POINT毒母の特徴は、過干渉、過保護、押しつけ、大げさ、ヒステリック、子育てから逃げる、愚痴、嫉妬、拗ねる、極端な言動などがあげられます。
心理カウンセラーの寺井です。
「毒親」とは、子供を否定する、子供を放置する、過干渉、過保護、暴言、暴力、ネグレクトなど、「子供の人生に悪影響を及ぼす子育てを行う親」を指す言葉です。
日本における毒親という概念の広がりは、主に「母親」が対象として取り上げられ、理不尽な言動をする母親によって受けた苦労や体験やエピソードを題材とした、「毒親本・毒親もの」と呼ばれる本・漫画などが多く出版されたことがきっかけと言われています。
この記事は、毒親である母親の特徴について解説しています。
毒親である母親の特徴
毒親の特徴を持つ母親を「毒母」「毒ママ」などと呼ぶ場合があります。
毒親である母親は、押しつけがましい、大げさでヒステリック、子育てから逃げる、愚痴が多い、子供に嫉妬したり拗ねる、極端な言動をしがちなどの特徴があります。
このような特徴を持つ毒母に育てられた子供は、息子であっても娘であっても、「母がしんどい…」と感じがちで、母親の存在自体が大きなストレスになっている場合があります。
毒親である母親が持つ特徴は、以下の点があげられます。
POINT
- 言動が押しつけがましい、余計なお世話、過干渉である
- 大げさで過度にダメ出しをする
- 世間体を気にする、親の理想を押し付ける、子供を心配しすぎる
- 子育てから逃げようとする、子供に愚痴を聞かせる
- 子供の話を聞かない、子供に嫉妬したり拗ねたりする
- 自分に対しても周囲に対しても極端な言動をする
それでは、以下に詳しく解説していきます。
特徴①押しつけがましい、余計なお世話、過干渉
毒親である母親は、子供に対して「世話焼き」や「自己犠牲」を押し付けがちで、過干渉な子育てをする特徴があります。
「あなたのためを想って…」という口癖が多く、「良い母」「理想の母」を演じているかのような印象を受けます。
このタイプの毒母に育てられた子供は、娘であっても息子であっても、このような母親の言動に対して、「母がしんどい」「母が重苦しい」「余計なお世話」と感じる場合が多いです。
反対に言えば、このタイプの毒母は、子供に対して「世話焼き」や「自己犠牲」を押し付ける=過干渉をすることで、「私がこれだけ世話をしてあげたのだから、あなたは○○して当然だ!」と、子供に見返りを求める特徴があります。
このタイプの毒母の特徴のように、「過干渉な毒親の特徴」は、以下の記事で詳しく解説しています。
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特徴②大げさで過度にダメ出しをする
毒親である母親は、子供の言動に対して、「大げさで過度なダメ出し」をしがちです。
子供の言動に小さな落ち度を見つけると、まるで、芸能レポーターや刑事事件の取り調べのように、「なんで!?どうして!?」「フツーはこうでしょ!?」とあら捜しをし、ネチネチ・クドクドと、子供に対して、「説教」や「ダメ出し」を執拗に繰り返します。
また、子供の態度が気に入らないとヒステリックになり、子供の存在自体を否定する場合もあります。
このタイプの毒母は、子供が息子であっても娘てあっても、ヒステリックなダメ出しを繰り返す特徴があり、いわゆる「説教」や「ダメ出し」を延々にし続けることで、自分自身のストレスを子供に押し付ける特徴があります。
このタイプの毒母の特徴のように、「子供を否定する毒親の特徴」は、以下の記事で詳しく解説しています。
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特徴③世間体を気にする、親の理想を押し付ける、子供を心配しすぎる
毒親である母親は、自分の子育てに自信がなく、「自分は他人にどう思われているのか?」を異常に気にするあまり、子供の気持ちを尊重した子育てではなく、親の基準による子育てをする特徴があります。
このタイプの毒母は、自分に自信がないため、自分の人生経験に基づいた子育てはせず、「ああしなさい!こうしなさい!」「あれはダメ!これはダメ!」と、「世間体」や「常識」に囚われた子育てをしがちです。
そして、「もっといい学校!もっといい会社!」「こうすべきだ!こうあるべきだ!」と、自分の理想を子供に押し付け、自分の理想を子供に実現させることで、自分の自信を子供に補わさせようとする=子供に依存をする特徴があります。
また、このタイプの毒母は、「自分は世間にどう思われてしまうのか?」を心配に感じるあまり、子供が息子であっても娘であっても、「大丈夫?…大丈夫?…」と、子供の行動、子供の安全を過度に心配しすぎる特徴があり、過保護な子育てをする特徴があります。
