POINT脱走者タイプの恋愛は、付き合い始めの「適切な距離」が保たれているうちは順調ですが、お互い「親密」になり始めたころに問題が起き始める傾向があります。
心理カウンセラーの寺井です。
「回避依存症:脱走者タイプ」は、誰かに「束縛」されることを極端に嫌がる傾向があり、自由がなくなることを極端に恐れ、自由を確保することに執着する点が最大の特徴です。
ですので、「脱走者タイプ」は恋愛において、恋人と「親密」になりたい気持ちと、親密になった恋人に「裏切られる」ことへの恐れが激しく「葛藤」しやすい傾向があります。
そのため「脱走者タイプ」は、「葛藤の苦しさ」や「裏切られることへの恐れ」や「束縛されることへの恐れ」から逃れるために、突然、恋人を避けるようになったり、突然、音信不通・行方不明になってしまう場合があります。
反対に言えば、「脱走者タイプ」は「対人距離」が保さえていれば「穏やかな性格」であるため、「脱走者タイプ」を温かく見守ることができる「精神的自立ができている恋人」との恋愛カップルであれば、心温まる恋愛関係に発展する場合が多いです。
ですが、恋人と親密になることで「自分の存在価値」を感じようとする「共依存症の女性」は、どうしても「対人距離」が近くなりすぎてしまうため、「脱走者タイプの男性」が「息苦しさ」を感じて離れてしまう(脱走してしまう)場合が多いです。
この記事は、回避依存症:脱走者タイプの恋愛の特徴について解説しています。
回避依存症:脱走者タイプの「恋愛傾向」
「回避依存症:脱走者タイプ」は、恋人との「適切な距離」が保たれていれば「穏やかな性格」で「不倫」や「浮気」も殆どしないため、恋愛関係においても、初期の頃は順調に進展する場合が多いです。
ですが、2~3か月程度が経過してお互いが親密になり始めると、「脱走者タイプ」は、徐々に恋人を避けるようになる傾向があり、「脱走者タイプ」が恋人を避けるようになる理由には、「パーソナルスペース」が密接に関わっていると考えられています。
パーソナルスペース(Personal space)とは、R・サマーという心理学者が提唱したもので、対人距離とも呼ばれ、他者が自分に近づくことを許せる限界の範囲、すなわち心理的な縄張りのことです。人間も動物と同じように、自分の縄張りに勝手に他人が侵入してきてしまうと不快感を覚えます。
このように、「パーソナルスペース」とは「心理的な縄張り」とも言われ、他人との距離感において「不快感」や「息苦しさ」を感じるか?感じないか?の限界範囲のことを指します。
「パーソナルスペース」とは、「普通はこれくらいだ!」といった「人間として固定された範囲」というものはなく、人それぞれの「感覚」によるものですが、「脱走者タイプ」は、「他者に束縛されること・裏切られること・傷つけられること」に対して「防衛心理」が働きやすいため、「パーソナルスペース」が一般的な感覚よりかなり広いと考えることができ、「脱走者タイプの恋愛傾向」に大きな影響を与えていると考えられます。
なお、「回避依存症:脱走者タイプの恋愛傾向」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 長い時間、恋人と同じ空間にいると苦しい
- スキンシップが苦手
- 干渉されたくない
- 突然、音信不通・行方不明になる
- 脱走と復縁を繰り返す
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①長い時間、恋人と同じ空間にいると息苦しい
「パーソナルスペース」とは「心理的な縄張り」とも言われますが、「脱走者タイプ」が恋人に対して「息苦しさ」を感じるのは、「心理的な縄張り」に入られたときに限らず、「物理的な縄張り」に入られたときも含みます。
このように、「脱走者タイプ」は「心理的な縄張り」も「物理的な縄張り」も非常に広いため、恋愛関係において「息苦しさ」を感じやすいと言えます。
なお、「脱走者タイプ」が「物理的な縄張り」に入られたときに感じる「息苦しさ」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 長い時間、恋人に自分の部屋に滞在されたくない
- 長い時間、恋人の部屋に滞在したくない
- 車・電車・映画館など、長い時間、恋人と隣同士でいたくない
- 恋人と同じベッドで寝たくない
このように、「脱走者タイプ」は、長い時間にわたって「物理的な縄張り」に入られ続けると、例え、相手が恋人であっても「息苦しさ」を感じます。
