POINT恋愛において「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理には、「自分が傷つきたくない!」と「相手を傷つけたくない!」というふたつの心理が影響しています。
恋愛において「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理は、決して自分が積極的に感じようとしているわけではなく、自分のことも相手のことも、どちらも傷つけたくないからこそ、「どうしよう…どうしよう…」と、とても迷いすぎてしまう心理と言えます。
また、恋愛において「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理は、「男性が彼女さんに、女性が彼氏さんに感じる心理状態」と「片思いをしている場合の心理状態」と「告白された場合の心理状態」の3つにわけて説明することができます。
この記事は、恋愛において「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理について説明しています。
恋愛において「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理とは?
恋愛において「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理は、具体的に言うと、「嫌われたくない…」「傷つきたくない…」「傷つけられたくない…」など、このような気持ちを感じている心理状態と言えるのかもしれません。
例え、男性であっても女性であっても、相手に嫌われたり、自分が傷ついたり、相手を傷つけてしまうことは避けたいところです。
よって、恋愛において「どうしたらいいかわからない!」と感じることになってしまうのは、決して自分が積極的に感じようとしているわけではなく、自分のことも相手のことも傷つけたくないからこそ、「どうしよう…どうしよう…」と気持ちが無意識に迷いすぎてしまうため、結果、「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう…と、心理カウンセリングの現場では捉えています。
この記事では、恋愛において「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理について、心理カウンセリングの症例に基づき、以下の3点にわけて説明していきます。
POINT
- 「彼氏、彼女」にたいして、どうしたらいいかわからないとき
- 「片思い」をしていて、どうしたらいいかわからないとき
- 「告白」をされて、どうしたらいいかわからないとき
それでは、以下に詳しく説明していきます。
彼氏、彼女にたいして、どうしたらいいかわからない…
男性が彼女さんに対して、女性が彼氏さんに対して、「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理状態は、ある意味、「相手の言動が理解できなくて戸惑っている…」とも言い換えることができます。
男性が彼女さんに対して、女性が彼氏さんに対して「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理状態のポイントは、以下の点があげられます。
POINT
- ちょっとした気持ちのすれ違いに、敏感に反応しすぎている
- 「親代わり恋愛」になっている
- 「共依存恋愛」になっている
それでは、以下に詳しく説明していきます。
①ちょっとした気持ちのすれ違いに、敏感に反応しすぎていませんか?
恋愛関係とは、ある程度、相手のことを理解しているとは言え、それでも、まったく違った環境で育ってきた人間同士の関係です。
よって、ちょっとした気持ちのすれ違いがあるものです。
でも、ちょっとした気持ちのすれ違いだと頭ではわかっていても、ついつい「イラッ」と感じすぎてしまったり、「ドキッ」と感じすぎてしまい、ケンカになってしまったり、拗ねて心を閉ざしてしまう場合があります。
これは、男性であっても女性であっても共通して感じる、恋愛における心理的な特徴のひとつで、ある意味、「恋愛関係において子どものような言動をとってしまう心理的症状」とも言い換えることができます。
そうすると、男性が彼女さんに対して、女性が彼氏さんに対して、「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理状態は、「恋愛相手が、子どもみたいに癇癪(かんしゃく)を起したり、子どもみたいに拗ねてしまうので、どうしたらいいかわからない!」と悩んでいることになります。
このように、心理カウンセリングの現場において、「恋愛でどうしたらいいかわからない!」「彼氏さんにどう接したらいいかわからない!」「彼女さんどう接したらいいかわからない!」と訴えてくださる方は、恋愛相手の子どものような言動に悩んでいる場合が多いです。
②親代わり恋愛になっていませんか?
