
POINT
インナーチャイルドとは、「傷ついたままの子どもの頃の自分のイメージ」を意味し、傷ついたままのインナーチャイルドは、様々な「生きづらさ」を引き起こします。ですが、「インナーチャイルドを癒す」ことで「生きづらさを解消」することは可能です。
心理カウンセラーの寺井です。
「インナーチャイルド(Innner Child)」とは、スイスの心理学者「カール・ユング」が提唱した「概念」で、直訳すると「内なる子ども」という意味であり、具体的には「傷ついたまま自分の心に取り残さている子どもの頃の自分のイメージ」を意味します。
心理学では、「幼少期の体験は『人格形成』に多大な影響を与える」と考えられており、とくに幼少期に「心の傷(トラウマ)」を負った場合、大人になって「精神疾患、否定的自己概念、偏った人間関係、仕事・恋愛・結婚・子育てがうまくいかない」などの「生きづらさ」を感じる場合があると考えられています。
このように、心理学における「インナーチャイルド」とは、「幼少期に負ったトラウマ(心の傷)」を始めとする「生きづらさの原因」を意味し、「インナーチャイルド」という「概念」が生まれたことで、「幼少期に負ったトラウマ(心の傷)を自分で癒し、生きづらさを自分で解消する」ことが可能になりました。
また、「子どもの頃の傷ついた自分のイメージ(生きづらさの原因)」を「インナーチャイルド」という「イメージ」に置き換え、「インナーチャイルドを癒すことで生きづらさを根本的に解消する心理療法」を、「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」と言います。
そして、「インナーチャイルドを癒す」ことは「本当の自分を取り戻す」とも言われ、「自己イメージ・人間関係・仕事・恋愛・結婚・子育て」に「様々なプラスの変化」をもたらします。
このように、「インナーチャイルド」は「トラウマケア(アダルトチルドレンの克服、生きづらさの解消)」において「重要な役割」を果たしています。
この記事は、インナーチャイルドに関する記事をまとめています。
インナーチャイルドとは何か?

心理学における「インナーチャイルド」とは、「幼少期に負ったトラウマ(心の傷)」や「幼少期に満たされなかった気持ち」や「幼少期に身に付けた思考・行動パターン」を指します。
「三つ子の魂百まで」という諺があるように、心理学では「幼少期の体験は『人格形成』に多大な影響を与える」と考えられており、とくに幼少期に「心の傷(トラウマ)」を負った場合、大人になって「精神疾患、否定的自己概念、偏った人間関係、仕事・恋愛・結婚・子育てがうまくいかない」などの「生きづらさ」を感じる場合があると考えられています。
子ども時代に体験したトラウマは、…(中略)…日々の生活や仕事、恋愛など多岐に渡ってあらゆる方面に長く影響を残します。なおかつ意図せずにトラウマを経験した年齢が通常よりも若く発達段階の早期であればあるほど、人生に与える影響は広く深いものになります。
引用元:トラウマが人生に与える影響とは
このとき、「生きづらさを解消する」ために思い描く「傷ついたままの子どもの頃の自分のイメージ」を「インナーチャイルド」と言い、「インナーチャイルド」という「概念」が生まれたことで、「幼少期に負ったトラウマ(心の傷)を自分で癒し、生きづらさを自分で解消する」ことが可能になりました。
このように、「インナーチャイルド」は「トラウマケア(アダルトチルドレンの克服)」において「重要な役割」を果たしています。
それでは、「インナーチャイルドとは何か?」について、以下に詳しく解説していきます。
インナーチャイルドの意味
「インナーチャイルド(Innner Child)」とは、直訳すると「内なる子ども」という意味で、具体的には「傷ついたまま自分の心に取り残さている子どもの頃の自分のイメージ」を意味します。
このように、「インナーチャイルド」とは「『幼少期のトラウマ』によって引き起こされる『生きづらさ』を解消するために必要な考え方」を意味する言葉であり、主に「トラウマケア(アダルトチルドレンの克服)」を目的として「心理学・心理カウンセリング・心理セラピー」で用いられる言葉です。
インナーチャイルドの起源
心理学における「インナーチャイルド」という概念は、スイスの心理学者「カール・ユング」が提唱した「内なる子ども」という考え方に基づいています。
