機能不全家族の特徴とは?3つの視点からわかりやすく解説

機能不全家族の特徴を表すイラスト

POINT

機能不全家族の特徴は、家庭環境や親子関係、子どもの心の反応など、さまざまな視点から捉えることができます。

この記事では、専門家・心理カウンセラー・社会問題という3つの視点から整理します。

心理カウンセラーの寺井です。

「機能不全家族」とは、もともと「アダルトチルドレンの研究」と深く関係する言葉で、家庭内にさまざまな問題が存在し、子どもが日常的にストレスを感じている家族の状態を指す言葉として使われています。

一方で、「機能不全家族」には「精神医学」や「心理学」に基づく統一された明確な定義があるわけではなく、研究者や専門家によって、その捉え方には多少の違いがあります。

詳しい意味合いや、家庭に本来どのような機能が求められているのかについては、以下の記事で詳しく解説しています。

そのため、機能不全家族の特徴を理解するときには、一つの見方だけで判断するのではなく、

  • アダルトチルドレン研究の専門家たちの視点
  • 心理カウンセラーの視点
  • 社会問題との関連から見る視点

など、いくつかの異なる視点から捉えることが大切です。

この記事では、

  1. アダルトチルドレン研究の専門家たちが示す「機能不全家族の特徴」
  2. 心理カウンセラーが解説する「機能不全家族の特徴」
  3. 社会問題との関連から見る「機能不全家族の特徴」

など、機能不全家族の特徴に関する記事をまとめています。

①:アダルトチルドレン研究の専門家たちが示す「機能不全家族の特徴」

アダルトチルドレン研究の専門家たちが示す機能不全家族の特徴を表わすイラスト

「機能不全家族」という考え方は、「アダルトチルドレン」の研究と密接に関係しています。

1970年代以降、アメリカを中心にアダルトチルドレンについての研究や書籍が発表されるようになり、これまでに多くの専門家たちが、機能不全家族で育った人に見られる家庭環境や人間関係について、さまざまな特徴を指摘してきました。

研究者によって表現や着目する点には違いがありますが、その中には共通して見られる家庭内の「傾向」や「行動・思考パターン」があります。

ここでは、アダルトチルドレン研究の専門家たちが著書の中で示している「機能不全家族の特徴」について、以下の8つを紹介します。

POINT

  1. 「スティーブン・ファーマー」が示す
    「機能不全家族に見られる兆候」
  2. 「ダン・ニューハース」が示す
    「機能不全家族の原因となる親の兆候」
  3. 「ダン・ニューハース」が示す
    「機能不全家族を引き起こす親の思考・行動パターン」
  4. 「ウェイン・クリッツバーグ」が示す
    「機能不全家族の特徴」
  5. 「ジョン・C・フリエル」が示す
    「機能不全家族の特徴」
  6. 「クラウディア・ブラック」が示す
    「機能不全家族の暗黙のルール」
  7. 「西尾和美」氏が示す
    「機能不全家族の特徴」
  8. 「スーザン・フォワード」が示す
    「毒になる親の特徴」

ここで大切なのは、こうした特徴を「その家庭で育った子どもの欠点」として捉えないことです。

子どもは、家庭の中で安心して過ごすために、周囲の状況に合わせたり、自分の気持ちを抑えたりしながら成長することがあります。

そのような経験が繰り返されることで、特定の考え方や行動が「心の習慣」として身につく場合があります。

そのため、特徴を知ることは自分を責めるためではなく、

「なぜ自分は、このように反応するのだろう?」

と、自分自身を理解するきっかけとして捉えることが大切です。

続きは、以下に詳しく解説しています。

 

