POINT独裁者タイプは、「恋人との対等な関係」を求めて恋愛をするのではなく、「恋人を一方的に支配する関係」を求めて恋愛をする傾向があります。
心理カウンセラーの寺井です。
「回避依存症:独裁者タイプの恋愛傾向」は、恋人に対して「身体的暴力」や「精神的暴力」を行うという点が最大の特徴です。
ですが、「独裁者タイプ」は「恋人との関係を破局させるため」に「身体的暴力」や「精神的暴力」を行うのではなく、あくまで「恋人との関係を支配・コントロールして継続させるため」に行うという傾向があります。
反対に言えば、このような「独裁者タイプ」の行動は、決して「恋人を敵視」しているものではなく、あくまで「恋人に見捨てられたくない」あるいは「一人ぼっちになりたくない」という「見捨てられ不安」の影響よるものなのですが、とはいえ、「身体的暴力」や「精神的暴力」は「恋人の心と体を深く傷つける行為」であり「犯罪になり得る行為」であることには変わりはありません。
ですが、恋人に必要とされることで「自分の存在価値」を感じようとする「共依存症の女性」は、「自分の存在価値」を感じようとすればするほど「独裁者タイプの男性」からの「暴言・暴力」を受け止めてしまうため、「独裁者タイプの男性」からの「支配・服従」を自ら強めてしまい、「心身の健康」を大きく損ねてしまう場合があります。
この記事は、回避依存症:独裁者タイプの恋愛傾向について解説しています。
回避依存症:独裁者タイプの「恋愛傾向」
「回避依存症:独裁者タイプの恋愛傾向」は、恋人に対する「暴力的支配行動」に顕著に現れていると言えます。
また、「独裁者タイプ」は「男性」でも「女性」でも恋人に対して「暴力的支配行動」を行いやすい傾向があるため、恋愛において様々な問題が生じやすいと言えます。
「暴力的支配行動」は「恋人をわざといやな呼び名で呼んだり,馬鹿にしたりする」,「恋人を押したり,つかんだり,つねったりする」などの項目から構成されている。
なお、「独裁者タイプの恋愛傾向(暴力的支配行動)」は、主に以下の「2つ」が考えられます。
POINT
- 「身体的暴力」
「殴る・蹴る・突き飛ばす・物にあたる・物を壊す」など - 「精神的暴力」
「無視・恫喝・人格否定・あらさがし・ダメ出し」など
そして「独裁者タイプ」が行う「身体的暴力」や「精神的暴力」のように、配偶者や恋人など親密な関係にある者に振るう(振るわれる)「暴力」を「DV(ドメスティック・バイオレンス)」と言います。
DVとは、「ドメスティック・バイオレンス」(英語では「domestic violence」)の略です。…(中略)…暴力は、殴る・けるなどの身体的な暴力だけではなく、人前でバカにしたり生活費を渡さないなどの精神的暴力や、性行為の強要などの性的暴力も含まれます。
また、恋愛関係における「DV」は大人に限った問題ではなく、高校生・大学生など、若年層の恋人関係における「DV」も多数あり、「デートDV(恋人間暴力)」と呼ばれています。
DVは大人にだけ起こることではありません。今、高校生や大学生など、若い世代でも交際相手から受ける暴力が増えていて、デートDV(恋人間暴力)と呼んでいます。…(中略)…デートDVはただのケンカとは違います。相手の感情を無視して、力や態度で従わせようとしたり、一方的に行動を制限したり、自分の価値観を押し付けて相手の心や体を傷つける「暴力」です。
このように、恋人に対して「身体的暴力」や「精神的暴力」など「DV(ドメスティック・バイオレンス)」行うという点は、「独裁者タイプの恋愛傾向」の最大の特徴と言えます。
ですが、「独裁者タイプ」は「恋人との関係を破局させるため」に「身体的暴力」や「精神的暴力」を行うのではなく、あくまで「恋人との関係を支配・コントロールして継続させるため」に行うという傾向があるのも事実です。
それでは、「独裁者タイプの恋愛傾向(暴力的支配行動)」について、以下に詳しく解説していきます。
独裁者タイプの恋愛傾向:「身体的暴力」
「独裁者タイプ」が行う「身体的暴力」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
- 身体的暴力の例
平手で打つ・足でける・髪を引っ張る・もので殴る・首を絞める・腕をひねる・引きずりまわす・ものを投げつける 等
また、このような「身体的暴力」を受け続けた場合、「身体的暴力」から解放された後も「後遺症」に悩み続ける場合があります。
繰り返される暴力の後遺症:DVなど繰り返される暴力は、被害者の心身に悪影響をもたらします。不安感が過剰になったり、恐怖心が強くなったり、眠れなくなったり食べられなくなったり、頭痛やめまいなどが起きることもあります。突然過去に振り戻されるようなフラッシュバックと言われる症状に悩むこともあるかもしれません。
