うつ病の身体症状
POINTだるい&疲れやすいという症状は、うつ病の身体症状かもしれません。
心理カウンセラーの寺井です。
うつ病の身体症状は、風邪や偏頭痛などの症状とよく似ており、自分1人だと、見分けがつきにくい症状です。
なので、いくら症状を訴えても、血液検査やレントゲンなど、見える証拠を掴みずらいため、周囲になかなかわかってもらえない場合があります。
この記事は、「うつ病アドバイザー」の資格を持つ、心理カウンセラー寺井が、うつ病の身体症状について解説しています。
うつ病による症状の特徴
うつ病の症状は、精神症状と身体症状の二つに分けられます。
精神症状の特徴
うつ病による精神症状は、以下の三つの症状が特徴です。
POINT
- 億劫感
- 憂うつ感
- 不安・焦燥感
一般的には、「面倒くさい、やる気がでない、気分が落ち込む、落ち着かない…」などの症状で現れます。
「うつ病の三大症状」と呼ばれます。
身体症状の特徴
うつ病による身体症状は、以下の四つの症状が特徴です。
POINT
- 全身倦怠感
- 睡眠障害
- 頭痛
- 胃の不快感
一般的には、「だるい動けない、眠れない、集中できない、食欲がない…」などの症状で現れます。
うつ病の身体症状の解説
うつ病による症状は、主に、億劫感や憂うつ感といった精神症状がクローズアップされますが、身体症状も現れます。
精神症状に比べて、身体症状はあまり知られておらず、本当はうつ病による症状なのに、なかなか気づけない場合があります。
以下に、うつ病によって現れる身体症状を詳しく解説します。
だるい&疲れやすい(全身倦怠感)
うつ病による身体症状の中で、最も多く訴えられるのが、全身倦怠感と言われる症状です。
一般的には、疲れやすい、だるい、動けない、と言う症状を指します。
全身倦怠感という症状は、風邪でも訴えられる症状なので、うつ病による倦怠感と風邪による倦怠感とは区別がつきにくいのが特徴です。
うつ症状の場合、特に体を動かしていなくても、全身がだるく動けないと感じ、疲れやすいと感じます。
また、いくら静かに休息しても回復せず、朝から午前中がひどく、午後から夕方に軽くなる、日内変動を伴う場合があります。
眠れない&朝が辛い(睡眠障害)
うつ病の身体症状の中で、全身倦怠感の次に訴えが多いのが、睡眠障害と言われる症状です。
うつによる睡眠障害は、夜眠れないこともありますし、眠れてもすぐに目が覚めてしまったり、不眠の症状が多いです。
また、目覚めたときにも、なんとも表現のできない心の重さ=嫌な憂うつ感を感じます。
眠っても眠り足りないと感じ、昼間もすっきりしないことが多く、集中力を欠き、精神症状のさらなる悪化に繋がってしまいます。
特に、夜中から明け方に目が覚めてしまう早朝覚醒と言われる症状が特徴的です。
頭が痛い&頭が重い(頭痛)
うつ病による身体症状の中で、もっとも誤解が多い症状が頭痛です。
うつ症状による頭痛は、おもに自律神経のバランスの崩れによる症状なのですが、頭(脳)の病気を疑って、頭部の検査をするほど、頭痛という症状は、認識に誤解が多い症状です。
じつは、私=寺井啓二もうつ患者のとき、焦りのあまり、頭のCTスキャンと取りに行った覚えがあります。
偏頭痛や睡眠不足による頭痛、疲労や風邪が原因の頭痛は、一時的な症状なので、自然回復しますが、うつ症状による頭痛は、一時的な症状と異なり、朝から一日中を通りしてずっと続きます。
頭が痛い=頭痛という表現より、頭が重い=頭重感という症状を訴える場合があり、頭に帯が巻かれたような症状を感じる場合があります。
また、頭部の不快感が長く続くため、肩こりや首こり、めまいや吐き気といった症状を訴える人もいます。
食欲がない&胃が痛い(胃の不快感)
うつ病の身体症状として、次によく耳にするのが、食欲がない、体重減少です。
ですが、根本的には、胃の不快感によって食欲が減退し、体重が減少しているというのが正確な症状です。
胃は内臓のなかで、ストレスの影響をもっとも大きく受ける臓器ですので、胃が痛い、胃が重いという症状を感じ、結果、食欲の減退に繋がります。
食事をしても味覚が鈍くなり、何を食べても美味しくない、味そのものを感じない、などの症状があり、食べること自体を義務に感じ、酷くなると食べることを苦痛に感じ、拒食という症状に繋がってしまう場合があります。
うつ病の身体症状としての胃の不快感は、例えレントゲンや胃カメラで検査をしても、大きな異常が見られるものではなく、せいぜい軽い胃炎が見つかる程度のものです。
このように、本来、実態や正体はそれほどのことではないのに、感覚的にオーバーに感じすぎてしまう部分が、うつ症状の特徴です。
精神症状でも、ちょっとしたことでイライラしすぎたり、少しの失敗で落ち込みすぎたり、些細なことで不安を感じすぎたり、と、身体症状と同じように、大きく感じすぎてまう同じ特徴があり、精神症状でも身体症状でも、敏感に大きく感じすぎてしまうという部分が、うつ症状の最大の特徴です。
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だるくて動けないのは心のエネルギー不足
ときどき、「だるさを解消するにはどうしたらいいですか?」という質問を頂きます。
そんなとき、私は、「だるい時こそ、静かに過ごして心のエネルギーを充電することで、だるさを解消できるでしょう。」と、真摯にお応えします。
ややこしい応えですが、だるさとは、心のエネルギー不足のサインですので、だるさを解消するには、心のエネルギーを充電する必要があります。
心のエネルギーのことを、セロトニンと呼び、うつ病とは、セロトニン不足の状態です。
なので、セロトニン不足=心のエネルギー不足によって引き起こる症状=うつ症状は、セロトニンを増やす=心のエネルギー充電することで解消できます。
自動車もガソリンが無ければ走れないように、人の心も心のエネルギー不足ではだるくて動けないほうが当然なのかもしれません。
うつでだるい動けないと感じるのは、心がガス欠状態のサインですので、むしろ、無理をせず心の充電を促す、自分の生命を守ろうとしている症状なのです。
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うつ症状は嫌ですが敵ではありません
私=寺井啓二は、以前、うつを患い「うつを克服した心理カウンセラー」です。
うつ病の症状は、どれも苦しく嫌な症状ですが、けっして敵ではありません。
うつ症状を乱暴に消し去ろうとすると、かえって燃え上がるでしょう。
以下は、そんな私のうつ克服経験も活かした、「うつ病の初期症状の詳しい説明」と「うつ症状チェックリスト」です。
あなたお1人で難しいと感じるなら、いつの日か、うつ症状の根本終息のお手伝いをさせて頂けると嬉しいです。
以上、「うつ病の身体症状説」という記事でした。