ですが、「脱走者タイプ」は決して恋人を嫌いなわけではなく、子どもの頃の体験の影響によって、「自由がなくなることに対して極端な恐れ」を感じやすいため、「逃げ道を塞がれた状態」で長い時間を過ごす(束縛される)ことに対して「息苦しさ」を感じやすい傾向があります。
このように、「長い時間、恋人と同じ空間にいることに息苦しさを感じる」という点は、「回避依存症:脱走者タイプの恋愛傾向」のひとつと言えます。
②スキンシップが苦手
このように、「脱走者タイプ」は、一般的な感覚では「息苦しさ」を感じないような状況であっても「息苦しさ」を感じやすいため、恋愛において「心的エネルギー」を消耗しやすい傾向があります。
また、「脱走者タイプ」は、長い時間、恋人と同じ空間にいるだけで「心的エネルギー」を消耗するわけですから、恋人に触られること(恋人とのスキンシップ)」に対しても「苦手意識」を感じやすい傾向があります。
なお、「脱走者タイプ」が「苦手意識」を感じる状況とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 恋人と手を繋ぐこと
- 恋人と抱き合うこと
- 恋人とキスをすること
- 恋人とセックスをすること
そもそも、「脱走者タイプ」は「対人感覚」が敏感であることが多く、恋人に限らず、人間関係全般において「感情の処理」が追いつかなくなる傾向があり、そのぶん「心的エネルギー」を消耗しやすい傾向があります。
ですので、「脱走者タイプ」は決して恋人を拒絶しているわけではないのですが、敏感すぎる「対人感覚」の影響によって、「恋人に触られること」に対して「苦手意識」を感じやすい傾向があります。
このように、「恋人とのスキンシップに苦手意識を感じる」という点は、「回避依存症:脱走者タイプの恋愛傾向」のひとつと言えます。
③干渉されたくない
「脱走者タイプの恋愛傾向」には「パーソナルスペース」が密接に関わっており、「脱走者タイプ」は「物理的な縄張り」に入られることへの「息苦しさ」と同じくらいに、「心理的な縄張り」に入られる(干渉される)ことへの「抵抗感」も強く感じやすい傾向があります。
なお、「脱走者タイプ」が「心理的な縄張り」に入られたときに感じる「抵抗感」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 「なんで?どうして?」と、自分の過去を詮索されたくない
- 「いつ?どこで?誰と?何するの?」と、自分の予定を詮索されたくない
- 「どう思った?どうしたいの?どうしてほしいの?」と、自分の感情を詮索されたくない
- 「あーすればいい!こうすればいい!」と、頼んでもいないのにアドバイスをされたくない
- 1人でゆっくり過ごしたいときに、「会いたい!会いたい!」とグイグイと言われたくない
- 好きなものを一人でゆっくり食べたいときに、「一緒に食事したい!」とせがまれたくない
- テレビ・ゲーム・読書などに集中したいときに、配慮なしに一方的に話しかけられたくない
このように、「脱走者タイプ」は、自由がなくなることを極端に恐れ、自由を邪魔されることを極端に嫌がる傾向があります。
ですので、「脱走者タイプ」は決して恋人を邪魔だと思っているわけではないのですが、「ひとりの時間・自由の時間への執着」が強いため、「心理的な縄張りを干渉されること」に対して「抵抗感」を感じやすい傾向があります。
このように、「恋人からの干渉に強い抵抗感と感じる」という点は、「回避依存症:脱走者タイプの恋愛傾向」のひとつと言えます。
④突然、音信不通・行方不明になる
恋愛関係において「恋人に対する不満」を感じたとき、勇気をもって恋人と話し合うことで、お互いの気持ちを尊重しあうことができ、お互いの気持ちをわかりあうことができ、お互いの信頼関係が深めることができます。
ですが、「脱走者タイプ」は、恋愛関係において「恋人に対する不満」を感じたとき、恋人と話し合うことをせず、黙って我慢をしてしまう傾向があります。
そうすると、「脱走者タイプ」は、「恋人に対する不満(精神的ストレス)」を心に溜め込み続けることになり、限界に近づくと、恋人から遠ざかる(脱走する)ことで「精神的ストレス」を和らげようとする傾向があります。
なお、「脱走者タイプ」が「精神的ストレス」を和らげるために行う「恋人から遠ざかる行動」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 突然、何の連絡もなくデートをすっぽかす
- 突然、何の相談もなくその場を立ち去る
- 突然、LINE・メール・電話での連絡が取れなくなる
- 突然、何の連絡もなく引っ越してしまい、行方知れずとなる
