POINT子育てにおいて「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理は、「イライラ」と「自信のなさ」のふたつの気持ちが影響しています。
子育てにおいて「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理は、決して自分が積極的に感じようとしているわけではなく、「本当は子どもと仲良くしたい!」と思っているのだけれど、子どもを大切に想うからこそ、「どうしよう…どうしよう…」と、とても考えすぎてしまう心理と言えます。
また、子育てにおいて「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理は、「子育てでイライラが止まらない時の心理状態」と「子育てのやり方がわからない時の心理状態」の2つにわけて説明することができます。
この記事は、子育ておいて「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理について説明しています。
子育てにおいて「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理とは?
子育てにおいて「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理は、「子育てでイライラがとまらない!」「子育てに自信がない…」「子育てのやり方がわからない…」など、このような気持ちを感じている心理状態と言えるのかもしれません。
よって、子育てにおいて「どうしたらいいかわからない!」と感じることになってしまうのは、決して自分が積極的に感じようとしているわけではなく、「本当は子どもと仲良くしたい!」と思っているのだけれど、子どもを大切に想うからこそ、「どうしよう…どうしよう…」と、「孤独感」「焦燥感」「疲労感」「不安感」「自信のなさ」などの気持ちが募りすぎてしまうため、結果、「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう…と、心理カウンセリングの現場では捉えています。
この記事では、子育てにおいて「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理について、心理カウンセリングの症例に基づき、以下の2点にわけて説明していきます。
POINT
- 「子育てでイライラが止まらない」と感じて、どうしたらいいかわからないとき
- 「子育てのやり方がわからない」と感じて、どうしたらいいかわからないとき
それでは、以下に詳しく説明していきます。
子育てでイライラが止まらず、どうしたらいいかわからない…
子育てにおいて、パパさんやママさんが子どもに対して、どうしたらいいかわからない!と感じる心理状態は、ある意味、「子どもとの意思疎通がかみ合わなくてイライラしている…」とも言い換えることができます。
子育てにおいて「イライラが止まらない!どういたらいいかわからない!」と感じる心理状態のポイントは、以下の点があげられます。
POINT
- 子どもとの意思疎通がかみ合わないと感じている
- 本当は子どもと仲良くしたいのに、イライラしている自分にイライラしてしまう
- 子どもに対する嫉妬心を感じている
それでは、以下に詳しく説明していきます。
①子どもの態度が自分の気持ちを無視しているように感じてしまう
子育てに限らず、仕事や恋愛においても、「相手との意思疎通がかみ合わない」ことは、人であれば、誰であってもイライラを感じるものです。
くわえて、育児とは、そのやり方を学校で教えてもらえるわけではなく、孤独と不安のなか、独学で取り組まなければならず、お子さんとの関係が密接になればなるほど、社会から孤立してしまいます。
よって、ママさん1人で子育てを行っている場合、子育てをしているママさんの心には、常に、「孤独感」「焦燥感」「疲労感」「不安感」といった気持ちが充満しやすくなります。
とはいえ、子どもは未だ人生経験が浅いため、このようなママさんの苦しい気持ちを思いやることができません。
なので子どもは、このようなママさんの苦しい気持ちを気にすることなく、元気に走り回ったり、散らかしたり、泣き叫んだり、甘えてきたりします。
そうすると、苦しい気持ちを抱えているママさんは、このような子どもの言動に対して、頭では「子どもらしい…」と理解していても、気持ちでは、「この子は私の気持ちを無視している!」「私がこれだけ我慢して頑張っているのに、この子は私に邪魔や意地悪ばかりしてくる!」「私がこれだけ我慢して頑張っているのに、どうせ誰もわかってくれない!」「もう我慢するのも頑張るのも邪魔されるのもたくさんだ!」くらいに敏感に感じてしまい、結果、育児をすればするほど、子育てでイライラが止まらなくなってしまい、「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまいます。
②イライラしている自分にイライラしてしまう
さて、そもそも人は、自分の本当の気持ちを表現できるとストレスが発散され、気持ちがスッキリするものです。
でも、子育てにイライラしてしまうママさんは、たくさんイライラを表現して発散しているのに、一向にイライラがスッキリしません。
なぜでしょうか?
