自己否定の原因はいつか誰かに言われた言葉
POINT自己否定の原因は、親の厳しい養育やいじめ等、いつか誰かに言われた理不尽な命令や否定的な言葉にあります。
心理カウンセラーの寺井です。
この記事をお読みくださっている皆様のなかにも、「自己否定」に苦しみ悩んでおられる方も多いかと思います。
メンタル心理そらくものカウンセリングにも、「自己否定が止まらない…」と悩んで盛られる方が沢山の方が訪れてくださいます。
そして、皆さん、概ね、一回のセッションで自己否定が和らぎ始めます。
それは、自己否定という心理は、自己否定の原因がわかることで落ちついていくという特徴があるからです。
この記事は、「自己否定の原因」「自己否定の意味」について説明しています。
自己否定の原因は自分じゃない…
「自己否定なんてやめろ!」
自己否定に苦しんでおられる方は、こんなことを言われるとのが一番きついんじゃないでしょうか?
自己否定をしようと思ってしていない…
まず、大前提として、自己否定とは、自分がそうしようと思ってしているわけではありません。
自分の意思でしているものではないので、止めようと思っても止められません。
このように、自己否定とは、自分がそうしようと思ってしているわけではなく、無意識に始まってしまう心理です。
なので、自分でもどうにも止められようがないのです。
自己否定は、無理の止めようとするとかえって活発になる…
自己否定を無理に止めようとすることは、焚火の炎をうちわで扇いで消そうとするようなものです。
なので、自己否定を止めようとすればするほど、自己否定している自分をさらに否定することになってしまい、自己否定はさらに活発になってしまいます。
このように、自己否定の原因とは、自らの意思による能動的なものでなく、何らかに無意識に反応している受動的なものです。
なので、自己否定は、「何に反応して始まってしまうのか?」がわかってくると、自己否定は落ちついていきます。
いつか誰かに言われた言葉が続いている…
もうひとつ付け加えると、自己否定は止められないのではなく、「自己否定しなければならばい!」という、誰かの教えを真摯に守り続けているだけの場合があります。
まるで、自分のダメなところをあら探しするように、自分を責めたり煽り立てたりするかのような心理が、自己否定感です。
「もっと強くなきゃいけない!」
「いつも笑顔でいなきゃいけない!」
「もっとしっかりしなきゃいけない!」
「みんなに迷惑を掛けちゃいけない!」
「人に甘えちゃいけない!」
「とにかく、もっと頑張んなきゃ!」
「とにかく、もっと我慢しなきゃ!」
自己否定の原因は、いつかどこかで、誰かにこのように教えられてしまった経験があり、今も心に続いたままになっているのかもしれません。
このように、自己否定の原因は、いつか誰かに言われた言葉である場合が多いです。
ちなみに、私=心理カウンセラー寺井自身も、うつ病を患ったことで、強い自己否定感に苦しんだ経験があります。
以下に、私=心理カウンセラー寺井が「自らの自己否定感と向き合い克服した分析レポート」を紹介しますので、興味のある方は参考にしてください。
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自己否定は自己肯定を邪魔するノイズ
では、自己否定を落ちつかせるためにはどうすればいいのでしょう?
基本的な方針としては、自己否定感を和らげつつ、徐々に、自己肯定感へとすり替えていくことになります。
ただ、今はよくわからないほうが自然です。
今は、自己否定感であっても自己肯定感であっても、「頭でわかっただけでは、人間の気持ちは簡単には変えられない…」ということだけ認識して頂ければ十分です。
自己否定は自己肯定を邪魔している…
では、頑張って例え話で説明してみます。
あなたの心に音楽プレーヤがあったとしましょう。
音楽プレーヤから聞こえてくるのは、あなたに幸せな気分を感じさせてくれる「自己肯定感」です。
自己肯定感とは、充実感、自信、満足感、感謝、うれしさ、優しさ、安心感など、心地良い気持ちのことを指します。
あなたが、日常生活で何かをしたり聞いたり見たりするたびに、その音楽プレーヤーから心地よい自己肯定感が鳴り響きます。
あなたは、しばらくは穏やかに心地よく過ごせていたのですが、状況が変化すると、ときどき、心にザワザワとしたノイズが聞こえてきます。
このように、自己否定感とは、まるで「自己肯定感」を邪魔するノイズのように感じます。
また、人間が何かをしたり、何かを聞いたり、何かを見たりしたとき、状況の変化に伴って、気持ちもいろいろと変化する心の働きを「心理」と言います。
「心理とは何か?」については、以下の記事で詳しく説明していますので、興味のある方は参考にしてください。
禁止令とドライバー
そして、ザワザワとしたノイズに耳を傾けていると、いつかどこかで誰かに言われたようなことがあるような気がして、「そうだ!言われた通りにしなきゃ!」と、焦りや不安を感じ始めます。
「強くならなきゃいけない!」
「笑顔でいなきゃいけない!」
「しっかりしなきゃいけない!」
「迷惑を掛けちゃいけない!」
「甘えちゃいけない!」
「もっと頑張んなきゃ!」
「もっと我慢しなきゃ!」
このように、穏やかで心地よかった自己肯定感をかき消されるように、自己否定感というノイズが心に鳴り響きます。
そして、「気を抜いてはいけない!」「休んではいけない!」と、ゆっくり過ごすこと、穏やかに過ごすことを、まるで禁止するかのような自己否定が心にザワザワと巡ります。
このように、自分がしていること、自分が感じていることを、まるで禁止するかのような強力な自己否定感のことを、「交流分析」という心理学では、「禁止令とドライバー」と言います。
また、「禁止令とドライバーとは何か?」については、以下の記事で詳しく説明していますので、興味のある方は参考にしてください。
あなたを否定したのは誰?
このように、自己否定の原因とは、自分の過去の体験に由来することがわかってきました。
さて、自己否定の原因=心に巡るノイズの音源は誰なのでしょう?
いつ、誰に言われた言葉が、あなたの心のノイズ=自己否定になっているのか?が、とても大切なカギとなっていきます。
もしかしたら、
厳しい無愛想なお父さんに言われた言葉かもしれません。
過保護で過干渉なお母さんに言われた言葉かもしれません。
イジメてきた友達に言われた言葉かもしれません。
学校の先生?クラスメイト?親友?
彼氏さん?彼女さん?兄弟?姉妹?
おじいちゃん?おばあちゃん?
きっと、あなたもわからないうちに、あなたの心にインプットされてしまったのだと思います。
人によっては、いつか誰かに言われた否定的な言葉の影響で、人が怖いと感じている方がいらっしゃるかもしれません。
あるいは、自己否定の影響で、心のエネルギーを消耗し枯渇してしまい、無気力な状態になっている方もいらっしゃるかもしれません。
もしかしたら、あなたはなにも悪くなかったのに、一方的に否定されてしまっただけなのかもしれません。
いずれにしても、いつの間にか、誰かに自己否定感を押しつけられてしまっていたわけですから、自己否定の原因がわからない以上、どうにも止めようがないのは自然なことなのです。
このように、ある時、誰かに言われた言葉によって、今も未解決のまま心に残り続けている気持ちを、「ゲシュタルト療法」という心理学では「未完の感情」と言います。
また、「未完の感情とは何か?」については、以下の記事で詳しく説明していますので、興味のある方は参考にしてください。
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。
関連情報まとめページ
以上、「自己否定の原因はいつか誰かに言われた言葉」という記事でした。