機能不全家族の特徴:親子関係からわかる「7つ」の特徴

機能不全家族の親子関係を象徴するイメージ

POINT

機能不全家族とは、必ずしも暴力や虐待がある家庭だけではありません。

親子関係の問題は、単に「親が悪い」「子どもが弱い」という話ではありません。

子どもは、その家庭で安心して生きるために、さまざまな「心の反応」を身につけることがあります。

心理カウンセラーの寺井です。

機能不全家族とは、家族として生活するために必要な役割や関係性がうまく機能しにくくなっている家族のことです。

その特徴は、家庭内の雰囲気だけではなく、親と子どもの関係性にも現れることがあります。

たとえば、

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  • 親の機嫌をいつも気にしていた
  • 親の期待に応えなければならないと感じていた
  • 自分の気持ちを親に話せなかった
  • 親の問題を自分が支えなければならないと感じていた
  • 自分で決めることを許されなかった

このような親子関係が長く続いていた場合、子どもはその環境の中で生きていくために、さまざまな「心の反応」を身につけることがあります。

そして、その反応が繰り返されることで、やがて「心の習慣」となり、大人になってからの生きづらさにつながる場合があります。

この記事では、機能不全家族の特徴を「親子関係」という視点から整理し、代表的な7つの特徴について解説します。

機能不全家族とは?親子関係にも特徴が現れます

機能不全家族というと、「家庭の雰囲気が悪い」「親に問題がある」といったイメージを持つことがあります。

しかし、機能不全家族を考えるときには、家庭の中で親と子どもがどのような関係を築いているのかを見ることも大切です。

 

機能不全家族では「親子の関係性」が偏ることがあります

健全な親子関係では、親が子どもを守りながら、子どもの成長に合わせて少しずつ自立を支えていきます。

一方で、機能不全家族では、親と子どもの役割や力関係、心理的な距離などが偏っていることがあります。

機能不全家族の意味合いや特徴、原因、克服方法について全体像を知りたい方は、「機能不全家族に関するまとめ記事」も参考にしてください。

そのため、子どもが本来担わなくてもよい役割を担ったり、自分の気持ちよりも親の気持ちを優先したりすることがあります。

こうした関係性が長期間続くと、子どもは「この家で安心して過ごすには、どうすればいいのだろう」と考えながら、自分なりの適応をしていきます。

 

親子関係の特徴が、子どもの「心の反応」につながることがあります

子どもは、自分の置かれている環境を自由に変えることができません。

そのため、安心して過ごせない状況の中では、

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  • 親を怒らせないようにしよう
  • 自分が我慢すればいい
  • 親の期待に応えよう
  • 自分の気持ちは言わないほうがいい

など、その環境に適応するための心の反応が生まれることがあります。

これは、子どもが弱かったからでも、性格に問題があったからでもありません。

その環境の中で生きていくために、子どもなりに身につけた反応だったと考えることができます。

 

機能不全家族の特徴は、家庭全体の雰囲気や生活環境から見えてくる場合もあります。

家庭環境という視点から整理した特徴については、機能不全家族の特徴:家庭環境からわかる「7つ」の特徴」も参考にしてください。

 

機能不全家族の親子関係に見られる「7つ」の特徴

機能不全家族の親子関係に見られる7つの特徴を表すイラスト

ここからは、機能不全家族の親子関係に見られる代表的な7つの特徴について解説します。

機能不全家族の親子関係には、次のような特徴が見られることがあります。

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  1. 親子の役割が逆転している
  2. 親子の境界があいまいになっている
  3. 親子の力関係が一方的になっている
  4. 子どもの意思や自律が尊重されない
  5. 子どもの感情や考えが受け止められない
  6. 親子の間で本音を安心して話せない
  7. 親の期待や価値観に合わせることが求められる

それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

① 親子の役割が逆転している

本来、親は子どもを守り、子どもの成長を支える立場です。

しかし、機能不全家族では、子どもが親の気持ちを支えたり、家庭の問題を解決しようとしたりするなど、親子の役割が逆転していることがあります。

たとえば、

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  • 「お母さんが大変だから、自分がしっかりしなければ」
  • 「お父さんを怒らせないようにしよう」
  • 「家族がうまくいくように、自分が我慢しよう」

