機能不全家族の特徴:家庭環境からわかる「7つ」の特徴

家庭環境からわかる_機能不全家族の特徴を表すイラスト

POINT

機能不全家族とは、必ずしも暴力や虐待がある家庭だけではありません。

家庭に流れる空気、ルール、安心感、コミュニケーション、境界線などを見ていくことで、その特徴が見えてきます。

心理カウンセラーの寺井です。

「機能不全家族」と聞くと、暴力や虐待など、分かりやすい問題がある家庭を想像するかもしれません。

しかし、機能不全家族の特徴は、それだけではありません。

たとえば、

POINT

  • 家にいても、なぜか安心できない
  • 家族の誰かの機嫌をいつも気にしている
  • 家族の前では、本当の気持ちを言えない
  • 「家族なんだから」と我慢することが多い
  • 家族の中に、誰も触れようとしない問題がある
  • 問題が起きても、家族で話し合うことができない

このような状態が続いている家庭もあります。

大切なのは、「親が悪い」「自分が悪い」と単純に考えることではありません。

子どもは、家庭という環境の中で生きていくために、その環境に合わせたさまざまな「心の反応」を身につけることがあります。

そして、その反応が何度も繰り返されることで、いつの間にか「心の習慣」になっていくことがあります。

この記事では、機能不全家族の特徴を「家庭環境」という視点から整理し、家庭の中でどのような状態が起こり、それが子どもの心にどのような影響を与えるのかを解説します。

機能不全家族は「家庭環境」からも見えてくる

機能不全家族について考えるとき、「親が子どもに何をしたのか」という視点だけでは、家庭の状態を十分に捉えられないことがあります。

家庭とは、親子や夫婦など、一人ひとりの関係が組み合わさってできている「生活の場」です。

そのため、機能不全家族の特徴を考えるときには、

POINT

  • 家庭の中にどのような空気が流れているのか
  • 家族がどのようなルールの中で生活しているのか
  • 家族が安心して気持ちを表現できるのか
  • 家族同士の境界線や役割が保たれているのか

といった「家庭環境」の視点も大切になります。

ここでいう家庭環境とは、家の広さや生活水準など、物理的な環境だけを意味するものではありません。

家族の間にある安心感、ルール、感情表現、コミュニケーション、境界線、役割などを含めた、家族が日々を過ごしている環境そのものを指します。

機能不全家族の意味合いや特徴、原因、克服方法について全体像を知りたい方は、「機能不全家族に関するまとめ記事」も参考にしてください。

機能不全家族の「特徴」について、家庭環境・親子関係・夫婦関係という3つの視点から整理したまとめ記事は、以下の記事です。

機能不全家族の特徴を3つの視点から知りたい方へ

そして、子どもはその環境を敏感に感じ取りながら成長します。

たとえば、家庭の中で安心して過ごせない状態が続けば、

「今は大丈夫だろうか」
「親の機嫌はどうだろうか」
「何をすると怒られるだろうか」

と、周囲を気にするようになることがあります。

これは、子どもが「弱いから」そうなったとは限りません。

その家庭環境の中で、自分を守りながら生活するために身につけた「心の反応」だった可能性があります。

このように考えると、現在の自分の生きづらさについても、

「自分の性格が悪いから」
「自分が弱いから」

と決めつけるのではなく、

「なぜ、自分はこのような反応をするようになったのだろう?」

という視点から整理できるようになります。

それでは、家庭環境から見た機能不全家族の特徴を7つに分けて見ていきましょう。

 

機能不全家族の家庭環境に見られる「7つ」の特徴

機能不全家族の家庭環境に見られる7つの特徴を表すイラスト

機能不全家族の家庭環境には、次のような特徴が見られることがあります。

POINT

  1. 家庭に「安心感」がない
  2. 家庭内に「暗黙のルール」が多い
  3. 家族の前で「安心して感情を表現できない」
  4. 家族の「境界線」が曖昧
  5. 家族の中で「話し合い」が機能していない
  6. 家庭内に「秘密・触れてはいけない問題」がある
  7. 家族の「役割・バランス」が崩れている

それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

① 家庭に「安心感」がない

機能不全家族の家庭環境として、まず挙げられるのが、家庭に安心感がないという状態です。

本来、家庭は子どもにとって、安心して過ごし、自分らしく成長していくための生活の場です。

ところが、家庭の中にいつも緊張感があったり、家族の誰かの機嫌によって家庭の雰囲気が大きく変わったりすると、子どもは安心して過ごしにくくなります。

たとえば、

POINT

  • 家に帰ってもホッとできない
  • 親の機嫌をいつも気にしている
  • 家族の顔色を読むことが多い
  • いつ怒られるのか分からない
  • 家族の前で自由に振る舞えない
  • 家にいるのに緊張している

といった状態です。

このような家庭環境では、子どもは「自分がどうしたいか」よりも、「周囲が今どういう状態なのか」を優先して見るようになることがあります。

親の声の大きさや表情、家の中の空気などを敏感に感じ取り、

「今は何も言わないほうがいい」
「怒らせないようにしよう」
「自分が我慢すれば大丈夫」

などと判断するようになることがあります。

これは、その子どもにとっては、その家庭環境の中で自分を守るための「心の反応」だったのかもしれません。

しかし、その反応が何度も繰り返されると、成長した後も、

  • 人の顔色を気にしてしまう
  • 相手の機嫌に敏感になる
  • 自分より相手を優先してしまう
  • 安心していても、どこか緊張している

といった形で表れることがあります。

もちろん、これらの反応があるからといって、必ず機能不全家族で育ったという意味ではありません。

大切なのは、現在の自分の反応を責めることではなく、

「自分は、どのような環境の中で、この反応を身につけたのだろう?」

と振り返ってみることです。

 

② 家庭内に「暗黙のルール」が多い

2つ目の特徴は、家庭内に暗黙のルールが多いことです。

家庭には、どの家にも一定のルールがあります。

「食事はみんなで食べる」
「人に迷惑をかけない」
「困ったときは相談する」

など、家族が安心して生活するためのルールもあります。

しかし、機能不全家族では、明確に決められているわけではないのに、

「この家では、こうしなければならない」

という暗黙のルールが存在していることがあります。

たとえば、

POINT

  • 親に逆らってはいけない
  • 親の機嫌を損ねてはいけない
  • 家族の問題を外で話してはいけない
  • 弱音を吐いてはいけない
  • 泣いてはいけない
  • 自分より家族を優先しなければならない
  • 家族の期待に応えなければならない

といったものです。

こうしたルールの特徴は、「誰かが正式に決めたわけではない」というところにあります。

しかし、子どもは家庭で起こる出来事を繰り返し経験する中で、

「こうすると怒られる」
「こうすると嫌われる」
「こうすると家庭の雰囲気が悪くなる」

ということを学習していきます。

その結果、

「この家では、こう振る舞わなければならない」

という感覚が身についていくことがあります。

すると、子どもは自分の気持ちや希望よりも、家庭のルールを優先するようになります。

たとえば、本当は「嫌だ」と感じていても、

「嫌と言ってはいけない」

と考えて我慢する。

本当は助けてほしくても、

「弱音を吐いてはいけない」

と考えて一人で抱える。

こうした反応が繰り返されることで、「我慢する」「相手に合わせる」「自分より周囲を優先する」といった「心の習慣」が形成されることがあります。

ただし、こうした心の習慣も、もともとは自分を守るために身につけた反応だった可能性があります。

そのため、大人になった現在の自分を、

「どうしてこんなに我慢してしまうのだろう」
「どうして自分の意見を言えないのだろう」

と責める必要はありません。

まずは、

「自分には、そうせざるを得なかった時期があったのかもしれない」

と理解することが、現在の生きづらさを整理する第一歩になることがあります。

機能不全家族について、海外の研究者や専門家がどのような特徴を指摘してきたのかについては、アダルトチルドレン研究の専門家たちの指摘も参考になります。

 

③ 家族の前で「安心して感情を表現できない」

3つ目の特徴は、家族の前で安心して感情を表現できないという状態です。

家庭の中では、本来なら「うれしい」「悲しい」「怖い」「腹が立つ」など、自分の気持ちを自然に表現できることが大切です。

しかし、家庭の雰囲気によっては、

POINT

  • 悲しくても泣けない
  • 怒ってはいけない
  • 「嫌だ」と言えない
  • うれしいことがあっても喜びを表現しにくい
  • 本当の気持ちを話すと否定される
  • 弱いところを見せられない

