予期不安を解消するには?予期不安の意味とは?

2023年6月4日うつ病うつ症状,生きづらさ

予期不安を感じているイメージ

POINT予期不安を解消するには、予期不安の意味を知り、予期不安を感じながら過ごすことで、予期不安を受け入れることが重要です。

心理カウンセラーの寺井です。

予期不安とは、「うつ病」によくみられる症状です。

 

「明日のことが不安で眠れない…将来のことが不安でたまらない…」

「ああなったらどうしよう?こうなったらどうしよう?」

 

このように、予期不安とは、いつ起こるかどうかわからない「未確定の未来に対する不安」を指します。

そして、予期不安を感じている状態が長く続くと、心に大きな負担がかかり、ソワソワと不安を感じていること自体に不安を感じ、不安と不安が連鎖して、予期不安がどんどん大きくなっていきます。

 

そもそも、ワンちゃんやネコちゃんなど人間以外の生き物は、未来を予期して不安を感じる能力など持っておらず、予期不安を感じることができません。

なので、予期不安とは、生き物のなかで人間だけが感じることができる特殊な感情と言い換えることができます。

この記事は、予期不安を解消するために四苦八苦した分析レポートです。

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予期不安の意味、備えあれば憂いなし

予期不安で動けない状態

予期不安の意味をあらわす言葉として、「備えあれば憂いなし」ということわざがあります。

このことわざは、「普段から準備をして災難に備えておけば、いざというとき、何も不安がない」という意味です。

 

予期不安は、空振りすることもある

このように、予期不安とは、過去の経験に基づく警戒心から生まれる不安のことを指します。

自分を取り巻く状況に変化が起きると、過去の経験が「フラッシバック」し、「あのときの嫌な状況がまた起こるのではないか?」と危機感や不安感や警戒心を感じ始めます。

フラッシュバック (flashback) とは、強いトラウマ体験(心的外傷)を受けた場合に、後になってその記憶が、突然かつ非常に鮮明に思い出されたり、同様に夢に見たりする現象。心的外傷後ストレス障害(PTSD)や急性ストレス障害の特徴的な症状のうちの1つである。

引用元:フラッシュバック (心理現象)

とはいえ、予期不安とは、あくまで過去の経験に基づく予想にすぎませんので、当然、予想が外れ、予期不安で予想している状況が起こらない場合も多々あります。

その場合、予期不安は空振り、取り越し苦労となります。

 

予期不安は、優れた生存本能

また、予期不安の働きを違った視点で言い換えると、「自分の周囲に起きる状況の変化に対して、いち早く警戒態勢とることができている」とも言えます。

このように、予期不安とは、場合によっては取り越し苦労に終わる場合があるものの、早め早めに不安を感じることで、身の安全を確実に確保しようとする心の働きであり、人間が持つ優れた生存本能によるものと言えます。

 

予期不安の解消のカギは、案ずるより産むが易し

予期不安に囚われているイメージ

予期不安の意味をあらわすもう一つの言葉として、「案ずるより産むが易し」ということわざがあります。

このことわざは、「なにか物事を始める前にはいろいろな不安を感じるが、いざやり始めてみると案外たやすく済んでしまうので、物事は事前にあれこれ思い悩むよりも、始めていることが大切」という意味です。

 

予期不安を感じながら動き始めることが大切

前述の通り、予期不安とは、あくまで予想によって生まれる空想の不安です。

なので、予期不安とは、「予期不安で空想しているほどの大変な状況にはならない」ということを示唆していると言えます。

 

例えば、「交通事故を起こしてしまうのではないか?」という予期不安を感じている人は、「交通事故を起こしてしまうのではないか?」という予期不安を感じていることによって、「交通事故を起こさないようにしなきゃ!」とより安全運転となり、結果、交通事故を起こさないものです。

 

このように、予期不安の目的とは、少しオーバーな警戒を促すことによって、身の安全を確実に確保しようとすることが目的です。

なので、ほとんどの場合、予期しているような大変な状況にはならないものです。

よって、予期不安を解消するには、「予期不安を感じるからやめておこう…」とするより、「予期不安を感じながら慎重に動き始めてみよう…」という気持ちが大切となります。

 

予期不安の解消とお薬

抗うつ剤のイラスト

さて、私は長年うつを患い、予期不安に悩まされていました。

夜は、いろいろなことを不安に感じて眠れませんでしたし、休みの日もいろいろなことを不安に感じて休めませんでした。

目の前の状況とは関係のない、過去のことや未来のことに、「あのとき、もっと○○しておけばよかった!」「これから、○○になってしまったらどうしよう?」と予期不安ばかりを感じ、予期不安を解消できずに悩んでいました。

そして、予期不安を解消するために心療内科でお薬を処方していただきました。

 

