アダルトチルドレンのカウンセリング:克服への“9”の重要ポイント

2018年11月23日アダルトチルドレンアダルトチルドレンの克服方法,カウンセリング技法・心理療法

対面カウンセリングでアダルトチルドレンの克服に取り組んでいるイラスト

POINTカウンセラーとのあいだで「人との信頼関係」「対等な人間関係」を体感できるカウンセリングは、アダルトチルドレンの克服にとても有効な手段で、重要な“9”のポイントがあります。

心理カウンセラーの寺井です。

心理カウンセリングは、アダルトチルドレンの克服にとても有効であると言われています。

その理由は、アダルトチルドレンが「親との人間関係」で生まれた問題である以上、「心理カウンセラーという人間との信頼関係」を経験することで、人間関係への苦手意識が和らぎ自信が生まれるからだと私は考えています。

「アダルトチルドレン」も「アダルトチルドレンの親」も「私たち心理カウンセラー」も、みな同じ1人の人間です。

アダルトチルドレンの克服を目的とした心理カウンセリングに重要なのは、「技術」や「知識」に加え、「お互いに敬意を払う対等な人間関係」「お互いに協力しあいながら克服を目指す信頼関係」が大切です。

この記事は、アダルトチルドレン克服のための心理カウンセリングでの重要な“9”のポイントについて解説しています。

以下の「目次」は「お好きな項目を選ぶ」と「選んだ項目にジャンプ」できますのでご活用ください。

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アダルトチルドレンを克服するために重要な“9”のポイント

以下は、心理カウンセリングを用いて、アダルトチルドレンの克服に取り組む場合に重要となるポイントです。

POINT

  1. アダルトチルドレン「AC概念」を理解する
  2. アダルトチルドレンの特徴を理解する
  3. アダルトチルドレンの原因を理解する
  4. アダルトチルドレンは自分で克服する
  5. アダルトチルドレンの回復過程を遵守する
  6. 人間への警戒心を配慮し工夫する
  7. トラウマの治癒にインナーチャイルドセラピーを用いる
  8. アダルトチルドレンの克服をアフターフォローする
  9. アダルトチルドレンの克服経験を持っている

それでは、以下に詳しく解説していきます。

 

①アダルトチルドレン「AC概念」を理解する

カウンセリングでアダルトチルドレンの歴史を理解しているイメージ

「アダルトチルドレン(AC概念)」とは、「精神医学」や「心理学」などに学術的な根拠を持つ診断名ではなく、生まれた後に身に付けた「性格上の癖」「心理的な特徴」「考え方の習慣」によって生まれる「生きづらさ」に焦点を当てた考え方です。

このように、アダルトチルドレンの生きづらさは「習慣」である以上、一生変えられないものではなく、ポイントを抑えた対応を取ることによって克服は可能であると考えるのが、「アダルトチルドレン(AC概念)の最大の特徴」です。

 

アダルトチルドレンの歴史

アダルトチルドレン」という概念は、もともと、カナダの「マーガレット・コーク」が1969年に出版した「忘れられた子供たち」という本から始まったと言われています。

その後、1970年代に入り、アメリカで「アルコール依存症の親を持つ子どもたちの研究」が開始され、1980年代、彼らには「極端な考え方をしがちな特徴」があり、且つ、いくつかの共通点があることに気づきました。

そして、彼らを「アダルトチルドレン・オブ・アルコホリックス」と呼び始め、「ACOA」と略されました。

このことが、アダルトチルドレンという概念の起源だと言われています。

 

アダルトチルドレンと「機能不全家族」

1980年代の後半になると、「アルコール依存症の親」に限らず、依存症、虐待、ネグレクト、過干渉、過保護など、「子どもが安心できない子育てをする親」の全てが、アダルトチルドレンの原因になり得ることがわかり、「子どもが安心して生活できない緊張や不安をはらんだ家庭」のことを「機能不全家族」と呼ぶようになります。

そして、「機能不全家族で育ったアダルトチルドレン」を「アダルトチルドレン・オブ・ディスファンクショナルファミリー」と呼び、「ACOD」と略されました。

 

アダルトチルドレンとは「極端な考え方を持つ人」

アダルトチルドレンの歴史を理解すると、アダルトチルドレンとは、「子供時代、厳しい家庭環境を生き抜いたことで、極端な考え方を持つことになり、大人になるにつれ、習慣として根付いてしまった人」と言えます。