「脱走者タイプ」は、「対人感覚」が敏感でありながら「感情」を表現することへの「苦手意識」が強く、「恋人への不満」を言葉で伝えることが難しいため、「恋人への不満」を限界まで溜め込んでしまい、溜め込んだ不満を爆発させて恋人を傷つけてしまう前に、恋人から遠ざかる傾向があります。
このように、「突然、音信不通・行方不明になる」という点は、「回避依存症:脱走者タイプの恋愛傾向」のひとつと言えます。
⑤脱走と復縁を繰り返す
もともと、「脱走者タイプ」を含む「回避依存症の恋愛傾向」とは、以下のように考えられています。
回避依存症者の恋愛傾向:回避依存とは、他者と親しくなることを避け、自身の精神バランスを保とうとすることです。回避依存の傾向がある人は、人と深く関わることで自分が傷つくのを恐れています。しかし、一方で他者を避けてしまうことによる寂しさや虚しさも感じているのです。
このように、「回避依存症」とは、「恋人の存在は必要だが、恋人から愛されることに息苦しさを感じやすいため、恋人との関係性に距離を保つことで自分の精神バランスを保とうとする心理状態」を指します。
以上のことから、「脱走者タイプ」が「恋人から遠ざかる(脱走する)理由」とは、「脱走者タイプ」にとって「恋人が必要ない」からではなく、「恋人は必要なのだけれど、恋人との距離感が近すぎるので、恋人との距離感を調整しようとしている」と考えることができます。
ですので、「脱走者タイプ」は、時間の経過によって「恋人との距離感」が適切に保てるようになると、恋人の元へとふらっと戻ってきて「復縁」をする傾向があります。
ですが、「脱走者タイプ」が「復縁」をしたからと言って、「脱走者タイプ」の心理状態が変わったわけではないので、時間の経過によって、「恋人との距離感」が再び近くなりすぎると、「脱走者タイプ」は再び「恋人から遠ざかる(脱走する)」という傾向があります。
このように、「脱走と復縁を繰り返す」という点は、「回避依存症:脱走者タイプの恋愛傾向」のひとつと言えます。
回避依存症:脱走者タイプの「恋愛思考パターン」
恋愛関係においては、恋人との信頼関係が深まれば深まるほど、恋人からさまざまなお願いをされるようになります。
そして、恋人からのお願いに応じていくことで、恋人との信頼関係をさらに深めていくことができ、素晴らしい恋愛関係へと発展していきます。
なお、恋愛関係における「恋人からのさまざまなお願い」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- スキンシップをしてほしい(手を繋ぐ・ハグ・キス・セックスなど)
- 過去・趣味・仕事・電話番号・メールアドレス・LINE・住所など、個人的なことを教えてほしい
- 家・部屋でデートをしたい
- 会える日・会える時間を教えてほしい
このように、「恋人のことをもっと知りたい」「恋人ともっと親密になりたい」と感じることは、とても自然な「恋愛感情」と言えます。
ですが、「脱走者タイプの恋愛思考パターン」とは、このような「恋人からのお願いに対して素直に応じようとしない」という点が最大の特徴と言えます。
反対に言えば、「脱走者タイプの恋愛思考パターン」には、「自分のことを恋人に知られたくない」「恋人と親密になり過ぎたくない」という「無意識の防衛心理」が隠されていると言い換えることができます。
なお、「回避依存症:脱走者タイプの恋愛思考パターン」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 恋人からのお願いに応じるか、激しく葛藤する
- 一旦、無理をして恋人からのお願いに応じるが、その後、恋人を避けるようになる
- 葛藤の末、恋人からのお願いに応じず、且つ、恋人を避けるようになる
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①恋人からのお願いに応じるか、激しく葛藤する
「脱走者タイプ」は恋愛関係において、「恋人の存在は必要なのだけれど、もし恋人と親密になりすぎたあとに裏切られたらすごく傷つくので、もしもの場合に備えて、恋人と親密になり過ぎないようにしよう」と考える傾向があります。
このように、「脱走者タイプの恋愛思考パターン」とは、「恋人を信頼したい気持ち」と「恋人に傷つけられたくない気持ち」のふたつの気持ちによる葛藤に陥りやすい傾向があります。
なお、恋人からのお願いに対して「脱走者タイプが感じる葛藤」とは、主に以下の「具体例」が考えられます。
POINT
- 一度、恋人のお願いを聞いてしまうと、その後、次々とお願いを聞かざるを得なくなり、結果、恋人に都合よく利用されてしまうのではないか?