このように、男性が彼女さんに対して子どものように求めすぎてしまったり、女性が彼氏さんに対して子どものように求めすぎてしまう恋愛関係を、心理学では「親代わり恋愛」と言います。
POINT親代わり恋愛とは、恋人に「親代わり」を求めて子どものように甘えたり、恋人の「親代わり」を望んで親のように尽くすなど、本来「対等であるはずの関係性」が、あたかも「親子のような関係性」になっている恋愛関係を指します。
もし、相手との恋愛関係が親代わり恋愛だったとすると、対等な関係ではありませんので、どちらか一方に偏りが生じ、男性か女性のどちらか一方に不満と負担が蓄積することになります。
ここで、「自分のことは多少犠牲にしてでも相手のことを支えよう!」と一方的に尽くして耐えてしまうと、相手が自立してくれない限り、永遠に耐え続けることになってしまい、結果、限界を迎えて感情が爆発し、恋愛関係がかえって大きなトラブルに発展してしまう場合があります。
③「尽くす、耐える関係」より「わかりあう、わかちあう関係」を目指す…
このように、自分の気持ちよりも相手の気持ちを優先し、相手に尽くしすぎてしまったり耐えすぎてしまう恋愛関係を、心理学では「共依存恋愛」と言います。
共依存恋愛とは、自分をかえりみずに相手のために必死になっている人と、そうした相手に依存している人の恋愛関係を指します。男性が女性に依存する場合もあれば、女性が男性に依存する場合もありますし、同性愛の場合も共依存関係は成立します。
確かに、「相手に嫌われたくない…」「相手との関係を悪化させたくない…」という恐れも大切です。
ですが、嫌われることを恐れるあまり、相手に尽くし、不満と負担に耐え続けるばかりでは、いつか自分に限界が訪れてしまうかもしれません。
このように、恋愛関係とは、そもそも「上下のある主従関係」ではなく「対等な協力関係」ですので、自分と相手の関係が「尽くす・耐える恋愛関係」=「共依存恋愛」であることに気づいた場合は、「相手への不満は正直に伝えてお互いにわかりあい、相手からの負担もお互いでわかちあう関係」=「自立共存の関係」を目指そうとする気持ちが、お互い信頼し合う心地よい恋愛関係にとって大切なのかもしれません。
よって、恋愛相手に対して「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理状態は、ある意味、「恋愛相手との親代わり恋愛に悩んでいる状態」もしくは「恋愛相手との共依存恋愛に悩んでいる状態」とも言い換えることができます。
アダルトチルドレンという言葉を知っていますか?
「アダルトチルドレン」とは、発達障害、精神疾患など、決して障害や病気といった問題ではなく、子ども時代、「機能不全家族」を生き抜く過程で身に付けた「性格上の癖」のようなものです。
そして、「親代わり恋愛」や「共依存恋愛」は、アダルトチルドレンの恋愛傾向の特徴でもあります。
以下に、「アダルトチルドレンの恋愛傾向」について詳しくまとめた記事を紹介しますので、気になった方は、是非、参考にしてください。
片思いをしている…でも、どうしたらいいかわからない…
片思いをしている状態とは、ある意味、相手の気持ちがわからず、とても苦しい心理状態であるといます。
片思いをしている状態で「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理状態のポイントは、以下の2点があげられます。
POINT
- 相手の気持ちを知ろうとするとかえって苦しくなる
- 相手の気持ちを知ろうとするより、自分の気持ちを伝えようとする
それでは、以下に詳しく説明していきます。
①相手の気持ちを知ろうとするとかえって苦しくなる
人は恋愛感情を抱くと、さまざまな気持ちが入り乱れ、時には、自分でもどうしようもないくらい、胸がいっぱいになってしまうことがあります。
とくに、あなたが誰かに片思いをしている場合、相手のことが頭から離れなかったりします。
とはいえ、自分の方から相手に気持ちを伝え、もし、あまり望ましくない結果になってしまうことも怖いものです。
そうすると、人は、「自分はどう思われているか?」「相手は自分をどう思っているか?」と、相手の気持ちを知ろうとする心理が働きます。
相手の気持ちを知ろうとしたり、推理することは決していけないことではないのですが、推理は推理にすぎないため、相手の気持ちを確かめない限り、延々と堂々巡りが続いてしまいます。
そうすると、益々、相手のことが頭から離れなくなってしまい、自分がかえって苦しくなってしまいます。
②相手の気持ちを知ろうとするより、自分の気持ちを伝えようとする
これは、恋愛関係に限らず、人間関係すべてにおいて共通なのですが、人は、自分の気持ちを誰かに探られると、その人に対してとても嫌な印象を感じます。
よって、あなたが相手の気持ちを知ろうとすればするほど、かえって相手はあなたに嫌な印象を抱いてしまうかもしれません。
