白黒思考の原因と改善

白黒思考の原因は幼少期の体験にあり、白黒思考の改善は幼少期を振り返ることです。

白黒思考で悩んでいる男性のイラスト

 

白黒思考という言葉を知っていますか?

二極思考とも言いますが、「」or「」といった極端な思考であり、完璧主義、潔癖症など、極端な性格に映ります。

ですが、極端な性格は病気ではなく、白黒思考自体は人であればみな持ち合わせているものです。

ですが、極端な思考であるため心的負担が増大しやすく、うつ病やパニック障害などの精神疾患の根本原因ともなり得ます。

そして、白黒思考の原因は幼少期の体験と大きく関わっています。

この記事は、白黒思考の原因と改善について心理学に沿って説明しています。

白黒思考とは?

白黒思考とは、「良い」or「悪い」、「」or「」、「0」or「100」、「」or「味方」など、極端な判断をしがちな思考のことを指します。

 

少しのミスですぐに諦めてしまったり…

少し汚れただけですぐに物を捨ててしまったり…

少し意見が食い違っただけてすぐに相手を嫌ってしまったり…

 

日常では、「完璧主義」「潔癖症」「白黒はっきりした性格」「熱しやすく冷めやすい性格」「極端な性格」「考えすぎ」「理想が高い」などといった印象に映ります。

 

白黒思考は、物事を白か黒かの極端な思考で判断しようとするので、その中間であるグレーゾーンが存在しません。

よって、シーソが揺れ動くかのように心が激しく揺れ動き、大きな焦りと不安を繰り返したり、イライラと落ち込みを繰り返したりします。

ですので、心に大きな負担が掛かりやすく、うつ病やパニック障害などの精神疾患の根本原因ともなり得ます。

 

白黒思考の特徴

白黒思考の特徴としては、人に対して「いい人」と「悪い人」の二種類で分類しがちで、以下のような特徴があります。

 

  • 楽しんでいる時と落ち込んでいる時の落差が激しい…
  • 少しでも上手くいかないとすぐにあきらめてしまうため物事を根気よく続けることが苦手
  • 完璧主義や潔癖症など、ひとつのことにこだわりすぎてしまう

 

白黒思考は二極思考とも言われますが、極端な思考で判断しようとするため、妥協や相談や協力といったグレーゾーンを見出しずらくもあります。

なので、自分自身に対する評価も厳しくなりがちで自分を大切にできなかったり、相手に対する評価も厳しくなりがちで人間関係が上手くいかなかったりします。

また、失敗せずに一気に終わらせようとするため、物事を後回しにしがちになったり、負担を抱えがちになったりする特徴もあります。

 

白黒思考は生きづらさの原因

白黒思考は二極思考もしくは極端な思考とも言えますが、ある意味、視野が狭い思考とも言えます。

視野が狭くなりがちですと、他人の意見や新しい考え方などを受け入れることが難しくなり、自分の思い込みが益々強化されてしまい、自分で自分をさらに窮屈にしてしまい、結果、生きづらさの原因となります。

 

例えば、野球においてもストライクゾーンがあるように、人は自分に対しても他人に対しても許容範囲=ストライクゾーンがあります。

白黒思考は、自分に対しても他人に対しても許容範囲=ストライクゾーンを極端に狭めてしまうため、理想と現実のギャップ=不満やストレスを自分で大量生産してしまうことになります。

なので、白黒思考は、自分に対しても他人に対しても不満や疑念を感じやすくしてしまうため、生きづらさの原因とも言えます。

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白黒思考の原因とは?