②:心理カウンセラーが解説する「機能不全家族の特徴」

心理カウンセラーが解説する機能不全家族の特徴を表わすイラスト

機能不全家族で育った人は、家庭の中で安心して自分らしく過ごすことが難しい経験を重ねている場合があります。

その結果として、親子関係や愛情の受け取り方、自分の気持ちの表現などに、特徴的な「心の反応」が見られることがあります。

心理カウンセリングでは、こうした心の反応を手がかりにしながら、「これまでどのような家庭環境で過ごしてきたのか」を一緒に振り返っていきます。

ここでは、心理カウンセラーが捉える「機能不全家族の特徴」の具体例として、以下の10例を紹介します。

POINT

  1. 愛着障害
  2. 過干渉
  3. 過保護
  4. 親子共依存
  5. 条件付きの愛
  6. 反抗期がない
  7. 子どもを褒めない・認めない
  8. きょうだい差別
  9. 親が情緒不安定
  10. 父親・母親の役割が十分に果たされていない

ただし、ここに挙げた特徴が一つでも当てはまれば、機能不全家族で育ったということではありません。

大切なのは、特徴の数を数えることだけではなく、

「自分はなぜ、このような考え方や反応をするようになったのだろう?」

と、自分自身の経験を振り返ることです。

続きは、以下に詳しく解説しています。

また、過干渉・過保護・親子共依存など、父親・母親との関係が機能不全家族につながる場合があります。

機能不全家族の原因となる父親・母親それぞれの特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

③:社会問題との関連から見る「機能不全家族の特徴」

社会問題との関連から見る機能不全家族の特徴を表わすイラスト

機能不全家族の問題は、家庭内だけで完結するとは限りません。

家庭内での虐待やネグレクト、過度な期待や過干渉などが重なることで、子どもの生活や学校生活、人間関係などに影響する場合があります。

そのため、機能不全家族について考える際には、家庭内の問題だけでなく、社会的な問題との関連から捉えることも大切です。

例えば、次のような問題が関連して語られることがあります。

POINT

  1. 児童虐待
  2. 教育虐待
  3. モンスターペアレント・ヘリコプターペアレント
  4. 不登校
  5. 引きこもり・ニート
  6. 8050問題
  7. きょうだい児
  8. ヤングケアラー
  9. 貧困による教育格差

ただし、ここで挙げた社会問題があるからといって、その家庭が必ず機能不全家族であるとは限りません。

不登校や引きこもり、児童虐待などには、それぞれ複数の背景や要因があります。

そのため、一つの出来事だけで判断するのではなく、その背景にある家庭環境や人間関係を丁寧に理解することが大切です。

続きは、以下に詳しく解説しています。

 

機能不全家族の特徴を理解するときに大切なこと

過去の家庭環境を振り返り、自己理解を深めている様子を表わすイラスト

機能不全家族の特徴を調べていると、

POINT

  • 自分の家庭は機能不全家族だったのだろうか
  • 自分の性格に問題があるのではないか
  • 自分がもっと頑張ればよかったのではないか

と、自分自身を責めてしまうことがあります。

しかし、機能不全家族の特徴を理解するときに大切なのは、自分や家族を責めることではありません。

 

一つの特徴だけで判断しない

機能不全家族にはさまざまな特徴がありますが、一つの特徴だけで「機能不全家族だった」と判断することはできません。

家庭環境や親子関係、夫婦関係などを含めて、家族全体の状況を捉えることが大切です。

機能不全家族チェックリスト

「自分は機能不全家族で育ったのか?」について、65項目のチェックリストで子どもの頃の家庭環境や親子関係を振り返ることができます。

なお、このチェックリストは医学的・心理学的な診断を行うものではありません。

機能不全家族チェックリスト(65項目)

 

自分を責めない

子どもが家庭の中で特徴的な考え方や行動を身につけていたとしても、それを本人の性格の問題として捉える必要はありません。

子どもは、その環境の中で自分なりに安心して生きるために、周囲に合わせたり、自分の気持ちを抑えたりすることがあります。

 

