POINT
心の専門家(心理カウンセラー)と一緒に「幼少期のトラウマ」を癒したり「極端な考え方」を改善できる「心理カウンセリング」は、アダルトチルドレンの克服にとても有効です。
心理カウンセラーの寺井です。
「アダルトチルドレン」とは、家庭内に存在する様々な問題が原因で子どもの頃に「トラウマ(心的外傷)」を負い、その影響で、大人になって「精神疾患、否定的自己概念、偏った人間関係、仕事・恋愛・結婚・子育てがうまくいかない」などの「生きづらさ」を抱えている人のことを指します。
なお、当社メンタル心理そらくものカウンセリングは、主に以下のような「アダルトチルドレン(AC)のお悩みを抱えた方」におすすめです。
POINT
- 自分はアダルトチルドレンではないか?と感じている
- 親・家族に愛されずに(愛情不足で)育ったと感じている
- 親・家族との問題を引きずっていると感じている
- 自分に自信がない、自分が嫌い、自分には価値がないと感じている
- 本心が言えず、人生を楽しめない
- 弱音が言えず、我慢しすぎたり頑張りすぎてしまう
- 自分のことは後回しにして他者に尽くしすぎてしまう
- コミュニケーションや人間関係が苦手だと感じている
- 仕事・恋愛・結婚・子育てがうまくいかないと感じている
上記のような「アダルトチルドレンのお悩み」は、「発達障害」ような生まれ持った「先天的性格(気質)」ではなく、生まれた後に形成された「後天的性格」であるため、専門的な取り組みをすることで克服することは可能です。
この記事は、子どもの頃の家庭環境の影響で、大人になった今も苦しんでいる方へ向けて、アダルトチルドレンの特徴、原因、克服方法、カウンセリングの効果について解説しています。
アダルトチルドレンとは?
まずはじめに、「アダルトチルドレンとは何か?」を知るために、以下の「2点」について解説していきます。
POINT
- アダルトチルドレンの意味合い
- アダルトチルドレンの歴史
①アダルトチルドレンの意味合い
「アダルトチルドレン意味合い」は、主に以下のようになります。
POINT
- 「アダルトチルドレン(Adult Children:AC)」とは、子どもの頃に「トラウマ(心的外傷)」を負い、その影響で、大人になって「心理的な問題」を抱えている人のことを指す
- 「アダルトチルドレンの原因となる家庭」を「機能不全家族」と呼び、「児童虐待の問題(暴力・暴言など)」「家庭環境の問題(家庭内暴力・家庭不和など)」「両親の夫婦関係の問題(夫婦喧嘩・両親の不和など)」「両親の精神的問題(アルコール依存症・ギャンブル依存症など)」など多岐にわたる
- 「アダルトチルドレン」とは「特定の病名」を指すものではないため、医師などの「診断」を受ける必要はなく、「自分はアダルトチルドレンだ」と認識することが重要
- 「アダルトチルドレン」とは、「『自分が抱える心理的な問題』は、『子どもの頃の家庭環境』が原因で形成された『後天的性格』であるため、専門的な取り組みをすることで克服することが可能」ということを意味する言葉
なお、「アダルトチルドレンの意味合い」については以下の記事で詳しく解説しています。
②アダルトチルドレンの歴史
「アダルトチルドレンの歴史」は、主に以下のようになります。
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- 「アダルトチルドレン」とは、1970年代に「アメリカのアルコール依存症の研究」から広がり始めた言葉。当初は「アダルトチルドレン・オブ・アルコホリックス(Adult Children of Alcoholics)」略して「ACOA」と言われ、「アルコール依存症の親のもとで育った人」を指していた
- 1980年代の後半に入って研究が進み、「アルコール依存症の親」に限らず「ギャンブルや薬物など他の依存症、暴力、暴言、ネグレクト、過干渉、過保護」など、子どもにとって「安全な場所」として機能していない家族(機能不全家族)で育った人も「アダルトチルドレン」に含むようになり、「アダルトチルドレン・オブ・ディスファンクショナルファミリー(Adult Children of Dysfunctional Family)」略して「ACOD」と言われるようになった