お薬を飲んだことで、予期不安から目を背けてしまった

私の場合、処方されたお薬を飲むことによって不安が和らぎ、それなりの効果を感じることができました。

そして、お薬を飲めばすぐに不安が和らぐので、だんだんと、お薬を飲むことが解決策だと思い込み、「予期不安を解消できた、お薬を飲んでいれば大丈夫だ」と、それ以来、自分の内面に関心を向けなくなってしまいました。

 

お薬は、あくまで痛み止めであって根本解決ではない

でも、お薬の効果とは、ある意味、痛み止めのようなものなのかもしれません。

お薬を飲むだけでは一時的にごまかせても、予期不安を根本的に解消できていたわけではありませんでした。

そして、しばらくすると、お薬を飲んでも予期不安が収まらなくなり、「お薬を飲んでいるのに不安が和らがなくなってしまった…どうしよう?どうしよう?」と、さらなる予期不安を感じるようになっていきました。

 

お薬を飲んでも、飲まなくても、予期不安は続きました

お薬で予期不安を解消できなかったことで、「このままずっと不安が続いたらどうしよう?」という予期不安が広がり、さらに、「お薬を一生やめられず、お薬に依存してしまったらどうしよう?」という予期不安も広がり、結局、お薬を飲まなくなってしまいました。

だからといって、お薬を飲まなくなったことで予期不安を解消できたわけもなく、結局、お薬を飲んでも、お薬を飲まなくても、「どうしよう?どうしよう?」と予期不安ばかりを感じていました。

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予期不安を解消するには、予期不安を感じながら○○する

うつ病の目的について考えているイメージ

私は、お薬によって予期不安をごまかせてしまったことで、結局、「予期不安そのもの」という根本原因から目を背けてしまいました。

やはり、予期不安を解消するためには、「予期不安の発信源」から目を背けず向き合う必要があることにあらためて気づきました。

そして、「予期不安の発信源」とは、「うつ病」にあります。

なので、予期不安を解消するためには、「うつ病をよく知り、うつ病そのものへの不安を和らげる必要がある」と私は感じました。

 

怯えながらも動き始める流れが大切

例えば、無言電話に怯え不安を感じるのも予期不安ですし、UFOやUMAなど、得体のしれぬものに怯え不安を感じるのも予期不安です。

これは、「よくわからないものにたいして必要以上に怯え不安を感じてしまうという人の心の特徴」が影響しています。

なので、予期不安を解消するためには、「百聞は一見に如かず」のことわざ通り、予期不安を感じ、怯えたままじっと動かずに過ごすのではなく、予期不安を感じ、怯えながらも動き始めてみるという流れがとても大切になります。

 

「勇気というアクセル」と「予期不安というブレーキ」の両方が大切

例えば、自動車にアクセルとブレーキがあるように、人の心にも「勇気というアクセル」と「予期不安というブレーキ」があります。

自動車を運転するとき、アクセルだけ踏んで運転しては危険ですし、ブレーキだけ踏んでいても動きません。

アクセルもブレーキも両方とも必要とすることで自動車を安全に運転することができます。

それと同じように、人の心も、「勇気というアクセル」と「予期不安というブレーキ」の両方を感じながら過ごすことで安全に生活することができます。

 

予期不安を感じながら過ごすことで、予期不安を解消しました

なので、うつ病と向かう生活を送っていた私は、朝、布団にもぐって「ソワソワ」と予期不安を感じながらも、「ヨイショ!」ととりあえず動き始めてしまったり、「エイヤッ!」ととりあえず出かけてしまったり、予期不安と勇気の両方を感じながら、うつ病と向き合う生活を送っていました。

そして、「予期不安の発信源」である「うつ病」から目を背けず、予期不安と勇気の両方を感じながら生活をすることでうつ病から逃げていた自己嫌悪感が和らぎ、うつ病に対する慣れと余裕が生まれ、知らず知らずのうちに、自信や安心が心にじわじわと広がっていき、いつの間にか、予期不安を解消していました。

 

予期不安の解消とは、予期不安を受け入れることで安心を増やすこと

心理学に「自分を受け入れる」という言葉がありますが、「自分を受け入れる」とは、自分から目を背けることではなく、自分の感情や自分の存在を感じながら過ごすことなのだと、私は深く理解をしました。

そして、予期不安の解消とは、予期不安を消し去ることではなく、予期不安を感じながら、予期不安を受け入れながら過ごすことで、心に自信と安心を増やしていくことなのだということを、私は体感で確かめることができました。

 

このように、当社メンタル心理そらくもの対面カウンセリングは、例え不安であっても否定することなく、ひとつひとつ大切に受け入れることで、心に自信と安心を増やしていくお手伝いをしております。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「予期不安を解消するには?予期不安の意味とは?」という記事でした。

この記事を書いた人

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心理カウンセラー寺井啓二の写真とメッセージ

はじめまして「メンタル心理そらくも 代表:寺井啓二」です。うつ、アダルトチルドレンを克服した経験を持つ心理カウンセラーです。自らの克服経験を世の中に役立てたいと考えています。

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2023年6月4日うつ病うつ症状,生きづらさ

Posted by 寺井 啓二