といった状態になることがあります。

たとえば、子どもが泣いたときに「泣くな」と言われることが繰り返されたり、自分の意見を伝えると怒られたりすると、

「悲しいときも我慢しなければならない」
「怒りを表現してはいけない」
「本当の気持ちを言わないほうが安全だ」

と感じるようになることがあります。

このような反応は、単純に「感情を抑える性格になった」と考えるだけでは十分ではありません。

その家庭環境の中で、子どもが自分を守るために身につけた「心の反応」だった可能性があります。

そして、その反応が長く続くと、大人になってからも、

「本当は嫌なのに断れない」
「悲しくても平気なふりをする」
「怒りを感じても、自分が悪いと思ってしまう」

など、自分の感情を抑えることが習慣になる場合があります。

だからこそ、現在の自分が感情を表現しにくいとしても、

「自分は感情表現が苦手だからダメなのだ」

と責める必要はありません。

まずは、

「安心して感情を表現できない環境の中で、自分を守る必要があったのかもしれない」

という視点から、自分の反応を見つめてみることが大切です。

 

④ 家族の「境界線」が曖昧

親の感情・期待・問題を子どもが背負っている様子を表すイラスト

4つ目の特徴は、家族の境界線が曖昧になっていることです。

家族であっても、一人ひとりには、それぞれの気持ちや考え、時間、責任があります。

しかし、家庭の中でその境界線が曖昧になると、

POINT

  • 家族の問題を一人の子どもが背負っている
  • 家族の誰かの感情を、別の家族が責任を持って支える
  • 「家族なんだから」と個人の意思が尊重されない
  • 家族の問題に、子どもまで巻き込まれる
  • 自分のことより、家族のことを優先するのが当然になっている

といった状態が生じることがあります。

たとえば、家族の中で起きている問題について、子どもが「自分が何とかしなければ」と感じるようになることがあります。

また、家族の誰かが苦しんでいると、

「自分が支えなければいけない」
「自分が我慢すれば家族がうまくいく」

と考えてしまうこともあります。

こうした状態が続くと、子どもは「自分の人生」と「家族の問題」を切り分けることが難しくなる場合があります。

その結果、大人になってからも、

「相手の問題まで自分の責任だと感じる」
「人から頼まれると断れない」
「自分より他人を優先してしまう」

といった心の習慣につながることがあります。

ただし、家族を大切にすることそのものが問題なのではありません。

大切なのは、

「家族を大切にすること」と「家族の問題を自分が背負うこと」は同じではない

ということです。

自分と家族の間に適切な境界線を持つことは、冷たいことではありません。

それぞれが自分の人生を大切にしながら、必要なときに支え合うことも、家族の一つのあり方です。

特に、親と子どもの間で境界線が曖昧になっている場合については、親子関係から見た機能不全家族の特徴として詳しく整理しています。

 

⑤ 家族の中で「話し合い」が機能していない

5つ目の特徴は、家族の中で話し合いが機能していないことです。

家族で生活していれば、意見の違いや問題が起こることはあります。

重要なのは、問題が起こらないことではありません。

問題が起きたときに、

「家族で話し合い、気持ちや考えを伝え合いながら解決していけるか」

ということです。

しかし、機能不全家族では、問題が起きても話し合いが成立しないことがあります。

たとえば、

POINT

  • 話し合おうとすると誰かが怒る
  • 都合の悪い話になると無視される
  • 家族の問題について話すこと自体が避けられる
  • 本人には直接言わず、別の家族に不満を伝える
  • 問題があっても「なかったこと」にする
  • 家族の中で本音を話すことができない

といった状態です。

このような家庭では、子どもは「問題を話し合って解決する」という経験を十分に積めないことがあります。

すると、

「問題が起きても我慢する」
「相手が怒る前に自分が折れる」
「嫌なことがあっても黙っている」

といった反応を身につけることがあります。

そして、それが大人になってからも「心の習慣」として残り、

「人と話し合うことが怖い」
「意見が違うと嫌われると思う」
「争いを避けるためなら、自分が我慢したほうがいい」

と感じることがあります。

しかし、これも「コミュニケーション能力が低いから」と簡単に片づけられるものではありません。

幼い頃に「安心して話し合う」という経験が少なかったのであれば、その環境に適応するための反応として身についた可能性があります。

また、夫婦間の関係やコミュニケーションが家庭全体の雰囲気に影響している場合については、夫婦関係から見た機能不全家族の特徴も参考にしてください。

 