- 「アダルトチルドレン」とは、当初は「アルコール依存症の親のもとで育った人(ACOA)」だけを指していたが、現在では「機能不全家族で育った人(ACOD)」すべてを「アダルトチルドレン」と呼んでいる
- 日本では「アダルトチルドレン関連の書籍」の出版を機に1990年代から広がり始めた
なお、「アダルトチルドレンの歴史」については以下の記事で詳しく解説しています。
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アダルトチルドレンの生きづらさ
「アダルトチルドレン」という言葉自体は「病名」などを表す「医学用語」ではありません。
ですが、アダルトチルドレンは「機能不全家族」で育った影響で「トラウマ(心的外傷)」や「極端な考え方(白黒思考)」を持つ場合が多く、その影響で、二次的に精神疾患の症状が現れる場合があります。
なお、「アダルトチルドレンの生きづらさ」とは、主に以下の「6つ」があげられます。
POINT
- 精神疾患
- 否定的自己概念
- 偏った人間関係
- 恋愛依存症
- 対等ではない夫婦関係
- 育児不安
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①精神疾患
「アダルトチルドレンに現れやすい精神疾患」としては、主に以下の「診断名」があげられます。
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- 不安障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、うつ病、気分障害、双極性障害、境界性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害、解離性障害、適応障害、摂食障害、アルコール依存症、薬物依存症
このように、アダルトチルドレンは「トラウマ(心的外傷)」や「極端な考え方」を持つ影響で、上記のような「診断名」をつけられることがあります。
②否定的自己概念
アダルトチルドレンは、子どもの頃に「親や家族」から「否定的な扱い」を受けて育ったため、大人になって「自分を否定的に捉える(否定的自己概念を持つ)」ことが多く、その影響で、自分自身を大切にできなかったり、物事を楽しめなかったりします。
なお、「アダルトチルドレンが持つ『否定的自己概念』」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 自己否定感が強い
自分のことを「嫌いだ」と感じる、自由に行動したり楽しむことに不安を感じる - 自尊心が低い
「自分は誇れる点がない」「自分は何の役にも立たない」と感じる - 自己肯定感が低い
「自分を許せない」「自分に自信がない」と感じる - 無価値感が強い
「どうせ自分には何の価値もない」「どうせ自分は何をやっても駄目だ」と感じる
このような「否定的自己概念」が繰り返されると、生きていること自体に苦しさを感じたり、将来への期待や希望を感じられなくなり、「苦しさから逃れるためには自分という存在を消すしかない」などの「希死念慮」を感じる場合があります。
③偏った人間関係
本来であれば、子どもにとって「親や家族」とは「最も信頼できる存在」であるはずです。
ですが、最も信頼できるはずの「親や家族」から「否定的な扱い」を受けて育ったアダルトチルドレンは、大人になって「人に対する警戒心(人に傷つけられたくない気持ち)が強くなる」あるいは「承認欲求(必要とされたい・認められたい気持ち)が強くなる」ことが多く、その影響で、人間関係に偏りが生じやすくなります。
なお、「アダルトチルドレンの人間関係の偏り」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
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- 対人関係を敵・味方に分けて考えやすい
- 相手を心から信頼することができず、疑心暗鬼になりやすい
- 人との親密な付き合いを避け、表面的な付き合いに終始する
- 人間関係のトラブルを避けるため、人と会わずに家に引きこもることが多い
- 少しの行き違いで人間関係を切ってしまう
- 挨拶されなかっただけで嫌われていると思い込んでしまう
