子育てが怖いと感じる理由とは?心理学で解説
子育てが怖いのは、あなたの責任ではありません…
子どもに幸せになってほしいのだけれど、「子どもを育てるのが怖い」「母親になるのが怖い」「子育てのやり方がわからない」と、育児への不安や怖さを訴えてくださるママさんたちはたくさんいらっしゃいます。
このように、子育てに関する相談は、心理カウンセリングの現場においても重要なテーマのひとつです。
この記事は、育児への不安や怖さで悩むママさんたちの声を紹介するとともに、子育てが怖いと感じる理由について心理学に沿って説明しています。
子育てが怖い!と訴えるママさん達の声
まずはじめに、育児に不安や怖さを感じることは、決していけないことではありません。
不安や怖さの意味は「慎重さ」と捉えることもできます。
なので「子育てが怖い」と感じる心理状態は、「子育てに慎重になりすぎている心理状態」という意味でもあります。
そして、心理カウンセリングの現場において、「子育てが怖い」と訴えるママさんたちは少なくありません。
ここでは「子育てが怖い」と、心理カウンセリングの現場で訴えてくださったママさんたちの声を紹介します。
子育て中にイライラが止まらない自分が怖い:Aさんの訴え
クライアントAさんは、小1の男の子と4歳の女の子のママさんです。
子育てをしていると、だんだんとイライラを感じはじめ、子どもと一緒に過ごせば過ごすほどイライラが燃え上がり、ついつい子どもに怒鳴ってしまって、ふと我に返ったときに反省し、自己嫌悪に陥ってしまう…という相談でした。
炊事や洗濯やお掃除など、家事に追われてながら育児をしていると、せっかく掃除した場所を子どもが汚してしまったり、せっかく整理したおもちゃを子どもが再び散らかしてしまったり…
このような子どもの態度から自分が意地悪をされているように感じたり、子どもが自分の気持ちを軽視しているように感じて、メラメラとイライラが燃え上がってしまい、イライラがとまらなくなってしまっていたそうです。
そんな中で、4歳の娘さんに、「ママ怖い…」と言われ、心にショックを感じたそうです。
それ以来、子育てでイライラが止まらない自分自身を怖いと感じるようになってしまい、自分を困らせる子どものことも怖いと感じるようになり、子どもの幸せを願っているはずなのに子育てが怖いと感じるようになってしまったそうです。
母親になるのが怖い:Bさんの訴え
クライアントBさんは、20代の新婚さんで、結婚2年目に妊娠し赤ちゃんを授かりました。
妊娠がわかった当初はご主人と二人でとても喜んだのですが、お腹も大きくなり、出産が近づくと、だんだんと「母親になるのが怖い…」と感じるようになったそうです。
それは「母親になる自信がない…」「自分は母親になる資格があるのだろうか?」といった意味の気持ちで、赤ちゃんと出会えることが嬉しい反面、赤ちゃんを無事に育てることができるか?という育児への不安とプレッシャーが大きく膨らんでしまい、「母親になるのが怖い」と感じるようになったそうです。
子育てのやり方がわからない:Cさんの訴え
クライアントCさんは、中1の息子さんを持つ40代のママさんです。
中1の息子さんが、ある時期から不登校になってしまい、Cさんは子育てについて悩みはじめました。
中1の息子さんは、家にいる時も部屋に閉じこもるようになったため、Cさんは、部屋の外から息子さんに懸命に話しかけたり、息子さんをカウンセリングに連れ出したり、息子さんに代わって学校に行き先生に相談したり、母親として息子さんにしてあげられる限りのことをして下さったそうです。
ですが、息子さんに代わってCさんが頑張れば頑張るほど、息子さんはかえって心を閉ざしてしまったそうです。
それ以来、Cさんは、どうしたらいいか?わからなくなってしまい、「子育てのやり方がわからない」と感じるようになったそうです。
育児に正解はありません。
ここまで記事をお読みくださり、みなさんはどのように感じましたか?
もしかしたらあなたも、Aさん、Bさん、Cさんと同じように、子育てに怖さを感じたり…わからなさを感じたり…育児について自信を失いかけているのかもしれません。
もしそうだとしましたら、あなたは何も悪くない…と私は思います。
そもそも育児に正解はありません。
そして、Aさん、Bさん、Cさんも、心理カウンセリングを利用し、子育てが怖いと感じる理由について理解を深めていくことで、「自分なりの子育てOKなんだ!」と、子育てへのプレッシャーを緩めることができ、今では楽しく子育てに取り組んでいるそうです。
ここからは、人が子育てが怖いと感じる理由について、心理学に沿って説明していきます。
(関連:子育てのイライラをカウンセリングで和らげました:Aさん30代ママさんの体験談)
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子育てが怖いと感じる理由
人が子育てが怖いと感じる理由には、「世代間連鎖」と「機能不全家族」という言葉が密接に関わっています。
世代間連鎖とは?