⑥ 家庭内に「秘密・触れてはいけない問題」がある

6つ目の特徴は、家庭内に秘密や、触れてはいけない問題が存在していることです。

ここで注意したいのは、秘密があること自体が、必ずしも機能不全家族を意味するわけではないということです。

どの家庭にも、子どもには話さないことや、家族だけで共有していることはあります。

問題となるのは、

「その問題について話してはいけない」
「外に知られてはいけない」

という強い圧力が存在している場合です。

たとえば、

POINT

  • 家族全員が知っているのに、誰もその問題について話さない
  • その話題を出すと誰かが怒る
  • 「このことは誰にも言ってはいけない」と言われる
  • 家庭内の問題を外部に相談できない
  • 家の中では問題があるのに、外では「普通の家族」を演じる
  • 子どもが「どうして?」と尋ねることも許されない

といった状態です。

このような環境では、子どもは、

「この話はしてはいけない」
「何も聞かないほうがいい」
「家族のことは外に話してはいけない」

と学習することがあります。

その結果、自分が感じている違和感や苦しさについても、

「自分が気にしすぎているだけかもしれない」
「こんなことを話してはいけない」

と、一人で抱えてしまうことがあります。

家庭の中に「話してはいけないこと」が多いと、子どもは自分の感じていることを確認する機会も失いやすくなります。

そのため、問題を抱えたときに誰かへ相談することが難しくなったり、自分の感覚を信じにくくなったりすることがあります。

 

⑦ 家族の「役割・バランス」が崩れている

7つ目の特徴は、家族の役割やバランスが崩れていることです。

家族の中には、それぞれに一定の役割があります。

もちろん、家庭によって役割分担の形は違います。

しかし、本来大人が担うべき役割を子どもが背負いすぎたり、家族の問題を特定の一人だけが引き受けたりすると、家族全体のバランスが崩れてしまうことがあります。

たとえば、

POINT

  • 子どもが親のような役割を担っている
  • 家族の一人が、家族全員の感情を支えている
  • いつも同じ子どもが「問題のある子」として扱われる
  • 家族の問題を子どもが背負っている
  • 本来必要な親の役割が十分に機能していない
  • 家族の中で役割が固定され、変えることができない

といった状態です。

このような家庭環境では、子どもが、

「自分がしっかりしなければならない」
「家族を助けなければならない」
「迷惑をかけてはいけない」

と感じることがあります。

そして、子どもらしく甘えたり、助けを求めたりすることよりも、「自分が家族を支えること」を優先するようになる場合があります。

その反応が長く続くと、大人になってからも、

「人に頼ることが苦手」
「自分が頑張らなければと思う」
「困っている人を見ると放っておけない」
「自分のことを後回しにしてしまう」

といった心の習慣として残ることがあります。

しかし、それは「自立心が強すぎる」という一言だけでは説明できないかもしれません。

幼い頃から、家族の中で自分なりの役割を担うことで、家庭を維持しようとしてきた可能性があるからです。

だからこそ、現在の自分が「頑張りすぎる」「人に頼れない」と感じているのであれば、その反応を責めるのではなく、

「自分は、いつ頃から頑張らなければならないと思うようになったのだろう?」

と振り返ってみることも大切です。

 

ここまでの7つは「家庭環境」という視点から整理した特徴です。機能不全家族に実際に見られる具体的な問題や家庭内の状態については、「機能不全家族の特徴:10の具体例」でも詳しく解説しています。

 