- 人間関係で孤立しないよう、過度に人に依存する
- 相手に必要とされたい気持ちが強く、相手のために自分を犠牲にして尽くしすぎてしまう
- 相手に認められたい気持ちが強く、相手のためなら何でもすると頑張りすぎてしまう
- 親密になりたい気持ちと裏切られることへの恐れが葛藤して苦しくなる
④恋愛依存症
「親や家族」から「否定的な扱い」を受けて育ったアダルトチルドレンは、「親の愛情不足」で大人へと成長したとも言え、その影響は、大人になって「恋愛関係、夫婦関係、子育て」に現れる場合があります。
なお、「アダルトチルドレンの恋愛傾向」とは、主に以下の「4つ」があげられます。
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- 共依存恋愛
恋人の存在なしでは、自分の存在価値を感じることができない
男性も女性もどちらも存在するが、女性の方が多い - 回避依存症
恋人の存在は必要だが、恋人から愛されることに息苦しさを感じやすい
男性も女性もどちらも存在するが、男性の方が多い - 親代わり恋愛
子どものように甘える・親のように尽くすなど、親子のような恋愛関係
彼女に母親代わりを求める男性・彼氏に父親代わりを求める女性
彼女の父親代わりをする男性・彼氏の母親代わりをする女性…など - 試し行為(試し行動)
あえて恋人を困らせるような行動を取ることで、恋人の愛情を確認する行為
男性も女性もどちらも行う行為だが、男性のみ激しい暴力に発展する場合がある
⑤対等ではない夫婦関係
「アダルトチルドレンが抱えやすい夫婦関係の問題」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 共依存夫婦
妻(夫)が一方的に世話を焼き、夫(妻)が一方的に甘え切っている
依存したい夫(妻)と依存されたい妻(夫)の夫婦関係
相手がいないと生きていけないとお互いが感じている - 夫婦不仲
夫婦のコミュニケーションが殆どない
些細なことでイライラが爆発して夫婦喧嘩が多い
不倫・別居など、夫婦関係が冷め切っている - 束縛・監視
モラハラ・DV・ヒステリーなど、暴言や暴力で束縛する
交友関係を制限する、行動を逐一報告させる
メールやLINEをチェックするなど、行動を監視する
⑥育児不安(世代間連鎖)
「アダルトチルドレンが抱えやすい育児不安」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
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- イライラが止まらない
子どもが思い通りに行動しないと「イライラ」が止まらなくなる - 落ち込みやすい
子どもが思い通りに行動しないと「自分のせいだ」と感じて落ち込んでしまう - 過干渉
「○○しなさい!○○はダメ!」と、子どもに言い過ぎてしまう - 過保護
「かわいそう…かわいそう…」と、子どもの世話を焼きすぎてしまう - 育児から逃げる
仕事などを理由に育児から逃げてしまい、妻(夫)や祖父母に任せてしまう - 一人で抱え込む(孤育て)
辛くても周囲に助けを求められず、ワンオペ育児に耐えてしまう
また、「子育てのやり方」は「自分が子どもの頃に親にしてもらった(親にされた)子育て方法を、大人になって自分の子どもに同じように繰り返す」と考えられおり、アダルトチルドレンは「親にされて嫌だった子育てのやり方(子どもに悪影響を及ぼす可能性のある子育てのやり方)」を無意識に自分の子どもに繰り返してしまう(世代間連鎖をする)場合があるため、以下のような苦しさを感じることがあります。
POINT
- 自分が親にされて嫌だったことを、自分の子どもにしてしまう苦しさ
- 自分が親にしてもらえなかったことを、自分の子どもにしてあげなければならない苦しさ
なお、「アダルトチルドレンの生きづらさ」については以下の記事で詳しく解説しています。
アダルトチルドレン「7つ」のタイプ
アメリカの心理療法家「ウェイン・クリッツバーグ」は、大人になった「アダルトチルドレン」が、子どもの頃に「機能不全家族で担わされた役割」を「アダルトチルドレンタイプ」としてまとめました。