「カール・ユング」は、「『交流分析』という心理学にある『三つの心(自我)』のうちの『チャイルド』」という概念」を進化させることで、「インナーチャイルド」という概念を考え出したと言われています。
1970年代に入り、アメリカのセラピスト「ジョン・ブラッドショー」が、「インナーチャイルド-本当のあなたを取り戻す方法」という著書の中で「インナーチャイルド」という概念を使い始めたことによってアメリカでも広く知られるようになり、1980年代に入ると日本でも知られるようになりました。
「インナーチャイルド」と「アダルトチルドレン」の違い
「アダルトチルドレン」とは、子どもの頃に「親や家族との関り」のなかで負った「心の傷(トラウマ)」が原因で、大人になっても「生きづらさ」を感じている人を指します。
よって、「『インナーチャイルド』と『アダルトチルドレン』の違い」は以下のようになります。
POINT
- 「インナーチャイルド」は、「幼少期のトラウマ(アダルトチルドレンの根本原因)」を意味する
- 「アダルトチルドレン」は、「幼少期のトラウマ(傷ついたインナーチャイルド)」によって「生きづらさ」を感じている大人を意味する
このように、「インナーチャイルド」とは「アダルトチルドレンの克服(トラウマケア)」を目的に考えられた「概念」とも言え、心理学では「『傷ついたインナーチャイルド(幼少期のトラウマ)』を癒すことで『アダルトチルドレンの生きづらさ』を克服できる」と考えられています。
「インナーチャイルド」と「ワンダーチャイルド」の違い
「ワンダーチャイルド」とは、「生まれながらの純真な子どもの心で、快活で明るく生き生きとした創造的な心」を意味し、「親子関係や家庭環境の影響」を受けていない「生まれたままの本来の自分のイメージ」のことを指します。
よって、「『インナーチャイルド』と『ワンダーチャイルド』の違い」は以下のようになります。
POINT
- 本来、子どもはみな「ワンダーチャイルド」として生まれてくるが、「親や家族との関係」で心が傷つくと「インナーチャイルド」になる
- 傷ついた「インナーチャイルド」を癒すことで、「ワンダーチャイルド」を取り戻すことができる
このように、「ワンダーチャイルドを取り戻す」ことは「本当の自分を取り戻す」ことを意味しますので、「『インナーチャイルドを癒し、ワンダーチャイルドを取り戻す』ことは『アダルトチルドレンの生きづらさを克服する』ことを意味する」と言えます。
「インナーチャイルド」は何歳までか?
「インナーチャイルド」は「幼少期(10歳くらい)までに受けた『心の傷(トラウマ)』」のことを指します。
ですので「発達心理学」に沿って考えると、「インナーチャイルド」は「『乳児期』から『児童期』のあいだに受けた『心の傷(トラウマ)』」という意味になります。
また、「心理カウンセリングの臨床実績」によると、インナーチャイルドは「『第一反抗期(イヤイヤ期)が始まった頃(3歳ごろ)』から『第二反抗期(思春期)が始まる頃(10歳ごろ)』までのあいだに受けた『心の傷(トラウマ)』」であることが多いです。
このように、心理カウンセリングでは、インナーチャイルドは「第二反抗期(思春期)以前に傷ついた気持ち」と考えることが多いです。
「インナーチャイルド」と「インナーアダルト」の違い
「インナーアダルト」とは、「第二反抗期(思春期)以降の自分のイメージ」のことを指します。
なお、「『インナーチャイルド』と『インナーアダルト』の違い」は以下のようになります。
POINT
- インナーチャイルド
第二反抗期(思春期)以前の自分
感情・感覚・気持ち・本音・本心・欲求・無意識・潜在意識
お腹がすいたら何かを食べたくなるなど、生まれながらに持っている領域 - インナーアダルト
第二反抗期(思春期)以降の自分
理性・知性・知識・思考・認知・理想・意識・顕在意識
学校の勉強・家族のルール・仕事のスキルなど、生まれたあとに学んでいく領域
また、「インナーアダルト」は「親の影響」を強く受けるため、「親の態度」によって以下のような違いが出る場合があります。
POINT
- 親に「肯定」されて育った場合の「インナーアダルト」
親の態度を模倣して「自分を肯定する思考」を持つようになる
自分を好きになり、ありのままの自分を表現できるようになる
自己肯定感が高くなる - 親に「否定」されて育った場合の「インナーアダルト」
親の態度を模倣して「自分を否定する思考」を持つようになる
自分を嫌いになり、ありのままの自分を隠すようになる
自己否定感が高くなる
