POINT回避依存症:脱走者タイプの原因は、①負の世代間連鎖、②防衛機制(逃避・回避)、③幸せ恐怖症、④人生脚本(禁止令)、などが考えられます。
心理カウンセラーの寺井です。
「回避依存症:脱走者タイプの原因」には、「負の世代間連鎖」「防衛機制(逃避・回避)」「幸せ恐怖症」「人生脚本(禁止令)」など、子どもの頃に親から受けた子育ての影響や、子どもの頃に一緒に過ごした家族の影響など、子どもの頃の家庭環境が密接に関わっており、子どもの頃、親から受けた子育て・家庭環境に何らかの問題があった場合、その影響により「回避依存症」になる可能性が高いと考えられています。
また、問題のある家庭で育った(問題のある親に育てられた)ことが原因で、大人になって、恋愛を含む人間関係全般に問題を抱えている人を「アダルトチルドレン」と言います。
そして、「回避依存症」とは、アダルトチルドレンの特徴のひとつとも言われており、アダルトチルドレンを克服することが、「回避依存症の克服」に繋がると考えることができます。
この記事は、回避依存症:脱走者タイプの原因について解説しています。
回避依存症:脱走者タイプの原因
「脱走者タイプ」をはじめとする「回避依存症の原因」には、子どもの頃に親から受けた子育ての影響や、子どもの頃に一緒に過ごした家族の影響など、子どもの頃の家庭環境が密接に関わっていると考えられています。
回避依存症の原因…(中略)…過干渉な親、過保護な親、親と子の役割が逆転した親子など、情緒的な束縛が原因にあげられます。
引用元:回避依存症
そして、「脱走者タイプの原因」となるような「親・家族の問題点」とは、主に以下の「4つ」が考えられます。
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- 「父親」が「母親」との「夫婦関係」から逃げていると、子どもは「母親との夫婦関係から逃げる父親の様子」を「モデリング(学習)」し、大人になって無意識に「模倣」する
- 子どもの頃、「共依存症の母親」に育てられると、大人になって「束縛されることへの防衛心理」が強くなる
- 子どもの頃、「苦労が多い家庭」で育つと、大人なって「幸せになることへの抵抗感」が強くなる
- 子どもの頃、「否定的な親」に育てられると、大人になって「幸せになってはいけない!」という思い込みが強くなる
このとき、「母親との夫婦関係から逃げる父親の様子」を、子どもが「モデリング(学習)」し、大人になって「模倣」し繰り返すことを「負の世代間連鎖」と言います。
次に、「共依存症の母親」に育てられたことにより身に付けた、「束縛されることへの強い防衛心理」を「防衛機制(逃避・回避)」と言います。
続いて、「苦労が多い家庭」で育ったことにより身に付けた、「幸せになることへの強い抵抗感」を「幸せ恐怖症」と言います。
さいごに、「否定的な親」に育てられたことにより身に付けた、「幸せになってはいけない!」という強い思い込みを「人生脚本(禁止令)」と言います。
以上のことから、「回避依存症:脱走者タイプの原因」は、大きく分けて以下の「4つ」が考えられます
POINT
- 「脱走者タイプの父親」に育てられたことによる「負の世代間連鎖」の影響
- 「共依存症の母親」に育てられたことによる「防衛機制(逃避・回避)」の影響
- 「苦労が多い家庭」で育ったことによる「幸せ恐怖症」の影響
- 「否定的な親」に育てられたことによる「人生脚本(禁止令)」の影響
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①負の世代間連鎖
「脱走者タイプ」が行う「脱走」とは、近すぎる「対人距離」によって生じた「精神的ストレス」を、人間関係から遠ざかる(脱走する)ことでを軽減している行為と言えます。
また、日本では、「回避依存症」は「女性」より「男性」の方が陥りやすく、「共依存症」は「男性」より「女性」の方が陥りやすいと言われています。
また、「共依存症の女性」は、人間関係において「対人距離」が近くなりすぎる傾向があります。
回避依存症の人は男女ともに存在しますが、男性のほうが多い傾向にあります。
心理学の研究において、女性は特に共依存の関係に陥りやすいと言われています。
以上のことから、日本においては「回避依存症の夫」と「共依存症の妻」の「夫婦関係」が多いと言え、そのぶん「対人距離」が近い「夫婦関係」が多いと言えます。
そのため家庭においても、「共依存症の妻(母親)」が「回避依存症の夫(父親)」に対して干渉・束縛を行う場合が多く、うるさく干渉・束縛する「共依存症の妻(母親)」に嫌気がさした「回避依存症の夫(父親)」は、「夫婦関係」によって生じた「精神的ストレス」を、夫婦関係から遠ざかる(脱走する)ことでを軽減しようとする場合が多いと言えます。