それは、ママさんの本当の気持ちは「イライラしたい!」わけではないからです。
ママさんの本当の気持ちは、あくまで「子どもと仲良くしたい!」と思っているのだけれど、イライラが止まらないので、イライラしている自分にイライラし、益々、イライラが膨れ上がってしまいます。
さらに、ママさんの場合、女性特有の身体的負担も重なり、燃え上がる炎のようにイライラが膨れ上がってしまう場合があります。
このように、イライラしている自分にイライラし、かえってイライラが膨れ上がってしまう心理状態を、心理学では「月経前症候群(PMS)」と捉える場合があります。
PMS(月経前症候群)は、月経に関連して周期的に身体や精神に不調をきたすことをいいます。症状は、月経の10~14日前から始まり、排卵後の黄体ホルモンが分泌される周期と重なっていて、月経開始とともに消えます。
引用元:PMS(月経前症候群)ってなに?
このように、ママさんが子育てでイライラが止まらなくなってしまい、どうしたらいいかわからない!と感じる心理状態には、「本当は子どもと仲良くしたい!と願っているのだけれど、なかなか叶ず、どうしたらいいかわからない!」という気持ちが隠れています。
③自分は優しくしてもらえなかったのだから、子どもに優しくしてあげたくない!
また、子育てに限らず、仕事や恋愛においても、「相手との関係に不公平さ」を感じると、人であれば、誰であってもイライラを感じるものです。
もし、あなたが自分のお子さんくらいに小さいとき=自分の子ども時代、自分の親にイライラされたり、怒られたり、優しくしてもらえていなかったとすると、「自分は子ども時代、母親に優しくしてもらえなかったのに、なんで?自分がしてもらえなかったことを、自分の子どもにしてあげなくではならないの!?不公平だ!」と、ある意味、「自分の子どもに対する嫉妬心」みたいな気持ちを感じる場合があります。
そうすると、あなたの心には、「本当は子どもと仲良くしたい!」というママさんとしての気持ちと、「自分が優しくしてもらえなかったのだから、子どもに優しくしてあげたくない!」という子ども時代の気持ちとの葛藤が生まれ、シーソーのように揺れ動いてしまい、結果、子どもと仲良くしようとすればするほど、子育てでイライラが止まらなくなってしまい、「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまいます。
このように、子育てにおいて「イライラが止まらなくなってしまい、どうしたらいいかわからない!」と感じる心理状態には、「母親としての気持ちと、一人の女性(女の子)としての気持ちが揺れ動いてしまい、なかなかまとまらず、どうしたらいいかわからない!」という気持ちが隠れています。
子育てのイライラは、心理カウンセリングで和らげることができる…
このように、子育てをしていると、当然、ストレスやイライラを感じるものです。
ですが、イライラがおさまらず、子どもに当たってしまったり、夫に当たってしまったり、自分でも怖いと感じるくらいに、子育てのイライラが止まらない場合があります。
そんな時は、一度、子どもの頃の自分と両親との関係を振り返ってみることで、新しいチャンスが生まれてくるかもしれません。
もしかしたら、子育てのイライラの原因は、子どもの頃に両親に感じたイライラが今も心に残っているから…なのかもしれません。
以下の記事は、子育てのイライラをカウンセリングで和らげることができた、ママさんのカウンセリング体験談をもとに、「子育てのイライラをカウンセリングで和らげていく流れ」について説明していますので、興味のある方は参考にしてください。
子育てのやり方がわからない…
子育てにおいて、どうしたらいいかわからない!と感じる心理状態には、「子育てのやり方がわからない…」「子育てのやりかたに自信がない…」という気持ちが影響しているとも言い換えることができます。
子育てにおいて「やり方がわからない、どういたらいいかわからない!」と感じる心理状態のポイントは、以下の点があげられます。
POINT
- 子育ては人生で初めての経験することであるため、何をしたらいいかわからない不安が大きく作用してしまう
- 子育てのやり方がわからないので、子育てをやりようがない
- 心理的ネグレクトは、わざと子育てをやらないわけではない
- 自信のない自分は子育てをしないほうがいい!と感じる
それでは、以下に詳しく説明していきます。
①何をしたらいいかわからない不安、子育てが怖い
子育てに限らず、仕事や恋愛においても、「人生におけるはじめての経験」にチャレンジをするときは、自信のなさや怖さを感じるものです。