このように、親に「否定・抑圧・放置」されて育った場合、「インナーアダルト」は、親と同じように「インナーチャイルド」を「否定・抑圧・放置」するようになります。
反対に言えば、親に「否定・抑圧・放置」されて育った場合、「インナーチャイルド」は「インナーアダルト」に絶えず傷つけられることになるため、親から物理的に離れたとしても、慢性的に「生きづらさ」を感じ続けるようになります。
「3つ」の心理学で考える「インナーチャイルド」の意味合い
このように、インナーチャイルドは「幼少期の体験(3歳~10歳ごろの体験)」を意味します。
前述の通り、「幼少期の体験(3歳~10歳ごろの体験)」は「人格形成」に多大な影響を与えるため、さまざまな心理学において重要視されており、その中には「インナーチャイルド以外の呼び方」も存在します。
なお、「心理学において『インナーチャイルド』と似た意味合いを持つ言葉」は、主に以下の「3つ」があげられます。
| 心理学名 | 幼少期の体験の呼び方 |
| ①精神分析 | 「幼少期のトラウマ」 精神分析では、「幼少期に負った心の傷」を「幼少期トラウマ」と呼び、「生きづらさの原因」になると考える よって、「幼少期トラウマ」と「インナーチャイルド」は類義語と言える |
| ②ゲシュタルト療法 | 「未完の感情」 ゲシュタルト療法では、「子どもの頃に満たされなかった気持ち」を「未完の感情」と呼び、「生きづらさの原因」になると考える よって、「未完の感情」と「インナーチャイルド」は類義語と言える |
| ③交流分析 | 「人生脚本」 交流分析では、「幼少期に身に付けた思考・行動パターン」を「人生脚本」と呼び、「生きづらさの原因」になると考える よって、「人生脚本」と「インナーチャイルド」は類義語と言える |
なお、「インナーチャイルドとは何か?」については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
インナーチャイルドが引き起こす症状

心理学では「幼少期の体験は『人格形成』に多大な影響を与える」と考えられており、インナーチャイルドによって引き起こされる症状は、「自己概念、感情の安定性、情緒の安定性、価値観、思考・行動パターン、他者との関わり方」など様々な面に現れます。
また、「長男・長女」は子どもの頃から「親から大きな期待と責任を背負わされる」ことが多いため、そのぶん、インナーチャイルドが傷つく可能性が高いと考えられています。
なお、本記事では「インナーチャイルドが引き起こす症状」について、以下の「4つ」にわけて解説していきます。
POINT
- インナーチャイルドの具体的な症状と特徴
- 長男・長女の役割」がインナーチャイルドに与える影響
- 長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状
- 母親に優しくできない
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①インナーチャイルドの具体的な症状と特徴
インナーチャイルドによって引き起こされる症状は、「自己概念、感情の安定性、情緒の安定性、価値観、思考・行動パターン、他者との関わり方」など様々な面に現れます。
また、インナーチャイルドによって引き起こされる症状は、人よっても違いますし、育った家庭環境によっても違います。
そして、1つの症状だけが引き起こされるというわけではなく、いくつもの症状が複合的に引き起こされる場合が多いです。
なお、「インナーチャイルドの具体的な症状と特徴」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 否定的自己概念が強い
- 対人関係がうまくいかない
- 失敗を極端に恐れる
- 白黒思考になる
- 見捨てられ不安が強い
- 完璧主義になる
- 自暴自棄・自傷行為に陥る
- 感情を抑圧する
- 他者の世話をし過ぎる
- 自己犠牲に陥る
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事
②「長男・長女の役割」がインナーチャイルドに与える影響
「長男・長女」は「親にとって初めての子ども」であるため、最初の子どもとして親の愛情を一身に受ける反面、親の期待も一身に受けることにもなり、その影響で、子どもの頃から「両親に期待される、両親に頼られる」ことが多いです。
