親に愛されてないと感じる…インナーチャイルドの誤解
親に愛されてないと感じる心理は、子ども時代の自分=インナーチャイルドの誤解です。
親に愛されてない…と感じる…
誰であっても、親に愛されてないと感じることは、恐怖に近い大きな気がかりです。
原始時代以来、人も群れで過ごす生きものですので、親に愛されてないと感じる不安=見捨てられ不安は、人の生命に直結する大きな影響を及ぼす感情として、しばしば日常生活にも影響を与えています。
この時期は、親に愛されてないと感じる心理について、心理学に沿って説明しています。
親に愛されてないと感じる心理
親に愛されてないと感じる心理には、ほとんどの場合、子どもゆえの誤解があります。
子どもは大人の気持ちを忖度できない…
子ども時代は、未だ人生経験が浅く、目に見えない人間の本音や内心を推し量るだけの経験値が少ないので、親が表面に見せる言動に対して、「自分は親に愛されてない…」と感じると、それ以来、「自分は親に愛されてない…」と誤解して思い込んでしまい、心にずっと不安を抱え続けてしまいます。
でもじつは、人間とは、自分の本音や内心を、そうそうすべて表面には出さない生きものです。
なので、子どもから見た親の言動に、自分への愛情を感じなかったとしても、親の本音や内心には、子どもへの愛情が隠れている場合があります。
(関連:言葉だけじゃ気持ちはほとんど届かない!)
意地悪も愛情表現
例えば、恋愛などでも、好意を寄せる相手に素直に愛情表現ができず、ついつい意地悪をしてしまう場合があるように、親自身が子どもへの愛情表現に自信がなかったり恥ずかしさを感じていると、親は子どもへの愛情を抑え隠してしまったり、意地悪をしてしまう場合があります。
つまり、親に愛されてないと感じる心理は、親が恥ずかしがって子どもへの愛情表現を抑えて隠してしまい、その姿をみた子どもが、「自分は親に愛されてない…」と誤解してしまうことにより生まれる場合が殆どです。
親に愛されてないと感じる人の特徴
この節では、「親に愛されてないと感じる人の特徴」を説明していきます。
ですが前述の通り、正確には、「親に愛されてないと誤解して感じる人の特徴」となります。
親に愛されてないと感じている人は、人への苦手意識を感じたり、自分への信頼感が乏しくなってしまう…とも言えます。
人間関係が苦手に感じたり、自分に自信がなかったり…
つまり、親とは、自分が生まれてはじめて出会った人間ですので、生まれて初めて出会った人間=親に苦手意識を感じたままだと、学校や社会で次々と出会う人たちにも苦手意識が拡散してしまい、どんどんと人間関係が苦手になってしまいます。
このように、子ども時代の親との関係において受けた影響を、大人になっても感じ続けている人を、心理学では、アダルトチルドレンと呼び、幼少期に、親から子どもへの愛情の流れが不純であった家族を、機能不全家族と呼びます。
(関連:機能不全家族で育った大人・アダルトチルドレンの特徴)
親に愛されなかった…という誤解を克服
さて、上記のように、「自分は親に愛されていなかった…」と誤解したまま人生を送ると、人間関係に大きな負担を抱え続けたり、自分自身への信頼感=自己肯定感を感じずらかったり、日常の生活も、疲労や負担を抱えやすくなってしまいます。
とはいえ、本人がお望みでしたら、子ども時代の自分がし始めた、「自分は親に愛されていなかった…という誤解」を克服し、今からでも解きほぐして、人間関係を気楽に過ごせるようにしたり、自分への好意や信頼感を向上していくことは、全然可能なことなのです。
このとき、「自分は親に愛されていなかった…」と誤解した子ども時代の自分を、インナーチャイルドとしてイメージし、インナーチャイルドセラピーによって、「自分は親に愛されていなかった…という誤解」を克服していきます。
例えば、インナーチャイルドセラピーによって、大人の自分と子どもの自分が協力し、若かりし父や母の胸のうちを、ゆったりと振り返り、大人の視点で推し量っていきます。
すると、子どもの自分=インナーチャイルドは、「自分は親に愛されてない…」と感じていたけれど、大人の自分の視点で捉えなおしてみると、「親は自分を愛してくれていたのだけれど、子育てに自信がなくて、愛情の表現の仕方がわからなかったのかも…」といった、大人なりの新しい解釈が自然と芽生え始めます。
結果、「自分は親に愛されていなかった…という誤解」を克服し、「自分は愛されていた…と認知の修正」がなされ、人間関係を気楽に過ごせるようになったり、自分への好意や信頼感を向上していきます。
(関連:インナーチャイルドとは?)
