母娘共依存とは?娘に依存する母親の特徴と心理|なぜ罪悪感で離れられないのか

母娘共依存のイメージイラスト

POINT母娘共依存とは、母の見捨てられ不安と、娘の承認欲求が絡み合った関係です。仲が良いように見えても、娘の自立を妨げる特徴があります。

心理カウンセラーの寺井です。

「母親が私に依存している気がする…」
「母から離れたいのに、なぜか罪悪感がある…」
「私がいないと母はダメだと思ってしまう…」

もし、このように感じているなら、あなたは母娘共依存の関係に巻き込まれている可能性があります。

母娘共依存は、一見「仲の良い親子」に見えるため、問題が表面化しにくい関係です。
しかし、娘が大人になっても生きづらさを感じ続ける原因になることがあります。

たとえば、気づけば母の機嫌に自分の行動や気分が左右され、人間関係や恋愛、自己肯定感にも影響が出てしまうことがあります。

ですが、まずお伝えしたいのは、あなたが悪いわけではないということです。
母娘共依存は、誰か一人の問題ではなく、心の傷や不安が絡み合って起こる関係性です。

この記事では、

  • 娘に依存する母親の特徴
  • 母親が娘に依存してしまう心理
  • なぜ娘は罪悪感で離れられないのか
  • 母娘共依存から抜け出す方法

を、心理学の視点から整理していきます。

 

母娘共依存とは?

母娘共依存とは、母親が娘に精神的に依存し、娘もまた母親の期待や感情を優先して支え続けてしまう親子関係のことを指します。

娘に依存する母親は、見捨てられ不安を抱えていることが多く、娘は罪悪感から離れられなくなります。

なお、「母娘共依存の特徴」として、以下の点が挙げられます。

POINT

  • 母親が娘を精神的な支え(パートナーの代わり)にしている
  • 娘が母親の機嫌や感情を常に気にしてしまう
  • 娘が自分の人生より母親を優先してしまう
  • 離れようとすると強い罪悪感や不安が出てくる

母娘共依存の親子関係は、一見すると「仲の良い親子」に見えますが、実際には娘の自立が妨げられているケースが少なくありません。

 

娘に依存する母親の特徴

「母娘共依存」は、「娘に依存する母親」によって引き起こされる場合が多いです。

なお、「娘に依存する母親の特徴」は、主に以下の点が挙げられます。

POINT

  1. 娘を親代わりにする(精神的パートナー化)
  2. 娘の自立を無意識に妨げる
  3. 娘に嫉妬する
  4. 罪悪感を植え付けてつなぎとめる

それでは、以下に詳しく解説していきます。

 

① 娘を親代わりにする(精神的パートナー化)

娘に依存する母親は、子どもの頃に母親(母親の母親、祖母)に十分に甘えられなかったり、十分に褒めてもらえなかったり、愛情が不足したまま大人になっている場合が多いです。

そのため、子どもの頃に満たしきれなかった気持ちを娘に向け、愚痴や不安を娘にぶつけたり、娘を精神的なパートナー(親代わり)のように扱う場合があります。

これは、まるで母親が子どもで、娘が親の役割を果たしている関係性とも言え、このような親子関係を「親子の役割逆転」と言います。

 

② 娘の自立を無意識に妨げる

本来、母親にとって娘が親から自立していくことは、娘の成長を意味する喜ばしいことです。

ですが、娘に依存する母親にとって、娘の自立は精神的なパートナーを失うことを意味する場合があります。

そのため、就職、結婚、一人暮らしなど自立の場面で、不安を煽ったり、罪悪感を与えたりして、娘の自立を妨げることがあります。

 

③ 娘に嫉妬する

娘に依存する母親は、子どもの頃に母親(母親の母親、祖母)からの愛情不足で育った場合が多く、その影響で、女性としての自信のなさ(強い劣等感)を内面に抱えている場合があります。

そのため、娘の若さや自由、未来への可能性に過剰に反応し、批判や否定を繰り返す場合があります。

 

④ 罪悪感を植え付けてつなぎとめる

娘に依存する母親は、娘に必要とされることで初めて存在価値を感じられるため、娘が離れていくと自分の存在価値が揺らぐことがあります。

その不安から、娘を繋ぎとめるために、「お母さんを見捨てるの?」「あなたしかいないのに」などの言葉で罪悪感を植え付ける場合があります。

なお、これは無意識の「感情的な支配」になってしまうこともあり、娘側は強い混乱を抱えやすくなります。

 

なぜ母親は娘に依存してしまうのか?(心理的背景)

では、なぜ母親は娘に依存してしまうのでしょうか。

多くの場合、その背景には見捨てられ不安があります。

見捨てられ不安とは、「一人になるのが怖い」「愛されなくなるのが怖い」という強い不安のことです。

母親自身が子ども時代に十分に愛情を受け取れなかった場合、無意識のうちに娘を心の支えにしてしまうことがあります。

この構造は、「毒母の特徴」を解説した以下の記事でも詳しく触れています。

母親が娘に依存してしまう背景には、母親自身の「満たされなかった子ども時代」がある場合があります。

そして娘側にもまた、母親に認められたかった小さな自分(インナーチャイルド)が存在していることがあります。

なお、「インナーチャイルド」については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

なぜ娘は罪悪感で離れられないのか?