なお、「回避依存症の夫(父親)」が「精神的ストレス」を軽減するためにとる行動としては、主に以下の「具体例」が挙げられます。
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- 夫婦での対話・会話・話し合いを避ける
- 妻や子どもを家に残して仕事に没頭する
- 妻や子どもを家に残して外に飲みに出かける
- 休日は趣味に没頭して家にいない
- 休日に家にいても部屋に閉じこもる
- 妻からうるさく言われると、家を飛び出してしばらく帰ってこない
反対に言えば、このような家庭で育った場合、子どもは「父親」が「母親」との「夫婦関係」から逃げる様子を間近で見ながら、大人へと成長していったことになります。
また、「三つ子の魂百まで」という言葉がある通り、子どもの頃に親との関りで受けた影響は、その後の「人格形成」に大きな影響を与えることは、科学的にも証明されているところです。
このように、子どもが成長過程において「親の思考・行動パターン」を「模倣」することで生き方を学習することを「モデリング」と言います。
心理学においてモデリング(英: Modelling)とは、何かしらの対象物を見本(モデル)に、そのものの動作や行動を見て同じような動作や行動をすることである。人間(主に子供)の成長過程では、モデリングにより学習・成長するとされている。
引用元:モデリング (心理学)
以上のことから、子どもの頃、「父親」が「母親」との「夫婦関係」から逃げる様子を間近で見ながら育った子どもは、大人になって、親子・家族・親戚・友達・恋愛・結婚・職場などの人間関係で「精神的ストレス」を感じたとき、父親と同じように「人間関係から逃げる」可能性が高いと心理学では考えられています。
ちなみに、「父親と同じように人間関係から逃げる」など、子どもの頃、親から受けた子育てによる「負の影響」が、親から子へ、子から孫へと無意識に連鎖してしまうことを「負の世代間連鎖」と言います。
負の世代間連鎖とは、「親(又は親から上の世代)から引き継いだ負の人生プログラム及び認知の歪みの連鎖」を指します。世の中の親子問題を抱えている人の多くが、「親を介してこの負の人生プログラム及び認知の歪みの連鎖」に巻き込まれたことによって、様々な問題を抱えてしまうようになったことを知ることはとても大切なことです。
引用元:親子の問題①(世代間連鎖)
このように、「脱走者タイプ」が行う「脱走」とは、子どもの頃、「父親」が「母親」との「夫婦関係」から逃げる様子を「負の世代間連鎖」によって繰り返していると言い換えることができます。
以上のことから、「負の世代間連鎖」は、「回避依存症:脱走者タイプの原因」のひとつと考えることができます。
なお、「負の世代間連鎖」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
②防衛機制(逃避・回避)
日本においては、「回避依存症の夫」と「共依存症の妻」の「夫婦関係」が多いため、「脱走者タイプ」は「共依存症の母親」に育てられた場合が多いと言えます。
また、「共依存症の女性」は、人間関係において「対人距離」が近くなりすぎる傾向があるため、当然、「共依存症の母親」も、子どもに対して「対人距離」が近くなりすぎる傾向があります。
また、「共依存症の母親」自身も、子どもの頃、自分の親との「愛着の形成」に問題を抱えている場合が多いため、「子どもの頃、親に満たしてもらえなかった気持ちを、夫に満たしてもらおう!」と無意識に求めるようになりますが、もし夫に満たしてもらえなかった場合、今度は、「親に満たしてもらえなかった気持ちや、夫に満たしてもらえなかった気持ちを、子どもに満たしてもらおう!」と無意識に求めるようになります。
反対に言えば、「共依存症の母親」は、子どもを「親・夫・恋人の身代り」にしている(子どもに依存している)と言えますし、「脱走者タイプ」は、母親の「親・夫・恋人の身代り」をさせられてきた(母親に依存されてきた)とも言えます。
なお、「共依存症の母親」が、「親・夫・恋人の身代り」の身代わりとして子どもに押し付けてしまう気持ちは、主に以下の「具体例」があげられます。
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- 尽くしたい気持ち
- 尽くされたい気持ち
- 思い通りにしたい気持ち
- 思い通りにされたい気持ち
- 助けてあげたい気持ち
- 助けてもらいたい気持ち
- 感謝されたい気持ち
- 褒められたい気持ち
このように、一見「愛情の深さ」に見える、日本の母親の「世話焼きの良さ・面倒見の良さ」の背景には、「共依存症」が隠れている場合があります。