引用元:DV被害者へ寄り添う支援とは
このように、「独裁者タイプが行う身体的暴力」とは、恋人の体を深く傷つけると同時に、恋人の心までも深く傷つける行為であり、長いあいだ「後遺症による影響」も与え続ける行為と言えます。
なお、「独裁者タイプが身体的暴力を行う理由」は、主に以下の「3つ」があげられます。
POINT
- 「恋人」を失いたくないため「暴力で支配・束縛」する
- 「心の傷(幼少期のトラウマ)」を隠し守るため「強い自分」を演じる
- 「心の傷(幼少期のトラウマ)」を刺激されたことに対する「無意識の防御反応」
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①恋人を失いたくないため
「独裁者タイプ」をはじめとする「回避依存症」は、「恋人に見捨てられたくない!」という「見捨てられ不安」を強く感じるという傾向があり、そのため、「独裁者タイプ」は「恋人が自分の元から離れていかないよう『力』で支配・束縛・コントロールする」と考えられています。
DVは、暴力によって相手を怖がらせ、操り、支配したいという欲求からおこるもので、力によるコントロールを目的としています。…(中略)…暴力を手段として、弱い立場の者を支配し、自分の思い通りになるようにコントロールしようとするのです。
引用元:暴力はなぜ起きるのでしょう?
なお、「独裁者タイプ」のように「他者を自分の意のままにしたい」と感じる感情を「支配欲」と言います。
「支配欲」とは、ずばり「人を支配することに対する欲望」のことです。「自分の意のままに動かしたい」「考えや行動を束縛したい」といった感情が働いています。相手をコントロールできると満足し、コントロールできないと不満を感じるという心の動きが特徴的です。
以上のことから、「独裁者タイプが行う身体的暴力」とは、「恋人を失わないための手段」であると考えることができます。
②「心の傷(幼少期のトラウマ)」を隠し守るため
また、「独裁者タイプ」は自分自身も「独裁者タイプの親」に育てられた場合が多いという傾向があります。
そのため「独裁者タイプ」も、子どもの頃に親から「身体的暴力」を受けて育った場合が多く、子どもの頃に負った「心の傷(幼少期のトラウマ)」を抱えたまま大人になっている場合が多いと考えられています。
独裁者タイプになる理由:もう一つの理由は、親、特に父親が「独裁者タイプ」だったということです。…(中略)…そして、大人になって恋人や家族が出来ると、無意識に辛かった子供時代、過去のトラウマを思い出してしまうんですね。弱かった自分を認めることができないので、自分が「独裁者タイプ」となり弱者(恋人・子供)を支配することで、自分のトラウマを隠そうとします。
このように、「独裁者タイプ」は自分が「独裁者タイプ」となり恋人を支配することで、子どもの頃に負った「心の傷(幼少期のトラウマ)」を隠し守っていると言い換えることができます。
あるいは、「独裁者タイプ」は「暴力」を振るうことで「強い自分」を演じ、「強い自分」という「鎧」の内側に、子どもの頃に負った「心の傷(幼少期のトラウマ)」を隠し守っていると言い換えることができます。
以上のことから、「独裁者タイプが行う身体的暴力」とは、「心の傷(幼少期のトラウマ)を隠し守るための手段」であると考えることができます。
③「無意識の防御反応」
反対に言えば、「強い自分」という「鎧」の内側に隠し守っている「心の傷(幼少期のトラウマ)」を、他者に詮索されたり、他者に刺激されたとき、「独裁者タイプ」は激しく怒りだすという傾向があります。
例えば、「体の傷」をむやみに刺激されれば、誰であっても激しく怒りだすように、「心の傷」もむやみに刺激されれば、誰であっても激しく怒りだすと言えます。
そういった意味では、「独裁者タイプ」は「心の傷(幼少期のトラウマ)」を他者に刺激されたときに「身体的暴力」を振るう可能性が高いと言えます。
なお、「独裁者タイプ」のように「心の傷(幼少期のトラウマ)」を隠し守ろうとする「無意識の防御反応」を「防衛機制(適応規制)」と言い、他者を攻撃することで「心の傷(幼少期のトラウマ)」を防衛することを「防衛機制『攻撃』」と言います。
「適応機制」は、欲求が満たされない自分自身を防衛するという意味から「防衛機制(ぼうえいきせい)」と呼ばれることもあります。ある意味で、心の安全装置といってもよい機能です。
適応機制(防衛機制)の種類とその簡単な説明
- 攻撃… 物や他者に対して、感情をぶつけたり、乱暴したりする。家庭内暴力や組織におけるパワハラのような犯罪として現れることもある。また、自傷といった自分自身への攻撃に向かうこともある。