このように白黒思考とは、ある意味、自分の許容範囲=活動範囲や安心領域をかえって狭めてしまう思考とも言えます。

ですが、一見、自分で自分を窮屈にして生きづらさしか生み出さないかのように思える白黒思考にも、実は生まれてきた理由がしっかりとあります。

そして白黒思考の原因は幼少期に関係しています。

 

幼少期まではみんな白黒思考

さて、大人になると、なにかと敬遠されがちな白黒思考ですが、じつは幼少期(10歳前程度)までは誰もが白黒思考に従って生きています

 

例えば、アンパンマンやウルトラマンなど幼児向けのアニメ番組は、「正義の味方」と「悪者」、「いい人」と「悪い人」、「絶対善」と「絶対悪」のように、白黒はっきりした極端で分かりやすいストーリーが好まれます。

これは、幼児はまだ人生経験が少ない為、白黒はっきりした極端で分かりやすいストーリーでないと理解しずらいからです。

でも、小学生の中高学年から中学生にかけて人生経験を積んでいくと、ヒューマンドラマや推理小説や恋愛ドラマなど、白黒はっきりしていない複雑なストーリー展開を理解できるようになり、いろいろな立場の人が複雑に関係し、様々な捉え方によってそれぞれが楽しめる、白黒はっきりしない曖昧なストーリーを好むようになります。

 

このように、もともと、人はみな生まれたときには白黒思考なのですが、幼稚園&保育園、小学生、中学生と成長する過程で人生経験を積み、他人の考えや新しい考え方を受け入れつつ、妥協や相談や協力といったグレーゾーンを生み出していけるようになっていきます。

 

ワンダーチャイルドとインナーチャイルド

ですが、幼少期の親の養育や幼少期の人間関係においてショックを受けたり心が傷つくと、それ以来、白黒思考がそのままの状態で保留されてしまい、そのまま大人へと成長していく場合があります。

心理学では、本来、子どもには感情や興味を自由に表現し、疑問や納得ができないことについて素直に表現し、自分の感覚で人を信じる自由と権利(自信と自己肯定感を養う権利)がある。と捉えています。

そして、本来の子どもらしい姿で自由な感情表現ができている子どもを、心理学ではワンダーチャイルドと言い、子どもらしい自由な感情表現が認められている安心感を万能感とも言います。

反対に、幼少期に自由な感情表現ができず、万能感を感じずらかった子どもを、心理学ではインナーチャイルドと呼びます。

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白黒思考と万能感

万能感とは、自分はなんでもできるという感覚=自信と自己肯定感の種です。

ですが、この万能感のみで勝手気ままに生きていくと、自信過剰になりすぎてしまったり、傲慢になりすぎてしまったり、不注意になりすぎてしまったり、トラブルや事故に巻き込まれ、子どもがかえって危険な目にあってしまう場合があります。

なので、そばにいる育ての親が躾けや養育を行うことで、世の中の危険を子どもへと教え、自由にするばかりではなく、「頑張らなければならないこと!」や「やってはならないこと!」を教えていきます。

 

このように、万能感に沿って自由でいることは決していけないことではないのですが、自由でありすぎるとかえって危険な場合もあります。

なので、幼少期に受けた親の養育や周囲の人たちとの人間関係での経験を積むことで、子どもは万能感と白黒思考のバランスを育み、自分で自分の身を守ることを覚えていきます。

自動車に例えれば、万能感がアクセルで白黒思考がブレーキのような役割なのかもしれません。

 

禁止令とドライバー

さて、育ての親が子どもに行う躾けや養育の影響を、心理学では禁止令とドライバーと言います。

そして、親の養育の影響=禁止令とドライバーが極端であったり厳しすぎたりすると、親の躾けの影響=白黒思考を残したまま大人になってしまう場合があります。

このように、白黒思考が大人になっても残ってしまう原因は、幼少期の親の躾けや養育の影響による場合が多いです。

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白黒思考とアダルトチルドレン

白黒思考の原因:世代間連鎖

このように、幼少期に受けた親の養育の影響は、人の人生に大きな影響を及ぼします。

もし、幼少期に受けた親の養育が過干渉であったり過保護であったりすると、子どもとしての健全な成長を親に邪魔されてしまったことになり、失敗や成功、挫折や立ち直りといった人生経験や人としての成長を十分に積めないまま=幼少期の白黒思考をそのまま残した状態で大人に成長していくことになります。