一方、心理学では「幼少期の体験は『人格形成』に多大な影響を与える」と考えられており、「両親に期待されたり頼られることが多かった」という「幼少期の体験(インナーチャイルド)」は、長男・長女の性格形成に大きな影響を与えていると言えます。
なお、「長男・長女の役割がインナーチャイルドに与える影響」とは、主に以下の「2つ」があげられます。
POINT
- 感情面の影響
子どもらしい素直な感情表現ができず、「○○したい、○○してほしい、○○と思う」という「素直な気持ち(本音・本心)」を抑圧する - 思考面の影響
無条件では愛されないという思考が強くなり、「○○しなければ!○○はダメだ!」という「否定的自己概念(MUST思考)」が強くなる
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
③長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状
「長男・長女の役割」はインナーチャイルドに様々な影響を与える可能性があり、子どもの頃に家庭で担った「長男・長女という役割」が、大人になっても無意識のうちに「思考・行動パターン」として繰り返され、様々な症状を引き起こす場合があります。
なお、「長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 他者を頼れない
- 完璧主義
- 強がり
- 先回りして世話を焼く
- 自己犠牲を繰り返す
- 他者に厳しい
- 承認欲求が強い
- 親の影響を強く受ける
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
④母親に優しくできない
「母親に優しくしたいのに、なぜかうまくできない…」という気持ちの背景には、幼いころの母親との関わりが影響していることがあります。
「ボウルビィ(John Bowlby)の愛着理論」では、乳幼児が安心して育つためには、母親(養育者)とのあたたかい関わりが大切だとされています。
たとえば、みなさんも次のような体験をしていないでしょうか。
POINT
- 母親との関係で傷ついた経験
- 厳しい関わりや否定的な言葉
- 家庭の不和による不安
- 母親が頼れないと感じた体験
もし、このような体験をしていた場合、過去の傷ついた体験が無意識に反応してしまい、「母親に優しくしたいのに、どうしてもできない」という葛藤が生まれてしまうことがあります。
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
インナーチャイルドが恋愛・結婚に与える影響

恋愛・結婚をはじめとする「人間関係の築き方」には、人それぞれの特徴があります。
なお、恋愛・結婚をはじめ「親子・家族・友人・夫婦・職場」などの「人間関係の築き方」の人それぞれの特徴を、心理学では「愛着スタイル」と言い、とくに「恋愛関係や夫婦関係の築き方の特徴」は「恋愛思考パターン」とも呼ばれ、子どもの頃の「両親との関係性」が大きく影響していると考えられています。
「愛着スタイル」とは、恋愛を含む人間関係において、人とどんな結びつきを持ちたいのか、どのような関係が心地よく感じるのかを表す傾向を指します。…(中略)…この傾向は、幼少期の保護者との関係が大きく影響している。
また、子どもの頃に「親の愛情」が不足していたことが原因で、親との間で「愛着の形成」が十分になされず、「親子・家族・友人・夫婦・職場」など「人間関係全般」に問題が生じることを「愛着障害」と言います。
愛着障害とは、養育者との愛着が何らかの理由で形成されず、子供の情緒や対人関係に問題が生じる状態です。主に虐待や養育者との離別が原因で、母親を代表とする養育者と子供との間に愛着がうまく芽生えないことによって起こります。
引用元:愛着障害(アタッチメント障害)
このように、「インナーチャイルド(幼少期の体験)」は「恋愛・結婚」に大きな影響を与えており、恋愛・結婚における「感情の安定性、行動パターン、自己イメージ、価値観、パートナーとの関係性」など様々な面に影響を与えています。
なお、「インナーチャイルドが恋愛・結婚に与える影響」は、主に以下の「5つ」が考えられます。
POINT
- 感情面への影響
- 行動面への影響
- 自己イメージへの影響
- 価値観への影響
- パートナーとの関係性への影響
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
恋愛依存症とインナーチャイルドの関係