このタイプの毒母の特徴のように、「過保護な毒親の特徴」は、以下の記事で詳しく解説しています。
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特徴④子育てから逃げようとする、子供に愚痴を聞かせる
毒親である母親は、子育てに自信がない場合が多く、「自分に子供を育てられるわけがない…子育てから逃げたい…」と感じがちで、子供を放置したり子育てをしようとしない特徴があります。
このタイプの毒母は、子供が息子であっても娘てあっても、子育てに自信がないあまり、子育ての失敗を恐れ、自分が親であることを認めず、子供にスキンシップをしない、家事育児を放棄する、ギャンブルやアルコール依存症に陥る、子供を1人で置き去りして遊びに出かける、子供の性的な成長に健全な対応をしないなど、子育てから逃げようとする特徴があります。
また、このタイプ毒母の特徴として、父親(母親から見れば結婚相手)、義父、義母、実父、実母など家族関係の愚痴や、職場、近所、子供の学校など人間関係の愚痴など、自分の愚痴を自分の子供に聞かせる特徴があります。
特に、子供が娘であった場合、娘は母親を心配するあまり、母親の愚痴を懸命に聞き続け、母も娘を頼りに依存しきってしまい、結果、「母娘共依存」に陥ってしまう場合があります。
このタイプの毒母の特徴のように、「子供を放置する毒親の特徴」は、以下の記事で詳しく解説しています。
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特徴⑤子供の話を聞かない、子供に嫉妬したり拗ねたりする
毒親である母親は、子供が話をしようとすると、「そんなの大したことない!お母さんのほうがもっと○○なんだよ!」「そうなんだ…お母さんの場合は○○なんだよ!」と、子供の話を聞こうとする姿勢が薄く、むしろ、話の主導権を子供から奪ってしまい、子供の話を遮ってまで親の話を子供に聞かせようとする特徴があります。
また、このタイプの毒母は、「お母さんだってこんなに頑張っているのに!あなたばっかりズルい!」と、子供に対して嫉妬をしたり、「どうせお母さんなんていなくてもいいんでしょ!」と、子供に対して拗ねたりする特徴があります。
このタイプの毒親は、子供が娘であった場合は、娘に対する嫉妬が激しくなり、子供が息子であった場合は、息子に対する拗ねが激しくなる特徴があります。
その理由は、このタイプの毒母自身も、子供時代、「寂しさ、悲しさ、怖さ、不安」をグッと我慢して大人になった場合が多く、言うなれば、「遠い昔、心にグッと我慢した子供時代の募る思いが、自分の子供を見ることで刺激され、無意識にあふれ出ている…」と言い換えることができます。
このタイプの毒母の特徴のように、無意識にあふれ出てきてしまう子供時代の募る想いを、心理学では「未完の感情」と呼び、「インナーチャイルド」という概念で捉えます。
このタイプの毒母が子供時代から抱え続けている未完の感情=「インナーチャイルド」については、以下の記事で詳しく解説しています。
特徴⑥自分に対しても周囲に対しても極端な言動をする
毒親である母親は、「自分が幸せじゃないのは、全部、自分の周りの人間が悪い!」反対に「自分が幸せじゃないのは、全部、自分が悪い!」など、物事をシーソーのような極端な捉え方をする特徴があります。
また、自分が気に入らない言動をする人、自分と違う考えを持つ人を「悪い人だ!」と極端に決めつけがちで、家族、職場、近所、親戚などに対して文句が多く孤立しがちです。
同時に、人間関係を修復しようとしても、自分自身が努力しようという意図が薄く、あくまで相手が努力すべきだ!という考え方をしがちです。
このタイプの毒母は、子供が息子であっても娘てあっても、「お前なんか生まれてこなきゃよかった…」「お前なんか死ね…」「お前は橋の下で拾ってきた…」「お前なんか山に捨ててしまうぞ…」など、子供を深く傷つける言葉であっても、おかまいなしに安易に連発してしまう点も特徴のひとつです。
また、ある時は、「わたしなんていないほうがいい!もう死んでやる!」と、家族や子供の前で自殺未遂などの騒動を起こす場合もあります。
このタイプの毒母のように、極端な言動を繰り返す原因となる心理的な特徴を、心理学では「白黒思考(二極思考)」と言います。
極端な言動の原因=「白黒思考」については、以下の記事で詳しく解説しています。
毒母の最大の特徴「母娘共依存」
毒母は子育てにおいて、子供を邪魔もののように邪険に扱うのが最大の特徴ですが、そもそも、毒親の問題行動に隠された意図とはなんなのでしょうか?