以上のことから、「独裁者タイプが行う身体的暴力」とは、「心の傷(幼少期のトラウマ)を刺激されたことに対する無意識の防御反応」であると考えることができます。
独裁者タイプの恋愛傾向:「精神的暴力」
「独裁者タイプが行う精神的暴力」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
- 精神的暴力の例
大声でどなる・無視して口をきかない・人前でばかにする・誰のおかげで生活できるんだなどという・生活費を渡さない
友人や親族との付き合いを制限する・大切な物を壊す・子どもに危害を加えるといって脅す 等
また、このような「精神的暴力」を受け続けた場合、「精神的暴力」から解放された後も「後遺症」に悩み続ける場合があります。
モラハラ後遺症としては無気力などの精神的な不調が出るケースもありますが、逆パターンとも言える精神的な不調が出るケースもあります。怒りっぽくなったり、すぐにイライラしてしまったりするのです。
このように、「独裁者タイプ」が行う「精神的暴力」とは、恋人の心に大きなダメージを与えると同時に、長いあいだ「後遺症による影響」も与え続ける行為と言えます。
なお、「独裁者タイプが行う精神的暴力」は、主に以下の「4つ」があげられます。
POINT
- 「無言」による精神的暴力(受動攻撃)
- 「マウンティング」
- 「威圧」による精神的暴力(モラハラ)
- 「マニュピレーター」
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①「無言」による精神的暴力(受動攻撃)
「独裁者タイプが行う『無言』による精神的暴力」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 突然、無言になり不機嫌な態度を取る
- 話しかけても無言で無視をする
- 無言で大きなため息をつく
- 無言で大きな音を立てドアを閉める
- 無言で机を指でトントン叩く
- 電話をしても出ない
- LINEを送っても「無視」あるいは「既読スルー」
このような「無言」による「精神的暴力」は、「身体的暴力」のように「体の傷」が残るわけではありません。
ですが、自分の存在を無視されることは「人間にとって最大の苦痛」と言われており、そのぶん「心の傷」が残ることになります。
人間関係で大きな苦しみになるのが、相手の存在の無視。これは人間関係で最もやってはいけないとされる、気を付けなければならない対応で、例え相手が見えていても、相手が居るのをわかってても、まるでそこに誰も居ないかのように振る舞う態度やその行為です。
また、「独裁者タイプが行う『無言』による精神的暴力」のように、「怒り」や「不安」といった感情を言葉を表現せず、「無言」や「無視」という態度で表現することを「受動攻撃」と言います。
受動攻撃行動は、怒りを直接的に出さないで、「無視」とか「やるべきことをやらない」、そして「あなたのせいで憂鬱な気分になったと装って相手を困らせる」など、後ろに引くことで他者を攻撃する行動なのです。
このような「受動攻撃」を受けた場合、恋人は「何か悪いことをしたのだろうか?」「嫌われたのだろうか?」と「見捨てられ不安」を感じ続けることになり、何も悪いことをしていないのに「罪悪感」を刺激され続けることになります。
以上のことから、「受動攻撃」は「独裁者タイプが行う精神的暴力」のひとつと言えます。
②マウンティング
「独裁者タイプ」が「受動攻撃」を行う理由は、恋人の「見捨てられ不安」や「罪悪感」を刺激することで、恋人に対して「精神的優位」に立ち、恋人とのあいだで「上下関係」を築き、恋人との関係性を「支配・束縛・コントロール」することにあります。
なお、「独裁者タイプ」のように、恋人に対して「精神的優位」を示す行動を「マウンティング」と言います。
マウンティングとは?動物が上下関係を示すための行動で、「相手に自分のほうが上だと示す」という行為のことです。
そもそも恋愛関係とは、お互いに尊重しあう「対等な関係」でこそ「愛情」が育まれるものなのですが、このような「マウンティング」を受けた場合、お互いの関係性は「対等な関係」ではなく「上下関係」となってしまい、恋人は「愛される」のではなく「支配される」ことになってしまいます。
以上のことから、「マウンティング」は「独裁者タイプが行う精神的暴力」のひとつと言えます。
③「威圧」による精神的暴力(モラハラ)
「独裁者タイプが行う『威圧』による精神的暴力」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 恫喝