確かに、子どもは大切にされるべき存在ではありますが、「共依存症の母親」は、子どもの気持ちを無視して一方的に世話を焼きすぎてしまったり、自らの依存心を満たすために子どもを利用してしまうなど、無意識のうちに「対人距離が近すぎる子育て」に陥ってしまう場合があります。
このとき、「共依存症の母親」が行う「対人距離が近すぎる子育て」を「過干渉」「過保護」と言います。
過保護にしても過干渉にしても、子供に対して必要以上に密接な距離感で接するという点で共通しています。どちらも子供のすること、言う事に対して手出し口出しをしすぎているということなのですね。つまり、親が主導権を握っている状態です。
「共依存症の母親」が行う「過干渉」「過保護」とは、「子どもの『パーソナルスペース』を侵害する子育て」です。
ですので、「共依存症の母親」に育てられた子どもは、常に「パーソナルスペース」を侵害され続けてきたことになり、「息苦しさ」や「自由のなさ」を常に感じながら、大人へと成長していったことになります。
ですので、「脱走者タイプ」は、大人になって、親子・家族・親戚・友達・恋愛・結婚・職場などの人間関係において「息苦しさ」や「自由のなさ」を感じると、過剰なまでの「防衛心理」を示すようになります。
なお、「脱走者タイプ」のように、面倒なことや困難なことに関わることを避けることで、自分が苦しまないよう防衛することを「防衛機制(逃避・回避)」と言います。
面倒に感じることや向き合うことが困難な現実から目をそらし、別の現実や空想へ目を向けることを防衛機制では逃避と呼んでいます。…(中略)…また、防衛機制の「抑圧・否認・隔離」の総称を回避・逃避と表現することもある。
引用元:回避・逃避とは|解説と具体例
「逃避」は、避けるべきものに直面したときに、選択される行動です。一方「回避」は、避けるべきものがやってくると察知し、それを最悪の事態にならないよう事前に対策する行為です。…(中略)…「逃避」は空間的に「逃げる」ことで距離を稼ぎます。一方「回避」は、回り道をすることで、避けるべきものに近づかないという選択になるのです。
このように、「脱走者タイプ」が行う「脱走」とは、子どもの頃、「共依存症の母親」から受けた「過干渉」「過保護」の影響による「防衛機制(逃避・回避)」であると言い換えることができます。
以上のことから、「防衛機制(逃避・回避)」は、「回避依存症:脱走者タイプの原因」のひとつと考えることができます。
なお、「過干渉な親」「過保護な親」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
③幸せ恐怖症
このように、子どもの頃に生まれ育った「家庭環境」は、その後の「人格形成」に大きな影響を与えます。
そして、子どもの頃、「母子家庭」「父子家庭」「兄弟姉妹の多い大家族」「重病・難病を抱える兄弟姉妹のケアや、祖父母の介護を要する家庭」「貧困家庭」など、「苦労が多い家庭環境」で育った場合、「親が苦労している様子」や「幼い弟妹が苦労している様子」を間近で見ながら、大人へと成長していったことになります。
そうすると、大人になって恋愛や結婚など「自分の幸せ」を考え始めたとき、「幸せになりたい気持ち」と同時に「幸せになることへの罪悪感」を感じ始める場合があります。
なお、「脱走者タイプ」が感じる「幸せになることへの罪悪感」は、主に以下の「具体例」があげられます。
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- 女手ひとつで育ててくれた「母親」の苦労を想うと、自分だけ幸せになるわけにはいかない
- 男手ひとつで育ててくれた「父親」の苦労を想うと、自分だけ幸せになるわけにはいかない
- 「幼い弟妹」の将来を考えると、自分だけ幸せになるわけにはいかない
- 献身的に家族の世話をしている「親」の苦労を想うと、自分だけ幸せになるわけにはいかない
- お金に苦労している「家庭状況」を考えると、自分だけ幸せになるわけにはいかない
このように、「脱走者タイプ」は、親・兄弟姉妹への心配・気がかりを子どもの頃から強く感じ続けている場合が多く、そのぶん、親・兄弟姉妹を差し置いて自分だけ幸せになることに対して強い抵抗感を感じます。
なお、「脱走者タイプ」のように、「幸せになるのが怖い」という恐れや、「幸せになってはいけない」という罪悪感を感じることを「幸せ恐怖症」と呼ぶ場合があります。
幸せ恐怖症は一般的に「幸せに対する、もしくは幸せになることに対する不合理な強い恐怖感」と言われているよ。たとえば「自分は幸せになる資格はない」とか「幸せは不幸の前触れのように感じる」など想像してしまい、幸せになる状況を回避しようとする状態を指すんだ