- 一度、恋人の甘えを許してしまうと、その後、次々と甘えを許さざるを得なくなり、結果、恋人に束縛されてしまうのではないか?
このように、「恋人からのお願いに応じるか、激しく葛藤する」という点は、「回避依存症:脱走者タイプの恋愛思考パターン」の特徴のひとつと言えます。
②お願いに応じたあと、恋人を避ける
「脱走者タイプ」が激しく葛藤をした結果、「恋人を信頼したい気持ち」が勝ると、「脱走者タイプ」は、一旦、恋人からのお願いに素直に応じる場合があり、恋人のお願いに素直に応じることによって、恋人との関係性が親密になる場合があります。
ですが、「脱走者タイプ」は「対人感覚」が敏感であるため、恋人と親密になればなるほど、「親密になったあとに裏切られたらどうしよう…」という「恋人に傷つけられることへの警戒心」が高まってしまい、結果として「息苦しさ」が増大してしまう傾向があります。
そして、「息苦しさ」が限界に近づくと、「脱走者タイプ」は、恋人と関わること自体を避けるようになる特徴があります。
一方、「お願いをした側」にしてみれば、一度、お願いを聞き入れてもらえて信頼関係が深まったところ、突然、恋人から避けられるようになってしまったと言い換えることができます。
このとき、「脱走者タイプが感じる恋人に傷つけられることへの警戒心」とは、主に以下の「具体例」が考えられます。
POINT
- 恋人を信じてお願いに応じたのだけれど、よく考えてみれば、都合よく利用されているだけではないか?
- 恋人を信じてお願いに応じたのだけれど、結局、いつかは裏切られるのではないか?
- いつか裏切られる可能性があるのであれば、今のうちに恋人から離れた方が安全ではないか?
このように、一旦は、恋人からのお願いに素直に応じるのもの、そのあと、恋人と関わること自体を避けるようになるという点は、「回避依存症:脱走者タイプの恋愛思考パターン」の特徴のひとつと言えます。
③お願いに応じずに、恋人を避ける
「脱走者タイプ」が激しく葛藤をした結果、「恋人に傷つけられたくない気持ち」の方が勝った場合、「脱走者タイプ」は、恋人と関わること自体を避けるようになる特徴があります。
一方、「お願いをした側」にしてみれば、少しのお願いをしただけで、突然、恋人から避けられるようになってしまったと言い換えることができます。
このとき、「脱走者タイプが感じる恋人に傷つけられることへの警戒心」とは、主に以下の「具体例」が考えられます。
POINT
- 都合よく利用されるに決まっているのだから、お願いに応じない方がいい!
- いつかは裏切られるに決まっているのだから、お願いに応じない方がいい!
- いつか裏切られる可能性があるのであれば、今のうちに恋人から離れた方が安全ではないか?
