ちょっと待って!はイライラの呪文
POINTちょっと待ってほしいときは、「ちょっと待って!」と待たせるより、「ちょっと待ってほしい!」とお願いするほうが、子どもに伝わりやすいです。
心理カウンセラーの寺井です。
さて、突然ですが、自分が急いでいる時、「ちょっと待って!」と言われると、なんだか「イライラ」してきませんか?
私は心理カウンセラーでもありますが、子育て真っ最中の父親でもあります。
日常、子どもに対して「ちょっと待って!」という言葉を使いすぎると、まず、子どもがイライラし始め、そんなイライラしている子どもに対して私もイライラし始めます。
なので、我が家における「ちょっと待って!」という言葉は、家族みんながイライラし始める呪文のような言葉です。
この記事は、「ちょっと待って!」という気持ちについてのエッセイです。
「ちょっと待って!」はイライラする原因
日常、子どもはいろいろなことを話してくれます。
それ自体はとても嬉しいことなのですが、親は忙しいとき、子どもの話をゆっくり聞けない場合があります。
そんな状況で、親が子どもに「ちょっと待って!」という言葉を使いすぎると、まず、子どもが「イライラ…」し始めます。
「わたし」も「子ども」もどちらも「イライラ…」
子ども:「ねぇねぇ!聞いて!」
わたし:「ちょっと待って!」
子ども:「いつまで待てばいいの?」
わたし:「いいからちょっと待って!」
こんな感じで、わたしに話をしたがっている子どもに対して、わたしが「ちょっと待って!」という言葉を使いすぎると、わたしに待たされている子どもも、子どもを待たせているわたしも、どちらもイライラがヒートアップしてきます。
待たされている子どもは、不安と不満を感じている
このとき、「ちょっと待って!」とわたしに待たされている子どもの心には、どのような気持ちがあるのでしょうか?
わたしに待たされている子どもの「本音」
「ちょっと待って!」と、わたしに待たされている子どもの心には、
「いつまで待てばいいの?」
「自分のこと、ちゃんと気にかけてくれているの?」
このような気持ちがあります。
「無視されている不安」
人は、自分の存在を無視されることが一番不安です。
なので、「ちょっと待って!」とわたしに待たされている子どもは、「自分の気持ちを受け取ってもらえているのか?」という「不安」を感じます。
「自由を制限されていることへの不満」
同時に、子どもは自由でいたいので待たされるのが「窮屈」です。
なので、「今すぐ話を聞いてよ!」という「自由を制限されていることへの不満」も感じます。
このように、待たされている子どもの心には、「無視されている不安」「自由を制限されていることへの不満」が感じられます。
子どもを待たせているわたしの気持ち
続いて、「ちょっと待って!」と子どもを待たせているわたしの心には、どのような気持ちがあるのでしょうか?
子どもを待たせているわたしの「本音」
「ちょっと待って!」と、子どもを待たせているわたしの心には、
「今、忙しいから、まずはそちらをかたずけたい…」
「ひと段落ついてから、ゆっくりと子どもの話を聞きたい…」
このような気持ちがあります。
「急かされている不満」
人は、聖徳太子のように一度にいくつものことを実行できません。
なので、「ちょっと待って!」と子どもを待たせているわたしは、子どもに急かされることになり、結果、「仕事や家事の邪魔をしないでほしい…」「急かされるとかえって作業が進まないから静かに待っていてほしい…」という「不満」を感じます。
「子どもを待たせている焦り」
同時に、子どもを待たせているのですから、親としては「罪悪感」を感じるものです。
なので、「子どもの話を早く聞いてあげたい!」という「子どもを待たせている焦り」も感じます。
このように、待たせているわたし=親の心には、「急かされている不満」「子どもを待たせている焦り」が感じられます。
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「ちょっと待って!」の伝え方を工夫してみる
わたしの「本音」を言えば、「集中している時にはしばらく話しかけないでほしい…」という気持ちがあります。
ですが、子どもを気遣う気持ちも同時にあって、「どうしよう?どうしよう?」と迷った挙句、結果、ついつい「ちょっと待って!」と保留してしまいます。
なので最近、わたしは「ちょっと待って!」という気持ちを感じたとき、「気持ちの伝え方の工夫」をしています。
工夫①「ちょっと待って!」を「時間をくれたら嬉しいよ…」に言い換える
まずはじめに、「ちょっと待って!」という気持ちは、「少し時間がほしい」という気持ちに言い換えることができます。
なので、しばらく時間がほしいと感じたときは、
「5分だけ時間をくれたら嬉しいよ…」
と言い換えるように工夫しています。
このように、「ちょっと待って!」を「5分だけ!」という具体的な表現に言い換えることで、「どれくらい待ってほしいのか?」のイメージが、子どもに伝わりやすくなります。
工夫②「ちょっと待って!」を「あとでゆっくり聞かせてくれると嬉しいよ…」に言い換える
つぎに、「ちょっと待って!」という気持ちは、「あとにしてほしい」という気持ちに言い換えることができます。
なので、あとにしてほしいときは、
「あとでゆっくり聞かせてくれると嬉しいよ…」
と言い換えるように工夫しています。
このように、「ちょっと待って!」を「あとでゆっくり…」という肯定的な表現に言い換えることで、「あなたのことを大切に想っているよ…」という気持ちが、子どもに伝わりやすくなります。
工夫③「ちょっと待って!」を「どちらも急いでいるんだね…」に言い換える
続いて、「ちょっと待って!」という気持ちを感じる状況とは、「わたしも子どもも、どちらも急いでいる…」と言い換えることができます。
なので、お互いの気持ちがぶつかりそうなときは、
「○○ちゃんは急いでいるんだね…父ちゃんも急いでいるんだよ…同じ気持ちだね…」
と言い換えるように工夫しています。
このように、「ちょっと待って!」を「どちらも同じだね…」という公平な表現に言い換えることで、「どちらも平等なんだよ…」という気持ちが、子どもに伝わりやすくなります。
待たせるより、待ってほしいとお願いする
ここまで、「ちょっと待って!」という気持ちに込められている「本音」や、「ちょっと待って!」という気持ちの「伝え方」について考えてきました。
そして、わたしがついつい「ちょっと待って!」と子どもに言ってしまう理由には、以下のような気持ちが隠れていることに気づきました。
POINT
- 子どもを上から目線で捉えている「子どもへの命令」
- 子どもに邪魔されているという「子どもへの警戒心」
- 子どもに本音を伝えることへの「自らの躊躇」
上記の気持ちは、あまり信用のおけない相手に対しては必要な気持ちかもしれません。
ですが、子どもは信頼のおける家族なのですから、いっそのこと、「親の本音」を素直に明かした方が、案外、子どもと穏やかに付き合えるのだなと気づくことができました。
このように、親子で穏やかに過ごしたいのなら、「ちょっと待って!」と子どもを待たせるより、「ちょっと待ってほしい!」と子どもにお願いしてみる気持ちも大切なのかもしれません。
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページにまとめていますので紹介します。
関連情報まとめページ
以上、「ちょっと待って!はイライラの呪文」という記事でした。