 

アダルトチルドレンとは「人の個性」に焦点を当てた「概念」

このように、「アダルトチルドレン」とは、「スポーツマン」や「ベジタリアン」といった用語と同じように、「性格上の癖」「心理的な特徴」「考え方の習慣」など、「人それぞれが持つ考え方の個性」に焦点を当てた概念です。

このように、子供時代、親や家族との関係で何らかのトラウマ(心的外傷)を負ったことが原因で、大人になって「対人関係の問題」や「生きづらさ」を感じ悩み苦しんでいる人たちに焦点を当てた考え方を、心理学では「アダルトチルドレン(AC概念)」と言います。

 

アダルトチルドレンという「習慣」は修正・克服できる

このように、アダルトチルドレンが持つ「極端な考え方」は、遺伝ではなく、あくまで、生まれたあとに身に付けた「人生脚本」と呼ばれる「習慣」です。

このように、アダルトチルドレンの生きづらさは「習慣」である以上、一生変えられないものではなく、お箸の持ち方、姿勢、食生活などの習慣と同じく、ポイントを抑えて取り組むことによって徐々に修正・克服することができると言えます。

 

アダルトチルドレンとは何か?=AC概念」については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

②アダルトチルドレンの特徴を理解する

カウンセリングでアダルトチルドレンの特徴を理解しているイメージ

アダルトチルドレンの克服を進めていくために、心理カウンセラーは、アダルトチルドレンの特徴を十分に理解したうえでカウンセリングを進めていく必要があります。

アダルトチルドレンとは、本来であれば子どもにとって最も信頼できるはずの「両親」や「家族」から傷つけられたことが原因で、以下のような特徴を持つ人たちを指します。

POINT

  • 他者との信頼関係の構築に不可欠な「人への基本的信頼感」に問題を抱えたまま大人へと成長した人たち
  • 精神的な自立」が果たせないまま大人になった人たち
  • 生き方」がわからないまま大人になった人たち

よって、アダルトチルドレンは、「人が怖い・人が信頼できない・人に相談できない・人に自分の気持ちを言えない(特に怒りや悲しみといったネガティブ感情)・どうせ自分は理解されない」など、他者への警戒心「防衛機制」が高まりやすい傾向があり、そのぶん、家族・職場・恋愛・結婚・子育て・友人など「人間関係の悩み」を抱えやすい特徴があります。

また、このような「アダルトチルドレンの特徴」を「生きづらさ」と呼ぶ場合もあり、「アダルトチルドレン」のことを「毒親育ち」と呼ぶ場合もあります。

 

アダルトチルドレンの最大の特徴「白黒思考」

前述の通り、アダルトチルドレンとは、子供時代、厳しい環境を生き抜いたことの影響で「極端な考え方を持っている人」たちを指す言葉です。

反対に言えば、アダルトチルドレンを克服するためには、子供時代に身に付けた「極端な考え方」を和らげる必要があり、この「極端な考え方」を、心理学では「白黒思考」と呼びます。

そして、「白黒思考」は、アダルトチルドレンの最大の特徴と言えます。

 

「白黒思考」は慎重に扱う必要がある

「白黒思考」とは、敏感で極端な反応を示す考え方のことです。

反対に言えば、「白黒思考」とは、とてもデリケートな思考と言えます。

なので、「ああすればいい!」「こうすればいい!」とやみくもに接すると、余計に悪化してしまいます。

よって、アダルトチルドレンを克服するためには、「白黒思考」を熟知したうえで、慎重に接することができる心理カウンセラーの技量が必要と言えます。

 

「アダルトチルドレンの特徴」については、以下の記事で詳しく解説しています。

また、アダルトチルドレンの最大の特徴である「白黒思考」についても、以下にあわせて紹介します。

 

③アダルトチルドレンの原因を理解する

カウンセリングでアダルトチルドレンの原因を理解しようとしているイメージ

アダルトチルドレンとは、子供時代、親との関係によって生まれた問題ですので、自らが自発的に生み出したものではなく、周囲の環境に適応して生まれたものです。

このように、アダルトチルドレンの克服をするためには、「自分が悪い!」「親が悪い!」と責任を論じるばかりではなく、その原因について冷静に理解をする必要があります。

アダルトチルドレンの原因は、主に以下の3つがあげられます。

POINT

  1. 機能不全家族
  2. 毒親
  3. 世代間連鎖

それでは、以下に詳しく解説していきます。

 