このように、恋人からのお願いに応じないどころか、突然、恋人と関わること自体を避けるようになるという点は、「回避依存症:脱走者タイプの恋愛思考パターン」の特徴のひとつと言えます。
「脱走者タイプの男性」と「共依存症の女性」の恋愛カップルの特徴
そもそも「回避依存症」という言葉自体が心理学の用語ではありません(心理学では「回避型愛着スタイル」あるいは「回避性愛着障害」)ので学術的な根拠はありませんが、カウンセリングの臨床経験に基づくと、「脱走者タイプ」は「女性」より「男性」の方が圧倒的に多いと言えます。
そして、「回避依存症の男性」には「共依存症の女性」が引き込まれやすいと考えられています。
回避依存症の男性には「恋愛依存症」あるいは「共依存症」と言われるタイプの女性が引き込まれることが多いようです。
また、「回避依存症:脱走者タイプの男性」は、「恋人との恋愛関係は必要だが、恋人と親密になりすぎると息苦しさを感じやすいため、恋人との関係性に距離を保つことで自分の精神バランスを保とうする」という傾向があります。
一方、「共依存症の女性」は、「恋人との恋愛関係が存在しなければ、自分の存在価値を感じることができないため、恋人との関係性をより親密にすることで自分の精神バランスを保とうとする」という傾向があります。
共依存症者の恋愛では、相手が不幸な自分を幸せにしてくれる人、救済してくれる人と感じてしまいます。相手の価値観に従わないと救済者を失ってしまうと思い、常に相手の顔色をうかがい、その言動に振り回されることになります。相手を失ったら自分の世界も終わってしまうような、不安定な世界に生きる感覚を持ってしまうんですね。
ですので、「脱走者タイプの男性」と「共依存症の女性」が恋愛カップルとなった場合、「共依存症の女性」は「脱走者タイプの男性」と急いで親密になろうとする傾向がありますが、「共依存症の女性」が親密になろうとすればするほど、「脱走者タイプの男性」は「息苦しさ」を募らせてしまうことになります。
以上のことから、「脱走者タイプの男性」と「共依存症の女性」の恋愛カップルには、さまざまな問題が起きる可能性が高いと考えることができます。
なお、「『脱走者タイプの男性』と『共依存症の女性』の恋愛カップルで起きる問題や特徴」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 「共依存症の女性」は「脱走者タイプの男性」の「心理的な縄張り」に侵入しやすい
- 「脱走者タイプの男性」は「共依存症の女性」の「思わせぶりな態度」にあえて応じない
- 「脱走者タイプの男性」は「共依存症の女性」との「結婚」を回避する
- 「共依存症の女性」は「脱走者タイプの男性」を「忘れること」ができない
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①「共依存症の女性」は「心理的な縄張り」に侵入しやすい
「共依存症の女性」は、「恋人に必要とされることで自分の存在価値(自己肯定感)を感じることができる」という心理状態にあります。
一方、「脱走者タイプの男性」にとって重要なことは、「パーソナルスペース(心理的縄張り)」に侵入されないことにあります。
ですが、「共依存症の女性」は、自分の存在価値(自己肯定感)を感じて安心したいがために、「余計なお世話」を焼きやすぎてしまうなど、恋人と親密になることを急ぎ過ぎる傾向があるため、結果的に、「脱走者タイプの男性」にとって重要な「パーソナルスペース(心理的縄張り)」にグイグイと侵入してしまうと言えます。
このように、「共依存症の女性」が「脱走者タイプの男性」と親密になろうとすればするほど、「脱走者タイプの男性」は「共依存症の女性」を避けるようになるという特徴があります。
②「脱走者タイプの男性」は「思わせぶりな態度」にあえて応じない
「共依存症の女性」は、「恋人に自分の気持ちを察してもらえることで自分の存在価値(自己肯定感)を感じることができる」という心理状態にあります。
一方、「脱走者タイプの男性」とって重要なことは、「パーソナルスペース(心理的縄張り)」に侵入されないことであり、それは「恋人に頼られすぎない・恋人に期待されすぎない」ことを意味します。
