POINT仕事に対して「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理には、「人にどう思われるか?」と「失敗するのが怖い!」というふたつの心理が影響しています。
仕事に対して「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理は、決して自分が積極的に感じようとしているわけではなく、頭ではわかっていても、気持ちが無意識に「どうしよう…どうしよう…」と焦りすぎてしまう心理と言えます。
また、仕事に対して「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理は、「仕事場における心理状態」と「仕事探しにおける心理状態」のふたつにわけて説明することができます。
この記事は、仕事に対して「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理について説明しています。
仕事に対して「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理とは?
仕事に対して「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理は、具体的に言うと、「焦りすぎてしまう…」「慌てすぎてしまう…」「迷いすぎてしまう…」「考えすぎてしまう…」など、このような気持ちを感じている心理状態と言えるのかもしれません。
とはいえ、仕事に対して「どうしたらいいかわからない!」と感じることになってしまうのは、決して自分が積極的に感じようとしているわけではなく、頭ではわかっていても、気持ちが無意識に「どうしよう…どうしよう…」と焦りすぎてしまうため、いくら迷っても考えても一向に考えがまとまらず、結果、「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう…と、心理カウンセリングの現場では捉えます。
この記事では、仕事に対して「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理について、心理カウンセリングの症例に基づき、以下の2点にわけて説明していきます。
POINT
- 「仕事場」において「どうしたらいいかわからない!」と感じる人の特徴
- 「仕事探し」において「どうしたらいいいかわからない!」と感じる人の特徴
それでは、以下に詳しく説明していきます。
仕事場において「どうしたらいいかわからない!」と感じる人の特徴
仕事場とは、ある意味、自分が評価される場所であり、自分の人生において、かなりの時間的割合を過ごす場所とも言えます。
また、仕事場とは、人間がたくさん集まっている場所とも言えますので、人間関係に苦手意識を持っている人は、そのぶん、人目が気になり、そのぶん、意見や主張などの自己表現がしづらくなり、結果、「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥る場合があります。
仕事場において「どうしたらいいかわからない!」と感じる人の特徴は、以下の点があげられます。
POINT
- 本当は「わかっていない…」のに「わかりました!」と言ってしまう
- 「わかりません!」「教えてください!」「助けてほしいです!」が言えない
- 「自分の気持ちがよくわからない」ままに就職や転職をしがち
- 「周囲の人にどう思われてしまうのか?」をとても気にしがち
それでは、以下に詳しく説明していきます。
①本当は仕事で何をしたらいいかわからないのに、「わかりました!」と言ってしまう
仕事場において「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう人は、仕事のやり方について、上司や先輩から、「この仕事の内容はわかっているの?できるの?」と聞かれたとき、本当はわかっていないのに、ついつい「わかりました!」と見栄を張ってしまう場合が多いのが特徴です。
これは、周囲の人にどう思われるか?を気にするあまり、「わかりません!」と正直に言うことに恐れを感じ、ついつい「わかりました!」と見栄を張ることで、「わかっていない自分」=「本当の自分」=「自分の本音」を周囲の人に隠してしまう「性格上の癖」が影響しているようです。
このように、周囲の人にどう思われるか?を気にするあまり、自分の本音を隠してしまう「性格上の癖」を、心理学では「防衛機制」と言います。
防衛機制(ぼうえいきせい、英: defence mechanism)とは、受け入れがたい状況、または潜在的な危険な状況に晒された時に、それによる不安を軽減しようとする無意識的な心理的メカニズムである。
引用元:防衛機制
②「わかりません!」「教えてください!」「助けてほしいです!」など弱音が言えない
とはいえ、前述の「防衛機制」自体は、自分の本当の気持ちを無意識に防衛する心の働きとして、人間であれば誰でも持ち合わせている心の働きです。
ですが、仕事場において「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう人は、「弱音を言って否定されるのが怖い…」「弱音を言って馬鹿にされるのが怖い…」という恐れが強まっている傾向にあり、そのぶん、防衛機制が高まりすぎてしまい、結果、「わかりません!」「教えてください!」「助けてほしいです!」といった自分の本音を隠してしまい、「周囲に弱音が言えない」という特徴があります。
③自分の気持ちがわからないままに、転職や就職をしている
このように、仕事場において「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう人は、周囲の人に対して、自分の弱音を隠しがちな特徴があります。
自分の弱音を隠すということは、「自分の弱音を否定している」=「弱い自分から目を反らして逃げている」=「自分の弱い気持ちから目を背けている」とも言い換えることができます。
よって、仕事場において「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう人は、「自分の弱い気持ち」=「自分の本当の気持ち」から目を背け続けている人とも言い換えることができます。
なので、仕事場において「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう人は、「こういう会社に入ったら自信がつくんじゃないか?」「こういう仕事に就けばみんなに認められるのではないか?」と、自分の気持ちがよくわからないままに、「たら…れば…」で転職や就職をしてしまう特徴があります。
周囲の人にどう思われるか?を気にするのは、アダルトチルドレンの特徴
また、仕事場において「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう人の特徴である、「周囲の人にどう思われるか?を気にするあまり、自分の本音を隠してしまう心理」は、アダルトチルドレンの特徴でもあります。