確かに、毒母の言動は理不尽ではありますが、例え、理不尽な相手であっても、毒母をやみくもに攻撃したり責めたりすれば、毒母はかえって激高し、結局、自分にとって不利益となります。
なので、「彼(相手のこと)を知り己(自分のこと)を知れば百戦殆うからず…」のことわざ通り、心理カウンセリングの現場では、毒母への対処法を考え始めるにあたり、まず、「毒親と呼ばれる存在であっても、1人の人間として尊重し、毒母の過干渉の中にも、毒母なりの想いや願いや気持ち=心理が隠されている…」というところから考え始め、「毒親とは何か?毒親の意味合い」を十分に理解した上で進めていきます。
毒母の最大の特徴である「母娘共依存」の重要ポイントは、以下の5点があげられます。
POINT
- 毒母のエネルギーの源は「見捨てられ不安」である
- 毒母の狙いは「親子で共依存関係」を作り上げること
- 息子は、思春期を境に「毒母から自立」する
- 娘は、自立したいからこそ「母親に認めてもらいたい!」と感じる
- 娘は、自立しようとすればするほど、毒母と強力な「母娘共依存」に陥りやすい
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
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毒母は「アダルトチルドレン」
毒母の子育ては、「オーバー」「大げさ」「やり過ぎ」という印象に映ります。
このように、「やり過ぎてしまう子育て」の特徴を、心理学では「過干渉な子育て」「過保護な子育て」と呼びます。
過干渉も過保護も「過」ぎるという文字が付いている通り、どちらもやり「過」ぎるという特徴は一致しており、このやり「過」ぎる行動は、ある意味、「極端な子育て」とも言えます。
毒母の子育ては、アダルトチルドレンの特徴
過干渉・過保護のような、毒母が行う「極端な子育て」は、子供の自由な感情表現を制限する子育てとも言い換えることができますので、健康的な親子関係とは言い難く、子供への悪影響を与えます。
過干渉な親、過保護な親に育てられたことで子供が受ける影響は、大きくわけて以下の特徴があげられます。
POINT
- 自分の存在を否定的に感じやすい
- 人間関係に苦手意識を感じやすい
- 不安や警戒心を敏感に感じやすい
つまり、毒母が行う極端な子育てには、上記3つの心理的特徴=「自己否定感」「人間関係の苦手意識」「人への強い警戒心」が影響していると心理学では考えます。
そして、子供時代、育ての親との関係において、上記3つの心理的な特徴を心に抱え、大人になっても生きづらさを感じ続けている人を、心理学では「アダルトチルドレン」と呼びます。
アダルトチルドレン(AC)とは、自分は子ども時代に親との関係で何らかのトラウマ(心的外傷)を負ったと考えている成人のことをいいます。自己認識の概念であり、医学的な診断名ではありません。
よって、上記3つの心理的特徴を持つ「毒母はアダルトチルドレン」であると言い換えることができます。
なお、毒母の特徴=アダルトチルドレンの特徴は、以下の「アダルトチルドレン(ac)チェックリスト」を実行することで詳しくチェックすることができます。
毒母と「機能不全家族」「世代間連鎖」の関係
また、「アダルトチルドレン」を生み出す家族を、心理学では「機能不全家族」と呼び、機能不全家族の子育ての特徴は、親から子へ、子から孫へと「世代間連鎖」をしていると心理学では捉えます。
このように、毒母の子育ての特徴は、「毒母が子供時代、毒母の母親から世代間連鎖で受け継いだ子育て方法」であり、毒母は、子供時代、自分が親にしてもらった子育てを、大人になって、自分の子供に繰り返していると言え、毒母自身も、毒親に育てられた子供である場合が多いと言えます。
なお、毒母をはじめとする「毒親に育てられた方の子育ての特徴」については、以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方は参考にして下さい。
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機能不全家族の原因となる「母親」の特徴
前述の通り、「毒母」とは「毒母自身が機能不全家族で育ったアダルトチルドレン」であり、「世代間連鎖」によって「新たなアダルトチルドレンを生みだす原因」にもなっています。
よって、毒母とは「機能不全家族の原因となる母親」と言い換えることもできます。
反対に言えば、毒母とは「健全な子育てをしてもらえないまま大人になっている」あるいは「健全な家庭の築き方を知らないまま大人になっている」と言い換えることができ、そのぶん、毒母の内心には、「子育てに対する自信のなさ」「家庭を築くことへの自信のなさ」が隠れていると言い換えることができます。
