POINT回避依存症とは、「恋人の存在は必要だが、恋人から愛されることに息苦しさを感じやすい心理状態」であり、「アダルトチルドレン」の特徴でもあります。ですが、アダルトチルドレンを克服することで「回避依存症を克服」することは可能です。
心理カウンセラーの寺井です。
「回避依存症」とは、「恋人の存在は必要だが、恋人から愛されることに息苦しさを感じやすいため、恋人との関係性に距離を保つことで自分の精神バランスを保とうとする心理状態」と言えます。
「回避依存症の方」は「男性」でも「女性」でも、人間関係において他者との「距離感」に敏感という特徴があります。
「回避依存症の男性」は「恋人に対してマウントを取りたがる」という傾向があり、「回避依存症の女性」は「恋人が仕掛けてくるマウンティングに巻き込まれないようにする」という傾向があります。
また、「回避依存症」は大きく分類すると、「独裁者・搾取者・ナルシスト・脱走者」の「4タイプ」に分けることができると考えられており、「回避依存症になる原因」は、子ども時代の「親との関係・家族との関係・家庭環境の様子」と密接な関係があると考えられています。
とくに、子どもの頃の母親との関係は「回避依存症」に大きく影響していると考えられていることから、「回避依存症になる原因」は「アダルトチルドレン」と密接な関係にあると考えられています。
反対に言えば、アダルトチルドレンを克服をすることで「回避依存症の克服」ができると言えます。
この記事は、回避依存症に関連する記事をまとめています。
回避依存症とは?
「回避依存症」とは「特定の相手と深い人間関係を構築することを回避している人」を指します。
とはいえ、「回避依存症」とは「一人ぼっちでいたい」というわけではなく、「仲良くなりたい」という気持ちと「自分の本性を知られたくない」という気持ち、二つの相反する気持ちが葛藤しているという心理状態です。
回避依存症とは「深い人間関係を構築することを回避している人」のことです。他人と自分との間に距離を置き、深い人間関係になることを避けます。仲良くなりたいという気持ちと、壁を作り、自分を知られたくないという気持ち、そんな二つの相反する気持ちが共存している状況です。
このように、「回避依存症」とは「恋人の存在は必要だが、恋人から愛されることに息苦しさを感じやすいため、恋人との関係性に距離を保つことで自分の精神バランスを保とうとする心理状態」を指します。
「回避依存症」は「恋愛依存症」のひとつ
とはいえ、そもそも「回避依存症」という言葉は「心理学」や「精神医学」などの学術的な根拠を持つ「言葉」ではありません(心理学では「回避型愛着スタイル」あるいは「回避性愛着障害」など)ので、「病名」や「診断名」という意味合いではなく「明確な定義」はありません。
ですが、一般的に「回避依存症」とは「恋愛依存症(共依存・回避依存・ロマンス依存・セックス依存)」のひとつと考えられています。
恋愛依存症とは、好きな人がいて楽しいはずなのに、相手に見捨てられるのではないかという不安がつきまとい、そんな自分を安心させるために、相手に行動をあれこれ求めてしまう状態を指します。
恋愛依存症にはタイプ別に
- 「共依存型」
- 「回避依存型」
- 「ロマンス依存型」
- 「セックス依存型」
という4つの種類が存在します。
この中でも、とくに恋愛依存症の女性と関わりが深いのが「共依存型」と「回避依存型」です。
また、カウンセリングの臨床経験に基づくと、「回避依存症の方」は「男性」も「女性」も存在すると考えられますが、とくに「彼氏との恋愛関係に悩み苦しむ女性」に関りが深い言葉と言えます。
回避依存症の「男女」共通の「性格的な特徴」
そもそも「回避依存症」という言葉自体が心理学の用語ではありませんので学術的な根拠はありませんが、カウンセリングの臨床経験に基づくと、「回避依存症の方」は「男性」も「女性」も存在すると考えられます。
また、「回避依存症の方」は「男性」でも「女性」でも、人間関係において「感情的な結びつきが面倒くさい・本音や悩みを明かさない・人との関係に深入りしない・人とのつながりを持つより一人でいる方が心地よい」と感じやすく、他者との「距離感」に敏感という特徴があります。
「回避型」愛着スタイルはその名の通り、人との関係性において、感情的な親密さを持つことを避ける傾向のこと。「回避型」愛着スタイルの人は愛着を持って近づくことを避け、他人とある程度の距離を置くことを好みます…(中略)…「回避型」愛着スタイルを持つ人は、人とつながりを持つよりも、一人でいる方が心地良いと感じやすい