といった状態です。

このような環境では、子どもが「子どもらしく過ごす」ことよりも、親や家族を支えることを優先するようになる場合があります。

その結果、大人になってからも「自分より相手を優先する」「自分が頑張らなければならない」と感じやすくなることがあります。

 

② 親子の境界があいまいになっている

親と子どもは、それぞれ別の人格を持つ存在です。

そのため、本来は「親の気持ち」と「子どもの気持ち」、「親の問題」と「子どもの問題」をある程度分けて考えることが大切です。

しかし、機能不全家族では、この境界があいまいになることがあります。

たとえば、親が不安や寂しさを感じたときに、その気持ちを子どもが埋めることを期待されたり、子どもが親の感情を過剰に気にしたりする場合があります。

すると子どもは、

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  • 親が悲しんでいるのは自分のせいかもしれない
  • 親が機嫌よくいられるようにしなければ

と考えるようになることがあります。

こうして、自分の気持ちよりも親の気持ちを優先することが、心の習慣になっていく場合があります。

 

③ 親子の力関係が一方的になっている

親子には年齢や経験による違いがあります。

しかし、親子関係において、親の意見だけが絶対になり、子どもが意見を言うことを許されない状態が続く場合があります。

たとえば、

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  • 親の言うことに従いなさい
  • 子どもが口を出すな
  • 親に逆らうのは許さない

といった関係です。

このような環境では、子どもは「自分の意見を言っても無駄だ」と感じたり、「反対すると嫌われる」と考えたりすることがあります。

その結果、自分の意思を表現するよりも、相手に合わせることを優先するようになる場合があります。

 

④ 子どもの意思や自律が尊重されない

子どもは成長するにつれて、自分で考え、自分で選び、自分で行動する力を身につけていきます。

しかし、機能不全家族では、子どもの成長に合わせた自律が十分に尊重されないことがあります。

たとえば、

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  • あなたには無理
  • 親が決めるから、あなたは従えばいい
  • そんなことを考えなくていい

など、子ども自身の選択が認められない場合です。

こうした状態が続くと、子どもは「自分で決めるより、親が決めたことに従ったほうが安全」と感じることがあります。

そして大人になってからも、自分で決断することに強い不安を感じたり、「自分がどうしたいのか分からない」と感じたりすることがあります。

 

⑤ 子どもの感情や考えが受け止められない

子どもは、うれしい、悲しい、怖い、寂しい、悔しいなど、さまざまな感情を経験します。

その感情を親に受け止めてもらうことで、子どもは少しずつ「自分の気持ちは大切にしていい」と学んでいきます。

しかし、機能不全家族では、子どもの感情や考えが十分に受け止められないことがあります。

たとえば、

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  • そんなことで泣くな
  • 気にしすぎ
  • あなたが悪い
  • そんなことを考える必要はない

などと否定される状態です。

すると子どもは、自分の感情を表現することを避けるようになる場合があります。

そして、

「悲しくても我慢しよう」
「怒ってはいけない」
「自分の気持ちは大したことではない」

と考えることが、心の習慣になっていくことがあります。

 

⑥ 親子の間で本音を安心して話せない

親子関係には、何でも自由に話せることだけが必要なのではありません。

「本当のことを話しても、すぐに否定されたり怒られたりしない」という安心感も重要です。

しかし、親の反応が予測できなかったり、意見を言うと強く否定されたりする環境では、子どもは本音を話すことを避けるようになる場合があります。

それは、

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  • これを言ったら怒られるかもしれない
  • 本当のことを言わないほうがいい
  • 親の機嫌を損ねないようにしよう

と考えるようになるためです。

その結果、子どもは自分の気持ちを抑えながら、親の表情や声のトーン、機嫌などを敏感に読み取るようになることがあります。

このような心の反応が長く続くと、大人になってからも「相手の顔色を気にする」「本音を言えない」といった生きづらさにつながる場合があります。

 

⑦ 親の期待や価値観に合わせることが求められる

親には親の価値観があります。

しかし、それを子どもにも同じように求め、子ども自身の考えや生き方が認められない状態になることがあります。

たとえば、

POINT

  • 普通はこうするもの
  • そんな仕事では駄目
  • 親の言う通りにしていればいい
  • あなたのためを思って言っている

など、親の価値観を基準にして子どもの選択が判断される場合です。

このような環境では、子どもは「親が望む自分」になろうとすることがあります。

そして、「自分は本当はどうしたいのか」よりも、「親から認めてもらうにはどうすればいいのか」を優先するようになる場合があります。

大人になってからも、自分の希望より周囲の期待を優先してしまう場合には、子どもの頃から身につけてきた心の習慣が関係していることがあります。

 