とくに、「毒母」は「毒父」に比べると「子どもにイライラしやすい」という特徴があり、この「毒母が子どもに感じるイライラ」とは、殆どの場合、毒母が子どもの頃、自らの両親(祖父母)から受けた「妬み・嫉み・意地悪」によって負った「家庭内トラウマ」に原因がある場合が多く、反対に言えば、毒母とは、本来、自らの両親(祖父母)に向けるべき「イライラ」を、誤って自らの子どもへと向けてしまっていると言い換えることができます。
ここでは、機能不全家族の原因となる「母親」の特徴として、以下の6点を紹介します。
POINT
- 親子の役割逆転
- 被害者意識
- 親子共依存(母娘共依存)
- 二重拘束(ダブルバインド)
- 過保護
- ネグレクト
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
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毒親診断チェック
ここまで「毒母の特徴」について詳しく解説してきました。
毒母の特徴は、以下の「毒親診断チェックリスト」を実行することで詳しくチェックすることができます。
「毒母の特徴」も「毒母に育てられた影響」も、人の心のしくみ=心理学に沿ってひとつひとつ理解を深めていくことで克服することが可能です。
そのためには、自分を知ることが第一歩となります。
「自分は毒母なのか?」もしくは「自分は毒母に育てられたのか?」に興味がある方は、是非、チェックしてみてください。
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毒親への対処法
毒親は、子供に反抗されればされるほど燃え上がり、子供をさらに抑え込もうとする特徴があるため、「闘う、やり合う、わからせる」といった感情的な方法では上手くいかず、「かわす、逃げる、離れる」といった理知的な方法でこそうまくいきます。
よって、毒親への対処法は、「毒親は自らの見捨てられ不安を和らげるため、子供との共依存関係を築こうとしている…」という、毒親の心理をしっかりと理解した上で、理知的に冷静に進めていく必要があります。
なので、心理カウンセラーなど専門家の協力を得ながら、まず「長年、毒親から受け続けてきた心理的な影響を和らげる…」、続いて「毒親と心理的にも物理的にも距離を置くことで、共依存関係に巻き込まれないようにする…」という流れが、毒親への対処法の基本となります。
毒親への対処法は、以下の流れが基本となります。
POINT
- 「心理カウンセリング」や「インナーチャイルドセラピー」で、長年、毒親から受けてきた心理的な影響を和らげる
- 毒親より自分の内面に関心を向け、「毒親と心理的な距離」をとる
- 「親を見捨てるのではなく、親から卒業する」の心持ちで、心理的にも、物理的にも、できるだけ毒親から距離を取る
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
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まとめ
さいごに、毒親である母親の特徴について重要ポイントをまとめます。
- POINT毒母は、押しつけがましい、余計なお世話など、過干渉な特徴がある
- 毒母は、大げさで過度なダメ出しをする特徴がある
- 毒母は、世間体を気にするあまり、親の理想を子供に押し付ける、子供の行動を過度に心配する特徴がある
- 毒母は、子育てに自信がなく、子育てから逃げようとする、子供に愚痴を聞かせる特徴がある
- 毒母は、子供に対して嫉妬したり拗ねたりする、子供の話を無視したり聞きいれない特徴がある
- 毒母は、極端な考え方、極端な言動をする特徴がある
- 毒母は、自らの見捨てられ不安を和らげるために子供を束縛し「親子共依存」の関係を築こうとする
- 毒母は、息子よりも、娘とのあいだで「母娘共依存」の関係に陥りやすい
- 毒母自身も、毒親に育てられた子供である場合が多い
- 毒母の子育ての特徴は、アダルトチルドレンの特徴と一致する
- 「毒母の特徴」も「毒母に育てられた影響」も、心理カウンセリングなどで克服することが可能
- 毒親への対処法は、「心理カウンセリング」や「インナーチャイルドセラピー」で、長年、毒親から受けてきた心理的な影響を和らげ、毒親と心理的にも物理的にも距離を置き、共依存関係に巻き込まれないようにするのが基本
また、毒親である母親の特徴に関する関連記事を以下に紹介します。
是非、あわせてお読みください。
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。
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以上、「毒親である母親の特徴」という記事でした。