このように「アダルトチルドレン」とひと口に言っても「さまざまなタイプ」があり、「それぞれのタイプ固有の特徴」や「それぞれのタイプに適した克服方法」があります。
なお、本サイトにおける「アダルトチルドレンタイプ」は、以下の「7つ」を使用しています。
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- 「ヒーロータイプ(英雄役)」
「スーパーチャイルド」とも呼ばれ、「親や家族の期待」に応えるために「勉強・スポーツ・習い事」を頑張る、「優等生」に映る反面、「挫折に弱い」一面がある - 「スケープゴート(身代り役)」
「家族のストレスのはけ口」になったり「家族の嫌われ者」になる、「厄介者」や「問題児」に映る反面、「根は優しい」一面がある - 「ロストワン(いない子)」
「自我」を抑えたり「一人で過ごす」ことで「存在感」を消す、「存在感が薄い印象」に映る反面、内面には「豊かな感受性と独創性」を持つ - 「クラウン・ピエロ(道化・おどけ役)」
「家庭の不和」を和ますために「ムードメーカー」となる、「明るい性格」に映る反面、内面には「ネガティブ感情」を抑圧している - 「ケアテイカー(世話役)」
「小さな看護師」とも呼ばれ、「親代わり」となって家族の世話を焼く、「気が利く人・面倒見が良い人」に映る反面、「過干渉・おせっかい」な一面がある - 「イネイブラー(支え役)」
「偽親(にせおや)」とも呼ばれ、「自己犠牲」によって家族を支える、「献身的な人」に映る反面、一方的に尽くしすぎて「相手の依存心を強めてしまう」 - 「プラケーター(慰め役)」
「小さなカウンセラー」とも呼ばれ、「聞き役に徹する」ことで家族を慰める、「優しく寄り添う人」に映る反面、他人の感情に振り回されて「自分のことが後回しになる」
なお、「アダルトチルドレンタイプ」については以下の記事で詳しく解説しています。
アダルトチルドレンの原因
アダルトチルドレンが生まれる「原因・要因」はいくつかありますが、そのほとんどが「親・家族・家庭環境と密接に関わっている」と考えられています。
なお、「アダルトチルドレンの原因」とは、主に以下の「6つ」があげられます。
POINT
- 機能不全家族
- 毒親
- 負の世代間連鎖
- 幼少期に負ったトラウマ(未完の感情)
- 人生脚本(禁止令、ドライバー)
- 気質
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①機能不全家族
「機能不全家族」とは「アダルトチルドレンの研究」から生み出された言葉で「アダルトチルドレンの原因となる家庭環境」を意味し、主に以下のような「意味合い」があります。
POINT
- 子どもが日常的にストレスを感じている家族
- 家庭の本来の働きがうまく機能していない家族
- 子どもの健全な成長を阻害してしまう可能性がある家族
なお、「機能不全家族が抱える問題(アダルトチルドレンの原因となる家庭環境)」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 児童虐待の問題…「暴言、暴力、性的虐待、ネグレクト、過干渉、過保護、ヒステリー、きょうだい差別、教育虐待」など
- 家庭環境の問題…「親の死亡、家庭内の暴力、家庭不和、父子母子家庭(ひとり親)、拡大家族、きょうだい児、ヤングケアラー、貧困、借金」など
- 両親の夫婦関係の問題…「モラハラ、DV、夫婦喧嘩、両親の不和、家庭内別居、親の不倫、両親の離婚、親の再婚」など
- 両親の精神的問題…「アルコール依存、ギャンブル依存症、薬物依存症、共依存、うつ病、自殺企図、宗教への依存」など
参考元:機能不全家族|Wikipedia
このように「機能不全家族」とは、「親」に限らず「兄弟姉妹」や「祖父母」も含めた「家族全体の問題」を指し、子どもが直接暴言や暴力を受けていなくても、「両親の夫婦喧嘩」や「家族同士の対立」などを子どもが見聞きしてしまうことも含まれます。
なお、「機能不全家族」については以下の記事で詳しく解説しています。
②毒親
「毒親」とは、「心理学」や「精神医学」などの学術的な根拠を持つ「言葉」ではありませんので「明確な定義」はありませんが、一般的には「子どもの人生に悪影響を及ぼす子育てを行う親」を意味します。
