アダルトチルドレン(AC)ピエロ(おどけ役)の「心理的な特徴」

アダルトチルドレン_ピエロタイプの心理的な特徴を表すイラスト

POINTピエロタイプ(おどけ役)の心理的な特徴は、「周りのネガティブな雰囲気を積極的に和ませる」のと同時に、「自らのネガティブ感情を笑顔という仮面で隠し続ける」という点が最大の特徴です。

心理カウンセラーの寺井です。

アダルトチルドレン」の「ピエロ(マスコット・クラウン)タイプ」(以下「ピエロタイプ」と言う。)は「おどけ役」とも呼ばれ、「喧嘩や不和」が多い「機能不全家族」のなかで「家族のストレスや緊張」を和らげるため、突然おどけたり、歌いだしたり、笑いを誘ったり、笑顔を振りまくなど、「ムードメーカー(おどけ役)」となって家族の雰囲気を和ませる子どもを指します。

ですので、ピエロタイプは大人になって、「ネガティブな雰囲気を和ますことができているときには安心を感じるが、ネガティブな雰囲気を和ますことができていないときには不安を感じる」という心理的な特徴を持つようになると考えられています。

ちなみに、この記事は「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の『心理的な特徴』」についての解説です。

なお、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の『恋愛傾向』」については、以下の記事で詳しく解説しています。

それでは、アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の「心理的な特徴」について解説していきます。

アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の「心理的な特徴」

アダルトチルドレン_ピエロタイプの心理的な特徴はおどけて周囲を和ませることであることを表すイラスト

ピエロタイプは、子どもの頃から「家族のネガティブな雰囲気」を敏感に察知していち早く和ませてきたため、大人になっても「周囲のネガティブな雰囲気を敏感に察知して積極的に和ませる」という点が最大の特徴です。

また、ピエロタイプは「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」など「ネガティブな自分を極端に嫌う」という心理的な特徴があるため、大人になってからも「ネガティブな自分を笑顔という仮面で懸命に隠し続ける」という特徴があります。

なお、「ピエロタイプの心理的な特徴」は、主に以下の「8つ」があげられます。

POINT

  1. 「ネガティブな雰囲気」を極端に恐れる
  2. 「ネガティブな雰囲気」を笑顔で和ませる
  3. 「おどけ役」と「自己否定」を繰り返す
  4. 「ネガティブな感情」を笑顔で隠す
  5. 他者の顔色を異常に気にする
  6. 自分の人生を楽しめない
  7. 自己肯定感が低く、自信がない
  8. 誰にも理解されないという気持ちが強い

それでは、以下に詳しく解説していきます。

 

①「ネガティブな雰囲気」を極端に恐れる

ピエロタイプは「機能不全家族で育った影響」により、子どもの頃から「家族の雰囲気」に常に気を配り、家族が「息詰まる雰囲気・重苦しい空気・揉め事・喧嘩・殺伐感・冷たさ・しらけ」など「ネガティブな雰囲気」になることを極端に恐れながら大人へと成長していきます。

ですので、ピエロタイプは大人になってからも周囲の雰囲気にとても敏感であり、とくに「人間関係において周囲のネガティブな雰囲気を極端に恐れる」という特徴があります。

なお、「ピエロタイプが恐れるネガティブな雰囲気」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 言い争い、喧嘩、揉め事、競いあうこと、主張しあうこと、自慢しあうこと
  • 沈黙、殺伐感、シリアスな空気、重苦しい空気、冷めた空気、しらけた空気

また、「ピエロタイプが恐れるネガティブな人」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • イライラしやすい人、怒りっぽい人、不機嫌な人、無表情な人
  • 声が大きい人、荒っぽい人、不愛想な人、無神経な人、上から目線の人
  • 嫌味・皮肉を言う人、理屈っぽい人、生真面目な人、冗談・笑顔が通じない人

このように、ピエロタイプは「両親の言い争いが多い殺伐とした雰囲気の家庭」や「両親の関係が冷め切った重苦しい雰囲気の家庭」で育った影響により、子どもの頃に感じた「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」などの「ネガティブ感情」を、大人になっても「心に抑圧し続けている」場合が多いと考えられています。

