あなたは何も悪くない…
POINTあなたが辛くて苦しいのは、あなたが悪いからではなく、あなたが傷ついているからかもしれません。
心理カウンセラーの寺井です。
カウンセリングを行っていると、クライアントさまから「自分がすべて悪いんです!」という言葉を耳にします。
ですが、私はとても疑問に思っていることがあります。
それは、「自分が良い人間なのか?悪い人間なのか?は、そもそも、一体、どのような判断基準で判定するのか?」ということです。
もし、正確に判断しようとするならば、「自分のことを良い人間と思うか?悪い人間と思うか?」を、地球上に住まうすべての人に問うて多数決を取らなければ、信ぴょう性のある判断ができません。
しかし、地球上に住まうすべての人に問うて回ること自体がとてつもなく困難な作業ですし、もし、地球上に住まうすべての人に問うて回ることができたとしても、すべての人が「お前が悪い!」と回答してくれるとは限りません。
もしそうだとしましたら、「自分がすべて悪い!」という価値観は、その価値観を持ち合わせている人の「単なる思い込み」にすぎないのかもしれません。
この記事は、「自分が悪い!」と感じている方たちに届けたい、「あなたはなにも悪くない…」というメッセージです。
あなたは何も悪くない…誰も何も悪くない…
あなたは自分自身に「違和感」を感じて戸惑っている…
もし、あなたの心に「自分が悪い…」という気持ちがあるのなら…
「あなたは何も悪くありません…誰も何も悪くありません…」
ただ、あなたのほんの一部分が、あなたにとって「違和感」があるだけかもしれません。
そのほんの一部分の違和感が、あなたはとても大きく感じられてしまい、あなたはとても戸惑ってしまっているだけかもしれません。
生まれた瞬間から「自分が悪い…」と感じていたわけではない…
あなたは「オギャー!」と生まれた瞬間から、「自分が悪い…」と感じていたのでしょうか?
おそらく、そうではないと思います。
すくなくとも生まれた瞬間、あなたは「自分が悪い…」とは感じていなかった…
でも、今は「自分が悪い…」とあなたは感じている…
では、いつから、あなたは「自分が悪い…」と感じ始めたのでしょうか?
なぜ、あなたは「自分が悪い…」と感じ始めたのでしょうか?
あなたが何か悪いことをしてしまったから?
あなたが何も良いことをしてこなかったから?
私は違うと思います。
もし、あなたが何か悪いことをしてしまったとしても、あなたは「悪い人」ではないと思います。
もし、あなたが何も良いことをしてこなかったとしても、あなたは「価値がない人」ではないと思います。
「自分が悪い…」と思わされたか?思い込んだか?
では、どうして?
今、あなたは「自分が悪い…」と感じてしまうのでしょう?
それは、
あなたの意思で何かをどうにかできる以前に…
あなたの気持ちで何かをどうにかしようとする以前に…
あなたは「自分が悪い…」と、誰かに思わされてしまったのかもしれません。
あるいは「自分が悪い…」と、自分でそう思い込むしかなかったのかもしれません。
例えば、
ゆっくりなところ…慎重なところ…怖がりなところ…真面目なところ…
話し方…成績…性別…考え方…優しさ…体格…存在自体…
不得意なこと…体格…声…評判…容姿…体格…闘争心…などなど
本当はそのままのほうが素晴らしかったのに、
もしかしたら、「○○しなさい!」「○○しちゃダメ!」と、親に焦らされたり我慢させられたことで、あなたは「ありのままの自分ではダメだ!」と思わされてしまったのかもしれません。
もしかしたら、「あなたがいけない!」「あなたが悪い!」と、親に否定されたことで、明確な根拠がないまま、「自分がすべて悪いんだ…」と思い込むしかなかったかもしれません。
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あなたが悪いのではなく、あなたは傷ついている…
辛くて苦しい原因は、自分が弱いからではない
もしそうだとしたら、親に見放されないために、「ありのままの自分」を抑えたり捻じ曲げてくるしかなかったわけなので、あなたはとても苦しく辛かったのではないかな?と私は思います。
もしそうだとしたら、周りに嫌われないために、「苦しくて辛い自分」を「苦しいのは自分が弱いからだ…」「辛いのは自分が悪いからだ…」と否定してくるしかなかったわけなので、あなたは「自分がすべて悪いんだ!」と思い込むしかなかったのではないかな?と私は思います。
でも、もしかしたら、あなたは、大事な「あなたらしさという個性」を無視され、代わりに「世間体」という親の願望を押し付けられてしまっただけなのかもしれません。
あなたも悪くない…親も悪くない…
もしそうだとしたら、
あなたが辛くて苦しいのはあなたが弱いからではありません。
あなたが辛くて苦しいのは、「ありのままの自分」を無視され否定され、あなたの心が傷ついているからだと私は思います。
だからといって、親もあなたを傷つけようとしたわけではなくて、「あなたのためを思って…」のことだと思います。