そして、白黒思考の原因となる親もまた、幼少期に親の親(祖父母)の過干渉や過保護の影響を受けており、白黒思考を持ったままの大人になった親である場合が多いです。

このように、親から子へ、子から孫へと、白黒思考が連鎖していくことを、心理学では世代間連鎖と言います。

 

白黒思考はアダルトチルドレンの代名詞

そして、幼少期の親の養育の影響で、大人になっても生きづらさを感じている人を、心理学ではアダルトチルドレンと呼びます。

アダルトチルドレンとは、幼少期の親の養育の影響で心が傷つき、心が傷ついたまま大人になり、幼少期のトラウマの影響を大人になっても感じ続けている人のことを指します。

そして、白黒思考は、アダルトチルドレンの特徴のひとつでもあります。

よって、心理学では、白黒思考とアダルトチルドレンは密接な関係にあると考えています。

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白黒思考チェック

以下は、当社監修のアダルトチルドレンチェックリストです。

白黒思考のチェックにもなりますので、気になる方は参考にして下さい。

・白黒思考チェックはこちら

 

白黒思考とうつ

白黒思考とは極端な防御心理とも言えます。

白黒思考は、自分の言動及び他人の言動を極端に捉え、世の中や他人に対する警戒心を極端に高めることで、身の安全を確保しようとしている心理状態とも言えます。

 

白黒思考の役割

例えば、引きこもりなどの行動は、白黒思考に沿って世の中や他人の言動を極端に捉え、世の中や他人に対する警戒心を極端に高めることで、自分の活動範囲をあえて狭め、危険を避け現状維持をし安全を確保しようとしている心理状態とも言えます。

このように、物事を極端に捉える白黒思考は、一見、悪いことのようにみえますが、実は身の安全を確保しようとする意図が隠されています。

そして、物事を極端に捉えて自分の身の安全を確保しようとする心理を、心理学では防衛機制と言い、心理学では、白黒思考は防衛機制の一種とも考えています。

 

白黒思考による苦しさがうつ症状

ただ、白黒思考によって物事を極端に捉えることは、敏感な警戒心を常に感じ続けることになり、シーソのように心が激しく揺れ動くことになります。

よって、白黒思考が長く続くと、焦りと不安が大きく揺れ動くことになり、心への負担が増大してしまいます。

結果、白黒思考が長く続いたことが原因で、「おっくうな気分」「憂うつな気分」「焦り&不安」など症状が現れる場合があります。

そして、白黒思考が原因で現れる「おっくうな気分」「憂うつな気分」「焦り&不安」の三つの症状を、うつ病の三大症状と言います。

また、白黒思考が原因で心の負担が増大すると、さらなるうつの初期症状を引き起こしてしまいます。

このように、心理学では、白黒思考とうつ病は密接な関係にあると考えています。

 

白黒思考によるうつ症状をチェック

以下は、当社監修のうつ病の症状チェックリストです。

白黒思考のチェックにもなりますので、気になる方は参考にして下さい。

・白黒思考チェックはこちら

 

白黒思考の改善

さて、白黒思考はすべての人が生まれ持った思考の素材とも言えます。

そして、白黒思考という思考の素材を、人生経験によって料理し自分好みに味つけをしながら成長していきます。

ですが、幼少期に受けた親の養育の影響や学校のいじめなど、人間関係で人から傷つけられてしまった経験があると、「二度と傷つけられたくない!」という人への警戒心強まってしまい、それ以降、白黒思考をそのままにすることで、極端な思考によって自分の身の安全を確保しようとし続けます。

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ただ、時は流れ、大人になった今であれば、もうそろそろ白黒思考を改善し、人への警戒心を和らげ、再び自分を自由にしていくことは可能です。