「逆らったら容赦しないぞ!」「言う通りにしないと酷い目にあうわよ!」など - 見下す
「そんなこともできないのか?」「それくらいできるでしょ?」など - 人格否定
「お前が悪い!」「あなたはおかしい!」など - 男女差別
「女のくせに!」「男のくせに!」など - あらさがし
「汚れが残っている!今すぐ掃除し直せ!」「靴が揃っていない!今すぐ揃えて!」など - ダメ出し
「だから○○と言ったじゃないか!」「なんで?○○しなかったの?」など - 全否定
「お前にできるわけがない!」「あなたはうまく行くはずない!」など
このように「独裁者タイプ」は、自分の「非」は決して認めない反面、恋人の「落ち度・欠点」を探し出すことに長けているという特徴があります。
なお、「独裁者タイプが行う『威圧』による精神的暴力」のように、「自分が正しく、相手が悪い!」という一方的な思考から行われる「精神的暴力」を「モラル・ハラスメント(モラハラ)」と言います。
モラハラとは、「モラルハラスメント」の略称で、道徳・倫理に反したいやがらせで相手を精神的に追い詰める行為全般を指します。そのため、モラハラは精神的DVといわれることもあります。
また、このような「モラハラ」を受けた場合、恋人は「自分はダメな人間なんだ」と「自己否定感」を感じ続けることになり、その後、「心の病」を発症しやすくなると考えられています。
モラハラを受け続けると、抑うつや不安、混乱、緊張が続き、心の病を発症してしまうこともあります。
引用元:モラハラを受ける人の特徴
以上のことから、「モラハラ」は「独裁者タイプが行う精神的暴力」のひとつと言えます。
④マニュピレーター
ですが、「独裁者タイプ」は「モラハラ」を「意識的」に行っているわけではなく、「無意識」に行っているという点が特徴的です。
反対に言えば、「独裁者タイプが行うモラハラ」には、何らかの「無意識の意図」が隠されていると考えられます。
なお、「独裁者タイプが行うモラハラ」に隠されている「無意識の意図」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 救済者としての意図
「相手のためを思って正しいことを教育してあげているのだ!」
「自分が色々言うのは相手のためなのだ!」など - 被害者としての意図
「相手のためを思って教育してあげているのに、相手のせいでなかなか改善されない!」
「自分がイライラするのは相手のせいだ!」
「自分は相手にイライラさせられているのだ!」
「だから、自分のイライラを相手にぶつけるのは当然のことだ!」など
このように「独裁者タイプが行うモラハラ」は、「自分は恋人に○○してあげる救済者だ!」という「親切ぶった態度」と「自分は恋人に○○させられている被害者だ!」という「理不尽な態度」の、ふたつの「矛盾した態度」が隠されています。
なお、「独裁者タイプ」のように「親切ぶった態度」と「理不尽な態度」の、ふたつの「矛盾した態度」を繰り返すことで相手の心を支配しようとする人を「マニュピレーター(心を操る人)」と言います。
“親切” と “理不尽な態度” というふたつの矛盾した行為が繰り返され、しだいに自分の心が相手に支配されているような感覚にとらわれる――こうした心理に陥れる人物を、心理学では「マニピュレーター(manipulator)」と呼びます。
また、このような「マニュピレーター」によって心を操られた場合、恋人は「心を弄ばれた」ことになり、その後、「精神バランス」を崩しやすくなると考えられています。
以上のことから、「マニュピレーター」は「独裁者タイプが行う精神的暴力」のひとつと言えます。
「独裁者タイプの男性」と「共依存症の女性」の恋愛カップルの特徴
そもそも「回避依存症」という言葉自体が心理学の用語ではありません(心理学では「回避型愛着スタイル」あるいは「回避性愛着障害」)ので学術的な根拠はありませんが、カウンセリングの臨床経験に基づくと、「独裁者タイプ」は「女性」より「男性」の方が圧倒的に多いと言えます。
そして、「回避依存症の男性」には「共依存症の女性」が引き込まれやすいと考えられています。
回避依存症の男性には「恋愛依存症」あるいは「共依存症」と言われるタイプの女性が引き込まれることが多いようです。
また、「回避依存症:独裁者タイプの男性」は、「恋人を支配することで安心を感じようとするため、恋人とのあいだに『支配関係・主従関係・上下関係』を作り出そうとする」という傾向があります。
一方、「共依存症の女性」は、「恋人との恋愛関係が存在しなければ、自分の存在価値を感じることができないため、恋人に必要とされることで自分の精神バランスを保とうとする」という傾向があります。