だとしたら、あなたが心に傷を負ったのは、あなたの責任ではありませんし、親の責任でもありません。
だから、あなたはなにも悪くない…誰も何も悪くない…
あなたの辛さ苦しさは、あなた自身で癒すことができる…
このように、あなたの辛さ苦しさの原因は、あなたの「心の傷の痛み」であって、あなたが悪いからではありません。
あなたが辛くて苦しいのは、あなたが悪いからではなく、「ある日あるときから、あなたが傷ついたままだから…」だと私は思います。
なので、ある日あるときから傷ついたままのあなたの心の傷を、今から癒すことで、あなたの「心の傷の痛み」が和らぎ、あなたの辛さ苦しさも和らぎます。
もし、あなたが「自分の心の傷を自分で癒すことで、自分の辛さ苦しさを自分で和らげたい…」と感じてくださっていましたら、その大切な作業のお手伝いをさせて頂けると私はとても嬉しいです。
「自分が悪い!」と感じる心理の原因と改善方法
さて、ここまで、「自分が悪い!」と感じる原因についてポエム形式で説明してきました。
また、心理学に沿ってあらためて考えると「自分が悪い!」と感じる原因は、以下のに2点が考えられます。
POINT
- 「禁止令とドライバー」の影響
- 「アダルトチルドレン」の影響
それでは、以下に詳しく説明していきます。
「禁止令とドライバー」の影響
「禁止令とドライバー」とは、ある出来事に遭遇したとき、「自分は絶対に○○してはいけない!」と自分の感情を抑圧してしまったり、「自分はもっと○○しなければいけない!」と自分を焦らせてしまったり、人間関係において、自分の存在を否定的に捉えがちな価値観です。
禁止令とは心理学者エリックバーン博士によって開発された自己分析法で、文字通り「〇〇してはいけない」という「禁止」の「命令」のことです。…(中略)…幼いころに親などの養育者から否定的・禁止的な命令や態度を繰り返し受けることで、自らの思考や行動の制限を課してしまうものです。
拮抗禁止令とは、幼少期に親の役割をもつ人から与えられた「〇〇しなさい」「〇〇したほうがよい」「〇〇であるべき」という、いわゆる「〇〇しろ」というメッセージを受けて、そのよう生きていこうと「決断」することで自らに課したものです。…(中略)…ドライバーというその名の通り、その人の行動を駆り立ててしまうのです。
上記のように、「禁止令」や「ドライバー」は、子供の頃、親から受け取った「~するな!」「~しちゃダメ!」「~しないほうがいい」など、何かを禁止する指示・命令や、あるいは、「~しろ!」「~しなさい!」「~したほうがいい!」など、何かを煽り立てられる指示・命令が強く影響しています。
そういった意味では、「自分が悪い!」という価値観は、「自分の自由や権利を自ら否定し禁止している価値観」と言い換えることができます。
なので、「自分が悪い!」と感じる原因には、子供の頃、親から受け取った「禁止令とドライバー」が大きく影響していると考えることができます。
また、「自分が悪い!」と感じる心理の原因である「禁止令とドライバー」については、以下の記事でさらに詳しく説明していますので、必要な方は参考にしてください。
「自分が悪い!」と感じる心理は、アダルトチルドレンの特徴
また、子供の頃、親子関係で心が傷ついたことが原因で、「自分の存在を否定的に感じやすい人」を、心理学では「アダルトチルドレン」と言います。
アダルトチルドレン(AC)とは、自分は子ども時代に親との関係で何らかのトラウマ(心的外傷)を負ったと考えている成人のことをいいます。自己認識の概念であり、医学的な診断名ではありません。
そういった意味では、「自分が悪い!」という価値観は、「自分の存在を否定的に捉えている価値観」と言い換えることができます。
なので、「『自分が悪い!』と感じやすい人は、アダルトチルドレンである」と言い換えることができます。
「アダルトチルドレンとは何か?」については、以下の記事で詳しく説明していますので、必要な方は参考にしてください。
また、「自分はアダルトチルドレンなのか?」をチェックできる「アダルトチルドレン(ac)チェックリスト」もあわせて紹介します。
「自分が悪い!」と感じる心理は、アダルトチルドレンを克服することで改善できる
このように、「自分が悪い!」と感じやすい人とは、子供の頃、親との関係において親に怒られたり、親に自分の気持ちを否定されたことで心が傷ついた経験があり、そのときの経験が影響して、「自分が悪い!」と感じやすくなってしまった人、すなわち、「アダルトチルドレン」であることがわかってきました。
ちなみに、アダルトチルドレンについては研究が進み、現在では心理カウンセリングを始め、さまざまな克服方法が確立されています。
ということは、反対に言えば、「アダルトチルドレンの克服方法に沿って、アダルトチルドレンを克服することで、『自分が悪い!』と感じる心理を改善できる」と言い換えることができます。
また、「アダルトチルドレンの克服方法に沿った心理カウンセリング」については、以下の記事で詳しく説明していますので、是非、参考にしてください。
以上、「あなたは何も悪くない…」という記事でした。