機能不全家族の特徴は、親子関係だけでなく、夫婦関係にも現れることがあります。

夫婦の関係性から見た機能不全家族の特徴については、以下の記事も参考にしてください。

関連記事

  • 機能不全家族の特徴:夫婦関係からわかる「7つ」の特徴

 

なぜ機能不全家族では、このような親子関係が生まれるのでしょうか?

家庭環境が子どもの心に与える影響を表すイラスト

ここまで紹介した7つの特徴は、必ずしも一つだけが独立して現れるわけではありません。

親子の役割が逆転すると、境界もあいまいになりやすくなります。

親の力が一方的になると、子どもの意思や感情が尊重されにくくなることもあります。

そして、本音を安心して話せない環境では、子どもが親の期待や価値観に合わせるようになることもあります。

 

子どもは「安心して生きるため」に心の反応を身につけることがあります

子どもにとって、家庭は生活の基盤です。

その家庭の中で安心して過ごすことが難しいとき、子どもは自分なりに環境へ適応しようとします。

POINT

  • 我慢する
  • 頑張る
  • 親を優先する
  • 怒らせないようにする
  • 期待に応える

といった反応も、その一つです。

ここで大切なのは、こうした反応を「悪い性格」と決めつけないことです。

それは、その子どもがその環境の中で生きるために身につけた、大切な心の反応だった可能性があるからです。

 

その反応が繰り返されると「心の習慣」になることがあります

子どもの頃に身につけた心の反応は、環境が変わればすぐに消えるとは限りません。

同じ反応を繰り返しているうちに、それが自然な反応として定着し、「心の習慣」になっていくことがあります。

たとえば、子どもの頃に「親を怒らせないようにする」ことが必要だった人は、大人になってからも、相手の機嫌を必要以上に気にしてしまうことがあります。

これは「気にしすぎな性格だから」という単純な話ではありません。

これまでの人生の中で身につけてきた心の反応が、現在の人間関係の中でも働いている可能性があります。

 

機能不全家族で育った人が、大人になってから感じる生きづらさ

子ども時代の親子関係が大人の生きづらさにつながるイメージ

機能不全家族の中で育ったからといって、必ず大人になって生きづらさを感じるわけではありません。

一方で、子どもの頃の親子関係が現在の人間関係や自分自身との向き合い方に影響している場合があります。

たとえば、

POINT

  • 人の顔色を気にしてしまう
  • 自分の気持ちより相手を優先してしまう
  • 「頑張らなければ」と感じやすい
  • 自分が何をしたいのか分からなくなる

といった反応も、その一つです。

 

人の顔色を気にしてしまう

相手が不機嫌になることを避けるために、相手の表情や声の変化を敏感に気にすることがあります。

 

自分の気持ちより相手を優先してしまう

「自分が我慢すればいい」と考え、自分の希望や疲れを後回しにしてしまうことがあります。

 

「頑張らなければ」と感じやすい

頑張ることによって認めてもらおうとしてきた経験があると、休むことに罪悪感を感じる場合があります。

 

自分が何をしたいのか分からなくなる

周囲の期待に合わせることを優先してきたため、自分自身の気持ちや希望が分かりにくくなる場合があります。

こうした生きづらさがあるからといって、「自分が弱い」「自分の性格に問題がある」と考える必要はありません。

今の生きづらさには、これまでの人生の中で身につけてきた心の反応や心の習慣が関係していることがあります。

 

機能不全家族で育ったあなたが悪いわけではありません

機能不全家族で育った影響から回復して本来の自分を取り戻している様子を表すイラスト

ここまで読んで、「自分の家庭も機能不全家族だったのではないか」と感じた方もいるかもしれません。

そのときに、まず知っておいてほしいことがあります。

あなたが悪かったから、そのような親子関係になったわけではありません。

子どもは、自分が生まれる家庭を選ぶことができません。

その環境の中で安心して生きるために、子どもなりにさまざまな心の反応を身につけていきます。

そして、その反応が大人になった今も残っていることがあります。

 

