子供の就職活動に伴う親子関係の変化を心理学で解説

2020年5月18日わかってくれない, 就職活動, 生きづらさ

子供の成長に伴い親子関係が変化している様子を表わすイラスト

POINT子供の就職活動は、「親離れ・子離れ」の始まりを意味します。

心理カウンセラーの寺井です。

お子さんが就職活動中の親御さんのなかには、「子供の就活が辛い…」と感じている親御さんもいらっしゃるかもしれません。

子供の就職活動において親が知っておくべきポイントとして、「子供の就職活動に伴う親子関係の変化」があります。

親から見れば、子供はいつまでも子供ですが、親が懸命に手を掛けたからこそ、子供は立派に成長しているものです。

そういった意味では、子供の就活は「親離れ・子離れ」=「新しい親子関係の始まり」とも言えます。

この記事は、「子供の就活が辛い…」と感じる親御さんが知っておきたいポイントのひとつである、子供の就職活動に伴う親子関係の変化について心理学に沿って説明しています。

広告

子供の就職活動に伴う親子関係の変化

子供の成長と共に親も成長していく様子を表わすイラスト

心理学は、人の心のしくみを捉えていくための学問です。

そして、「人の心の成長過程」や「子供の成長に伴う親子関係の変化」についても、心理学で捉えることができます。

子供の就職活動を心理学で捉えると、子供の就活は、子供が親から自立し大人へと成長していくために重要な過程であると捉えます。

子供の就職活動に伴う親子関係の変化は、以下のポイントがあげられます。

POINT

  1. 子供が10歳までは「共依存」の関係
  2. 子供が10歳を過ぎると「子供の反抗期」が始まる
  3. 就活は、新しい親子関係=「自立共存」の始まり

それでは、以下に詳しく説明していきます。

 

①概ね、子供が10歳までの親子関係は「共依存」

生まれたばかりの子供は、当然、一人では生きていけませんので、親を100%信頼し、親から受ける躾や子育てに大きな影響を受けながら成長していきます。

そして、概ね10歳ころまで、「子供は親の存在に依存」することで成長していきます。

同時に、親も「子供の幸せが自分の幸せ」だと感じ、「親自身の幸せ」より、「子供の幸せ」を優先し、子供の成長に大きな影響を受けながら人生を過ごしていきます。

そして、子供が悩み苦しむと親も心配を感じ、子供がのびのびを育つと親も安心を感じます。

つまり人間の親子関係とは、目に見える状態=「経済的には子供が親に依存」をしながら、目に見えない状態=「心理的には親が子供の成長の度合いに依存」しながら人生を過ごしていきます。

このように、お互いが大きな影響を受け合っている心理状態を、心理学では「共依存関係」と言います。

共依存(きょういそん、きょういぞん、英語:Co-dependency)、共嗜癖(きょうしへき、Co-addiction)とは、自分と特定の相手がその関係性に過剰に依存しており、その人間関係に囚われている関係への嗜癖状態(アディクション)を指す。

引用元:共依存 | Wikipedia

そして、人間の親子関係は、概ね、10歳ころまで=思春期や反抗期を迎えるまで、親と子供が互いに大きな影響を受け合う共依存の関係で過ごしていきます。

 

②子供が10歳を過ぎると、反抗期を経て「親離れ・子離れ」を行う

子供は、概ね10歳を過ぎると、今まで順調に成長してきた証として、これまでの「共依存」の親子関係を解消しようとし始めます。

このとき、これまでの「共依存」の親子関係を解消しようという意図で子供がとる行動を、心理学では「思春期」「反抗期」などと言います。

反抗期は、アイデンティティ確立のために欠かせない大切な時期です。なぜなら、保護者への反抗心が薄く言うことを聞くばかりでは、ひとりの人間として自立できないかもしれないからです。

引用元:子どもの反抗期、発想の転換で苦痛が消える?親の心構え | ベネッセ教育情報サイト

このように、人間は10歳ころ(概ね、小学校5年生~中学生ころ)から「反抗期」=親へ依存することから離れ、自立を始めようとします

 