例えば、自動車の運転も、人生ではじめて経験するときは、人であれば誰でも、何をしたらいいかわからない不安を感じるものです。
それと同じように、子育ても、人生ではじめて経験するときは、人であれば誰でも、何をしたらいいかわからない不安を感じるものです。
くわえて、育児とは、そのやり方を学校で教えてもらえるわけではありませんので、パパさん&ママさんは、未経験であっても自信がなくでも独学で取り組まなければならず、お子さんのことを大切に想えば想うほど、失敗が許されない!と感じ、子育てが怖くなってしまいます。
このように、子育てにおいて「やり方がわからない、自信がない、どうしたらいいかわからない!」と感じる心理状態には、「今まで経験したことがないので、何をしたらいいかわからない…人生で初めて経験する子育てが怖い…失敗したくない…どうしたらいいかわからない!」という気持ちが隠れています。
②子育てのやり方を教えてもらえていないのだから、やりようがない
また、子育てに限らず、お仕事などにおいても、人は人生で初めて経験する作業に取り組む場合、誰かにやり方を教えてもらえない限り、やりたくてもやり方がわからず、やりようがなかったりします。
もし、あなたが自分のお子さんくらいに小さいとき=自分の子ども時代、自分の親にあまり面倒を見てもらえなかったり、世話を焼いてもらえず、放っておかれることが多かったりすると、「自分は子ども時代、子育てのやり方を親に教えてもらえていないのだから、子育てをやりたくてもやり方がわからず、やりようがない…」と、ある意味、「自信がないので、子育てを回避したい…」みたいな気持ちを感じる場合があります。
このように、子育てに自信がなかったり、子育てのやり方がわからないなどの理由で、親が子育てを回避してしまう心理状態を、心理学では「心理的ネグレクト」と捉える場合があります。
ネグレクトとは、子どもの身体的、情緒的、教育的、医学的な基本的ニーズを満たそうとしないことを言います。その人が虐待を行っていることを知っていながら、親や養育者がその人に子どもを預ける場合、または幼児を付き添いなしで1人にしておく場合などがあります。ネグレクトには、身体的、情緒的、教育的、医学的など、様々な種類があります。
③心理的ネグレクトは、わざと子育てをやらないわけではない
ただ、心理カウンセリングの現場で感じる心理的ネグレクトのポイントは、ほとんどのパパさん&ママさんが、「子育てをやりたい!」という気持ちを持っていることです。
よって、心理的ネグレクトとは、「子育てをやりたいし、やり方もわかっているのに、わざと子育てをやらない!」のではなく、「子育てをやりたいのだけれど、やり方がわからないので、子育てをやりようがない…」と感じている心理状態であると、心理カウンセリングの現場では捉えます。
このように、子育てにおいて「やり方がわからない、自信がない、どうしたらいいかわからない!」と感じる心理状態には、「子育てをやりたくてもやり方がわからず、子育てをやりようがないので回避するしかない!」という気持ちが隠れています。
④子どもが大切だからこそ、自信の無い自分は子育てをしないほうがいい
なので、子育てにおいて「やり方がわからない、自信がない、どうしたらいいかわからない!」と感じている親は、「自信のない子育てを子どもにしてしまうと、自分のせいで、大切な子どもに悪影響を与えてしまうのではないか?」という不安を感じます。
そして、「子どものことを大切に想うからこそ、自信のない自分は子育てをしないほうがいい…」と考えがちになります。
つまり、子育てを料理に例えれば、心理的ネグレクトとは、「美味しい料理を作りたいし、美味しい料理の作り方もわかっているのに、わざと料理を作ってあげない!」のではなく、「子どもに美味しい料理を作ってあげたいのだけれど、作り方がわからない、だからといって、自分が作ってもまずい料理しか作れない…」「まずい料理を大切な子どもに食べさせたくないので、子どもが大切だからこそ、料理が下手な自分は何もしないほうがいい…」という気持ちが隠れています。
このように、子育てにおいて「どうしたらいいかわからない!と感じる心理状態には、「自信のない自分は子育てをしないほうがいい!」=「自信のない自分は子育てをしないことで子どもを守ろう!」=「自信のない自分は子育てをしないことで愛情を届けよう!」という気持ちが隠されています。
子育てにおいて「どうしたらいいかわからない!」と感じる理由
前述の通り、子育てにおいて「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう理由は、「子育てでイライラがとまらない!」「子育てに自信がない…」「子育てのやり方がわからない…」などがあげられます。