機能不全家族とは、アダルトチルドレンを生み出す家族

機能不全家族」とは、子育て、団らん、地域社会との関わりなど、家庭と言う集団が一般的に果たすべき機能が、健全に機能していない家庭を指します。

反対に言えば、子供がのびのびと健全に過ごせなかった家庭とも言えます。

機能不全家族」については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

毒親とは、機能不全家族の中核となる親

毒親」とは、心理学などの学術用語ではなく、過干渉、過保護、暴言、暴力、ネグレクトなど、子供の人生に悪影響を及ぼす子育てを行う親を指す言葉として、アメリカの専門家、「スーザン・フォワード」が作った言葉です。

反対に言えば、子育てに問題がある「毒親」とは、機能不全家族の中核をなす親とも言えます。

毒親」については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

世代間連鎖とは、アダルトチルドレンの連鎖

世代間連鎖」とは、生き方、子育て方法などが、親から子供へ、子供から孫へと連鎖していく心のしくみのことです。

反対に言えば、「毒親の特徴」も「機能不全家族の特徴」も、「世代間連鎖」によって、親から子供へ、子供から孫へと連鎖していると言えます。

よって、「世代間連鎖」とは、アダルトチルドレンの特徴を、親から子供へ、子供から孫へと連鎖していくしくみとも言えます。

世代間連鎖」については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

なお、「アダルトチルドレンの原因」については以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて紹介します。

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④アダルトチルドレンは自分で克服する

カウンセリングでアダルトチルドレンを自分で克服しようとしているイメージ

アダルトチルドレンの特徴のひとつに「依存傾向」があります。

反対に言えば、アダルトチルドレンの克服とは「依存傾向の克服」、すなわち「精神的な自立」を果たすことにあります。

なので、アダルトチルドレンを克服するためには、「今、苦しんでいる自分を自分自身で助けたい!」「アダルトチルドレンは自分で克服する!」という自立心が何よりの原動力となります。

 

「依存」そのものは悪いことではありません

「依存傾向」がアダルトチルドレンの特徴だからとは言え、「依存」そのものは悪いことではありません。

親子にしても、夫婦にしても、兄弟にしても、友人にしても、会社にしても、スポーツチームにしても、人と人は助け合い、依存しあって生きていきます。

なので、心理カウンセリングの場において、アダルトチルドレンが心理カウンセラーに依存しがちになることは、とても自然なことです。

 

アダルトチルドレンの「依存」をしなやかにかわすのが心理カウンセラーの力量

だからといって、アダルトチルドレンの方に対して安易に親切にし過ぎてしまうことは、アダルトチルドレンの特徴である「依存傾向」をかえって強化してしまい、主たる目的であるアダルトチルドレンの克服ができなくなってしまいます。

よって、アダルトチルドレンの方が心理カウンセラーに「依存」しようとしたとき、アダルトチルドレンの方を傷つけることなくしなやかにかわすのが心理カウンセラーの力量です。

このように、アダルトチルドレンを克服するためには、アダルトチルドレンとの心理的な距離感を安全に保てる心理カウンセラーの技量が必要と言えます。

 

アダルトチルドレンの「依存傾向」は、とくに恋愛傾向に現れる

アダルトチルドレンの特徴である「依存傾向」は、とくに恋愛傾向に現れる場合があります。

アダルトチルドレンの恋愛傾向は、「一方的に偏った関係」「自分の立場と極端に違った立場にある相手を求める」「不安定で極端な関係」などがあげられます。

これらアダルトチルドレンの恋愛傾向には、子供時代に甘えきれなかった感情=「見捨てられ不安」が大きく関わっており、相手が心理カウンセラーであることが頭ではわかっていても、感情がどうしても依存傾向になりがちになってしまうことは、やむを得ないことです。

なので、アダルトチルドレンの方の依存心を心理カウンセラーが受け止めてしまう危険を避け、クライアントさまの心の安全を第一に優先するため、当社では、「プライバシーポリシー(守秘義務)&コンプライアンス(当社既定)」を定めて遵守しています。

 

アダルトチルドレンの恋愛傾向」については、以下の記事で詳しく解説しています。

また、「プライバシーポリシー(守秘義務)&コンプライアンス(当社既定)」についても、以下にあわせて紹介します。

 