なぜ家庭環境が「心の反応」をつくるのか

ここまで、機能不全家族の家庭環境に見られる7つの特徴を紹介してきました。

では、なぜ家庭環境が、その後の人生にまで影響することがあるのでしょうか。

その理由の一つとして、子どもは家庭という生活の場から、大きな影響を受けながら成長していくことが挙げられます。

子どもにとって家庭は、自分で選ぶことのできない環境です。

そのため、家庭の中で安心して過ごせなかったとしても、

「この家を出て別の環境で暮らそう」

と簡単に選択することはできません。

そこで子どもは、その環境の中で生きていくために、自分なりの反応を身につけていきます。

たとえば、

POINT

  • 親を怒らせないようにしよう
    ↓
  • 親の顔色をよく見るようになる
    ↓
  • 自分の気持ちより、相手の機嫌を優先する

ということが起こることがあります。

また、

POINT

  • 本当の気持ちを言うと怒られる
    ↓
  • 気持ちを言わないほうが安全だ
    ↓
  • 嫌なことがあっても我慢する

という反応が身につくこともあります。

このような反応は、子どもが自分を守り、家庭の中で生きていくために必要だったのかもしれません。

つまり、現在の自分から見ると「生きづらさにつながっている反応」であっても、もともとは自分を守るために役立っていた可能性があるのです。

そして、同じような反応を繰り返すうちに、それが次第に「心の習慣」となっていくことがあります。

そのため、大人になってからも、

「相手の顔色を気にしてしまう」
「自分の気持ちを後回しにしてしまう」
「嫌なことでも我慢してしまう」
「人に頼ることができない」

などの反応が続くことがあります。

こうした状態を理解するときには、

「自分はどうしてこうなったのだろう?」

と自分を責めるだけではなく、

「自分は、どのような環境の中で、この反応を身につけてきたのだろう?」

と考えてみることが大切です。

 

機能不全家族は「親が悪い」だけでは説明できない

機能不全家族について考えるとき、「親が悪かったから、自分はこうなった」と考えてしまうことがあります。

もちろん、親から受けた言葉や態度によって傷ついた経験があるのであれば、その傷つきまで否定する必要はありません。

一方で、家庭の問題を「親だけの問題」として捉えると、機能不全家族がどのように生まれ、なぜ繰り返されるのかを十分に理解できない場合があります。

親もまた、自分が育ってきた家庭環境から影響を受けていることがあります。

たとえば、親自身が子どもの頃に、

POINT

  • 自分の気持ちを表現できなかった
  • 親の顔色を見ながら育った
  • 家族の問題を我慢していた
  • 安心して頼る経験が少なかった
  • 自分の親から十分な愛情や安心感を得られなかった

という経験をしていることがあります。

そのような経験の中で身につけた「心の反応」や「心の習慣」が、大人になった後の子育てや家族関係に影響することもあります。

このように、家庭の中で身についた反応や習慣が、次の世代へ繰り返されていくことがあります。

ただし、

親の背景を理解することと、親の行動を許すことは別の問題です。

親にも傷ついた経験があったとしても、子どもが傷ついた事実までなくなるわけではありません。

大切なのは、誰かを責め続けることでも、親を無理に許すことでもありません。

「なぜ、このような家庭環境になったのか」
「自分は、その環境の中でどのような反応を身につけたのか」

を理解することで、自分自身の生きづらさを整理していくことです。

より詳しく知りたい方は、機能不全家族の原因となる父親の特徴、母親の特徴、そして機能不全家族が連鎖する理由についても参考にしてください。

 

家庭環境に適応したあなたの反応には「理由」がある

ここまで読んで、

「自分にも当てはまるところがある」

と感じた方もいるかもしれません。

たとえば、

POINT

  • 人の顔色を気にしてしまう
  • 嫌なことでも断れない
  • 自分の気持ちがよく分からない
  • いつも自分が我慢してしまう
  • 人に頼ることが苦手

といったことです。

このような反応があると、

「自分は性格が弱い」
「自分は人付き合いが下手だ」
「もっと強くならなければいけない」

と、自分自身を責めてしまうことがあります。

しかし、その反応には、これまで生きてきた環境の中で身につけた理由があるのかもしれません。

たとえば、幼い頃に「親の機嫌を損ねないこと」が自分を守るために重要だったのであれば、周囲の顔色を読むことは、その当時の自分にとって必要な反応だった可能性があります。

「我慢すること」で家庭の中の争いを避けられたのであれば、我慢することも、自分を守る方法だったのかもしれません。

だからこそ、

「なぜ自分はこんな性格なのだろう」

と責めるのではなく、

「自分は、そうすることで自分を守ってきたのかもしれない」

と考えてみることが大切です。

あなたが悪いのではなく、これまでの環境の中で傷ついてきた可能性があります。

そして、その傷つきに適応するために身につけた反応が、現在も続いているのかもしれません。

 

