子供の就活における親の役割を心理学で解説

2019年11月11日アダルトチルドレンアダルトチルドレンの特徴,就職活動

子供の就活を見守る親と自信をもって就活に取り組んでいる就活生のイラスト

POINT子供の就職活動に対する親の意見は、あくまで「時代遅れの意見」です。

心理カウンセラーの寺井です。

子供が就職活動中なのだけれど、「子供の就活がとても辛いと感じる…」という親御さんもいらっしゃるかもしれません。

今現在は、子供の就職活動に対する親の関心が高まってはいるものの、実際、子供の就職活動をどのように応援したらいいのかわからず、子供の就活に辛さを感じている親御さんが多いようです。

親が子供の就活に辛さを感じる理由のひとつにあげられるのは、親が就職活動を経験したのは20年~30年以上前のことであるため、親自身も今現在の子供世代の就職活動に戸惑いを感じ辛くて当然だという点です。

そういった意味では、子供の就活に対する親の意見は、あくまで「時代遅れの意見」ということを認識することが、子供の就活に対する辛さを和らげる大切な鍵なのかもしれません。

この記事は、「子供の就活が辛い…」と感じる親御さんが知っておきたいポイントのひとつである、子供の就職活動における親の役割について心理学に沿って説明しています。

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子供の就職活動における親の役割

子供の就職活動における親の役割を表わしているイラスト

子供の就活が辛い!と感じている親が、その辛さを和らげるために必要なポイントとして、「子供の就職活動における親の役割を再認識する」という点があげられます。

親が子供の成功と幸せを願う気持ちはとても自然な気持ちであり、子供を大切に想うからこそ、いろいろなアドバイスをしたくなるものです。

ですが、子供を心配するあまり、「ああすればいい!こうすればいい!」と親が口出しをしすぎてしまっては、子供はかえってストレスを抱え、就活が上手くいかなくなってしまいます。

このように、子供の就活を成功に導くためには、「近すぎず遠すぎず、子供の邪魔にならない距離感」が重要なのかもしれません。

子供の就活における親の役割は、以下のポイントがあげられます。

POINT

  1. 親の意見は「時代遅れ」であることを認識する
  2. 就活の費用」を親が出すことは決してい良いこととは言えない
  3. 子供の就活に口出しするなら「○○してほしい」とお願いすべき
  4. 就活生である子供が望むのは「指導」ではなく「共感
  5. 同情して心配」するばかりではなく「愛情をもって見守る」ことが大切
  6. 子供の就活は「親離れ・子離れ」の始まり

それでは、以下に詳しく説明していきます。

 

①親の意見は時代遅れであることを認識する

はじめに大切なのは、例えばスポーツも、30年前の取り組み方は今現在ではすでに時代遅れであり、30年前の取り組みが今現在に通用しないほうが自然です。

それと同じように、就職活動についても、親世代が経験した30年前の取り組み方はすでに時代遅れとなっていますので、30年前に就職活動を経験した親世代が、今現在の子供世代の就職活動をどのように応援したらいいのかわからないと感じる方が自然です。

重要なのは、親も子供も、親の方が時代遅れであることを認識し、親も子供も対等に、就職活動に不安を感じる方が自然であることを認識することです。

 

②就活の費用を親が出すことは決して良いことは言えない

このように、子供の就活に対して親は時代遅れの意見を持ちがちなので、子供に対してプラスとなるアドバイスをすることが難しいほうが自然です。

そうなると、子供の就活に対して親が協力してあげられることとしては、就職活動の費用を援助してあげることが考えられます。

とはいえ、人はお金を援助するとついつい口を出したくなったり、ついつい見返りを求めてしまうものですので、就活の費用を子供に援助してしまうと、それを口実に子供の就活にさらに干渉をしてしまったり口出しをしてしまい、子供をかえって辛い状況に追い込んでしまうかもしれませんし、子供が焦りや申し訳なさを感じてしまい、かえって就活が上手くいかなくなってしまうかもしれません。

また、就活の費用を子供に援助してしまうことは、「困ったときは親に甘えればいい…」という依存心を子供の心に育んでしまいかねず、子供が精神的な自立を果たす機会を親が奪ってしまうことになりかねません。

そういった意味では、子供の就活で親が安全に協力してあげられるのことは、「身元保証人になってあげる…」ことぐらいなのかもしれません。

 

③子供の就活に口を出したいなら「○○しなさい!」ではなく「○○して下さい!」とお願いする

それでも親には親の立場があり、子供の就職活動に対してどうしても干渉せざるを得ない場合があるかもしれません。

例えそういった場合であっても、子供の人生の選択を親が決めることは許されません。

とはいえ、親にも親の気持ちがありましょうから、そういった場合は、「○○しなさい!」という指導ではなく「○○してほしい!○○して下さい!」というお願いを、親が子供にするのが筋です。