なお、ピエロタイプのように、子どもの頃から心に抑圧し続けている「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」などの「ネガティブ感情」を「幼少期トラウマ」と言い、さまざまな出来事がきっかけで「幼少期トラウマ」がよみがえる症状を「フラッシュバック」と言います。

最もよくある症状がフラッシュバックです。トラウマとなった体験とつながりがある感情や行動、連想させるような事柄が引き金となり、突然、当時と同じような恐怖や感情がよみがえってくるものです。なかには、夢の中でも再体験が繰り返され、その経験に強い恐怖を感じます。

引用元:早期治療で防ぐ!PTSDや外傷後ストレス障害の慢性化

このように、「両親の言い争いが多い殺伐とした雰囲気の家庭」や「両親の関係が冷め切った重苦しい雰囲気の家庭」で育ったピエロタイプは、子どもの頃に「幼少期トラウマ」を負い、大人になっても「幼少期トラウマの影響」を受け続けていると考えられており、その影響で大人になってからも、人間関係において「周囲のネガティブな雰囲気を極端に恐れる(フラッシュバックを起こしやすい)」と考えられています。

以上のことから、「ネガティブな雰囲気を極端に恐れる」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

②「ネガティブな雰囲気」を笑顔で和ませる

ピエロタイプは、「機能不全家族」の中で「ネガティブな雰囲気」に常に気を配りながら過ごしていくうちに、「ネガティブな雰囲気」を察する能力が研ぎ澄まされていき、次第に「ネガティブな雰囲気」を先回りして感じ取ることができるようになると考えられています。

そして「言い争いや喧嘩」の空気を感じとるや否や、ピエロタイプは突然おどけたり、歌いだしたり、笑いを誘ったり、笑顔を振りまくなど、「ムードメーカー(おどけ役)」となってその場の空気を和ませようとします。

このように、ピエロタイプは「言い争いや喧嘩」など「ネガティブな雰囲気」を極端に恐れるあまり、自らが「ムードメーカー(おどけ役)」になって「ネガティブな雰囲気」を和ませることで「言い争いや喧嘩」が起きないようにするという特徴があります。

なお、ピエロタイプのように、自分が恐れている状況に陥らないためにとる行動を「回避行動」と言います。

回避行動とは、文字通り不安や恐怖を体験することから逃げることです。対人恐怖症の人が他人との交流を避けたり、PTSDの人がPTSDが起こった状況をさけるのが回避行動の例です。

引用元:うつ病の行動活性化療法とは

また、「ピエロタイプがとる回避行動」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • いつも笑顔で愛嬌・愛想を振りまいている
  • 仕事・勉強・スポーツなどの成績で、他人と競うこと・他人より目立つことを避ける
  • 職場・学校のクラス・チーム・グループなどの集団で、リーダー・キャプテンなど中心人物になることを避ける
  • 揉め事にならないよう、ゲームや遊びでわざと負ける
  • 重い空気にならないよう、嫌なことでもニコニコ笑顔で引き受けてしまう
  • 険悪な空気にならないよう、心を傷つけられてもニコニコ笑顔で誤魔化してしまう
  • 真面目(シリアス)な雰囲気になると、わざと茶化して相手と向き合うことを避けてしまう

このように、ピエロタイプは子どもの頃から「家族のムードメーカー(おどけ役)」を演じてきたため、大人になってからも、内面には「ネガティブ感情」を感じながら、表面では「ニコニコと笑ってしまう」という特徴を持つようなると考えられおり、周囲からは「明るい人・優しい人・お茶目な人・愛嬌がある人」という「プラスの印象」に映る反面、内面では「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」を強く感じているという特徴があります。

反対に言えば、ピエロタイプが振りまく優しい笑顔の内面には、「子どもの頃に味わった殺伐とした雰囲気や冷めた雰囲気をもう二度と味わいたくない!」という切実な願いが隠れていると言えます。

以上のことから、「ネガティブな雰囲気を笑顔で和ませる」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

③「おどけ役」と「自己否定」を繰り返す

ピエロタイプは、子どもの頃から「家族のネガティブな雰囲気を和ませるという条件を満たすことで自分の存在価値を認めてもらえる」という「親子の関係性」のなかで育ってきたため、大人になっても、「ネガティブな雰囲気を和ませている自分には存在価値があるが、ネガティブな雰囲気を和ませることができない自分には存在価値がない」という「強い価値観」を身に付けていると考えられています。