ですので、「毒親」とは「機能不全家族の原因となる親(アダルトチルドレンの原因となる親)」と言い換えることができ、主に以下のような「意味合い」があります。
POINT
- アルコール・薬物・ギャンブル・仕事などの依存症を持つ親
- 拒食・過食などの嗜癖を持つ親
- 暴言・暴力・ネグレクトなどの虐待を行う親
- 過干渉な親
- 過保護な親
なお、「毒親」については以下の記事で詳しく解説しています。
③負の世代間連鎖
「負の世代間連鎖」とは、「子どもの頃、親にされて嫌だった子育てのやり方(親の子育てから受けた負の影響)を、大人になって自分の子どもへと無意識に繰り返してしまうこと」を指し、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 親から「暴言・暴力」を受けて育った子どもが、大人になって自分の子どもへと「暴言・暴力」を振るう
- 親から「放置」されがちだった子どもが、大人になって自分の子どもを「放置」しがちになるPOINT
このように「機能不全家族」も「毒親」も「アダルトチルドレン」も、決して「親が意図的に起こしている問題」ではなく、曾祖父母から祖父母へ、祖父母から父母へと「負の世代間連鎖によって無意識に連鎖している問題」と言えます。
なお、「負の世代間連鎖」については以下の記事で詳しく解説しています。
④幼少期に負ったトラウマ(未完の感情)
アダルトチルドレンとは「機能不全家族で育った(毒親に育てられた)影響によって子どもの頃に「トラウマ(心的外傷)」を負い、その影響で、大人になって「生きづらさ」を抱えている人のことを指します。
そして、子どもの頃に負った「トラウマ(心的外傷)」を「幼少期トラウマ」と言い、「幼少期トラウマ」のように、ある時から未解決のまま心に残っている感情を「ゲシュタルト療法」という心理学では「未完の感情」と呼びます。
ですので、「幼少期トラウマ(未完の感情)」とは「アダルトチルドレンが抱える生きづらさの根本原因のひとつ」と言い換えることができ、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 子どもの頃に親や家族に言いたかったが言えなかったこと
- 子どもの頃にやりたかったがやれなかったこと
- 子どもの頃に親や家族に相談したかったが相談できなかった悩み
- 子どもの頃に我慢した「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」
なお、「幼少期トラウマ(未完の感情)」については以下の記事で詳しく解説しています。
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⑤人生脚本(禁止令、ドライバー)
「機能不全家族で育った(毒親に育てられた)影響」は、アダルトチルドレンの「思考・行動パターン(性格パターン)」に大きく影響していると考えられています。
そして、子どもの頃に親から受けた子育ての影響によって形成され、大人になっても無意識に繰り返されている「思考・行動パターン」を「交流分析」という心理学では「人生脚本」と言います。
なお、「人生脚本」とは大きく分けて以下の2つの「価値観」で形成されています。
POINT
- 「禁止令」…「○○してはダメだ!」など、親から何かを禁止される言葉を掛けられたことにより、大人になって「自分は○○してはダメだ!」と感じる価値観
- 「ドライバー(拮抗禁止令)」…「もっと○○しなさい!」など、親から何かを煽り立てられる言葉を掛けられたことにより、大人になって「自分はもっと○○しなくてはならない!」と感じる価値観
このように、「禁止令」や「ドライバー」など「極端な考え方」を無意識に繰り返す「人生脚本」とは、「アダルトチルドレンが抱える生きづらさの根本原因のひとつ」と言い換えることができます。
なお、「人生脚本(禁止令・ドライバー)」については以下の記事で詳しく解説しています。
⑥気質
人間の性格には、遺伝の影響で生まれ持った「先天的な性格(気質)」があり、子どもは生まれながらに以下のような「気質」をもって生まれてくる場合があります。
POINT
- 注意が散漫になりやすい、癇癪を起しやすい、こだわりが強い、物事を理解するのに時間が掛かる、周囲に敏感、衝動的な行動をする(発達障害やHSPなど)