そうすると、例えば、恋人から結婚の申し入れがあった場合、「恋人の気持ちに素直に応じて幸せになりたい!」という気持ちと、「親・兄弟姉妹を差し置いて自分だけ幸せになるわけにはいかない!」という気持ちが激しく葛藤し、結果、激しい葛藤に耐えきれなくなり、激しい葛藤から逃れるため、突然、別れを切り出したり、音信不通になったり、行方不明になってしまう場合があります。
以上のことから、「幸せ恐怖症」は、「回避依存症:脱走者タイプの原因」のひとつと考えることができます。
④人生脚本(禁止令)
このように、「幸せ恐怖症の原因」には「子どもの頃の家庭環境」が密接に関わっていますが、「苦労が多い家庭で育った影響」以外にも、「否定的な発言が多い親に育てられた影響」も密接に関わっていると考えられています。
前述の通り、子どもの頃、親から受けた子育ての影響は、その後の「人格形成」に大きな影響を与えますが、その中でも、「3歳~14歳(第一反抗期~第二反抗期のあいだ)に親から刷り込まれたメッセージ(親から受けた子育て)の影響」を強く受けていると言われ、子どもの頃に親から受けた子育ての影響によって無意識に身に付けた「生き方・考え方・思考・行動」などの「思考・行動パターン(習慣)」を「交流分析」という心理学では「人生脚本」と言います。
人生脚本とは、エリック・バーンが提唱した心理学理論です。幼少期に自分自身の人生脚本を描き、その通りになるとされています。人生脚本の大部分は親からのメッセージにより決定されます。無意識のうちに生き方を決め、それに従い行動するということです。
引用元:人生脚本とは
また、子どもの頃に親から言われた言葉のうち、「~するな!」「~しちゃダメ!」「~しないほうがいい!」など、何かを禁止された指示・命令のことを「禁止令」と呼びます。
禁止令とは心理学者エリックバーン博士によって開発された自己分析法で、文字通り「〇〇してはいけない」という「禁止」の「命令」のことです。…(中略)…幼いころに親などの養育者から否定的・禁止的な命令や態度を繰り返し受けることで、自らの思考や行動の制限を課してしまうものです。
「禁止令」は、概ね、親が子どもを叱るとき、親が無意識に発した言葉が原因である場合が多いため、親も自覚ができないまま日常的に繰り返されてしまい、子どもの「人生脚本」へと刷り込まれていきます。
なお、親が子どもに発する言葉のなかで「禁止令の原因」となりやすい言葉とは、主に以下の「具体例」があげられます。
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- おまえは親不孝者だ、おまえは役立たずだ、あなたを生まなければよかった、あなたは可愛くない、笑うな、騒ぐな、うるさい、黙れ、その程度のことで喜ぶな、みんな苦労しているのにあなただけ楽をして薄情な子だ、みんな大変なんだから我慢しなさい、どうせあなたには何もできない、どうせあなたは誰にも好かれない…など
このように、子どもの存在や感情に対する親の否定的な言葉は、「禁止令」として子どもの「人生脚本」に刷り込まれ、何かを「我慢」したり「抑圧」する「思考・行動パターン(習慣)」となって、大人になっても、親子・家族・親戚・友達・恋愛・結婚・職場などの人間関係に大きな影響を与え続けます。
なお、親から受けた否定的な言葉によって「脱走者タイプ」が身に付ける「禁止令」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 幸せになってはいけない、楽しんではいけない、喜んではいけない、親に逆らってはいけない、親・家族・親戚の幸せより自分の幸せを優先してはいけない、人を信頼してはいけない、人に信頼されてはいけない、人を愛してはいけない、人に愛されてはいけない、人を頼ってはいけない、人に頼られてはいけない…など
このように、「脱走者タイプ」は、「幸せになりたい!」という「自然な気持ち」と、「幸せになってはいけない!」という「禁止令」が常に激しく葛藤する心理状態であるため、激しい葛藤によるストレスを軽減するために、親子関係・恋愛関係・夫婦関係・職場の人間関係から突然に遠ざかる(脱走する)と言えます。
以上のことから、「人生脚本(禁止令)」は、「回避依存症:脱走者タイプの原因」のひとつと考えることができます。
なお、「人生脚本(禁止令)」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
回避依存症の原因:「アダルトチルドレン」