⑤アダルトチルドレンの回復過程を遵守する

アダルトチルドレンの回復過程を表しているイメージ

アダルトチルドレンの回復過程とは、アダルトチルドレン(AC)概念の生みの親である「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」が根拠となっています。

アダルトチルドレンの回復過程とは、以下の4つのステップです。

POINT

  1. 過去の喪失を探る作業
  2. 過去と現在をつなげる作業
  3. 取りこんだ信念に挑む作業
  4. 新しいスキルを学ぶ作業

例えば、「1.過去の喪失を探る作業」とは、自分がアダルトチルドレンであることを認める作業で、メンタル心理そらくもでは「アダルトチルドレン(ac)チェックリスト」を用います。

また、「2.過去と現在をつなげる作業」とは、子供時代、厳しい環境を生き抜いたことで身に付けた「考え方の習慣」が、今現在の大人の自分に与えている具体的な影響を知る作業で、メンタル心理そらくもでは「アダルトチルドレン(ac)タイプ診断」を用います。

 

このように、アダルトチルドレンの克服は、アダルトチルドレン(AC)概念の生みの親である「クラウディア・ブラック」が示した回復過程を遵守したうえで、ひとつひとつ進めていく必要があります。

 

アダルトチルドレンの回復過程」については、以下の記事で詳しく解説しています。

また、「アダルトチルドレン(ac)チェックリスト」「アダルトチルドレン(ac)タイプ診断」についても、以下にあわせて紹介します。

 

⑥人間への警戒心を配慮し工夫する

カウンセリングでアダルトチルドレンをそっと見守るカウンセラーのイメージ

前述の通り、アダルトチルドレンは、「人間関係に苦手意識・不安・警戒心を感じやすい」という特徴があります。

そして、つい忘れがちなのは「心理カウンセラーも1人の人間」だということです。

ですので、アダルトチルドレンの方が、心理カウンセラーに対して「警戒心」を感じてしまうことは、とても自然なことなのです。

このように、アダルトチルドレンを克服するためには、アダルトチルドレンの方が持つ「人間への警戒心」に配慮する必要があります。

 

人間への警戒心を「防衛機制」と言います

人は感情を出そうとすると、自分の感情を人に聞かれてしまうことが恥ずかしくなったり、怖くなってしまう心の働きがあり、この働きを「防衛機制」と言います。

つまり、アダルトチルドレンの方が持つ「人への警戒心」とは、この「防衛機制」を指し、アダルトチルドレンとは「防衛機制」が高まってしまっている状態と言えます。

なので、「カウンセリングなのだから…」と頭ではわかっていても、心理カウンセラーが視界に入ってしまうと、心理カウンセラーへの警戒心を無意識に感じてしまい、話したいことが話しずらくなってしまいます。

よって、アダルトチルドンを克服するためには、「防衛機制」に対する知識と「防衛機制」を和らげることができる心理カウンセラーの技量が必要と言えます。

 

心理カウンセラーが視界に入らない配慮が必要

心理カウンセラーも「人」である以上、視界に入ってしまうと、アダルトチルドレンの方は無意識に「防衛機制」が高まってしまい、アダルトチルドレンの克服が難しくなってしまいます。

このように、対面に向き合って対話するのみのカウンセリングでは、アダルトチルドレンの克服が難しいと言われる理由がここにあります。

ですが、反対に言えば、心理カウンセラーが視界に入らない工夫を施せば、アダルトチルドレンの方の「防衛機制」を和らげることができ、アダルトチルドレンの克服が可能となります。

 

心理カウンセラーが視界に入らない工夫

ちなみに、当社メンタル心理そらくもでは、心理カウンセラー寺井が視界に入らないよう、以下の工夫を施しています。

POINT

このように、アダルトチルドレンを克服するためには、心理カウンセラーの立場をクライアントに押し付けるのではなく、クライアントの立場を最優先に考え、心理カウンセラーが視界に入らない配慮をすることが必要です。

 

解決志向ブリーフセラピー(短期療法)

また、クライアントさまの立場を最優先に考え、少しでも効果が出るよう工夫したり、少しでも面談の回数が減るよう工夫する考え方を「解決志向ブリーフセラピー(短期療法)」と言います。

