アダルトチドレンは、孤独と寂しさを隠している…
孤独感と寂しさを隠すのは、アダルトチルドレンの特徴です。
アダルトチルドレン(AC)は、孤独感や寂しさをひた隠しにすることで、家族や親の負担を減らそうとします。
なので、孤独感や寂しさを隠してしまう強がりの心理は、家族や親を想う優しさがルーツです。
ですが、大人になっても続いてしまうと、素直になれず、恋愛や結婚に問題を生じかねません。
この記事は、孤独感や寂しさを隠してしまうアダルトチルドレンの心理についての説明です。
アダルトチルドレンは、孤独感と寂しさを隠している…
アダルトチルドレン(AC)とは、子ども時代、機能不全家族に育ったことにより、家族関係で孤独感や寂しさや不安を感じたものの、家族に打ち明けることができないまま大人になり、子ども時代に抱えた孤独感や寂しさの影響を大人になっても感じ続けている人です。
アダルトチルドレンは、子ども時代からの孤独感や寂しさをたくさん抱えたまま大人になっていることで、恋愛関係や夫婦関係、また人間関係においても問題を起こしやすくなってしまいます。
(関連:アダルトチルドレンの恋愛傾向)
また、アダルトチルドレンには、アダルトチルドレンタイプと呼ばれる個性があり、その中でも、ピエロタイプ(おどけ役)は、圧倒的な孤独感と寂しさを、ニコニコとした笑顔でひた隠し、いい子を演じて耐え続けています。
同じように、ロストワン(いない子)は、自分の存在感を徹底的に薄めることで、心に抱える孤独感と寂しさをひた隠しにしています。
このように、アダルトチルドレンは、子どもが抱える孤独感と寂しさは、親にとっては負担になるいけないものだと感じます。
だからこそ、「親や家族に迷惑を掛けてはいけない!」と感じ、孤独感と寂しさをひた隠しにすることで親の負担を軽くしようとします。
(関連:アダルトチルドレンが生まれる理由)
孤独感と寂しさを隠してしまう…クライアントAさん
ある日、30代女性のクライアントAさんがカウンセリングに来訪してくださいました。
Aさんは、いわゆるバリバリのキャリアウーマンで、「自分が結婚できない理由を知りたい!」という相談目的でカウンセリングを利用してくださいました。
Aさんとカウンセリングを進めていくと、孤独感や寂しさと言った感情に触れようとすると、Aさんが、ついつい話題を反らしてしまうことに気づきました。
Aさんは、孤独感や寂しさを認めることが、恥ずかしさくもあり怖くもあるようでした。
私は、Aさんの心に、アダルトチルドレンの特徴=「隠れた孤独感と寂しさ」の存在を感じました。
(関連:機能不全家族で育った大人・アダルトチルドレンの特徴)
アダルトチルドレンは、孤独感と寂しさに気づいてもらいたい…
Aさんとのカウンセリングをさらに進めていくと、Aさんが内心に感じている訴えみたいなものが感じられてきました。
このように、クライアントさまが感じている感情を、クライアントさまに代わって心理カウンセラーが代弁していく作業を、チャネリングと言います。
Aさんの内心の訴えは、次のように感じることができました。
「周りの男たちは私がいつも気丈で平気だと思っている…」
「本当は、私は孤独で寂しいのだけれど、全然気づいてくれない…」
「だからといって、孤独で寂しいことを認めるのが怖い…」
「だからずっと強がって待っている…はやく気づいてほしい…」
このように、外面は強がっているAさんの内面に、孤独感や寂しさを隠し続けているアダルトチルドレンの特徴を感じました。
(関連:インナーチャイルドの見つけ方)
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孤独感や寂しさを訴える小さな自分=インナーチャイルドの訴え
カウンセリングを続けて、Aさんからいろいろなお話を伺っていくと、孤独感や寂しさを認めるのが怖いという心理のルーツは、子ども時代のお父さまとの関係にあることがわかってきました。
外面は強がっているAさんの内面に、口をヘの字にグッと結んで、気丈に堪えている小さな女の子のイメージ=Aさんのインナーチャイルドのイメージを感じました。
Aさんは、子どもの頃、孤独感や寂しさを言葉にしたり、泣いて表現するたびに、「泣くなんて恥ずかしい!やめなさい!」と、ご両親に怒られ続けた時期があったそうです。
この時期に、「孤独感や寂しさを見せると怒られる!恥ずかしい!嫌われる!」という極端な価値観がインプットされ、大人になっても強力に影響していたようです。
Aさん自身も、自分が、子ども時代の孤独や寂しさを隠したままのアダルトチルドレンだと自覚してくださいました。
(関連:インナーチャイルドとの対話方法)
このように、子ども時代の育ての親の養育やしつけの影響を、心理学では、禁止令とドライバーと言い、子ども時代の極端な価値観をしがちな思考のことを、白黒思考と言います。
そして、孤独感や寂しさが表現しづらくなったルーツについてカウンセリングを進めることで、「結婚できない理由は、本当は孤独や寂しいのに素直に甘えられないからなんだ…」と、Aさん自身が深く納得を感じていきました。
孤独感と寂しさを素直に表現し、アダルトチルドレンを終わりにする…
Aさんは、自分がずっと昔から、ご両親の教えを健気に守り続けている=「孤独感と寂しさは恥ずかしいものだ!」と思い込んだまま、孤独感と寂しさを今も我慢し続けて苦しくなっている自分に気づき、涙しながら、自分の生きづらさの原因を知ることができました。
そして、長年、心に隠し続けてきてくれた孤独感と寂しさを、インナーチャイルドセラピーを用いて、たくさんの言葉とたくさんの涙で表現し、発散し、心を癒していきました。
そうすることで、ゆっくりと安全に、孤独感と寂しさを隠してしまう心理=アダルトチルドレンを終りにしていきました。
「幼いときは、確かに、孤独と寂しさを我慢する必要があったね…」
「でも大人になった今は、孤独と寂しさを我慢しなくても安全かもね…」
「だからこれからは、孤独や寂しさを感じたとき、素直に寂しい!と教えてあげてもOKかもね…」
このように、Aさんは、自分の胸のうちに、ようやくほっと笑顔になった小さな女の子のイメージ=Aさんのインナーチャイルドのイメージを感じながら、長年の孤独感や寂しさといったネガティブ感情を癒していきました。
子どもは、親を優しく思いやるからこそ、孤独感や寂しさを我慢し迷惑を掛けないようにし始めます。
だからこそ、大人になった今は、親を優しく想い強がってきてくれた小さな自分=自分のインナーチャイルドを労わることで、孤独感や寂しさも素直に表現することが叶い、アダルトチルドレンが終わり、自由で心地よい人間関係がさらにより一層に広がっていくでしょう。
ただ、インナーチャイルドを癒す作業は自分1人では難しい作業でもあります。
なので、今まで、インナーチャイルドをうまく癒せなかった!という経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
もしそうだとしましたら、インナーチャイルドが癒せない原因は、防衛機制など、警戒心の働きによるものです。
そして、このように、インナーチャイルドが癒せない原因も、インナーチャイルドの癒し方も熟知したうえでお手伝いをするのが、インナーチャイルドセラピストである、私=寺井啓二の役割りです。