「恋愛依存症」とは、「恋愛をしていないと心が落ち着かない」あるいは「恋愛をしていない自分には存在価値を感じない」など、「恋愛そのものに執着している状態」あるいは「恋愛をしていること自体に依存している状態」を指します。
「恋愛依存症」は「正式な病名」ではありませんが、恋愛に対する「執着心」や「依存心」が高まり過ぎるあまりに、日常生活に支障をきたしてしまう場合があります。
なお、「恋愛依存症の原因」には「幼少期の体験(インナーチャイルド)が密接に関わっている」と考えられており、とくに「子どもの頃の親からの愛情不足(愛着形成の障害)が原因である場合が多い」と考えられています。
恋愛依存症とは、恋愛に対して異常な執着心や依存心を抱き、感情がかき乱され、不安になり、そのことが日常生活に支障をきたす心の病気です。自己肯定感の低さや過去のトラウマ、愛着形成の障害などが原因とされ、一度の別れや拒絶などで強いストレスや不安を感じ、再び恋愛関係を求めるようになる場合があります。
引用元:恋愛依存症のカウンセリングと克服
以上のことから、「恋愛依存症とは、インナーチャイルド(幼少期の体験)によって引き起こされる症状」と考えることができ、「傷ついたままのインナーチャイルドを癒すことで、恋愛依存症の克服ができる」と考えることができます。
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事
インナーチャイルドが子育てに与える影響

「子育てのやり方(親子関係の築き方)」には人それぞれ特徴があり、心理学では「自分が子どもの頃に親にしてもらった(親にされた)子育て方法を、大人になって自分の子どもに同じように繰り返す場合が多い」と考えられています。
反対に言えば、インナーチャイルドが傷ついている親は「自分が親にされて嫌だった子育てのやり方を自分の子どもに繰り返してしまう可能性がある」と言え、「インナーチャイルドが深く傷ついている親ほど、子育てに問題が生じやすい」と言えます。
なお、「インナーチャイルドが子育てに与える影響」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 傷ついた感情を子どもに投影する
- イライラしやすい、落ち込みやすい
- 親の理想を子どもに押し付ける
- 過干渉
- 過保護
- 子どもを束縛・コントロールする
- 子育てのやり方がわからない
- 負の世代間連鎖を繰り返す
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事
インナーチャイルド診断チェック

「アダルトチルドレン」とは、子どもの頃に「親や家族との関り」のなかで負った「幼少期のトラウマ(傷ついたインナーチャイルド)」が原因で、大人になっても「生きづらさ」を感じている人を指します。
よって、心理学では「『傷ついたインナーチャイルド(幼少期のトラウマ)』を癒すことで『アダルトチルドレンの生きづらさ』を克服できる」と考えます。
以下の「アダルトチルドレン(ac)診断チェックリスト」は、「アダルトチルドレン研究の専門家たちの文献」と「心理カウンセリングでの症例」に基づき作成した「当社監修の自己評価式チェックリスト」です。
本チェックリストは、アダルトチルドレンの特徴を「60個」あげており、「アダルトチルドレンの傾向(インナーチャイルドがどのくらい傷ついているのか?)」をチェックできます。
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
インナーチャイルド「7つ」のタイプ

心理学における「インナーチャイルド」とは、「幼少期に負ったトラウマ(心の傷)」や「幼少期に満たされなかった気持ち」や「幼少期に身に付けた思考・行動パターン」を指し、「アダルトチルドレンの生きづらさの根本原因」を意味します。
アメリカの心理療法家「ウェイン・クリッツバーグ」は、大人になった「アダルトチルドレン」が「幼少期に身に付けた思考・行動パターン」を「アダルトチルドレンタイプ(インナーチャイルドタイプ)」としてまとめました。
このように「インナーチャイルド」とひと口に言っても「さまざまなタイプ」があり、「それぞれのタイプ固有の特徴」や「それぞれのタイプに適した克服方法」があります。
なお、本サイトにおける「アダルトチルドレンタイプ(インナーチャイルドタイプ)」は、以下の「7つ」を使用しています。
POINT
- 「ヒーロータイプ(英雄役)」