共依存症者の恋愛では、相手が不幸な自分を幸せにしてくれる人、救済してくれる人と感じてしまいます。相手の価値観に従わないと救済者を失ってしまうと思い、常に相手の顔色をうかがい、その言動に振り回されることになります。相手を失ったら自分の世界も終わってしまうような、不安定な世界に生きる感覚を持ってしまうんですね。
ですので、「独裁者タイプの男性」と「共依存症の女性」が恋愛カップルとなった場合、「共依存症の女性」は「独裁者タイプの男性」に言われるがままに従い続けようとする傾向がありますが、「共依存症の女性」が従えば従うほど、「独裁者タイプの男性」に「支配・束縛・コントロール」されてしまうことになります。
以上のことから、「独裁者タイプの男性」と「共依存症の女性」の恋愛カップルには、さまざまな問題が起きる可能性が高いと考えることができます。
なお、「『独裁者タイプの男性』と『共依存症の女性』の恋愛カップルで起きる問題や特徴」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 「共依存症の女性」は「トラウマ」を刺激してしまう
- 「共依存症の女性」は「身体的暴力」を受け止めてしまう
- 「共依存症の女性」は「支配・服従関係」を自ら強めてしまう
- 「共依存症の女性」は「心身の健康」を大きく損ねてしまう
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①「共依存症の女性」は「トラウマ」を刺激してしまう
「共依存症の女性」は、「恋人に必要とされて、初めて『自分の存在価値』を感じることができる」あるいは「恋人に必要とされていないと『見捨てられ不安』を強く感じる」という特徴があります。
そのため、「共依存症の女性」は「良かれと思って…」という気持ちから、「独裁者タイプ」の世話を焼きすぎてしまうという傾向があります。
このような「共依存症の女性」の「世話焼き」は、「独裁者タイプの男性」にとっては「干渉された・詮索された・コントロールされた」と感じられてしまい、はからずも「独裁者タイプの男性」が抱える「心の傷(幼少期のトラウマ)」を刺激することになってしまう場合があります。
そうすると、「心の傷(幼少期のトラウマ)」を隠し守ろうとする「無意識の防御反応」として、「独裁者タイプの男性」は「共依存症の女性」に対して「身体的暴力」を行う場合があります。
②「共依存症の女性」は「身体的暴力」を受け止めてしまう
「独裁者タイプの男性」が「共依存症の女性」に対して「身体的暴力」を行った場合、「共依存症の女性」は「自分が受け止めてあげなきゃ…」と考えやすく、そのぶん「独裁者タイプの男性」が行う「身体的暴力」を黙って受け止め続けてしまい、結果、長期に渡って「身体的暴力」が繰り返されてしまう場合があります。
DV被害者になるタイプのひとつとして「自分には価値や能力が無い」と考えやすい自己承認力の低い人が挙げられます。 加害者のことを「価値の無い自分を受け入れてくれた、たった一人の相手である」と受け止めてしまうのです。束縛をされたり物理的な暴力を受けることも「愛情の証である」と誤認識しやすく、また加害者との共依存となるケースも見られます。
このように、「共依存症の女性」は「恋人から身体暴力を受ける」ことを「恋人に必要とされている」と誤認識しやすく、「身体的暴力」も「愛情の証」として受け止めてしまう場合があります。
③「共依存症の女性」は「支配・服従関係」を自ら強めてしまう
「独裁者タイプの男性」は少しのことでイライラしやすく、イライラしだすと「無言」になったり「不機嫌な態度」をとるなど「受動攻撃」を行うという傾向があります。
一方、「共依存症の女性」は「見捨てられ不安」が強いため、「独裁者タイプの男性」が漂わせる「沈黙の時間(受動攻撃)」が耐え難い「苦痛」に感じます。
そして、「共依存症の女性」は「苦痛」に耐えきれなくなると、自分は何も悪くないのに「私が悪かった…ごめんなさい…許して下さい…」と先に謝ってしまい、「独裁者タイプの男性」が仕掛ける「受動攻撃」に屈してしまう場合があります。
このように、「共依存症の女性」は「独裁者タイプの男性」が行う「受動攻撃」に耐えきれず、「独裁者タイプの男性」からの「支配・服従」を自ら強めてしまう場合があります。
④「共依存症の女性」は「心身の健康」を大きく損ねてしまう
また、「共依存症の女性」は「自己肯定感」が低く「自分は価値のない人間なんだ」と感じがちであるため、そのぶん「必要とされたい!認められたい!褒められたい!」という「承認欲求」が強いという傾向があります。