アダルトチルドレンの克服に、「解決志向ブリーフセラピー(短期療法)」が絶対に必要とは考えませんが、「人間関係への苦手意識」「依存傾向」「費用負担」など、アダルトチルドレンの方に掛かる負担を軽減することを考えると、なるべく効率的に成果を求める「解決志向ブリーフセラピー(短期療法)」の考え方は、アダルトチルドレンの克服にとても有効と言えます。

 

メンタル心理そらくもが考える「解決志向(短期療法)による対面カウンセリング」については、以下の記事で詳しく解説しています。

くわえて、メンタル心理そらくもで「実施できるカウンセリング技法・心理療法」についても、以下にあわせて紹介します。

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⑦トラウマの治癒にインナーチャイルドセラピーを用いる

子供時代のトラウマをインナーチャイルドセラピーで癒すことでアダルトチルドレンの克服をしているイメージ

前述の通り、アダルトチルドレンとは、子供時代、親との関係によって心が傷つき、それ以来、「考え方に極端な特徴を持つことになった人」のことです。

反対に言えば、子供時代、親との関係によって傷ついた心を癒すことによって、アダルトチルドレンの克服が可能となります。

このように、アダルトチルドレンを克服するためには、子供時代、親との関係によって傷ついた心=「トラウマ(心的外傷)」を治癒できる心理カウンセラーの技量が必要となります。

 

アダルトチルドレンの根本原因「子供時代のトラウマ」

このように、アダルトチルドレンの根本原因とは、「子供時代、親との関係によって傷ついた心」です。

そして、長い間、治癒することなく、今も続いたままになっている、心に負った大きな心の傷を「トラウマ(心的外傷)」と言います。

例えば、人は、体に切り傷を負ったとき、傷口が悪化しないよう無意識に気をつけるものです。

それと同じように、人は、心に傷を負ったときも、傷口が悪化しないよう無意識に気をつけます。

このとき、心に負った傷口が悪化しないように無意識に気をつけようとする防衛心理が「防衛機制」であり、「防衛機制」が高まっているアダルトチルドレンは、それだけ「大きな傷」=「トラウマ」を負っていると言えます。

 

トラウマの治癒とは、感情を解放すること

このように、アダルトチルドレンは「トラウマ」を負っていることで「防衛機制」が高まってしまい、そのぶん、人間関係に対する苦手意識・不安・警戒心を感じやすくなります。

よって、「トラウマ」を治癒することによって、「防衛機制」が和らぎ、人間関係に対する苦手意識・不安・警戒心も和らぎます。

そして、トラウマの治癒とは「感情解放」を意味します。

よって、「あのとき、私はとても悲しかった!」「あのとき、私はとても寂しかった!」「あのとき、私はとても怖かった!」「本当は、もっと優しくしてほしかった!」「本当は、もっと楽しく過ごしたかった!」など、子供時代に親に言えなかった「想い・願い・気持ち・望み」=「感情」を、言葉に出して発散解放することが、トラウマの治癒でありアダルトチルドレンの克服です。

 

対話のみではトラウマの治癒が難しい

ですが、前述の通り、心理カウンセラーも「人」である以上、視界に入ってしまうと、アダルトチルドレンの方は無意識に「防衛機制」が高まってしまい、感情解放ができず、アダルトチルドレンの克服が難しくなってしまいます。

このように、対面に向き合って対話するのみのカウンセリングでは、そもそも、子供時代に親に言えなかった感情を思い出すこと自体が難しいと言えます。

仮に思い出せたとしても、心理カウンセラーを目の前にしては存分に解放することが難しく、トラウマの治癒ができず、アダルトチルドレンの克服が難しいと言えます。

 

インナーチャイルドセラピー(退行催眠)は、安全にトラウマを治癒する方法

そこで、当社メンタル心理そらくもでは、トラウマの治癒を安全に行うために「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」を用います。

インナーチャイルドセラピーは、エリクソン催眠療法(ヒプノセラピー)をベースに行う心理療法です。

インナーチャイルドセラピーは、目を閉じることで「防衛機制」を和らげつつ、「子供時代のトラウマ」を「インナーチャイルド」というイメージ置き換えて認識していきます。

そうすることで、子供時代、親に言えなかった感情をイメージで捉えることができ、言葉だけではなく、言葉にならない叫び声・うめき声・涙・体感・動き・イメージなど五感全体で、臨場感をもっての感情を発散・解放することが可能となり、トラウマの治癒を安全に短期間で行うことができます