反対に言えば、「回避依存症の方」は、他者との「距離感」が適度に保たれていれば、極めて「穏やかな性格」で問題はないのですが、他者との「距離感」が近くなりすぎると「ストレス」を感じやすくなるという特徴があります。
なお、「回避依存症の『男女』共通の性格的な特徴」は、主に以下の「8つ」があげられます。
POINT
- 見捨てられ不安が強い
- 束縛される・依存される・責任を負わされることを無意識に避ける
- パーソナルスペースが広い
- 自分のペースを邪魔されたくない
- 本音を打ち明けられない
- 好き避けをする
- 人間関係にストレスを感じやすい
- 一人でゆっくりすごしたい
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
回避依存症「男女」それぞれの恋愛傾向
「回避依存症」とは、「心理学」や「精神医学」などの学術的な根拠を持つ「診断名」ではなく、「親子・家族・友人・恋愛・結婚・職場」などの「人間関係の築き方の特徴(愛着スタイル)」を表す言葉であり、人間関係において「特定の相手と深い関係になることを避ける(回避する)」という特徴があります。
とはいえ、「回避依存症の方」は、決して「恋人」を嫌っているわけではなく、「恋人と親密になりたい気持ち」と「親密になった恋人に裏切られることへの恐れ」の二つの相反する気持ちが激しく「葛藤」しており、「恋人」のことが好きなのだけれど、ついつい冷たい態度を取ってしまうという傾向があります。
なお、「回避依存症の方」のように、好意を寄せている異性に対して、本心とは反対の行動をとることを「好き避け」と言い、「好き避け」は「回避依存症の『男女』共通の恋愛傾向」と言えます。
好き避けとは、本当は好きなのにそっけない素振りをしたり、相手のことを嫌っているような冷たい態度をとったりすることです。好意を寄せている異性に対して、本心とは反対の行動をとることです。
また、「回避依存症の男性」は「恋人に対してマウントを取りたがる(自分の方が強者であることを示そうとする)」という傾向があります。
そのため「回避依存症の男性」は「回避依存症の女性」と違い、「恋人に対して身体的暴力を振るう場合がある」という点が特徴的です。
一方、「回避依存症の女性」は「恋人が仕掛けてくるマウンティングに巻き込まれないようにする(自分は弱者・被害者であることを示そうとする)」という傾向があります。
そのため「回避依存症の女性」は「回避依存症の男性」と違い、「恋人に対して身体的暴力を振るうことが殆どない」という点が特徴的です。
それでは、「回避依存症『男女』それぞれの恋愛傾向」について、以下に詳しく解説していきます。
回避依存症の「男性」の恋愛傾向
「回避依存症の男性」は、恋愛において「冷たい・そっけない・デートに誘ってくれない・愛情表現をしてくれない」など、恋人と「親密」になることに対して「躊躇・警戒」を示すという傾向があります。
回避依存症の男性は、付き合ってから冷たくなることがあります。先程も言ったように「恋人関係」であることに不安が強くあります。そのため普段から距離を取るような態度をすることがあります。なかなかデートをしてくれなかったり、愛情表現をしてくれないこともとても多いです。
このように「回避依存症の男性」は、恋愛関係において「本性・本心・本音を隠そうとする」という傾向があります。
なお、「回避依存症の男性の恋愛傾向」は、主に以下の「8つ」が考えられます。
POINT
- 身体的暴力を振るう
- 精神的暴力を振るう
- 母親代わりを求める
- 試し行為を繰り返す
- 魅力的に見せる・弱みを見せない
- プライドが高い・挫折に弱い
- 音信不通・行方不明になる
- 別れと復縁を繰り返す
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事
回避依存症の「女性」の恋愛傾向
「回避依存症の女性」は、恋愛において「連絡をしない・自分のことを話さない・甘えない・相談をしない・相談に乗らない」など、恋人と「親密」になることに対して「躊躇・警戒」を示すという傾向があります。
回避依存症の女性の多くは、束縛されることがとても苦手です。恋愛関係において傷付きたくなくて関係を遠ざける人も多いですが、束縛されたくなくて回避依存症になっている人もいます。恋人が出来ても自由でいたかったり一人の時間を満喫したいと思っている女性は、相手から依存されたり束縛されたりすることを嫌います。