ですので、「独裁者タイプの男性」から「そんなこともできないのか?」「お前が悪い!」「もっとしっかりしろ!」など「モラハラ」を受けると、「独裁者タイプ」からの「モラハラ」に対して「頑張って認めてもらう!」「今度はしっかりしよう!」と「努力」を続けるという傾向があります。
ですが、「独裁者タイプの男性」は「共依存症の女性」の努力を認めてしまうと、「共依存症の女性」との「支配・服従関係」が揺らいでしまうと考える傾向があります。
そのため、「共依存症の女性」がいくら努力を続けても「独裁者タイプの男性」は一向に認めることはせず、「共依存症の女性」は頑張って認めてもらおうとすればするほど、精神的にも肉体的にも「疲労」を蓄積していくことになります。
このように、「共依存症の女性」は「独裁者タイプの男性」が行う「モラハラ」に耐えきれず、「心身の健康」を大きく損ねてしまう場合があります。
なお、「共依存症の女性の特徴」「『共依存症』と『回避依存症』のカップルの特徴と結末」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
回避依存症:独裁者タイプの原因
「独裁者タイプの原因」には、子どもの頃に親から受けた子育ての影響や、子どもの頃に一緒に過ごした家族の影響など、子どもの頃の家庭環境が密接に関わっていると考えられています。
とくに、親から「身体的暴力」や「精神的暴力」を受けて育った子どもは、大人になって、親と同じように「身体的暴力」や「精神的暴力」を行う可能性が高いと考えられています。
虐待行為のうち暴力などは、世代間連鎖すると言われます。暴力を振るう親のもとで育った子は暴力を振るうようなる、というわけですが、何故そうなるのかについては、子が暴力による問題解決を学習するという説や、暴力を受けた子のトラウマが怒りとなり暴力を生むという説など諸説あります。
そして、「独裁者タイプの原因」となるような「親・家族の問題点」とは、主に以下の「2つ」が考えられます。
POINT
- 「父親」が「母親」に「暴力」を振るっていたり、「母親」が「父親」に「ヒステリー」を起こしていると、子どもは「暴言・暴力で問題解決を図る両親の様子」を「モデリング(学習)」し、大人になって無意識に「模倣」する
- 子どもの頃、親から受けた「身体的暴力」や「精神的暴力」によって「心の傷(幼少期のトラウマ)」を負うと、大人になって「防御反応」が強く現れる
このとき、「暴言・暴力で問題解決を図る両親の様子」を、子どもが「モデリング(学習)」し、大人になって「模倣」し繰り返すことを「負の世代間連鎖」と言います。
次に、親から受けた「身体的暴力」や「精神的暴力」によって負った「心の傷(幼少期のトラウマ)」が、何らかの理由で「対人関係に過剰な防御反応」を示すことを「複雑性PTSD」と言います。
以上のことから、「回避依存症:独裁者タイプの原因」は、大きく分けて以下の「2つ」が考えられます。
POINT
- 「独裁者タイプの親」に育てられたことによる「負の世代間連鎖」の影響
- 「独裁者タイプの親」に育てられたことによる「複雑性PTSD」の影響
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
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まとめ
さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。
「回避依存症:独裁者タイプの恋愛傾向」としては、以下の点があげられます。
- POINT「恋人」を失いたくないため「暴力で支配・束縛」する
「心の傷(幼少期のトラウマ)」を隠し守るため「強い自分」を演じる
「心の傷(幼少期のトラウマ)」を刺激されたことに対する「無意識の防御反応」 - 「怒り・不安」を言葉にせず「無言・無視」という態度で表現することで恋人の「罪悪感」を刺激する
- 「精神的優位」に立つことで恋人との「上下関係」を築こうとする
- 自分の「非」は決して認めず、恋人の「落ち度・欠点」を一方的に攻撃する
- 「親切ぶった態度」と「理不尽な態度」の、ふたつの「矛盾した態度」を繰り返す
- 共依存症の女性は、独裁者タイプの「暴力・暴言」を受け止めてしまうため「支配」されやすい
また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。
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以上、「回避依存症:独裁者タイプの恋愛傾向」という記事でした。