 

心理カウンセラーの協力

また、インナーチャイルドセラピーは、インナーチャイルドセラピストと呼ばれる心理カウンセラーとの共同作業です。

よって、もし、途中で言葉に詰まっても、クライアントが話したい言葉を、クライアントに代わって心理カウンセラーが推理して手助けをしていきます。

 

「あのときあなたは、本当は○○と言いたかったのかもしれません…」

「あのときあなたは、本当は○○してほしかったのかもしれません…」

「あのときあなたは、本当は○○と感じていたのかもしれません…」

 

このように、トラウマの治癒を安全に行い、アダルトチルドレンの克服を確実に行うためには、マニュアル的に決められた手順で行うのではなく、伺った話の内容、クライアントの表情などから、クライアントが子供時代に話したかった言葉、伝えたかった想い、感じていた気持ちを、クライアントと一緒に見つけていく、心理カウンセラーの技量が必要です。

 

インナーチャイルドセラピー」については、以下の記事で詳しく解説しています。

また、「インナーチャイルドとの対話方法」についても、以下にあわせて紹介します。

 

⑧アダルトチルドレンの克服をアフターフォローする

アダルトチルドレンの克服をアフターフォローしていくイメージ

アダルトチルドレンの克服は、短時間で一気に解決するものではなく、春の雪解けのように、だんだんと進んでいきます。

また、アダルトチルドレンの克服には、「アダルトチルドレンを自分で克服する!」という自立心がなによりの原動力です。

くわえて、アダルトチルドレンの克服には、カウンセラーとのあいだで、「人との信頼関係」「対等な人間関係」を体感することで、「自分は必要とされている!」「自分の受け止めてもらえる!」という安心感を感じることも大切です。

よって、「帰宅後のクライアントさまを、距離をおいて見守っていきたい」という私の願いのあらわれとして、当社メンタル心理そらくもでは、ご帰宅後のクライアントさまを、「メールによる無料のアフターフォロー」で見守っています。

 

また、「対面カウンセリング後のアフターフォロー」については、以下のページで詳しく説明しています。

 

⑨アダルトチルドレンの克服経験を持っている

アダルチルドレンの克服経験を持っているカウンセラーのイメージ

アダルトチルドレンを克服するために、アダルトチルドレンの克服経験を持つ心理カウンセラーに協力を求めることは、重要な手立てのひとつと言えます。

私=心理カウンセラー寺井啓二は、アダルトチルドレンの克服経験を持つ心理カウンセラーです。

だからといって、虐待や育児放棄などの家庭で育ったわけではなく、周囲からは幸せそうな家族だと言われていました。

なので、「私は幸せな家庭で育ったアダルトチルドレン」だと思っています。

いつの日か、アダルトチルドレン克服のお手伝いをさせて頂けると嬉しいです。

 

私=寺井啓二のアダルトチルドレン克服体験談」を以下に紹介します。

また、「私=寺井啓二がアダルトチルドレンを克服することで感じた変化」についても、以下にあわせて紹介します。

 

まとめ

このように、心理カウンセリングは、アダルトチルドレンの克服にとても有効です。

ですが、アダルトチルドレンの克服方法は、心理カウンセリングだけではなく、自助グループへの参加、克服本の活用など、心理カウンセリング以外にもいくつかの方法があります。

以下に、世の中で知られている「一般的なアダルトチルドレンの克服方法」を紹介しますので、心理カウンセリング以外の克服方法に興味のある方は参考にして下さい。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「アダルトチルドレンのカウンセリング:克服への“9”の重要ポイント」という記事でした。

この記事を書いた人

心理カウンセラーの紹介

心理カウンセラー寺井啓二の写真とメッセージ

はじめまして「メンタル心理そらくも 代表:寺井啓二」です。うつ、アダルトチルドレンを克服した経験を持つ心理カウンセラーです。自らの克服経験を世の中に役立てたいと考えています。

代表:寺井啓二の紹介

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カウンセリングなどを行う「メンタル心理そらくものカウンセリングルーム」です。中学生、高校生、成人男性、成人女性、ご年配の方まで、静岡県内をはじめ、首都圏、関西、九州、東北など、全国から多くの方に来訪頂いています。

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