「心の反応」として理解する

家庭の中で繰り返し経験したことは、

成長する中で

「こうしなければならない」
「我慢しなければならない」

といった「心の習慣」につながることがあります。

そして、大人になってからも似たような場面に出会うと、過去の経験から身についた「心の反応」が自然に起こることがあります。

そのため、

「なぜ自分はこんなことをしてしまうのだろう」

と自分を責めるのではなく、

「自分はこれまで、どのように自分を守ってきたのだろう」

と考えてみることも大切です。

 

特徴を理解することは、回復への第一歩になる

自分の心の反応や心の習慣を理解していくと、「自分が悪かったからこうなった」という見方から少しずつ離れ、自分自身をより深く理解できるようになります。

人は本来、自然に成長し、自然に回復していく力を持っています。

機能不全家族の特徴を知ることは、自分を責めるためではなく、これまでの自分を理解し、本来の自分や本来持っている力を取り戻していくための一歩として考えることができます。

 

まとめ

さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。

POINT

  • 機能不全家族の特徴は、家庭環境・親子関係・人間関係・子どもの心の反応など、さまざまな側面から捉えることができる
  • アダルトチルドレン研究の専門家たちは、機能不全家族について共通する「傾向」や「行動・思考パターン」を指摘している
  • 心理カウンセリングの現場では、機能不全家族で育った人に見られる心の反応や人間関係のパターンなどから、家庭環境を振り返ることがある
  • 機能不全家族の問題は、児童虐待・教育虐待・不登校・引きこもりなど、社会問題との関連から捉えられる場合もある
  • 一つの特徴だけで家庭や本人を判断するのではなく、その背景にある家庭環境や人間関係を理解することが大切
  • 機能不全家族の特徴は、本人の性格の欠点ではなく、家庭環境の中で身についた心の反応や心の習慣として理解できる場合がある

機能不全家族の特徴を知ることは、

「自分の家庭は悪かった」
「自分に問題がある」

と決めつけるためではありません。

その家庭環境の中で、自分がどのように感じ、どのように考え、どのように自分を守ってきたのかを理解することが大切です。

「自分が悪かった」のではなく、「傷つきながら、その環境に適応してきたのかもしれない」と捉え直すことで、これまでとは違った形で自分自身を理解できることがあります。

そして、人は本来、自然に成長し、自然に回復していく力を持っています。

機能不全家族の特徴を知ることを、自分を責めるためではなく、自分自身を理解し、本来の自分や本来持っている力を取り戻していくためのきっかけにしていただければと思います。

 

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機能不全家族について総合的に知る

機能不全家族の意味合い・特徴・原因・克服方法について、全体像を整理したまとめ記事です。

機能不全家族チェックリスト
「自分が育った家庭にも、似たような特徴があったかもしれない」と感じた方は、65項目のチェックリストで、子どもの頃の家庭環境や親子関係を振り返ることができます。なお、このチェックリストは医学的・心理学的な診断を行うものではありません。

機能不全家族チェックリスト(65項目)

この記事を書いた人
寺井 啓二

「うつ、アダルトチルドレンの克服経験」を持つ「心理カウンセラー・心理セラピスト」。
自らの克服経験を世の中のために役立てたいと考え、2013年に「メンタル心理そらくも」を設立、代表を務める。
10年以上のカウンセリング臨床実績があり、「アダルトチルドレン、インナーチャイルド、うつ病、パニック障害、人間関係の生きづらさ、親子関係の悩み(毒親)、子育ての悩み、恋愛・結婚の悩み、中学生・高校生の悩み」などの相談を得意としている。

◆カウンセリング実績
・臨床実績:過去2000回以上
・男女比:男性40%、女性60%
・年齢層:中学生から60歳代
・来訪元:静岡、愛知など東海圏
     東京、神奈川など首都圏
     大阪、兵庫など関西圏
     海外在住の方

◆保有資格
・上級心理カウンセラー
・メンタル心理カウンセラー
・うつ病アドバイザー
・チャイルドカウンセラー
・家族療法カウンセラー
・セルフ・アクセプタンスカウンセラー
・EFT-Japan Level 1
・EFT-Japan プラクティショナー

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