ですが、「共依存症の女性」は、自分の存在価値(自己肯定感)を感じて安心したいがために、言葉ではなく「思わせぶりな態度(察してほしい態度)」を取ることで、自分の気持ちを恋人にわからようとする傾向があるため、結果的に、「脱走者タイプの男性」に対して「息苦しさ」を与えてしまうと言えます。
ですので、「脱走者タイプの男性」は「パーソナルスペース(心理的縄張り)」を防衛するために、「共依存症の女性」が行う「思わせぶりな態度(察してほしい態度)」に対して、あえて冷たい態度で接したり、あえて無視をする場合があります。
ちなみに、「脱走者タイプ」のように「思わせぶりな態度(察してほしい態度)」にあえて応じないことを、「アドラー心理学」では「課題の分離」と捉える場合があります。
課題の分離とは自分の課題(自分でコントロールできること)と他人の課題(自分がコントロールできないこと)を分けて考えることです。
このように、「脱走者タイプの男性」は、「共依存症の女性」に「思わせぶりな態度(察してほしい態度)」を取られても、あえて応じないという特徴があります。
③「脱走者タイプの男性」は「結婚」を回避する
「共依存症の女性」は、「誰かに必要とされることで自分の存在価値(自己肯定感)を感じることができる」という心理状態にあるため、恋人と「結婚」をすることによって安心を感じようとする傾向があります。
一方、「脱走者タイプの男性」とって「結婚」とは、「パーソナルスペース(心理的縄張り)」に侵入され続けることを意味するため、「脱走者タイプの男性」は「結婚」に対して「恐れ」を抱いていると言えます。
ですが、「脱走者タイプの男性」は、自分の「感情」を素直に表現することへの「苦手意識」が強いため、「結婚して束縛されるのが怖い」という「本音」を恋人に対して素直に言えず、結果的に、恋人との恋愛関係を終わらせることで「結婚」を回避しようとする傾向があります。
なお、「脱走者タイプの男性が結婚を回避するために口にする言葉」とは、主に以下の「具体例」が考えられます。
POINT
- 僕のような男には、君と結婚をする資格がないよ…
- 僕のような男と結婚をしたら、君は不幸になってしまうよ…
- 僕は君を幸せにする自信がないんだ…
このように、「脱走者タイプの男性」は、「自分には結婚をする資格がない」という言い回しをすることで「結婚」を回避しようとする傾向があります。
ですが、「共依存症の女性」は、自分の存在価値(自己肯定感)を感じて安心したいがために、「結婚」を回避しようとしている「脱走者タイプの男性」に対して、「結婚」を無理に迫るような言動を繰り返す場合があります。
そうすると、「脱走者タイプの男性」は、「結婚をしたら束縛されて自由を奪われてしまう!」と、「結婚」に対する恐れをさらに強めてしまい、突然、音信不通になったり、行方不明になってしまう場合があります。
このように、「脱走者タイプの男性」は、「結婚に対する恐れ」から逃れるために「結婚」を回避しようとする特徴があります。
④「共依存症の女性」は「脱走者タイプの男性」を「忘れること」ができない
このように、「脱走者タイプの男性」は、「対人距離」を適切に守ってあげれば「穏やかな性格」であるため、「脱走者タイプ」を温かく見守ることができる「精神的自立ができている女性」との恋愛カップルであれば、心温まる恋愛関係に発展する場合が多いです。
ですが、「共依存症の女性」は、どうしても「対人距離」が近くなりすぎてしまうため、「脱走者タイプの男性」が「息苦しさ」を感じて離れてしまう(脱走してしまう)場合が多いです。
また、「脱走者タイプの男性」が、突然、音信不通になったり行方不明になることは、「共依存症の女性」にしてみれば、よくわからないままに、突然、恋人を失ったことになります。
ですので、「共依存症の女性」は、「依存相手(生きていくうえで必要不可欠な存在)」である恋人を突然に失ったことにより、自分の半身を失ったかのような感覚に襲われ、その後「喪失感・孤独感・絶望感」など、強い「離脱症状(禁断症状)」に陥りやすい傾向があります。
恋が終わると、基本的に人は落ち込みます。快感から一転、禁断症状のような状態に陥るのです。悲しいだけでなく、不安になり、虚無感に襲われ、孤独を感じることも。思い通りにならず、しがみつける何かが欲しくなり、駆り立てられるように何かに惹きつけられていく人もいるかもしれません。