心の習慣は、これから変えていくことができる

機能不全家族で育った影響から回復して自分の感情を取り戻している様子を表すイラスト

ここまで読んで、

「では、自分は一生このままなのだろうか」

と不安になった方もいるかもしれません。

しかし、幼い頃に身につけた「心の反応」や、長い時間をかけて形成された「心の習慣」があるからといって、それが一生変わらないとは限りません。

人は本来、自然に成長し、自然に回復する力を持っています。

これまでの人生の中で身につけてきた反応や習慣を理解し、

「自分は本当はどう感じているのか」
「本当はどうしたいのか」
「自分にとって大切なものは何なのか」

を少しずつ見つめ直していくことで、自分自身との関係を変えていくことができます。

回復とは、無理に別の人間になることではありません。

過去の自分を否定することでもありません。

これまで自分を守ってくれた「心の反応」や「心の習慣」に気づき、その役割を理解しながら、少しずつ現在の自分に合った生き方を選べるようになっていくことです。

その先にあるのが、

「本来の自分」

そして、

「本来の力」

を取り戻していくことなのだと、私は考えています。

人は壊れているのではなく、傷ついている。

そして、傷ついた心には、本来の自分へ戻っていく力があります。

 

自分は機能不全家族で育ったのかチェックしてみる

機能不全家族チェックリストを行っているイメージ

もし「自分が育った家庭は、機能不全家族だったのだろうか?」と感じているなら、まずはチェックリストで家庭環境を振り返ってみてください。

セルフチェック自分は機能不全家族で育ったのか、セルフチェックしてみる

機能不全家族をセルフチェックする

チェックを通して、現在の自分を責めるのではなく、

「自分はどのような家庭環境の中で育ってきたのか」
「その環境の中で、どのような心の反応を身につけたのか」

を振り返ってみてください。

 

まとめ

今回は、機能不全家族の特徴を「家庭環境」という視点から整理しました。

機能不全家族の家庭環境には、次のような特徴が見られることがあります。

POINT

  1. 家庭に「安心感」がない
  2. 家庭内に「暗黙のルール」が多い
  3. 家族の前で「安心して感情を表現できない」
  4. 家族の「境界線」が曖昧
  5. 家族の中で「話し合い」が機能していない
  6. 家庭内に「秘密・触れてはいけない問題」がある
  7. 家族の「役割・バランス」が崩れている

ただし、これらの特徴が一つあるからといって、必ず機能不全家族というわけではありません。

大切なのは、自分が育ってきた家庭環境を振り返り、

「その環境の中で、自分はどのように感じ、どのように自分を守ってきたのだろう?」

と考えてみることです。

幼い頃に身につけた「心の反応」は、当時の自分を守るために必要だったのかもしれません。

そして、その反応が繰り返されることで「心の習慣」となり、大人になった現在の生きづらさにつながっていることもあります。

だからこそ、今の自分を責める必要はありません。

人は壊れているのではなく、傷ついている。

傷ついた自分を理解し、これまで身につけてきた心の反応や習慣を少しずつ見つめ直すことで、「本来の自分」「本来の力」を取り戻していくことができます。

まずは、自分が育ってきた家庭環境を振り返るところから始めてみましょう。

以上、「機能不全家族の特徴:家庭環境からわかる『7つ』の特徴」という記事でした。

この記事を書いた人
寺井 啓二

「うつ、アダルトチルドレンの克服経験」を持つ「心理カウンセラー・心理セラピスト」。
自らの克服経験を世の中のために役立てたいと考え、2013年に「メンタル心理そらくも」を設立、代表を務める。
10年以上のカウンセリング臨床実績があり、「アダルトチルドレン、インナーチャイルド、うつ病、パニック障害、人間関係の生きづらさ、親子関係の悩み(毒親)、子育ての悩み、恋愛・結婚の悩み、中学生・高校生の悩み」などの相談を得意としている。

◆カウンセリング実績
・臨床実績:過去2000回以上
・男女比:男性40%、女性60%
・年齢層:中学生から60歳代
・来訪元:静岡、愛知など東海圏
     東京、神奈川など首都圏
     大阪、兵庫など関西圏
     海外在住の方

◆保有資格
・上級心理カウンセラー
・メンタル心理カウンセラー
・うつ病アドバイザー
・チャイルドカウンセラー
・家族療法カウンセラー
・セルフ・アクセプタンスカウンセラー
・EFT-Japan Level 1
・EFT-Japan プラクティショナー

“代表:寺井啓二の詳しいプロフィール”

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