(関連:インナーチャイルドセラピーとは?)
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親は愛情の届け方がわからなかった…
この節では、上記のインナーチャイルドセラピーにおいて、「自分は親に愛されていなかった…という誤解」を克服したケースを紹介します。
子育てや職場での人間関係に苦しむ女性クライアントさまとのセッションにて、「自分は親に愛されていなかった…という誤解」を解きほぐしていったときの回想録です。
親は私を愛してくれていた…でも愛情の届け方がわからなくて私に届けられなかった…
お母さんは私を愛していなかった…
私はお母さんに愛されていなかった…
ずっと私はそう思い込んでいたのかもしれない…
確かに寂しかったし…苦しかったし…辛かったし…
そんな自分が情けなく思えていた…
そんな情けない自分が嫌いだった…
でも本当は…
お母さんは私を愛していたのだけれど、
私への愛情の届け方がわからなかったのかもしれない…
そして、おばあちゃんも、お母さんへの愛情の届け方がわからなかったのかもしれない…
だからおばあちゃんはお母さんへの愛情の届け方がわからなくて…
だからお母さんは私への愛情の届け方がわからなくて…
だから私もお母さんや恋人や夫や友人やこどもへの愛情の届け方がわからなかったのかも…
おばあちゃんはお母さんを愛していたのだけれど、愛情の届け方がわからなくて、悔しくて苦しかったのかもしれない…
お母さんは私を愛していたのだけれど、愛情の届け方がわからなかくて、悔しくて苦しかったのかもしれない…
お母さんは私への愛情をたくさん届けたかったのだけれど、届け方を教えてもらえていなくて、届け方がわからなくて、愛情を届けようとすればするほど、私への愛情が心に渋滞してしまって苦しくて悔しくて、いつもイライラして怒っていたのかもしれない…
そして、私もたくさん愛情を持っていたのだけれど、子どもへの愛情の届け方がわからなくて、悔しくて苦しくてもどかしくて、子どもにイライラ当たってしまっていたのかもしれない…
誤解は視野を広げて解きほぐす…
上記にように、心の問題を自分1人に閉じ込めるのではなく、親の世代、祖父母の世代と視野を広げていくことで、子ども時代の誤解が解きほぐれていきます。
人間の子育て=親から子供への愛情表現は、世代間連鎖…
三つ子の魂百まで…という諺通り、人間の子育ては世代間連鎖と言い、自分が子ども時代にしてもらえた方法を、親になって子どもへと継承していきます。
なので、親の世代、祖父母の世代にまで視野を広げ真摯に振り返ってこそ、「自分は親に愛されていなかった…という誤解」=子ども時代の強固な誤解がようやく解きほぐれていきます。
(関連:インナーチャイルドが傷つく原因と影響)
過去は変えられないが過去の影響は変えられる…
確かに、過去の出来事は変えられません。
ですが、過去の出来事の影響は、いつからでも何度でも捉えなおし変えることができます。
今、人間関係や自分自身への嫌悪感で苦しいのなら、今まで通りの視野でなんとかしようとしても、残念ながら、今まで通りなのかもしれません。
でも、上記のように、あなたと私の二人のチームワークでもって、あなた1人では及ばなかった広い視野でゆったりと捉えなおしてみると、「親は自分を愛してくれていたのだけれど、愛情の届け方がわからなくて、自分の手元に届いていなかった…」という新しい捉え方に納得がいき、「自分は親に愛されていなかった…という誤解」を克服し、解きほぐしていけるのかもしれません。
いつの日か、子ども時代のあなたがしてしまった誤解を、あなたと私の二人のチームワークでゆったりと解きほぐしていくお手伝いをさせて頂けると嬉しいです。