人が怖いと感じる心理の原因と説明

2018年11月29日

人が怖いと感じる心理の原因は、人に傷つけられたことで芽生えた人への警戒心です。

いじめによるトラウマに影響されている女性のイラスト

 

人が怖いと感じことはありますか?

人が怖い、集団が苦手、人と話すときに緊張する…

このように、人が怖いという気持ちが大きいことで、学校や職場やアルバイト先などの対人関係に不安を感じ支障をきたしている症状を、対人恐怖症と言います。

ただ、対人恐怖症ほどではないにしても、人目が気になる自分がどう思われるか?が気になる人に否定されるのが怖い、と感じることはあるかもしれません。

この記事は、人が怖いと感じる心理の原因についての説明です。

 

人が怖いと感じる心理の原因

人が怖いと感じる心理が生まれてくる原因は、大きく分けて以下の3つの原因が考えられます。

 

  1. 子ども時代の環境
  2. 生まれながらの先天的な気質
  3. 過去のトラウマの影響

 

人間はもともと、生き方を遺伝で継承する生きものではなく、生まれたあと、育ての親との関係のなかで生き方を学んでいきます。

生まれた直後から、「人が怖い」と感じることができる赤ちゃんはおそらくいないでしょう…

なので、子ども時代、人生で最初に出会った人間=育ての親との人間関係が、その後、人が怖いと感じる心理が生まれるか?どうか?に大きく関わっていきます。

ただ、生まれながらに、「1人でのびのびしていたい!」と感じる子どももおり、その場合、人に邪魔されたくない気持ちが、人が怖いと感じる心理に繋がっていく場合があります。

また、育ての親との人間関係に限らず、学校や職場などでいじめに合うと、人への警戒心が生まれ、人が怖いと感じる心理に発展していく場合があります。

 

人が怖いと感じる原因①:アダルトチルドレン

発達心理学における愛着理論によると、幼児期の子どもが、育ての親とのあいだで親密な愛着関係を築くことができると、親や周りの人間に対する信頼感=心の安全基地を感じられるようになり、不安、緊張、恐怖、悲しみ、怒り、焦りなどのネガティブ感情に上手く対処できるようになると考えられています。

人生で最初に出会った人間=育ての親との間で愛着関係が形成されると、子どもは、人間関係に自信を感じながら成長していきます。

ですが、育て親の躾けや養育が厳しく愛着関係が築けなかった子どもは、人間関係に自信を感じられないまま成長していきます。

このように、人生で最初に出会った人間=育ての親との関わりや愛着関係が、人が怖いと感じる心理の原因となっている場合があります。

そして、育ての親との人間関係が原因で、大人になっても人が怖いと感じ続けている人を、心理学ではアダルトチルドレンと呼びます。

(関連:アダルトチルドレンとは?心理学でやさしく解説

 

人が怖いと感じる原因②:人に邪魔されるのが怖い

人間にはいろいろなタイプがいます。

例えば、岡本太郎さんやベートーベンのように、芸術や音楽で活躍するかたのなかには、何かひとつのことにとことん夢中になることを好み、生まれながらに、「人に邪魔されたくない!1人で自由にしていたい!」と感じる気質を先天的に持っている人間もいます。

ですが、日本の教育現場や家庭環境は、常識や世間体などを、集団行動を重視しがちです。

家庭での過干渉や過保護、学校での集団生活や人間関係など、「人に邪魔されたくない!1人で自由にしていたい!」と感じる人にとってみると、人に囲まれてしまうことが多い日本の環境は、とても苦痛に感じ、人への苦手意識や人が怖いと感じる心理が生まれてしまう場合があります。

先天的に持ちあわせている個性を、常識や世間体などによって抑圧され、人に傷つけられてしまい、結果、人が怖い心理に繋がり、不登校や引きこもりの原因なる場合があります。

(関連:ロストワンの性格:アダルトチルドレンとは?

 

人が怖いと感じる原因②:トラウマの影響

トラウマとは、心的外傷とも言いますが、過去に経験した辛い体験の影響を、長い時間が経っても受け続けている心理状態です。

過去に、仕事場や学校や家庭でいじめや虐待など、辛く理不尽な体験をすると、それ以来、「もう二度と同じ体験をしたくない!」という防衛心理が生まれます。

よって、人が怖いと感じる心理がトラウマの影響が原因で生まれている場合、「人に否定されたり馬鹿にされるのが怖い」という心理が隠れている場合があります。

とくに、特定の人が怖いと感じる原因は、機嫌が悪そうな人や、大きな声で怒る人など、荒っぽい人間に感じやすい傾向があります。

それは、過去に似たような荒っぽい人間に傷つけられた経験=過去に受けたいじめや虐待などのトラウマの影響なのかもしれません。

なので、人が怖いと感じる心理は、トラウマに基づき生まれた、自分の身を守ろうとする防衛心理であり、人になにか言われたり人になにかされてしまうことに警戒している心理と言えます。

(関連:また心が傷つくんじゃないか?は今も続いてる。

 

人が怖いと感じるうつ症状

人が怖いと感じる心理は、うつ病の症状のひとつでもあります。

うつ症状は、そのほかにも、「おっくうな気分」「憂うつな気分」「焦り&不安」などが、うつ病の三大症状として代表的です。

かつて、私のカウンセリングルームに、学校で受けたいじめが原因でうつ病を抱えることになった高校生のクライアントさまが来訪してくださいました。

自分にはなんら落ち度がないのに、同級生たちに一方的に馬鹿にされたり暴力を振るわれたり無視をされたことで、ショックを受けて心が傷ついてしまったのです。

それ以来、「また馬鹿にされるんじゃないか?」「また無視されるんじゃないか?」「二度と同じ想いはしたくない!」という不安を感じるようになり、人が怖いと感じるようになり、不登校になってしまいました。

このように、学校で受けたいじめや人に傷つけられたトラウマの影響で、人が怖いと感じるうつ症状を抱えている人もたくさんいるのかもしれません。

(関連:うつ病の高校生と接して感じた体験談です。

 

人が怖いと感じる心理の克服

このように、人が怖いと感じる心理には、人を怖がることで自分の身を守ろうとする意図が隠されています。

例えば、ワンちゃんやネコちゃんなど、人間から虐待を受けた動物は、それ以来、人間に怖さを感じ慎重に警戒することで自分の身を守ることができます。

なので、人が怖いと感じる心理は、決して病気や障害と言ったダメなものではないのですが、自分の活動を制限している窮屈でイヤなものではあります。(専門用語で防衛機制と言います。)

よって、人が怖いと感じる心理を克服するためには、子ども時代の育ての親との愛着関係を振り返ったり、自分自身の個性や人との距離感を振り返ったり、過去の傷ついた体験などを振り返り、ある日ある時から傷ついたままの心を癒すことで、人への怖さが和らいでいきます。

そして、人が怖いと感じる心理の原因をしっかりと認識し、傷ついた心を癒すことで症状を和らげていくのが、心理カウンセリングや心理セラピーと呼ばれる心理療法です。

(関連:アダルトチルドレンの心理カウンセリングのポイント