次に、なぜ娘は母親から離れられないのでしょうか。

多くの場合、子どもの頃からの母親との関係性が大きく影響しています。

娘が母親から離れられない理由」は、主に以下の点が挙げられます。

POINT

  • 母親に認められたいという承認欲求
  • 「良い娘でいたい」という思い
  • 母親を一人にすることへの罪悪感
  • 幼少期から刷り込まれた役割意識(私が支えなければ、という感覚)

娘は「母親を支えれば愛される」と学習しているため、関係を断ち切ることが難しくなります。

人は「母親に愛されている」という実感を感じることで、「自分は愛される資格がある」あるいは「自分は誰かを愛する資格がある」と感じることができます。

ですが、母親は娘が離れていくことを恐れるあまり、愛情表現が不安定になったり、距離を取らせないような関わり方になる場合があります。

そうすると、娘は「母親に愛してもらえない苦しさ」と「母親に愛してもらいたい気持ち」が葛藤してしまい、母親と距離を取ろうとすればするほど罪悪感を感じてしまい、母親から離れにくくなる場合があります。

裏を返せば、距離を取ろうとすると罪悪感が出るのは、「悪いことをしているサイン」ではなく、これまでの役割から外れようとした時に起こる反応(自立のサイン)である場合もあります。

 

母娘共依存の影響が大人になってどう現れるのか?

母娘共依存の影響は、親子関係の中だけに留まらず、大人になってからの対人関係や自己評価にも現れることがあります。

母娘共依存の影響」は、主に以下の点が挙げられます。

POINT

  • 人の顔色をうかがい、断るのが苦手
  • 自分の本音が分からず、我慢が溜まりやすい
  • 恋愛や夫婦関係でも「相手を優先しすぎる/依存が起きる」
  • 自分を責めやすく、常に罪悪感が残る

これらは、アダルトチルドレンの傾向と重なる部分があります。

 

母娘共依存から抜け出す方法

母娘共依存を変える第一歩は、「関係性の構造」に気づき、母の感情と自分の人生を切り分けることです。

対策としては、以下が挙げられます。

POINT

  • 母親の感情と自分の感情を分けて考える(責任を背負いすぎない)
  • 罪悪感の正体を整理する(役割の癖を見抜く)
  • 心理的距離をとる練習をする(小さな境界線から)
  • 必要であればカウンセリングで安全に整理する

なお、距離を取ろうとすると、母親が不安から言動を強めたり、関係が一時的に悪化したように感じることがあります。
この「揺り戻し」を想定した上で、無理のない範囲から少しずつ取り組むことが大切です。

具体的な対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。

母娘共依存は、頭で理解していても、
実際に距離を取ろうとすると強い罪悪感が出ることがあります。
そのため、安全な場で感情を整理しながら進めることが大切です。

もし「ひとりで整理するのが難しい」と感じたら、
アダルトチルドレンの回復の進め方(相談の流れ)も参考になります。

 

母娘共依存とアダルトチルドレンの関係

母娘共依存の悪循環構造図

母娘共依存は、母の見捨てられ不安と娘の承認欲求が絡み合い、
支える→不安になる→罪悪感が強まる」という悪循環を形成します。

この悪循環が長く続くと、
大人になってからの人間関係や自己肯定感にも影響が出ることがあります。

母娘関係が大人の人間関係に影響する流れ

母娘共依存の中で身についた「顔色をうかがう」「断れない」「罪悪感が強い」といった反応は、アダルトチルドレンの特徴として現れることがあります。

もし思い当たることがある場合は、アダルトチルドレンの特徴と照らし合わせてみると、自分の生きづらさの構造が見えてくるかもしれません。

なお、「アダルトチルドレンの全体像を知りたい方」は、以下の記事をお読みください。

 

まとめ

母娘共依存とは、母親の見捨てられ不安と娘の承認欲求が絡み合った関係です。

大切なのは「母が悪い」「娘が悪い」と責めることではなく、自分は今後どのような親子関係を築きたいのかを考えることです。

自立とは、母親を捨てることではなく、自分の人生を自分で選び直すことです。

一人では難しいと感じた場合は、カウンセラーと一緒に取り組むことが安全です。
お望みでしたら、心理カウンセラー寺井がお手伝いをさせていただきます。

 

関連記事・関連情報

最後に、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。

ぜひ、あわせてお読みください。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「母娘共依存とは?娘に依存する母親の特徴と心理|なぜ罪悪感で離れられないのか」という記事でした。

この記事を書いた人
寺井 啓二

「うつ、アダルトチルドレンの克服経験」を持つ「心理カウンセラー・心理セラピスト」。
自らの克服経験を世の中のために役立てたいと考え、2013年に「メンタル心理そらくも」を設立、代表を務める。
10年以上のカウンセリング臨床実績があり、「アダルトチルドレン、インナーチャイルド、うつ病、パニック障害、人間関係の生きづらさ、親子関係の悩み(毒親)、子育ての悩み、恋愛・結婚の悩み、中学生・高校生の悩み」などの相談を得意としている。

◆カウンセリング実績
・臨床実績:過去2000回以上
・男女比:男性40%、女性60%
・年齢層:中学生から60歳代
・来訪元:静岡、愛知など東海圏
     東京、神奈川など首都圏
     大阪、兵庫など関西圏
     海外在住の方

◆保有資格
・上級心理カウンセラー
・メンタル心理カウンセラー
・うつ病アドバイザー
・チャイルドカウンセラー
・家族療法カウンセラー
・セルフ・アクセプタンスカウンセラー
・EFT-Japan Level 1
・EFT-Japan プラクティショナー

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