上記のような「気質」を持った子どもに対して親はストレスを抱えやすくなり、親は以下のような「子どもの気質を否定する子育て」をしてしまう場合があります。
POINT
- 子どもの行動を支配・コントロールする、子どもを激しく叱責する、子どもを叩いてしまう、子どもの気質を無理に矯正しようとする
このように、生まれ持った「気質」そのものが「アダルトチルドレンの原因」というわけではないのですが、生まれ持った「気質(発達障害やHSPなど)」を親に理解してもらえず、親から「否定的な扱い」されたことで、大人になって「生きづらさ」を抱える場合があります。
アダルトチルドレンを克服する方法
「アダルトチルドレン(AC概念)」の生みの親である、アメリカのソーシャルワーカー・社会心理学博士「クラウディア・ブラック」は、「アダルトチルドレンからの回復」には以下の2点が重要と述べています。
POINT
- 「親・家族」に対する負の感情は「親・家族」に聞かせるのではなく、「親以外の信頼できる相手(心理カウンセラー・自助グループなど)」に聞いてもらう必要がある
- 「親・家族」に対する負の感情は「安全な場所(カウンセリングルーム・自助グループなど)」で聞いてもらう必要がある
以上のことから、「心理カウンセリングは、アダルトチルドレンの克服にとても有効である」と言われています。
なお、「アダルトチルドレンを克服する方法」とは、主に以下の「4つ」があげられます。
POINT
- 薬物療法
- 自助グループ
- 心理カウンセリング
- 心理セラピー
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①薬物療法
アダルトチルドレンは「機能不全家族」で育った影響で「トラウマ(心的外傷)」や「極端な考え方」を持つことが多く、その影響で、二次的に以下のような「精神疾患の症状」が現れる場合があります。
POINT
- 抑うつ、不安、衝動的行動、解離、軽躁、強迫、対人緊張、パニック、不眠、食欲低下、過食、拒食など
上記のような「症状」に対して、「心療内科」や「精神科」で行っている「薬物療法」で心と体を楽にすることは、一時的な対処法としては有効と言えます。
ですが、「アダルトチルドレンの苦痛(生きづらさ)の根本原因」は、あくまで「幼少期に負ったトラウマ」や「幼少期に身に付けた極端な考え方(人生脚本)」にあります。
よって、「薬物療法」とはあくまで「アダルトチルドレンの苦痛(生きづらさ)を一時的に緩和する補助的なもの」と理解しておく必要があります。
②自助グループ
自助グループとは、「同じ悩みを持つ人がお互い支え合う(アダルトチルドレン同士が支え合う)グループ」です。
自分と同じ悩みを抱えている人に「日常の悩み」や「幼少期の体験」を話して受け入れてもらうことで、「幼少期に負った心の傷(トラウマ)」を少しずつ癒したり、「幼少期に身に付けた極端な考え方(人生脚本)」を少しずつ改善していきます。
ただ、アダルトチルドレンは「人と関わることに防衛的な気持ちを強く感じる」という特徴があるため、「自助グループへの参加に抵抗を感じる」という方も多いようです。
③心理カウンセリング
前述の通り、「アダルトチルドレンの生きづらさの根本原因」は大きく分けて以下の「2つ」があります。
POINT
- 感情面の原因…「幼少期に負った心の傷(トラウマ)」
- 思考面の原因…「幼少期に身に付けた極端な考え方(人生脚本)」
心理カウンセリングとは、「心のしくみ(心理学)を十分に理解している『心の専門家(心理カウンセラー)』」と一緒に「幼少期の出来事」を振り返り、「幼少期の感情」や「幼少期の考え方」を整理していくことです。
心の専門家である心理カウンセラーと対話を重ねることで自己理解を深め、「幼少期に負った心の傷(トラウマ)」を受け止め癒したり、「幼少期に身に付けた極端な考え方(人生脚本)」に気づいて改善したり、アダルトチルドレンの根本解決を目指していきます。
④心理セラピー
「ゲシュタルト心理学」や「交流分析」によると、「幼少期に負った心の傷(トラウマ)を癒す作業」や「幼少期に身に付けた極端な考え方(人生脚本)を改善する作業」は、子どもの頃の自分の心情に「感情移入」できればできるほど高い効果が期待できると考えられています。
