POINT毒母の最大の特徴は、母が娘に依存する「母娘共依存」です。毒母は見捨てられ不安を和らげるため娘に依存し、娘は毒母に認めてもらうために毒母を支えます。
心理カウンセラーの寺井です。
「毒親」とは、「子供の人生に悪影響を及ぼす子育てを行う親」を指す言葉です。
毒親である母親は、押しつけがましい、大げさでヒステリック、子育てから逃げる、愚痴が多い、子供に嫉妬したり拗ねる、極端な言動をしがちなどの特徴があり、娘を束縛し、娘に依存する「母娘共依存」が最大の特徴です。
この記事は、毒母の最大の特徴である「母娘共依存」について解説しています。
毒母の最大の特徴「母娘共依存」
毒母は子育てにおいて、子供を邪魔もののように邪険に扱うのが最大の特徴ですが、そもそも、毒親の問題行動に隠された意図とはなんなのでしょうか?
確かに、毒母の言動は理不尽ではありますが、例え、理不尽な相手であっても、毒母をやみくもに攻撃したり責めたりすれば、毒母はかえって激高し、結局、自分にとって不利益となります。
なので、「彼(相手のこと)を知り己(自分のこと)を知れば百戦殆うからず…」のことわざ通り、心理カウンセリングの現場では、毒母への対処法を考え始めるにあたり、まず、「毒親と呼ばれる存在であっても、1人の人間として尊重し、毒母の過干渉の中にも、毒母なりの想いや願いや気持ち=心理が隠されている…」というところから考え始めます。
毒母の最大の特徴である「母娘共依存」の重要ポイントは、以下の5点があげられます。
POINT
- 毒母のエネルギーの源は「見捨てられ不安」である
- 毒母の狙いは「親子で共依存関係」を作り上げること
- 息子は、思春期を境に「毒母から自立」する
- 娘は、自立したいからこそ「母親に認めてもらいたい!」と感じる
- 娘は、自立しようとすればするほど、毒母と強力な「母娘共依存」に陥りやすい
それでは、以下に詳しく解説していきます。
毒母のエネルギーの源は「見捨てられ不安」
そもそも、嫌いなものや邪魔なものに対しては、「2度と見たくない!いち早く離れたい!」と感じる方が人として自然な心理です。
ですが、毒母は子供を邪魔もののように邪険に扱う割には、反面、子供の自由を奪い、子供を自分の傍に束縛しようとします。
よって毒母は、表面的には「子供を邪魔もののように邪険に扱う…」ものの、内面的には「一人ぼっちになるのが怖いため、子供を束縛し子供を手元において依存しようとしている…」「毒母は依存相手として子供を必要としている…」と心理学では捉えます。
このとき、毒母が感じている「1人ぼっちになるのが怖い!」という感情を、心理学では「見捨てられ不安」と呼びます。
毒母の狙いは「親子で共依存関係」を作り上げること
このように、毒母は大きな見捨てられ不安を抱えている場合が多く、自分の見捨てられ不安を和らげるための依存相手を確保しようと、子供を否定し成長を抑圧することで自分の手元に束縛しようとします。
当然、毒母に育てられた子供は自分に自信を持てず、「毒親から離れたい!」と願ってもなかなか自立できず、毒親から離れられなくなり、結果、毒母に育てられた子供は、毒親との「共依存関係」に巻き込まれてしまう特徴があります。
共依存とは、自分自身に焦点があたっていない状態のことです。たとえば、自分の価値を周囲の基準だけを頼りに判断する。自分がどうしたいかではなく、周囲の期待に応えることだけに必死など、他の人の問題を解決することに、いつも一生けん命であること。
引用元:共依存とは
このとき上記のように、互いに依存し合っている親子関係を、心理学では「共依存親子」と呼び、とくに、毒親である母親と娘の共依存関係を「母娘共依存」と呼びます。
つまり、毒母が繰り出す理不尽な言動に隠された意図は、「自らの見捨てられ不安を和らげるため、共依存の依存相手として子供を束縛しようとしている…」と言い表すことができます。
このように、心理カウンセリングの現場では、毒親を安易に「悪者」だとはとらえず、例え、毒親と呼ばれる存在であっても、1人の人間として感情を尊重していきます。
「毒親とは何か?毒親の意味合い」については、以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方は参考にして下さい。
息子は、思春期を境に「毒母から自立」する
毒母にとって子供が息子である場合、息子は、概ね12歳頃から親からの自立を始め、「思春期」と呼ばれる「第二反抗期」が始まり、自分の居場所を「親子などの家庭の内側」から「友人などの家庭の外側」に求め広げていきます。
結果、中学生や高校生くらいになると、息子は、毒母と距離を置くようになり、ある意味、問題行動や非行行為を行ってでも、毒母からの自立を力ずくで果たそうとする場合があります。
娘は、自立したいからこそ「母親に認めてもらいたい!」と感じる
ですが、毒母にとって子供が娘である場合、娘も「思春期」「第二反抗期」を迎えるものの、娘は、女性として自立するために、「同性である母親に認められたい!」という心理が働きます。
このとき、女性としての自信を感じ自立するために、「母親に認めてもらいたい!」と感じる娘の心理を、心理学では「承認欲求」と言います。
そうすると、娘は「母親に認めてもらいたい!」と感じれば感じるほど、毒母の依存心を受け止め、「毒母を支えることで毒母に認めてもらおう!」とします。
娘は、自立しようとすればするほど、毒母と強力な「母娘共依存」に陥りやすい
つまり娘は、ひとりの女性として自立しようとすればするほど、「毒母に認めてもらいたい!」と感じるようになり、「毒母に認めてもらいたい!」と感じれば感じるほど、毒母との共依存関係を強めてしまい、結果、娘はかえって自立できなくなってしまうという、苦しい堂々巡り=毒母と協力な「母娘共依存」に陥ってしまいます。
とはいえ、母娘共依存とは、決して絶対に悪いという関係ではなく、本質的には支え合いの関係ということになり、ある人が見れば「仲のいい親子」ということになります。
よって、「母娘共依存が良いか?悪いか?」ではなく、「自分は今後の親子関係をどうしていきたいか?」という、自分主導の捉え方=自立心を育むことが、毒母への対処法の重要なポイントとなります。
毒母から心理的に自立するための対策
「毒母から心理的に自立するための具体的な対策」については、以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方は参考にしてください。
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また、「母娘共依存」ついては、以下のコミックで気楽に知ることができますので、あわせて紹介します。
まとめ
さいごに、毒母の最大の特徴である「母娘共依存」について重要ポイントをまとめます。
- POINT毒母の問題行動には、「見捨てられ不安」が密接に関わっている
- 毒母の狙いは、子供と「親子で共依存」関係を築くこと
- 息子は思春期を境に、毒母の過干渉から離れ「毒母から自立」する
- 子供が娘であった場合、「毒母を支えることで毒母に認めてもらおう!」となり、毒母と娘が強力に依存し合う「母娘共依存」の関係になりやすい
- 毒母への対処法は、「自分は今後の親子関係をどうしていきたいか?」という、自分主導の捉え方が大切である
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以上、「毒母の最大の特徴は『母娘共依存』」という記事でした。