「スーパーチャイルド」とも呼ばれ、「親や家族の期待」に応えるために「勉強・スポーツ・習い事」を頑張る、「優等生」に映る反面、「挫折に弱い」一面がある - 「スケープゴート(身代り役)」
「家族のストレスのはけ口」になったり「家族の嫌われ者」になる、「厄介者」や「問題児」に映る反面、「根は優しい」一面がある - 「ロストワン(いない子)」
「自我」を抑えたり「一人で過ごす」ことで「存在感」を消す、「存在感が薄い印象」に映る反面、内面には「豊かな感受性と独創性」を持つ - 「クラウン・ピエロ(道化・おどけ役)」
「家庭の不和」を和ますために「ムードメーカー」となる、「明るい性格」に映る反面、内面には「ネガティブ感情」を抑圧している - 「ケアテイカー(世話役)」
「小さな看護師」とも呼ばれ、「親代わり」となって家族の世話を焼く、「気が利く人・面倒見が良い人」に映る反面、「過干渉・おせっかい」な一面がある - 「イネイブラー(支え役)」
「偽親(にせおや)」とも呼ばれ、「自己犠牲」によって家族を支える、「献身的な人」に映る反面、一方的に尽くしすぎて「相手の依存心を強めてしまう」 - 「プラケーター(慰め役)」
「小さなカウンセラー」とも呼ばれ、「聞き役に徹する」ことで家族を慰める、「優しく寄り添う人」に映る反面、他人の感情に振り回されて「自分のことが後回しになる」
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
インナーチャイルドを引き起こす原因

本来、子どもにとって「家庭」とは「最も安全な居場所」であり、「親」とは「最も信頼したい擁護者」であるべきなのですが、「家庭環境」や「親の子育て」に何らかの問題があった場合、インナーチャイルドを引き起こす原因となります。
また「インナーチャイルドを引き起こす親」自身も、子どもの頃に「親の親(祖父母)」に心を傷つけられ、「インナーチャイルドが傷ついたまま親となった」可能性が高いと考えられており、「インナーチャイルド」とは、決して「親が意図的に起こしている問題」ではなく、曾祖父母から祖父母へ、祖父母から父母へと「無意識に連鎖している問題」と考えられています。
なお、本記事では「インナーチャイルドを引き起こす原因」について、以下の「3つ」にわけて解説していきます。
POINT
- インナーチャイルドを引き起こす「心理的原因」
- インナーチャイルドの原因となる「父親」の特徴
- インナーチャイルドの原因となる「母親」の特徴
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①インナーチャイルドを引き起こす「心理的原因」
例えば、幼少期に親から「暴力・暴言」を受けた場合、インナーチャイルドは傷つき、それ以来、「これ以上、傷つきたくない!」という「防衛的な気持ち」から「感情」や「欲求」を抑え込むようになったり、「どうせ自分には価値がない」という「無価値観」から「自己主張」や「自我」を抑え込むようになり、やがて「幼少期に身に付けた思考・行動パターン」が「習慣化」して性格として根付いていきます。
そして、「幼少期に身に付けた考え方や習慣」を大人になっても繰り返すようになり、その影響で「生きづらさ」を感じるようになります。
以上のことから、インナーチャイルドを引き起こす原因には「幼少期の家庭環境が密接に関わっている」と考えられています。
なお、「インナーチャイルドを引き起こす『心理的原因』」とは、主に以下の「3つ」があげられます。
POINT
- 機能不全家族
- 毒親
- 負の世代間連鎖
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
③インナーチャイルドの原因となる「父親」の特徴
インナーチャイルドの原因となる「父親」は、インナーチャイルドの原因となる「母親」に比べると「怒りが爆発しやすい」という特徴があり、この「父親が爆発させる怒り」とは、殆どの場合、「父親」が子どもの頃、自らの両親(祖父母)から受けた「躾(しつけ)という名の『暴言・暴力』」によって負った「家庭内トラウマ(傷ついたままのインナーチャイルド)」に原因がある場合が多く、反対に言えば、インナーチャイルドの原因となる「父親」は、本来、自らの両親(祖父母)に向けるべき「怒り」を、誤って自らの子どもへと爆発させてしまっていると言い換えることができます。
なお、「インナーチャイルドの原因となる『父親』の特徴」は、主に以下の「6つ」があげられます。