とはいえ、「子どもの頃の家族との記憶」や「子どもの頃のトラウマ体験」は、「なかなか思い出しづらい『遠い昔の記憶』」であるのと同時に、「できれば思い出したくない『傷ついた記憶』」でもあります。
ですので、目を開けた状態で行う「対話型の心理カウンセリング(傾聴カウンセリング)」のみだと、心理カウンセラーが視界に入ってしまうことで「感情移入」しきれず、アダルトチルドレンの根本解決がうまく行かなくなってしまう場合が多いです。
そこで、目を閉じた状態で行う「エリクソン催眠療法(ヒプノセラピー)」や「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」など、子どもの頃の自分の心情に「感情移入」しやすくなるための工夫を「心理セラピー」と言います。
なお、「アダルトチルドレンの根本解決に有効な心理セラピー」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- NLP心理セラピー
- エリクソン催眠療法(ヒプノセラピー)
- インナーチャイルドセラピー(退行催眠)
- EFT(感情解放テクニック)
このように、「心理カウンセリング」に加えて「心理セラピー」も取り入れることで、アダルトチルドレンの根本解決をより安全・確実に進めやすくなります。
当社メンタル心理そらくもの「AC克服カウンセリング」の特徴
前述の通り、「心理カウンセリングは、アダルトチルドレンの克服にとても有効である」と言われています。
当社メンタル心理そらくもは、代表:寺井啓二自身が「アダルトチルドレンの克服経験を持つ心理カウンセラー・心理セラピスト」あり、「対話型の心理カウンセリング」に加えて「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」などの「心理セラピー」も取り入れることで、「解決志向(短期療法)に基づく『アダルトチルドレン克服のお手伝い』」を行っております。
なお、「当社メンタル心理そらくもの『AC克服カウンセリング』の特徴」は、主に以下の「4つ」があげられます。
POINT
- アダルトチルドレン「回復の4ステップ」を遵守する
- 「インナーチャイルドセラピー」で最大限の効果を引き出す
- 「解決志向(短期療法)」で何度も通う必要がない
- 「アダルトチルドレンの克服経験を持つ専門家」の協力が得られる
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①アダルトチルドレン「回復の4ステップ」を遵守する
アメリカのソーシャルワーカー・社会心理学博士「クラウディア・ブラック」は、「子どもを生きればおとなになれる―インナーアダルトの育て方」という著書の中で、「アダルトチルドレンからの回復プロセス」として、次の「4つのステップ」を示しました。
POINT
- ステップ1=過去の喪失を探る・解放する
アダルトチルドレンの生きづらさの「感情面の原因」である「幼少期に負ったトラウマ」の存在に気づき、「幼少期に負ったトラウマ」を治療する(癒す) - ステップ2=過去と現在をつなげる
「機能不全家族で育った影響(幼少期の体験)」が、現在の自分にどのような影響を与えているか?を理解する(脚本分析) - ステップ3=取りこんだ信念に挑む
アダルトチルドレンの生きづらさの「思考面の原因」である「幼少期に身に付けた極端な考え方」を改善する(人生脚本の書き換え) - ステップ4=新しいスキルを学ぶ
子どもの頃に学べなかった「人間関係の方法」「感情の扱い方」「自分を大切にする方法」を学ぶ(アサーティブトレーニング)
当社メンタル心理そらくもの「AC克服カウンセリング」は、上記の「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を遵守した形で取り組んでいきます。
なお、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」については以下の記事で詳しく解説しています。
②「インナーチャイルドセラピー」で最大限の効果を引き出す
「アダルトチルドレンの生きづらさの根本原因」には「感情面の原因(幼少期に負ったトラウマ)」と「思考面の原因(幼少期に身に付けた極端な考え方)」の「2つの原因」があるため、アダルトチルドレンからの回復は「感情面のケア(幼少期に負ったトラウマを癒す)」と「思考面のケア(極端な考え方を改善する)」の「2つの取り組み」が必要になります。