また、「共依存症の女性」は、「脱走者タイプの男性が、突然、自分の元から離れて行ってしまった原因は、きっと自分に何か悪い点があったからだ!」と考えがちで、「なんで?どうして?」「自分の何が悪かったのか?」「自分のどこがダメだったのか?」と、自分を責めるようになる傾向があります。
そうすると、「忘れたいのに忘れられない…」など、「本心からくる感情」と「依存心からくる感情」が心の中で激しく対立してしまい、「脱走者タイプの男性」をなかなか忘れることができず、次の恋愛になかなか踏み出せないまま、長い時間を過ごすことになる場合があります。
このように、「脱走者タイプの男性」が突然にいなくなった場合、「共依存症の女性」は「脱走者タイプの男性」をなかなか忘れることができないという特徴があります。
なお、「共依存症の女性の特徴」「『共依存症』と『回避依存症』のカップルの特徴と結末」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
回避依存症:脱走者タイプの原因
「脱走者タイプ」をはじめとする「回避依存症の原因」には、子どもの頃に親から受けた子育ての影響や、子どもの頃に一緒に過ごした家族の影響など、子どもの頃の家庭環境が密接に関わっていると考えられています。
回避依存症の原因…(中略)…過干渉な親、過保護な親、親と子の役割が逆転した親子など、情緒的な束縛が原因にあげられます。
引用元:回避依存症
そして、「脱走者タイプの原因」となるような「親・家族の問題点」とは、主に以下の「4つ」が考えられます。
POINT
- 「父親」が「母親」との「夫婦関係」から逃げていると、子どもは「母親との夫婦関係から逃げる父親の様子」を「モデリング(学習)」し、大人になって無意識に「模倣」する
- 子どもの頃、「共依存症の母親」に育てられると、大人になって「束縛されることへの防衛心理」が強くなる
- 子どもの頃、「苦労が多い家庭」で育つと、大人なって「幸せになることへの抵抗感」が強くなる
- 子どもの頃、「否定的な親」に育てられると、大人になって「幸せになってはいけない!」という思い込みが強くなる
このとき、「母親との夫婦関係から逃げる父親の様子」を、子どもが「モデリング(学習)」し、大人になって「模倣」し繰り返すことを「負の世代間連鎖」と言います。
次に、「共依存症の母親」に育てられたことにより身に付けた、「束縛されることへの強い防衛心理」を「防衛機制(逃避・回避)」と言います。
続いて、「苦労が多い家庭」で育ったことにより身に付けた、「幸せになることへの強い抵抗感」を「幸せ恐怖症」と言います。
さいごに、「否定的な親」に育てられたことにより身に付けた、「幸せになってはいけない!」という強い思い込みを「人生脚本(禁止令)」と言います。
以上のことから、「回避依存症:脱走者タイプの原因」は、大きく分けて以下の「4つ」が考えられます
POINT
- 「脱走者タイプの父親」に育てられたことによる「負の世代間連鎖」の影響
- 「共依存症の母親」に育てられたことによる「防衛機制(逃避・回避)」の影響
- 「苦労が多い家庭」で育ったことによる「幸せ恐怖症」の影響
- 「否定的な親」に育てられたことによる「人生脚本(禁止令)」の影響
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
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まとめ
さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。
- POINT脱走者タイプの恋愛傾向は、「パーソナルスペース(心理的縄張り)」と密接な関係がある
- 脱走者タイプの恋愛思考パターンは、「恋人を信頼したい気持ち」と「恋人に傷つけられたくない気持ち」の葛藤に陥りやすい
- 共依存症の女性は「対人距離」が近くなりすぎるため、脱走者タイプの男性は「息苦しさ」を感じて離れてしまう
また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。
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以上、「回避依存症:脱走者タイプの恋愛とは?『恋愛傾向・恋愛思考パターン』を徹底解説」という記事でした。