このように「回避依存症の女性」は、恋愛関係において「依存・束縛されることを極端に嫌う」という傾向があります。
なお、「回避依存症の女性の恋愛傾向」は、主に以下の「8つ」が考えられます。
POINT
- ヒステリーを起こす
- 試し行為を繰り返す
- 自己憐憫に浸る
- 父親代わりを求める
- 魅力的な容姿と恋愛への苦手意識を併せ持つ
- 承認欲求が強い
- 幸せ恐怖症に陥る
- 音信不通・行方不明になる
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事
回避依存症「4タイプ」それぞれの「性格的な特徴」と「恋愛傾向」
前述のとおり、「回避依存症」を「男女」という視点で捉えることで、「男女で共通する特徴」や「男女で相違する傾向」に気づき理解を深めていくことはとても重要なことです。
そして、「回避依存症」を「男女」という視点ではなく、新たに「タイプ」という視点で捉えることで、「各タイプで共通する特徴」や「各タイプで相違する傾向」に気づき、さらに理解を深めていくことが可能です。
なお、「回避依存症」は大きく分類すると、主に以下の「4タイプ」に分けることができると考えられています。
POINT
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
回避依存症チェックリスト
本記事で紹介している「回避依存症の特徴」は、以下の「回避依存症チェックリスト」を実行することで、さらに詳しくチェックすることができます。
以下の「回避依存症チェックリスト」は、「恋愛依存症に関する文献」と「心理カウンセリングでの症例」に基づき、回避依存症の特徴をリスト化したものであり、「男女」問わず、恋愛における「回避型愛着スタイルの傾向」をチェックすることができます。
回避依存症の特徴を具体的に50個あげており、当てはまる項目をチェックすることで、チェック結果を自動で表示します。
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
回避依存症になる原因
「回避依存症の原因」には、「身体的暴力・精神的暴力・過干渉・過保護・ネグレクト」など、子どもの頃に親から受けた子育ての影響や、「拡大家族・父親が不在・苦労が多い家庭・親子役割逆転」など、子どもの頃の家庭環境が密接に関わっています。
回避依存症になる原因として多いのは親の過剰な干渉もしくは放置や虐待による愛情不足です。これは一見すると相反するような内容ですが「人と親密になると後で悪いことが起こる・本当の自分は愛されない」という認識を持ってしまうという点で共通しています。
引用元:回避依存症の原因
子どもにとって生まれて初めて関わる人間は「親」であり、子どもにとって生まれて初めて所属する集団が「家族」です。
ですので、「親」は子どもにとって「最も信頼したい擁護者」であり、「家庭」は子どもにとって「最も安全な居場所」であるべきなのですが、「親の子育て」や「家庭環境」に何らかの問題があった場合、子どもは「愛情不足」となり、その影響で「人と親密になることを避ける・どうせ自分は大切にされない」という「人間に対する警戒心」を強く持つようになり、そのことが「回避依存症の原因」となると考えられています。
なお、「回避依存症の原因」は、以下の「5つ」が考えられます。
POINT
- 親の子育てに問題があった
- 家庭環境に問題があった
- 条件付きの愛情で育てられた
- 回避依存症の親に育てられた
- 家庭で「正しい感情表現」を身に付けられなかった
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事
回避依存症を克服する方法
前述の通り、「回避依存症の原因」には、子どもの頃に親から受けた子育ての影響や、子どもの頃に一緒に過ごした家族の影響など、子どもの頃の家庭環境が密接に関わっており、子どもの頃、親から受けた子育て・家族の様子・家庭環境に何らかの問題があった場合、その影響により「回避依存症」になる可能性が高いと言えます。
「回避依存症の克服」とは、アダルトチルドレンを克服すること
このとき、子どもの人生に悪影響を与えるような問題のある子育てを行う親を「毒親」と言い、子どもの人生に悪影響を与えるような問題のある家庭を「機能不全家族」と言います。