当社メンタル心理そらくもが得意とする「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」は、「幼少期に負ったトラウマの癒し」と「幼少期に身に付けた極端な考え方(人生脚本)の改善」を「2つ同時」に取り組めるため、アダルトチルドレンの克服に非常に効果的です。(※「オンラインカウンセリング」では「インナーチャイルドセラピー」を行いません)
なお、「インナーチャイルドセラピーの効果」をまとめると、主に以下の点があげられます。
POINT
- 感情面の原因である「幼少期に負ったトラウマ」を「安全・確実」に癒すことができる
インナーチャイルドセラピー後は、特に何もしなくても「幼少期に負ったトラウマの自然治癒」が進み、生きづらさは自然と治まっていく - 思考面の原因である「幼少期に身に付けた極端な考え方(人生脚本)」を「安全・確実」に改善することができる
インナーチャイルドセラピー後は、特に何もしなくても「新しい思考・行動パターン(性格パターン)での生活」が続き、生きづらさは自然と治まっていく
このように、「インナーチャイルドセラピー」が終わった後は、特に何かをしなくても、アダルトチルドレンの生きづらさが自然と治まっていきます。
そして、生きづらさが治まっていくと、子どもの頃に体験できなかった「楽しいこと・嬉しいこと」を新たにやってみたいと感じたり、子どもの頃に諦めてしまったことを再びやってみたいと感じたり、自分らしい人生を自然に取り戻していきます。
なお、「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」については以下の記事で詳しく解説しています。
③「解決志向(短期療法)」で何度も通う必要がない
このように、当社メンタル心理そらくもは「1回の面談で最大限の効果を引き出す」ことを重視しているため、上記「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)による『アダルトチルドレンの回復ステップ』」を、「半日セッション(3~4時間)」もしくは「1日セッション(6~7時間)」という「解決志向(短期療法)による対面カウンセリング」でお手伝いをしています。
当社メンタル心理そらくもの「対面カウンセリング」をご利用頂いた場合、概ね「1回~2回」のご利用でお悩みの改善を実感される方が多く、何度も通う必要がないのが特徴です。(※「オンラインカウンセリング」をご利用頂いた場合はある程度の回数が必要です)
なお、当社メンタル心理そらくもの「解決志向(短期療法)による対面カウンセリング」については、以下の記事で詳しく解説しています。
④「アダルトチルドレンの克服経験を持つ専門家」の協力が得られる
アダルトチルドレンからの回復を目指すあたり、「アダルトチルドレンの克服経験を持つ専門家」に協力を求めることは重要な手立てのひとつと言えます。
当社メンタル心理そらくもの代表:寺井啓二は「アダルトチルドレンの克服経験を持つ心理カウンセラー・心理セラピスト」です。
いつの日か、アダルトチルドレン克服のお手伝いをさせて頂けると嬉しいです。
なお、「心理カウンセラー寺井啓二のアダルトチルドレン克服体験談」については、以下の記事で詳しく解説しています。
アダルトチルドレンの関連記事
本記事に関する関連記事を以下に紹介します。
是非、あわせてお読みください。
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。
参考文献
- “(株)心理オフィスK”.アダルトチルドレンのカウンセリング・治し方.https://s-office-k.com/complaint/trauma/adultchildren,(参照2024-7-20)
- “cotree”.アダルトチルドレン(AC)についてカウンセラーに相談する.https://cotree.jp/lp/self_adult_children,(参照2024-7-20)
以上、「アダルトチルドレンのカウンセリング『ACの特徴・原因・克服方法』を徹底解説」という記事でした。