POINT
- 家庭に不在がち
- 子どもに厳しい
- 子どもに暴言・暴力を振るう
- きょうだい差別をする
- 配偶者(パートナー)を苦しめる
- 精神的に不安定
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
③インナーチャイルドの原因となる「母親」の特徴
インナーチャイルドの原因となる「母親」は、「父親」に比べると「子どもにイライラしやすい」という特徴があり、この「母親が子どもに感じるイライラ」とは、殆どの場合、「母親」が子どもの頃、自らの両親(祖父母)から受けた「妬み・嫉み・意地悪」によって負った「家庭内トラウマ(傷ついたままのインナーチャイルド)」に原因がある場合が多く、反対に言えば、インナーチャイルドの原因となる「母親」は、本来、自らの両親(祖父母)に向けるべき「イライラ」を、誤って自らの子どもへと向けてしまっていると言い換えることができます。
なお、「インナーチャイルドの原因となる『母親』の特徴」は、主に以下の「6つ」があげられます。
POINT
- 子どもに依存する
- 子どもの同情を引く
- 子どもを束縛する
- 過干渉・過保護
- 子育てに消極的
- 精神的に不安定
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
インナーチャイルドの癒し方

インナーチャイルドを癒すことは、心理学では「『生きづらさ』を根本から改善するプロセス」と考えられています。
インナーチャイルドを癒すというのは、単に「昔の記憶を振り返る」作業ではありません。
いまのあなたの感じ方・考え方・人との関わり方に、どんな幼少期の影響が残っているのかを、心理学の視点でゆっくり整理しながら、その作用をやわらげていくためのプロセスです。
また、「インナーチャイルドの癒し」は、以下のように「2つ」にわけて考える必要があります。
POINT
- 自宅での「セルフケア」
- 専門家による「インナーチャイルド・セラピー(退行催眠療法)」
インナーチャイルドの癒しは、特別な場所や特別な道具が必要なものではありません。
あなたが自分の心にそっと寄り添うことができれば、日常の中で、無理なく続けていけるセルフケアです。とはいえ、幼少期の体験はとても影響力が強く、その分、心の反応も大きく揺れ動きます。
インナーチャイルドの癒しを一人で進めることに難しさを感じるのは、とても自然なことです。
専門家と一緒に取り組むことで、より安全に、安心しながら癒しを深めていくことができます。
次のような場合は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
POINT
- 怒り・悲しみ・不安・嫌悪・孤独など、強い感情に圧倒されてしまうとき
- 自分の内面に向き合うことに強い恐れや抵抗を感じるとき
- 「自分を癒すこと」そのものに罪悪感があり、前へ進みづらいとき
- セルフケアに自信が持てず、何をどう進めれば良いかわからないとき
専門家は、感情が揺れたときのケアや、心の安全を守りながら進める方法を熟知しています。
POINT
- セルフケアは「日常の癒し」、専門家と行うケアは「深いレベルの癒し」
と分けて考えて、専門的なケアと、自宅でのセルフケアを併用する方法が最も安全で効果的です。
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
関連情報
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページにまとめていますので紹介します。
関連情報まとめページ
参考文献
- “キャリカレ”.インナーチャイルドとは?具体的な症状は?どのように癒すのが効果的なのか.https://www.c-c-j.com/course/psychology/mental/column/column11/,(参照2024-10-15)
- “(株)心理オフィスK”.インナーチャイルドとはどんなもの?共依存との関係や原因・克服方法を知ろう.https://s-office-k.com/personal/column/cause-of-illness/childhood/inner-child,(参照2024-10-15)
以上、「インナーチャイルドとは何か?『意味合い・症状・種類・原因・癒す方法』を徹底解説」という記事でした。