そして、機能不全家族で育った(毒親に育てられた)ことが原因で、大人になって、恋愛を含む人間関係全般に問題を抱えている人を「アダルトチルドレン」と言います。
「アダルトチルドレン」とは、機能不全家族で育ったことにより、「親から守られる」「適切な教育を受ける」などの正常な成長過程をたどれず、成人してからも生きにくさや心に傷を抱えている人のことをさします。
また、「回避依存症」とは、アダルトチルドレンの特徴のひとつとも言われています。
回避依存症は、アダルトチルドレンの表れ方のひとつです。…(中略)…親子関係や周囲の大人との間で、消耗し枯渇する感覚や、飲み込まれそうな感覚を体験してきました。
引用元:回避依存症
このように「回避依存症になる原因」とは、「子どもの頃、機能不全家族で育った影響」や「子どもの頃、毒親に育てられた影響」である可能性が高い、すなわち、「回避依存症になる原因」は「アダルトチルドレン」と密接な関係にあると言えます。
反対に言えば、「機能不全家族で育った(毒親に育てられた)影響」である「アダルトチルドレン」を克服することが、「回避依存症の克服」に繋がると考えることができます。
「アダルトチルドレン(回避依存症)」の克服方法
そもそも「アダルトチルドレン(AC概念)」とは、1970年代、アメリカのアルコール依存症の治療現場から広がり始めた考え方で、1980年代になると、さまざまな専門家たちが「アダルトチルドレンの原因」や「アダルトチルドレンの克服方法」について研究を行い始め、今では、アメリカのソーシャルワーカー・社会心理学博士「クラウディア・ブラック」によって、「アダルトチルドレンからの回復プロセス」がしっかりと確立されています。
とはいえ、前述の通り「回避依存症になる原因」とは、子どもの頃に負った「幼少期のトラウマ」が密接に関わっており、「幼少期のトラウマ」とは、「なかなか思い出しづらい『遠い昔の記憶』」であるのと同時に、「できれば思い出したくない『傷ついた記憶』」でもあります。
よって、「幼少期のトラウマ」を思い出そうと過去を振り返っても、自分1人ではなかなか思い出せなかったり、なかなか受け入れられない場合があります。
なお、「クラウディア・ブラック」は、「アダルトチルドレンからの回復」には以下の2点が重要と述べています。
POINT
- 「親・家族」に対する負の感情は「親・家族」に聞かせるのではなく、「親以外の信頼できる相手(心理カウンセラー・自助グループなど)」に聞いてもらう必要がある
- 「親・家族」に対する負の感情は「安全な場所(カウンセリングルーム・自助グループなど)」で聞いてもらう必要がある
以上のことから、「心理カウンセリングは、アダルトチルドレンの克服にとても有効である」と言われており、カウンセリングを利用して、カウンセラーの協力を得ながら「アダルトチルドレンからの回復プロセス」を進めることで「アダルトチルドレンの克服」が可能となり、アダルトチルドレンの克服をすることで「回避依存症の克服」ができると言えます。
なお、当社メンタル心理そらくもが考える「アダルトチルドレン克服カウンセリング(回避依存症の克服方法)」については、以下の記事で詳しく解説していますので、是非お読み下さい。
まとめ
さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。
- POINT回避依存症とは、「恋人の存在は必要だが、恋人から愛されることに息苦しさを感じやすい心理状態」を指す
- 回避依存症の方は、「男性」でも「女性」でも、人間関係において、他者との「距離感」に敏感という特徴がある
- 回避依存症の男性は、「恋人に対してマウントを取りたがる」という傾向がある
- 回避依存症の女性は、「恋人が仕掛けてくるマウンティングに巻き込まれないようにする」という傾向がある
- 回避依存症は、「独裁者・搾取者・ナルシスト・脱走者」の「4タイプ」に分けられる
- 回避依存症になる原因は、「アダルトチルドレン」と密接な関係にある
- 回避依存症の克服方法とは、アダルトチルドレンを克服することである
また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。
是非、あわせてお読みください。
関連記事
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。
関連情報まとめページ
以上、「回避依存症とは?『性格的特徴・恋愛傾向・4つのタイプ・原因・克服方法』を徹底解説」という記事でした。