インナーチャイルドセラピーの好転反応

インナーチャイルドセラピーによる好転反応を感じている女性のイメージ

POINTインナーチャイルドセラピーの好転反応は、一時的に感じる辛い症状で、心の成長&心の変化のサインです。

心理カウンセラーの寺井です。

インナーチャイルドセラピーは、長年、心に抱え続けてきたネガティブな感情を解放する作業です。

よって、心が刺激を受け、結果、一時的に、気分の落ち込み、イライラ、眠気、倦怠感、疲労感など、様々なネガティブな感覚=好転反応を感じる場合があります。

ですが、それは一時的なもので、且つ、心に変化が始まった好転のサインであると、心理カウンセリングの現場では考えます。

この記事は、インナーチャイルドセラピーによる好転反応について説明しています。

インナーチャイルドセラピーの好転反応とは?

インナーチャイルドセラピーの好転反応をストレッチに例えてるイラスト

そもそも好転反応とは?

まずはじめに、「好転反応」とは、インナーチャイルドセラピーに限って起こる症状ではなく、広く一般的に用いられている言葉で、もともとは、東洋医学(按摩、鍼鍼灸)などで使われ始めた用語です。

好転反応とは、体が正常な状態に戻るために起こる、一時的に症状が悪化したような状態になることです。

引用元:好転反応とは

よって、インナーチャイルドセラピーの好転反応とは、「インナーチャイルドセラピーを行ったことで、心が正常な状態に戻りつつあるからこそ起こる、一時的に症状が悪化したような状態」という意味になります。

 

好転反応は「好転のサイン」

例えば、ある意味、筋肉痛も体に起きる好転反応の一種と言えるでしょう。

運動不足の人が久しぶりに運動をすると、体が健康的な方向に好転します。

運動をすることは健康的ですので、心も体もすっきりとした心地よさを感じそうですが、久しぶりに運動をしたことにより体が刺激を受け、結果、一時的に、ネガティブな感覚=筋肉痛を感じる場合があります。

それと同じように、インナーチャイルドセラピーも、長年、抱え続けてきたネガティブな感情を解放するわけですので、心も体もすっきりとした心地よさを感じそうですが、人生ではじめて解放した感情もありますので、心が刺激を受け、結果、一時的に、気分の落ち込み、イライラ、眠気、倦怠感、疲労感など、様々なネガティブな感覚=好転反応を感じる場合があります。

このように、インナーチャイルドセラピーによる好転反応は、確かに、感覚的にはネガティブな感覚ですので、かえって症状が悪化したように感じますが、それは一時的なもので、且つ、心に変化が始まった好転のサインであると、心理カウンセリングの現場では考えます。

 

好転反応の意味合い

インナーチャイルドセラピーでインナーチャイルドが動き出したイメージ

防衛機制と生きづらさの関係

そもそも「インナーチャイルド」とは、子ども時代から傷ついたままのネガティブ感情の象徴であり、傷ついたインナーチャイルド抱え続けている人を、心理学では「アダルトチルドレン」と呼びます。

そして、人の心は、自分の感情、本音、意見など、自分の本当の気持ちを、なかなか正直に表現できず、隠すことで大切に守ろうとする特徴があります。

このように、自分の本当の気持ちを無意識に隠してしまう心の働きを、心理学では「防衛機制」と言います。

防衛機制(ぼうえいきせい、英: defence mechanism)とは、受け入れがたい状況、または潜在的な危険な状況に晒された時に、それによる不安を軽減しようとする無意識的な心理的メカニズムである。

引用元:防衛機制

よって、アダルトチルドレンとは、子ども時代に傷ついたことによって、「自分の本当の気持ちを表現しづらくなって生きづらくなっている人」=「防衛機制が強まりすぎて生きづらくなっている人」と心理カウンセリングの現場では捉えます。

 

好転反応は、アダルトチルドレン克服のサイン

防衛機制は、ある意味、子ども時代から傷ついたままのネガティブ感情を、ガッチリと守っている鎧やブロックのようなもので、心理学では「心理的ブロック」などと呼んだりします。

いわば、インナーチャイルドは、防衛機制と呼ばれるブロックの中に閉じ込められており、窮屈だけど守られている状態です。

そして、インナーチャイルドセラピーとは、子ども時代から傷ついたままのネガティブ感情=防衛機制の中=ブロックの中にいるインナーチャイルドの感情を表現し解放する作業です。

インナーチャイルドが抱えているネガティブ感情を表現し解放した分だけ、そのぶん心に余裕がうまれ、その生まれた余裕に比例して防衛機制が緩和します。

防衛機制が緩和すると、そのぶん、自分の感情、本音、意見など、自分の本当の気持ちをさらに表現しやすくなり、そのぶん、防衛機制が和ぎ、生きづらさが解消され、アダルトチルドレンの克服ができます。

 

好転反応は、あなたの心の雪解けのサイン

また、好転反応とは、「物事が大きく好転しつつあるときに一時的に感じる望ましくない感覚…」という意味です。

なので、専門家の間では、好転反応のことを、「固まっていた心が動きだし感情が循環し始めたサイン…」「潜在意識の浄化が始まった…」「心のストレッチが始まった…」などと表現もします。