これらは遺伝的な性格というより、生まれてから身に付けた「性格上の癖」です。
子育てにおいて「どういたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう理由については、以下の点があげられます。
- POINT子育て方法は「世代間連鎖」する
- 「アダルトチルドレン」である可能性がある
- 「インナーチャイルド」が傷ついている可能性がある
それでは、以下に詳しく説明していきます。
①子育ての方法は、親の真似をする
人は、自分の生き方や自分が親になってから行う子育て方法を、遺伝では継承しません。
とくに、子育て方法は、子ども時代に親にしてもらった子育て方法を、自分が親になってから、自分の子どもへと繰り返し伝えようとする特徴があります。
なので、親がイライラしがちな子育てをしていれば、自分もイライラしがちな子育てをしがちとなり、親が子育てをしようとしなければ、自分も子育てをしようとしなくなりがちです。
このように、生き方や子育て方法が、親から子へ、子から孫へと連鎖していく心のしくみを、心理学では「世代間連鎖」と言います。
「世代間連鎖」については、以下の記事に詳しく説明していますので参考にしてください。
②アダルトチルドレンの可能性
このように、親の子育てに問題があった家庭を、心理学では「機能不全家族」と呼び、機能不全家族で育ったことで、子育てにイライラを感じたり、子育てに自信がないと感じる人を、心理学では「アダルトチルドレン」と言います。
また、子育てにおいて「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理=「子育てにイライラがとまらない!」「子育てに自信がない…」「子育てのやり方がわからない…」などの心理は、アダルトチルドレンの特徴でもあります。
アダルトチルドレンの特徴については、以下の「アダルトチルドレン(ac)チェックリスト」を実行することでチェックすることができます。
③傷ついたままのインナーチャイルド
子ども時代、イライラをぶつけられたり、過剰に怒られたり、優しくしてもらえていなかったり、あまり面倒を見てもらえなかったり、世話を焼いてもらえなかったり、放っておかれることが多かったり、親との関係において心が傷つき、大人になっても傷ついたままの子ども時代の自分のイメージを、心理学では「インナーチャイルド」と言います。
そして、インナーチャイルドが傷ついたままだと、「これ以上、傷つきたくない!」という恐れの気持ちが強くなり、「子育てでイライラがとまらない!」「子育てに自信がない…」「子育てのやり方がわからない…」などの気持ちが強くなり、結果、子育てに対して「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまいます。
よって、子ども時代から傷ついたままの自分のインナーチャイルドを、インナーチャイルドセラピーによって癒すことで子育てへのイライラが和らぎ、インナーチャイルドを自分の手で育てなおすイメージを持つことで子育てのやり方がわかり、子育てに対して落ち着きと余裕を感じられるようになる…と、心理学では捉えます。
「インナーチャイルド」については、以下の記事で詳しく紹介しています。
また、「インナーチャイルドセラピー」についても合わせて紹介しますので、興味のある方は参考にしてください。
まとめ
さいごに、子育てにおいて「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理状態について重要ポイントをまとめます。
- POINT子育てにおいて「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理には、「本当は子どもと仲良くしたい!」気持ちが隠れている
- 子育てにイライラを感じるのは「子どもが、わざと自分を困らせている」ように感じるため
- 子育てのやり方がわからないのは「子育てをやりたくないわけではない」
- 自分が行う子育て方法は、子ども時代に親から受けた子育て方法を真似する傾向にある
- 「子育てにイライラがとまらない!」「子育てに自信がない…」「子育てのやり方がわからない…」は、アダルトチルドレンの特徴であり、傷ついたインナーチャイルドの特徴でもある
また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。
是非、あわせてお読みください。
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。
以上、「どうしたらいいかわからない!と感じる心理:子育て編」という記事でした。