人は、子育ての方法を遺伝で受け継ぐのではなく、生まれた後、自分が子どものときに育ての親にしてもらった子育て方法を、自分が親になってから、無意識に、自分の子どもへと繰り返していこうとする特徴があります。
なので、自分が子どもにしようとしている子育て方法は、自分が子どものときに育ての親にしてもらった子育て方法に似ている…ということなのかもしれません。
このように、子育て方法に限らず、生き方や教育方針などが、親から子どもへ、子どもから孫へと、世代を連鎖していく心の働きを、心理学では世代間連鎖と言います。
(関連:世代間連鎖とは何か?「問題・原因・断ち切る方法」を心理学で解説)
機能不全家族とは?
人は、子育てを家族という集団で行うとする本能を持っており、両親に加え、祖父母や兄弟など、家族みんなで協力し合って子育てを行なおうとする特徴があります。
このように、本来、家族とは、両親や祖父母などの大人が、子どもの自由を守り、子どもが天真爛漫に生きていくための子育てを行うのですが、様々な理由により、子どもの自由が守られず、子どもが生きづらさを感じる子育てをしてしまう場合があります。
このように、子育てが上手く機能していない家族のことを、心理学では機能不全家族と言います。
子育て方法は、前の世代から受け取ったもの…
このように、もし、自分の親や祖父母が機能不全家族で育っていた場合、生きづらさを感じる子育て方法を、親から知らず知らずに受け取り、子どもへと知らず知らずに繰り返している場合があります。
よって、子育てが怖いと感じたり、子育てに苦手意識を感じる悩みは、いわば、先祖から脈々と受け継がれているものですので、決してあなた1人の責任ではないのです。
(関連:生きづらい原因とは?)
アダルトチルドレンと子育ての関係
さて、心理学では、アダルトチルドレンという言葉があります。
アダルトチルドレンとは、機能不全家族で育ち、子ども時代に親から受けた子育てが原因で、大人になっても生きづらさを感じている人のことです。
そして、「子育てが怖い…子育てが上手くいかない…」と感じる症状は、アダルトチルドレンが抱える問題の代表的な症状のひとつです。
もし、あなたが、「子育てが怖い…子育てが上手くいかない…」と感じているようでしたら、あなたのご両親も子育てに悩んでいたのかもしれません。
なので、「自分はアダルトチルドレンなのではないか?」と考え初めてみることは、子育ての悩みの緩和に大きなチャンスをもたらす可能性があります。
アダルトチルドレンに関心を感じる方は、以下のチェックリストを参考にして下さい。
(関連:アダルトチルドレン(ac)チェックリスト)
インナーチャイルドと子育ての関係
また、心理学では、インナーチャイルドという言葉があります。
インナーチャイルドとは、子ども時代に親から受けた子育てが原因で、大人になった今でも傷ついたままの子ども時代の自分の記憶&感情&イメージです。
つまり、子育てが怖いと感じるのは、子ども時代の自分=インナーチャイルドが傷つき怖がったままの可能性があります。
そして、もし、子ども時代に親にしてもらった子育てが自分にとって苦しかった場合、自分が苦しいと感じた子育てを、無意識に自分の子どもにも繰り返してしまいます。
なので、傷ついたままのインナーチャイルドを自分自身で癒すことによって、親から受け継いだ子育て方法を自分らしくリノベーションすることが叶い、自分の子どもと安心して接することができていきます。
(関連:心理学でのインナーチャイルドとは?)
まとめ
このように、「子育てが怖い…子育てが上手くいかない…」と感じる症状にも、必ず、生まれてきた理由があり、生まれてきた理由を知ることで、子育てへの怖さが和らいでいきます。
もし、あなたが「子どもに幸せになってほしい…」と願っているのだけれど、「子育てが不安…子育てが怖い…子育てのやり方がわからない…子育てに自信がない…」と感じるようでしたら、自分自身の子ども時代=アダルトチルドレンやインナーチャイルドに少しだけ関心を持ってみるのも、ひとつのアイデアなのかもしれません。
そして、今からでも、アダルトチルドレンを認め、インナーチャイルドセラピーによってインナーチャイルドを癒すことで、親から受け継いだ子育て方法を自分自身で緩和し、子育てへの怖さを解きほぐして、楽しく子育てをし、次の世代=自分の子どもへと伝えていくことは可能です。
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(関連:アダルトチルドレンのカウンセリング:克服への“9”の重要ポイント)