そのためには、白黒思考を無くすとか手放すのではなく、人間関係で人から傷つけられてしまった経験が過去にあったことを振り返り認め、幼少期から傷ついたままの自分の心を癒すことで、人への警戒心を和らぎ、結果、白黒思考も改善していきます。

 

白黒思考とインナーチャイルド

このように、白黒思考とは人への警戒心とも言えます。

そして、警戒心をはじめとするネガティブ感情は、非常に繊細な感情です。

なので、「ああすればいい!こうすればいい!」と乱雑に対処的に刺激を与えると、かえって白黒思考を強化してしまう残念な結果になりかねません。

よって、人への警戒心を抱くことになった経緯=人に傷つけられてしまった体験=幼少期から傷ついたままの自分に関心を振り向けることで白黒思考の改善が始まっていきます

 

このとき、人間関係で人から傷つけられてしまった幼少期の自分のイメージを、心理学ではインナーチャイルドと呼びます。

大人になった自分が幼少期の傷ついた自分を癒すイメージをすることで、イメージトレーニングの要領で、誰も巻き込まず、誰にも邪魔されず、心のコンディションを落ち着かせ、人への警戒心を和らげ、安全に確実に白黒思考の改善が叶っていきます

このように、繊細な白黒思考を優しく改善していく工夫を、心理学ではインナーチャイルドセラピーといいます。

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インナーチャイルドセラピーで白黒思考を改善

白黒思考とは、極端な思考であり、極端とは敏感とも言えますし、敏感とは怯えていると言えます。

ですので、ある日ある時から自分自身が抱き続けている人への怯えをホッと落ち着かせとき、敏感さが和らぎ、極端さが和らぎ、白黒思考が改善していきます。

 

ただ、人間関係に傷ついたことによってそのままになってしまったいる白黒思考ですので、人間が目に見えてしまうと、それだけで白黒思考が敏感に働いてしまい、白黒思考の改善が難しくなってしまいます

ですので、白黒思考を優しく改善する工夫として、目を閉じて行う催眠療法(ヒプノセラピー)があります。

 

目を閉じることで、人間が見えなくなり、人間が見えなくなることで人への警戒心が和らぎ、白黒思考も和らいでいきます。

そして、傍らにいる心理カウンセラーや心理セラピストが、姿は見せず声だけのサポートを行い、インナーチャイルドの癒しを手伝っていきます。

このように、目を閉じることによって白黒思考を和らげ、且つ、白黒思考の根本原因である「人への怯え」を、自分自身で落ち着かせて、自分自身で白黒思考を改善していく工夫をインナーチャイルドセラピーといいます。

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まとめ

人の心の特徴として、自分の思考癖は自分自身が気づくことで自然と改善に向かっていきます。

ただ、自分の思考癖は自分自身では気づきずらいものです。

ですので、1人では気づきずらい思考癖を心理カウンセラーや心理セラピストとのチームワークによって捉えやすくしていく工夫が心理カウンセリングです

 

心理カウンセリングを利用することで、自分の考えや思考癖を、心理カウンセラーの協力のもと体感で感じたり、言葉で表現したり、イラストで視認することが叶っていきます。

そうすることによって、白黒思考を認識し受け入れたことになり、白黒思考を受け入れたことで、白黒思考の改善が自然と始まっていきます。

 

白黒思考とは決して悪いものではありませんが、自分自身を窮屈に制限し防衛する心理ですので、あまりに長く続くと自分自身がかえって苦しくなってしまいかねません。

なので、白黒思考の改善とは、あくまで白黒思考の存在を認め、受け入れることで和らげていくことになります。

そうすることで、自分自身の力で自分を自由にし、自分の人生をつくっていく自由を体験できます。

白黒思考の改善とは、いつの日からか続いたままの被害者的な苦しい思考から、自分自身の自立と自由を再開する大きな転換点とも言えるのかもしれません。