このように、相手の気持ちを知ろうとすることは、自分は直接的なリスクを冒さずに済む代わりに、やりすぎると、かえって相手との関係を悪化しかねません。
でも、恥ずかしさや恐れといった直接的なリスクはあるものの、勇気をもって、自分の方から相手に正直な気持ちを伝えると、相手は、正直で誠実なあなたの態度に好意を感じ、かえって相手との関係がうまくいく場合があります。
なので、相手の気持ちを知ろうとするあまり、苦しい心理状態に陥ってしまった場合は、引き続き、相手の気持ちを知ろうとし続けるより、勇気を出して自分の気持ちを伝えることで、相手の気持ちを自分に向かわせるのも、片思いの恋愛を成就するひとつのアイデアなのかもしれません。
よって、片思いをしている状態で「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理状態は、ある意味、「相手の気持ちを知ろうとしすぎて苦しくなっている状態」とも言い換えることができます。
告白されたけど…どうしたらいいかわからない
告白された状態とは、ある意味、相手の大切な気持ちを一旦受け取り、自分の気持ち次第で、自分の人生にも、相手の人生にも影響を与えるため、とても慎重に迷っている心理状態であるといます。
告白をされた状態で「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理状態のポイントは、以下の3点があげられます。
POINT
- 迷っているということは、傷つけたくないという優しさである
- 相手をかわいそうと思い嘘をつくより、相手に正直な気持ちを伝える
- 傷つくことを恐れながらも未来に進み始めてみる
それでは、以下に詳しく説明していきます。
①「迷い」とは「傷つけたくない!」という優しさ
もし、誰かに告白をされたとき、「告白されたことによって傷つけられた!」と感じる人は少なく、告白されたことに対して、「嬉しさ」や「自信」を少なからず感じるものなのかもしれません。
なので、あなたが恋愛において「告白されたけど、どうしたらいいかわからない…」と感じているということは、「相手の気持ちは嬉しいけど、断りたい、でも迷いがある…」と感じているか?「相手の気持ちは嬉しい、なので告白を受けたい、でも迷いがある…」と感じているか?のどちらかなのかもしれません。
人は誰であっても、「相手を傷つけたくない…」もしくは「自分が傷つきたくない…」と感じる心理を持っています。
よって、「迷っている…」ということは、「相手を傷つけたくない…」もしくは「自分が傷つきたくない…」という優しい気持ちの表れなのだと心理学では捉えます。
恋愛は「かわいそう…」より「嬉しい…」が大切
このように、人は「相手を傷つけたくない…」と感じるものです。
なので、人は誰かに告白をされた場合、迷いを感じたままに相手の好意を受け入れて、迷いながらもついついお付き合いを始めてしまう場合があります。
この場合、「相手を傷つけたくない…」と思うあまり、「相手がかわいそう…」という同情に至っていないか?が重要です。
もし、あなたが反対の立場にあって、相手に「かわいそうだから付き合ってあげるよ…」って言われたら、あなたは嬉しいですか?相手を信頼して対等な恋愛関係が築けそうですか?
前述の通り、人は相手に同情されたり嘘をつかれるより、正直な気持ちを教えてもらえることが嬉しいものです。
よって、「相手の気持ちを断りたいのだけれど、相手を傷つけたくない…」と思うなら、「気持ちは嬉しいけど、やっぱりごめんなさい!」と正直な気持ちを教えてあげたほうが、相手に誠実さが伝わるものです。
傷つくことを恐れながら未来に進んでみる
このように、恋愛は、自分に対しても相手に対しても正直になるという「誠実さ」が大きな鍵となります。
とはいえ、自分に対しても相手に対しても正直になるということは、「自分が傷つきたくない…」という恐れも感じるものです。
なので、人は誰かに告白をされた場合、「相手の気持ちは嬉しい、なので告白を受けたい、でも迷いがある…」と迷いを感じている段階なのに、「自分が傷つきたくない…」と感じるあまり、早々と相手の好意を断ってしまう場合があります。
このように、自分が傷つくことを恐れるあまり、人との深い関係性の構築を避けてしまう心理状態を、心理学では「回避依存症」といいます。
回避依存症とは「人との深い関係性の構築を避けている」状態の人を指します。関係性が密になってくると関係を切ったり、社交的な人の場合はその後すぐにほかの人と付き合ったりするため、第三者から見ると浮気性と映ることもあるでしょう。
確かに、「自分が傷つきたくない…」という恐れも大切です。
ですが、自分が傷つくことを恐れるばかりでは、恋愛関係も進展しません。