「壊れた」のではなく、傷ついているのかもしれません

「自分はどうしてこんなに生きづらいのだろう」
「どうして普通にできないのだろう」

そう自分を責めてしまうこともあるかもしれません。

しかし、あなたが壊れているとは限りません。

あなたが悪いのではなく、傷ついているのかもしれません。

これまでの環境の中で身につけた心の反応が、今もあなたを守ろうとしている可能性があります。

 

本来の自分や本来の力を取り戻していくことができます

人は本来、自然に成長し、自然に回復する力を持っています。

そのため、過去の親子関係によって現在の生きづらさを感じているとしても、「このまま一生変わらない」と決まっているわけではありません。

自分の心の反応や心の習慣を少しずつ理解していくことで、これまでとは違った選択ができるようになる場合があります。

本来のあなたがなくなったわけではありません。

本来の自分や、本来持っている力を取り戻していくことはできます。

 

自分は機能不全家族で育ったのか?チェックしてみる

機能不全家族チェックリストを行っているイメージ

ここまで読んで、

「自分の家庭は機能不全家族だったのだろうか?」
「自分も機能不全家族の影響を受けているのだろうか?」

と感じた方は、チェックリストを使って、自分の子ども時代の家庭環境を振り返ってみることも一つの方法です。

当サイトでは、機能不全家族についてセルフチェックできる「機能不全家族チェックリスト」を用意しています。

自分の過去を無理に評価するのではなく、「当時の自分はどのような環境で、どのような心の反応をしていたのか」を振り返るきっかけとして活用してみてください。

セルフチェック自分は機能不全家族で育ったのか、セルフチェックしてみる

機能不全家族をセルフチェックする

チェックを通して、現在の自分を責めるのではなく、

「自分はどのような親子関係の中で育ってきたのか」
「その親子関係の中で、どのような心の反応を身につけたのか」

を振り返ってみてください。

 

まとめ:親子関係を振り返ることは、自分を理解することにつながります

機能不全家族の特徴は、家庭の雰囲気だけではなく、親子関係の中にも現れることがあります。

代表的な特徴として、次の7つが挙げられます。

POINT

  1. 親子の役割が逆転している
  2. 親子の境界があいまいになっている
  3. 親子の力関係が一方的になっている
  4. 子どもの意思や自律が尊重されない
  5. 子どもの感情や考えが受け止められない
  6. 親子の間で本音を安心して話せない
  7. 親の期待や価値観に合わせることが求められる

こうした親子関係の中で育った子どもは、その環境に適応するために、さまざまな心の反応を身につけることがあります。

そして、その反応が繰り返されることで、「心の習慣」となり、大人になってからの生きづらさにつながる場合があります。

もし現在、生きづらさを感じているのであれば、自分を責めるのではなく、

「なぜ自分は、このように反応するのだろう?」

と、自分の過去や心の反応を理解するところから始めてみてください。

あなたが悪いのではなく、傷ついているのかもしれません。

生きづらさには理由があります。

その理由を少しずつ理解していくことが、本来の自分や本来の力を取り戻していくための第一歩になることがあります。

以上、「機能不全家族の特徴:親子関係からわかる『7つ』の特徴」という記事でした。

この記事を書いた人
寺井 啓二

「うつ、アダルトチルドレンの克服経験」を持つ「心理カウンセラー・心理セラピスト」。
自らの克服経験を世の中のために役立てたいと考え、2013年に「メンタル心理そらくも」を設立、代表を務める。
10年以上のカウンセリング臨床実績があり、「アダルトチルドレン、インナーチャイルド、うつ病、パニック障害、人間関係の生きづらさ、親子関係の悩み(毒親)、子育ての悩み、恋愛・結婚の悩み、中学生・高校生の悩み」などの相談を得意としている。

◆カウンセリング実績
・臨床実績:過去2000回以上
・男女比:男性40%、女性60%
・年齢層:中学生から60歳代
・来訪元:静岡、愛知など東海圏
     東京、神奈川など首都圏
     大阪、兵庫など関西圏
     海外在住の方

◆保有資格
・上級心理カウンセラー
・メンタル心理カウンセラー
・うつ病アドバイザー
・チャイルドカウンセラー
・家族療法カウンセラー
・セルフ・アクセプタンスカウンセラー
・EFT-Japan Level 1
・EFT-Japan プラクティショナー

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