よって、好転反応とは、例えるなら、「長らく、防衛機制という雪に閉ざされていたあなたの心に、ようやく春の雪解けが訪れたサイン」と言えるでしょう…

好転反応の症状と対処

身体的な好転反応と心理的な好転反応のイメージ

インナーチャイルドセラピーの好転反応は、「身体的な症状」と「心理的な症状」に分かれます。

それでは、それぞれの「症状」と「対処」について、以下にを詳しく説明していきます。

 

身体的症状と対処

症状

インナーチャイルドセラピーの好転反応は、身体的には以下の症状があります。

POINT微熱、高熱、ぼーっとする、風邪気味の症状、下痢、眠気、倦怠感、疲労感、口が渇く、頭痛…など

インナーチャイルドセラピーによる身体的な好転反応は、一般的に、海やプールなどで目一杯はしゃいだ後に感じる症状と似ていると言われます。

 

対処

言葉や涙でたくさんの感情を解放することは、それだけ疲労しますので、疲労感は充実感の裏返しともいます。

よって、強い身体的な好転反応を感じた場合は、体を休め、静かに過ごすことをお勧めします。

 

心理的症状と対処

症状

インナーチャイルドセラピーの好転反応は、心理的には以下の症状があります。

POINT気分の落ち込み、感情の起伏が激しくなる、子どもの頃や過去のことが思い出されて感情的になる、悩みが余計にひどくなったように感じる、人に会いたくなくなる、やる気が出ないように感じる、悲しくないのに涙が流れる、とにかくイライラする、何事にも敏感に反論したくなる、素直になれない…など

場合によっては、楽しいことをしてゲラゲラと笑っているのに、なぜか?ボロボロと涙が流れてくるなどと言った好転反応もあります。

 

対処

前述の通り、インナーチャイルドセラピーによる心理的な好転反応は、心の成長&心の変化のサインです。

ある意味、インナーチャイルドセラピーによる心理的な好転反応は、情緒不安定な状態とも言えますが、人の心は、人の体と同じく、回復や落ち着きを得るのに「自然治癒力」という働きが必要ですので、時間を掛けて落ち着いていくものです。

よって、概ね1週間から2週間、長い場合は、1か月程度の時間を要する場合もありますので、泣けるようなら泣き、落ち込めるような落ち込んで、その日そのままの自分で静かに過ごすことをお勧めします。

 

好転反応は自然に終わります

好転反応を感じて安静している女性のイメージ

インナーチャイルドセラピーの好転反応は、心理的にしても身体的にしても、長年、硬化しがちだった心が、インナーチャイルドセラピーという運動によって刺激を受け、望ましい変化が始まったサインです。

例えば、風邪を引いたときに感じる、熱、せき、のどの痛みなどは確かに辛い感覚ですが、裏を返せば、辛い感覚を感じることができるかたこそ、無理をせず、休養しようと考えることができます。

それと同じように、インナーチャイルドセラピーの好転反応も確かに辛い感覚ですが、裏を返せば、無理をせず、静かに過ごすことを促すサインとも言えます。

好転反応は、本当の自分を取り戻す過程で感じる、一時的、且つ、自然な現象です。

よって、強い好転反応を感じた場合は、無理をせず、ご自身の心と体を労わるつもりで安静に過ごすことをお勧めします。

 

まとめ

さいごに、インナーチャイルドセラピーの好転反応ついて重要ポイントをまとめます。

POINT

  • 好転反応とは、心が正常な状態に戻りつつあるからこそ起こる、一時的に症状が悪化したような状態
  • 好転反応は、防衛機制の緩和を意味し、生きづらさの解消、アダルトチルドレンの克服のサインとも言える
  • 好転反応は、眠気、倦怠感、疲労感などの身体的症状と、気分の落ち込み、やる気がでない、イライラなどの心理的症状がある
  • 好転反応は、概ね1週間から2週間、長い場合は、1か月程度の時間を要する場合もあるが、自然に終わっていく
  • 好転反応が強く出ている場合は、心と体を労わるつもりで安静に過ごす

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なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「インナーチャイルドセラピーの好転反応」という記事でした。

この記事を書いた人
寺井 啓二

「うつ、アダルトチルドレンの克服経験」を持つ「心理カウンセラー・心理セラピスト」。
自らの克服経験を世の中のために役立てたいと考え、2013年に「メンタル心理そらくも」を設立、代表を務める。
10年以上のカウンセリング臨床実績があり、「アダルトチルドレン、インナーチャイルド、うつ病、パニック障害、人間関係の生きづらさ、親子関係の悩み(毒親)、子育ての悩み、恋愛・結婚の悩み、中学生・高校生の悩み」などの相談を得意としている。

◆カウンセリング実績
・臨床実績:過去2000回以上
・男女比:男性40%、女性60%
・年齢層:中学生から60歳代
・来訪元:静岡県内、愛知など東海圏
     東京、神奈川など首都圏
     大阪、兵庫など関西圏
     海外在住の方

◆保有資格
・上級心理カウンセラー
・メンタル心理カウンセラー
・うつ病アドバイザー
・チャイルドカウンセラー
・家族療法カウンセラー
・セルフ・アクセプタンスカウンセラー
・EFT-Japan Level 1
・EFT-Japan プラクティショナー

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