とはいえ、「自分が傷つきたくないという自分の気持ち」と「相手の告白を嬉しいと感じた自分の気持ち」も両方とも大切な自分の気持ちです。
なので、恋愛関係に限らず、人生を将来に向けて心地よく歩んでいくためには、どちらの自分の気持ちも肯定しつつ、「傷つくことを恐れながら、恐る恐る、未来へと進んでみよう…」という気持ちが大切なのかもしれません。
よって、告白された状態で「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理状態は、ある意味、「相手を傷つけることを恐れ、同情で付き合い始めてしまった状態」もしくは「自分が傷つくことを恐れ、相手の気持ちと自分の気持ちから逃げてしまった状態」とも言い換えることができます。
なお、「回避依存症」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
恋愛において「どうしたらいいかわからない!」と感じる理由
前述の通り、恋愛において「どうしたらいいかわからない!」という心理状態に陥ってしまう理由は、「相手に依存しすぎてしまう…」「相手の依存を支えすぎてしまう…」「相手に同情しすぎてしまう…」「自分の気持ちを伝える自信がない…」「相手との深い関係を築くことから逃げてしまう…」などがあげられます。
これらは遺伝的な性格というより、生まれてから身に付けた「性格上の癖」です。
そして、上記のような恋愛関係における癖や言動は、子ども時代の親との愛着関係の影響を大きく受けていると心理学では考え、その考えを心理学では「世代間連鎖」と言います。
恋愛において「どうしたらいいかわからない!」という心理を感じる理由については、以下の点があげられます。
POINT
-
- 「アダルトチルドレン」である可能性がある
- 「インナーチャイルド」が傷ついている可能性がある
それでは、以下に詳しく説明していきます。
アダルトチルドレンの可能性
また、子ども時代の親との愛着関係の影響で、大人になっても、恋愛に対して苦手意識を感じ続けている人を、心理学では「アダルトチルドレン」と呼び、アダルトチルドレンを克服することで、恋愛関係も円滑に築けるようになると心理学では捉えます。
また、恋愛において「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理=「親代わり恋愛」「共依存恋愛」「回避依存症」を始めとした、アダルトチルドレンの恋愛傾向は、以下の「アダルトチルドレン(ac)チェックリスト」を実行することでチェックすることができます。
傷ついたままのインナーチャイルド
子ども時代、自分の気持ちを自由に表現させてもらえなかったり、自分の気持ちを否定されてしまったり、親との関係において心が傷つき、大人になっても傷ついたままの子ども時代の自分のイメージを、心理学では「インナーチャイルド」と言います。
そして、インナーチャイルドが傷ついたままだと、「これ以上、傷つきたくない!」という恐れの気持ちが強くなり、「親代わり恋愛」「共依存恋愛」「回避依存症」を始めとした、アダルトチルドレンの恋愛傾向に繋がります。
よって、子ども時代から傷ついたままの自分のインナーチャイルドを、インナーチャイルドセラピーによって癒すことで、アダルトチルドレンの克服が叶い、恋愛関係にも自信がもてるようになる…と、心理学では捉えます。
「インナーチャイルド」については、以下の記事で詳しく紹介しています。
また、「インナーチャイルドセラピー」についても合わせて紹介しますので、興味のある方は参考にしてください。
まとめ
さいごに、恋愛において「どうしたらいいかわからない!」と感じる心理状態について重要ポイントをまとめます。
- POINT彼氏、彼女に対して「どうしたらいいいかわからない!」と感じるのは、偏った恋愛関係に陥っている場合がある
- 片思いの場合は、相手の気持ちを知ろうとするより、自分の気持ちを伝えようとすることが大切
- 告白された場合は、「かわいそう…」と相手に同情するより、相手に正直な気持ちを伝えることが大切
- 傷つくことを恐れながら未来に進んでみることを「前向き」「誠実」と言う
- 「親代わり恋愛」「共依存恋愛」「回避依存症」は、アダルトチルドレンの恋愛傾向の特徴であり、傷ついたインナーチャイルドの特徴でもある
また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。
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なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。
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以上、「どうしたらいいかわからない!と感じる心理:恋愛編」という記事でした。