前述の通り、「脱走者タイプ」をはじめとする「回避依存症の原因」には、子どもの頃に親から受けた子育ての影響や、子どもの頃に一緒に過ごした家族の影響など、子どもの頃の家庭環境が密接に関わっており、子どもの頃、親から受けた子育て・家族の様子・家庭環境に何らかの問題があった場合、その影響により「回避依存症」になる可能性が高いと言えます。
「回避依存症の克服」とは、アダルトチルドレンを克服すること
このとき、子どもの人生に悪影響を与えるような問題のある子育てを行う親を「毒親」と言い、子どもの人生に悪影響を与えるような問題のある家庭を「機能不全家族」と言います。
そして、機能不全家族で育った(毒親に育てられた)ことが原因で、大人になって、恋愛を含む人間関係全般に問題を抱えている人を「アダルトチルドレン」と言います。
「アダルトチルドレン」とは、機能不全家族で育ったことにより、「親から守られる」「適切な教育を受ける」などの正常な成長過程をたどれず、成人してからも生きにくさや心に傷を抱えている人のことをさします。
また、「回避依存症」とは、アダルトチルドレンの特徴のひとつとも言われています。
回避依存症は、アダルトチルドレンの表れ方のひとつです。…(中略)…親子関係や周囲の大人との間で、消耗し枯渇する感覚や、飲み込まれそうな感覚を体験してきました。
引用元:回避依存症
このように、「回避依存症になる原因」とは、「子どもの頃、機能不全家族で育った影響」や「子どもの頃、毒親に育てられた影響」である可能性が高い、すなわち、「回避依存症になる原因」は「アダルトチルドレン」と密接な関係にあると言えます。
反対に言えば、「機能不全家族で育った(毒親に育てられた)影響」である「アダルトチルドレン」を克服することが、「回避依存症の克服」に繋がると考えることができます。
「アダルトチルドレン(回避依存症)」の克服方法
そもそも「アダルトチルドレン(AC概念)」とは、1970年代、アメリカのアルコール依存症の治療現場から広がり始めた考え方で、1980年代になると、さまざまな専門家たちが「アダルトチルドレンの原因」や「アダルトチルドレンの克服方法」について研究を行い始め、今では、アメリカのソーシャルワーカー・社会心理学博士「クラウディア・ブラック」によって、「アダルトチルドレンからの回復プロセス」がしっかりと確立されています。
とはいえ、前述の通り「回避依存症になる原因」とは、子どもの頃に負った「幼少期のトラウマ」が密接に関わっており、「幼少期のトラウマ」とは、「なかなか思い出しづらい『遠い昔の記憶』」であるのと同時に、「できれば思い出したくない『傷ついた記憶』」でもあります。
よって、「幼少期のトラウマ」を思い出そうと過去を振り返っても、自分1人ではなかなか思い出せなかったり、なかなか受け入れられない場合があります。
なお、「クラウディア・ブラック」は、「アダルトチルドレンからの回復」には以下の2点が重要と述べています。
POINT
- 「親・家族」に対する負の感情は「親・家族」に聞かせるのではなく、「親以外の信頼できる相手(心理カウンセラー・自助グループなど)」に聞いてもらう必要がある
- 「親・家族」に対する負の感情は「安全な場所(カウンセリングルーム・自助グループなど)」で聞いてもらう必要がある
以上のことから、「心理カウンセリングは、アダルトチルドレンの克服にとても有効である」と言われており、カウンセリングを利用して、カウンセラーの協力を得ながら「アダルトチルドレンからの回復プロセス」を進めることで「アダルトチルドレンの克服」が可能となり、アダルトチルドレンの克服をすることで「回避依存症の克服」ができると言えます。
なお、当社メンタル心理そらくもが考える「アダルトチルドレン克服カウンセリング(回避依存症の克服方法)」については、以下の記事で詳しく解説していますので、是非お読み下さい。
まとめ
さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。
「回避依存症:脱走者タイプの原因」としては、以下の点があげられます。
- POINT「母親との夫婦関係から逃げていた父親の様子」を「負の世代間連鎖」で無意識に繰り返すため
- 「共依存症の母親」に育てられた影響で、「防衛機制(逃避・回避)」が高まっているため
- 「苦労が多い家庭」で育った影響で、「幸せになることへの罪悪感」が強まっているため
- 「否定的な親」に育てられたで影響で、「人生脚本(禁止令)」が強まっているため
また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。
是非、あわせてお読みください。
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以上、「回避依存症:脱走者タイプの原因」という記事でした。