裏を返せば、子供は、親が「○○してほしい!○○して下さい!」とお願いをしてくるまで、親の干渉や口出しを無視したり跳ねのけ続けても、決して「親不幸」ではありません。

 

④就活で子供が親に望むのは「指導」ではなく「共感」

このように、就活で子供が親に望むのは、「ああしなさい!こうしなさい!」といった「指導」ではなく、「そっか…そうだね…そうかもね…」といった「共感」です。

例えば、親自身も自らの職場において、自分の意見に対して「ああしなさい!こうしなさい!」と上司さんや同僚さんから指導を受けたら、内心、自分の意見を否定された気持ちになり、自分の意見に対する自信が薄まってしまうでしょう…

それと同じように、自分の意見に対して「ああしなさい!こうしなさい!」と親から指導を受けたら、子供は内心、自分の意見を親に否定された気持ちになり、心が傷つき、自信が持てなくなってしまいます。

また、子供の就活に対しては、親も子供もわからないことだらけで不安な方が自然ですので、「そっか…そうだね…そうかもね…」とお互いの意見を否定せず、共感しあっていくことが大切です。

 

⑤「尽くして支える=同情」ではなく「信じて見守る=愛情」が重要

また、日本人は「同情」と「愛情」の区別を時々見失ってしまう傾向にあります。

子供が苦しんでいるからと言って、「かわいそう…かわいそう…」「大丈夫?大丈夫?」と同情しすぎてしまっては、子供は「親に心配されてばかりだ…」「親に心配されてばかりの自分は頼りないし情けない…」「自分はダメだ…」と自分を否定しがちになり、かえって辛くなってしまいます。

そうすると、就活で辛い想いをしている子供の姿を見た親自身もさらに辛くなってしまいます。

でも、子供が苦しんでいる姿を見るのは確かに辛いですが、「可愛い子には旅をさせよ…」のことわざ通り、子供の就活は子供に任せて愛情をもって見守ってあげれば、子供は「親に任せてもらえている…」「親に任せてもらえている自分は信頼されている…」「自分は大丈夫だ…」と自分を肯定するようになり、自信をもって就職活動に臨みやすくなります。

 

⑥子供の就活=「親離れ・子離れ」の始まり

このように、子供の就職活動とは、ある意味、親子関係の大きな節目でもあります。

よって、「子供の就活が辛い…」と感じている親がその辛さを和らげるためには、「子供に尽くして子供を支える…」という今までの親子関係から、「子供のことは子供に任せて信じて見守る…」という新しい親子関係へとシフトしていくこと、すなわち「親離れ・子離れ」が重要な鍵となります。

 

また、「子供の就職活動に伴う親子関係の変化」については、以下の記事で詳しく説明しています。

子供の就活が辛い…」と感じている親御さんは、是非、あわせてお読みください。

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子供が心配で心配で…子離れできない!と感じる心理は、アダルトチルドレンの特徴

子供が心配で子離れできない親の様子を表わしているイラスト

とはいえ、本やテレビやインターネットなどの情報で、上記のような「就職活動における親の役割」を頭では理解をしていても、「子供が心配で心配で、どうしても子離れできない!」と感じて苦しんでおられる親御さんもたくさんいらっしゃいます。

そして、「子離れできない!」と感じる心理状態は、アダルトチルドレンの特徴でもあります。

 

なお、「アダルトチルドレン」については、以下の記事で詳しく説明していますので、興味のある方は参考にして下さい。

また、「子離れできない!と感じる心理状態」を始めたとしたアダルトチルドレンの特徴は、以下の「アダルトチルドレン(ac)チェックリスト」を実行することで詳しくチェックすることができます。

苦しい心理状態を改善するためには、自分を知ることが第一歩となりますので、心当たりのある方は、是非チェックしてみてください。

 

まとめ

さいごに、子供の就職活動における親の役割について重要ポイントをまとめます。

POINT

  • いくら親とは言え、親自身が就職活動を経験したのは20年~30年前であるため、「親の意見は時代遅れ」であることを認識することが大切
  • 親が子供の就活費用を援助することは「子供の成長を妨げる」ことになりかねない
  • 子供の人生は子供の所有物なので、親が子供の就活に口を出す場合は、「○○してほしい!○○して下さい!」とお願いをするのが筋
  • 就活について、子供は親に「指図・指導」をされると心が傷つき自信を失い、親に「理解・共感」してもらえると自信を感じる
  • 親が子供を心配しすぎることは、親が子供を疑うことになるため、「親は同情と愛情の区別」をしっかり持つことが大切
  • 子供の就活は「子供に尽くして子供を支える…」という今までの親子関係から、「子供のことは子供に任せて信じて見守る…」という新しい親子お関係への移り変わり=「親離れ・子離れ」を意味する。

また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。

是非、あわせてお読みください。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「子供の就活における親の役割を心理学で解説」という記事でした。

この記事を書いた人

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Posted by 寺井 啓二