一方、親の方は、子供に「反抗期」が始まると概ね戸惑うもので、頭ではわかっていても、ついつい今まで通り「過干渉」「過保護」を継続してしまいがちです。

そのたびに、子供は親に反抗をする形で自立心を育み、概ね10歳から20歳ころまで(就職をするまで)の時間を掛けて「親離れ・子離れ」を行っていきます。

過干渉は、虐待の一種であり「保護者が我が子を一人の主体的な人間として認めず、その子供の意思や思考、自我の発達や自主性などを否定して、操り人形のごとく親の意のままにコントロールしようとすること」である。

引用元:過干渉 | Wikipedia

過保護(かほご)とは、ある対象を過剰に保護することである。 過保護は、特にこどもの養育において、必要過多な保護、甘やかしを行う場面が多く、こども自身の自主性を尊重し過ぎ、まともな社会人として巣立つのに必要な躾けをせずに済ますことを指す。

引用元:過保護 | Wikipedia

 

③子供の就活は新しい親子関係=「自立共存」の始まり

このように、就活の時期とは、子供が子供の人生を子供自身で構築しようとしている大切な時期であり、脳科学的に見ても心理学的に見ても、まさしく「就職とは新しい親子関係の始まり」となる大切なポイントです。

よって就活において、親からのプレッシャーやストレス=「親の望みや期待」に応えず親をがっかりさせることは、親も子もお互いに自立し合った今後の素晴らしい親子関係を始めるために必須のアクションとも言えます。

反対に就活において、親がプレッシャーやストレス=「親の望みや期待」を子供に押し付けることは、親が子供を疑い、親が子供を傷つけることになります

よって、親は心配を感じながらも、親の心配は親自身でなだめ、子供の就活は子供自身に任せて見守ることが、親が子供を信頼することになります。

そうすることで「親の人生は親自身が責任を持って豊かにし、子供の人生は子供自身が責任をもって豊かにしていく関係」=親も子もお互いに自立し、一人の人間として信頼し協力し合っていく新しい親子関係が始まります。

そして、「大人と子供」といった今までの上下の親子関係=「共依存の親子関係」から、「大人と大人」といった新しい対等の親子関係=「自立共存の親子関係」が始まってきます。

 

このように、子供の成長に伴い親子関係が変化するということは、子供に対する親の役割も変化することを意味します。

また、「子供の就活における親の役割」については、以下の記事で詳しく説明しています。

子供の就活が辛い…」と感じている親御さんは、是非、あわせてお読みください。

広告

子供への過干渉・過保護をやめられない!心理は、アダルトチルドレンの特徴

子供への過干渉・過保護をやめられない!心理はアダルトチルドレンの特徴であることを表わしているイラスト

とはいえ、「上記のような理屈は頭ではわかっていても、子供への過干渉・過保護がどうしてもやめられない!」と感じて苦しんでいる親御さんもいらっしゃるかもしれません。

そして、「子供への過干渉・過保護をやめられない!」という心理状態は、アダルトチルドレンの特徴でもあります。

 

アダルトチルドレンとは、発達障害、精神疾患など、決して障害や病気といった問題ではなく、子供時代の親との関係で身に付けた「性格上の癖」のようなものです。

「子供への過干渉・過保護をやめられない!」と感じる親は、その親自身もまた、子供の頃に過干渉・過保護の影響を受けていた場合が多く、子供の頃にされた子育てを、親になってから自分の子供に繰り返す特徴があります。

アダルトチルドレンについては、以下の記事で詳しく説明していますので参考にして下さい。

 

また、「子供への過干渉・過保護をやめられない!という心理状態」を始めたとしたアダルトチルドレンの特徴は、以下の「アダルトチルドレン(ac)チェックリスト」を実行することで詳しくチェックすることができます。

苦しい心理状態を改善するためには、自分を知ることが第一歩となりますので、是非、チェックしてみてください。

広告

まとめ

さいごに、子供の就職活動に伴う親子関係の変化について重要ポイントをまとめます。

POINT

  1. 子供が10歳ごろまでの親子関係は、経済的には子供が親に依存し、心理的には親が子供にする「共依存の関係」で過ごす
  2. 子供が10歳を過ぎると「思春期・反抗期」が始まり、20歳ころ(就職をするころ)まで時間を掛けて「親離れ・子離れ」を行う
  3. 子供の就活は「親離れ・子離れ」=「自立共存の新しい親子関係の始まり」を意味する

また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。

是非、あわせてお読みください。

以上、「子供の就職活動に伴う親子関係の変化を心理学で解説」という記事でした。

広告