「アダルトチルドレン」とは、発達障害、精神疾患など、決して障害や病気といった問題ではなく、子ども時代、「機能不全家族」を生き抜く過程で身に付けた「性格上の癖」のようなものです。
前述の「周囲の人にどう思われるか?を気にするあまり、自分の本音を隠してしまう心理」を始めたとした、アダルトチルドレンの特徴は、以下の「アダルトチルドレン(ac)チェックリスト」を実行することでチェックすることができます。
仕事探しにおいて「どうしたらいいいかわからない!」と感じる人の特徴
仕事探しとは、ある意味、自分の居場所、自分の人生の道筋を選択する作業とも言えます。
また、仕事探しとは、容易にやり直しがきかない選択であるため、失敗することに対する苦手意識を持っている人は、失敗を恐れるあまり、「もしかしたらこうなってしまうのではないか?」「だからもっとこうしたほうがいいんじゃないか?」と考えすぎてしまい、結果、「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう場合があります。
仕事探しにおいて「どうしたらいいかわからない!」と感じる人の特徴は、以下の点があげられます。
POINT
- 「やりたい仕事」と「やったほうがいい仕事」の区別がついていない
- 「とりあえず転職をしたい!」と考えがち
- 「絶対に失敗したくない!」と感じがち
それでは、以下に詳しく説明していきます。
①自分が「やりたい仕事」と「やった方がいい仕事」の区別がついていない
仕事探しにおいて「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう人は、そもそも、自分が望んでいる仕事=「やりたい仕事」と、周囲の人に認めてもらえそうな仕事=「やった方がいい仕事」の区別がついてない特徴があります。
これは、周囲の人にどう思われるか?を気にするあまり、「自分の意見」より「周りの意見」を優先してしまう「性格上の癖」=「防衛機制」が影響しているようです。
また、仕事探しにおいて「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう人は、子ども時代から、「自分の意見」を親に肯定してもらえた経験が少ない傾向にあり、「自分の意見に自信を持てない人」と言い換えることもできます。
②とりあえず転職をしたい!と考えがち
このように、仕事探しにおいて「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう人は、「自分の意見」より「周りの意見」を優先してしまう特徴があります。
「自分の意見」より「周りの意見」を優先してしまうということは、自分が望んでいる仕事=「やりたい仕事」ではなく、周囲の人に認めてもらえそうな仕事=「やったほうがいい仕事」をとりあえずやり続けている人とも言い換えることができ、且つ、「自分の望みを自分で否定し続けてしまい、自分で自分を苦しめてしまっている人」とも言い換えることができます。
よって、仕事探しにおいて「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう人は、「仕事が辛くて限界になったから、とりあえず転職したい!」と考える場合が多く、「仕事場から逃げるような気持ち」で、まるで自転車操業のように、焦りながら次の仕事を探している特徴があります。
③失敗をすることをとても恐れている
このように、仕事探しにおいて「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう人は、「失敗して怒られたらどうしよう…」と、失敗をすることへの恐れが高まっている特徴があります。
なので、仕事探しにおいても、「怒られないこと…」「失敗が許されそうな雰囲気であること…」「責任が重くない仕事…」を最優先の条件に感じがちです。
裏を返せば、仕事探しにおいて「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう人は、それだけ、子ども時代から、親や先生などに失敗を怒られ続けてきた経験があり、未だに心が傷ついたままになっており、そのぶん、「失敗して二度と傷つけられたくない!」=「失敗して二度と怒られたくない!」=「重い責任を背負いたくない!」という防衛機制が高まってしまっているとも言えます。
失敗するのが怖い!と感じるのは、傷ついたインナーチャイルドの特徴
このように、親に失敗を怒られたり、学校でいじめにあったり、子ども時代の人間関係において傷つき、大人になっても傷ついたままになっている「子ども時代の自分のイメージ」を、心理学では「インナーチャイルド」と呼びます。
なので、仕事探しにおいて「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう人の特徴である、「失敗して怒られることをとても恐れてしまう心理」は、傷ついたままのインナーチャイルドの特徴でもあると言えます。
そして、インナーチャイルドが傷ついたままだと、「これ以上、傷つきたくない!」という恐れの気持ちが強くなり、「失敗して怒られたくない!」という焦りが強くなり、結果、仕事に対して「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまいます。
よって、子ども時代から傷ついたままの自分のインナーチャイルドを、インナーチャイルドセラピーによって癒すことで、失敗に対する恐れが和らぎ、仕事に対して落ち着きと余裕が感じられるようになる…と、心理学では捉えます。
「インナーチャイルド」については、以下の記事で詳しく紹介しています。
また、「インナーチャイルドセラピー」についても合わせて紹介しますので、興味のある方は参考にしてください。
まとめ
さいごに、仕事に対して「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理について重要ポイントをまとめます。
- POINT仕事場において「どうしたらいいいかわからない!」と感じるのは、「わかりません!」「教えてください!」「助けてほしいです!」など、周囲の人に弱音が言えない心理状態にあるため
- 自分の本音を隠してしまうのは、アダルトチルドレンの特徴でもある
- 仕事探しにおいて「どうしたらいいいかわからない!」と感じるのは、「失敗して怒られることをとても恐れている…」という心理状態であるため
- 失敗するのが怖い!と感じるのは、傷ついたままのインナーチャイルドの特徴でもある
また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。
是非、あわせてお読みください。
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。
以上、「どうしたらいいかわからない!と感じる心理:仕事編」という記事でした。