつかないころに足を骨折していて、大人になった今も骨折が完治していないままなのだとしたら?

その人は、全力で走りたくても骨折の痛みで制限されしまうので、人並みの速さで走れないほうが自然だとは思いませんか?

その人は、ずっと自分が人より劣っていると思っていた、でも、じつは自分は骨折していたんだ!傷ついていたんだ!と気づけたとき、いろいろな疑問が払しょくされ、心は一気に明るく軽くなるでしょう。

(関連:あなたは何も悪くない…

 

劣等感は心の傷の痛み

もし、自分は人より劣っている…と感じるのだとしたら、もしかしたら、自分は劣っているのではなく、自分は傷ついている。のかもしれません。

体の傷は目に見えてわかりやすいのですけれど、心の傷は目に見えませんので、自分の心が傷ついていることに、自分1人ではなかなか気づけないものです。

でも、体の傷も心の傷も、傷ついていることを知らせるサインがあります。

それは【痛み】ですね。

そして、心の傷の痛みのことを、劣等感=ネガティブ感情と言います。

(関連:ネガティブ感情とは?心理学でやさしく解説

 

もしかしたら、自分は、

苦しさや辛さや寂しさや悲しさや怒りや不安や怖さ…

これらネガティブ感情=心の傷の痛み=SOSのサイン=劣等感を既に感じているのかもしれません。

でも、ネガティブ感情=劣等感を感じている自分は弱い!情けない!と早とちりし、苦しさや悲しさや不安といった心の傷の痛みをチクチクと感じながらも、目を背けてしまっているのかもしれません。

 

そして、もううんざりだ!どうせ自分なんて!

このように、ネガティブ感情=心の傷の痛み=SOSのサイン=劣等感を感じながらも、長年、ずっと無視してしまっているのかもしれません。

 

もしそうだとしたら、これ以上、心の傷口が広がらないように、周りの人への警戒心が働き続けてしまうでしょう。

自分が傷つかないように警戒を続けることは、とても疲労することです。

なので、人目が気になる心理を感じることは自然なことなのかもしれません。

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人より劣っている=長所

つまり人間は、自分は他人より劣っているという気持ちを感じる分だけ、他人に巻き込まれずに済んだり、他人に引っ張られていない。とも言えます。

自分は他人より劣っているという気持ちを感じる分だけ、相手と自分の違いを認め、相手と距離を置くことができている。とも言えます。

人より劣っていると感じる気持ちは病気ではなく、むしろ、自分の身を守るための慎重さです。

 

謙遜や腰が低いなどとも言いますが、調子に乗って大けがをするより、劣等感や自信のなさといった慎重さを感じることができるのは、それだけ自分の身の安全を守れている長所なわけです。

緊張を感じる分だけ、不安を感じる分だけ、人は劣っているのではなく、自分の心の傷を守っている長所なのです。

劣等感や自信がないという気持ちは、自分の心の手綱を締めて自衛している心の働き=防衛機制のひとつです。

 

人より劣っている自分を責めるより、傷ついている自分を癒す。

例えば、ケガを負ったサッカー選手が普段通りの実力を出せないことは、サッカー選手として劣っているのではなく、傷ついているということです。

なので、傷ついて実力を発揮できていない自分を、劣っている!と捉えて自分を責めることより、傷ついている!と捉えて傷を癒すことが賢明な方法です。

 

自分は人より劣っているのではなく、物心つくかつかないころに心が傷ついて、それ以来、心が傷ついたままなので、これ以上、心が傷つかないように、人を怖いと感じる心理=人への警戒心が常に勝手に働いてしまう…だから今までは、人間関係がうまくいかないと感じても当然だったのかもしれない。

 

そして、物心つくかつかないころに心が傷ついた幼い自分の存在を、心理学ではインナーチャイルドと呼び、幼い頃の心の傷の影響を大人になっても受け続けている人をアダルトチルドレンと呼びます。

くわえて、私=寺井啓二は、自分自身もかつてはアダルトチルドレンであり、アダルトチルドレンを克服した心理カウンセラーです。

(関連:アダルトチルドレン:ロストワンタイプ(いない子)の性格

 

劣等感は、病気や発達障害じゃない!生きづらさです!

ケガをして全力疾走できないのは発達障害ではありません!

同じように、心に傷を負って安心して生きられないのは発達障害ではありません!

人より劣っているのではなく、心が傷ついているのですから、病気でもありません!

 

ADHD(注意欠陥・多動性障害)やLD(学習障害)といった症状は、心が傷ついていることで防衛機制が働き、感情表現が制限されてしまっていたり、警戒心と気がかりが活発になってしまい集中できなくなってしまっていたり、生きづらい状態になってしまっている場合があります。

なので、今からでも自分の心の傷を癒してあげれば、心の傷の痛み=苦しさや悲しさや不安といったネガティブ感情=劣等感も収まり、心に安心が広がり、他人と同じように自分も自由に落ち着いた状態になれると私は思います。

 

自分が自分を助け、自信を回復するお手伝い。

自分が、自信のなさや劣等感=生きづらさを感じているのでしたら、生きづらい原因は、自分が劣っているからではなく、自分が傷ついているからです。

なので、体の傷を癒して自由な体を取り戻すように、心の傷を癒して自由な心を取り戻すのもひとつの方法だと私は思います。

 

劣等感を和らげ自信を回復するには、自分の心の傷を癒して、もう傷つきたくないという心の警戒モード=防衛機制=心のギブスを解きほぐしてして、心を自由にしてあげることです。

これがメンタル心理そらくものカウンセリング&セラピーが提供させて頂く、心の悩みに対する平和的な終息の考え方です。

(関連:アダルトチルドレンのカウンセリング:克服への“9”の重要ポイント

この記事を書いた人

心理カウンセラーの紹介

心理カウンセラー寺井啓二の写真とメッセージ

はじめまして「メンタル心理そらくも 代表:寺井啓二」です。うつ、アダルトチルドレンを克服した経験を持つ心理カウンセラーです。自らの克服経験を世の中に役立てたいと考えています。

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Posted by 寺井 啓二