なお、「ネガティブな雰囲気を和ませることで親に愛してもらえるという条件」を、子どもに思い込ませるような「親の愛情表現」を「条件付きの愛情」と言います。

条件付きの愛とは、すなわち「◯◯する子は愛してあげる」「◯◯できない子は愛してあげない」というコントロールです。

引用元:条件付きの愛。アダルトチルドレンがハマりやすいワナとは?

このように、ピエロタイプは「ネガティブな雰囲気を和ませる『おどけ役』として必要とされていなければ、自分の存在価値が無くなってしまう!」という「強い危機感」を常に感じているため、「親・兄弟姉妹・子ども・友人・恋人・配偶者・同僚・後輩」など、身近にいる「ネガティブな人」を懸命に和ませようとします。

ですが、ピエロタイプが懸命に和ませても、さまざまな理由で「相手の気持ちが思い通りに和まない」場合があります。

そうすると、ピエロタイプは相手の気持ちを和ますことができない原因は「自分」にあると思い込み、「相手を和ますことができない自分が悪い!」「相手を和ますことができない自分には価値がない!」など自分を激しく責めてしまい、激しい「自己否定」に陥ってしまうという特徴があります。

自己否定とは自分が自分のことを「嫌だ」と感じたり、自由に行動したり楽しんだりすることを自分自身で否定してしまうことを指します。多くの場合、自己否定の感情は低い自尊心やトラウマ、罪悪感などに起因します。

引用元:自己否定とどうやって向き合う?HSPも原因のひとつ?改善に導く対策や習慣も

そして、ピエロタイプは「相手の気持ちを和ますことができないのは自分の努力が足りないからだ!」「相手の気持ちを和ますためにはもっとおどけなければならない!」と考えるようになり、相手の気持ちを和ますことができるまで「おどけ役」と「自己否定」を繰り返すという特徴があります。

反対に言えば、ピエロタイプが「おどけ役」と「自己否定」を繰り返すことは、自らに「強い精神的ストレス」を掛け続けることにもなりますので、場合によっては「うつ病」など「精神疾患」に至ってしまう場合もあります。

以上のことから、「『おどけ役』と『自己否定』を繰り返す」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

④「ネガティブな感情」を笑顔で隠す

前述の通り、ピエロタイプは子どもの頃に親から受けた「条件付きの愛情」が原因で、「ネガティブな雰囲気を和ませる『おどけ役』として必要とされていなければ、自分の存在価値が無くなってしまう!」という「強い危機感」を常に感じています。

なお、「自分の存在価値が無くなってしまう!」という「強い危機感」を「見捨てられ不安」と言います。

また、「見捨てられ不安」とは「何としても見捨てられないようにするための強い不安」とも言えますし、「見捨てられること・孤独になることを何としても避けようとする強い警戒心」とも言えます。

ですので、人は「見捨てられ不安」を感じると「強い精神的ストレス」に襲われるため居てもたってもいられなくなり、「見捨てられ不安」を和らげるために、衝動的にさまざまな「防御行動」をとるという特徴があります。

【見捨てられ不安とは?】見捨てられること、自分から人が離れてしまうことに強い不安を感じます。見捨てられたくない相手は、恋愛相手、友人、親、職場の人間などで、人から嫌われたくないため、様々な防衛行動を起こします。

引用元:【見捨てられ不安克服】愛着障害、恋愛依存と見捨てられ不安の治し方。

このように、ピエロタイプは「見捨てられ不安」を和らげるための「防御行動」として、「ムードメーカー(おどけ役)を担うようになる(ネガティブな雰囲気を懸命に和らげるようになる)」と考えられています。

そこで、ピエロタイプ自身が「ネガティブな雰囲気」を出してしまっては、「自分の存在価値」を自らの手で打ち消してしまうことになってしまい、「見捨てられ不安」を自らの手で強めてしまうことになってしまいます。

ですので、ピエロタイプは「見捨てられ不安」を和らげるための「もうひとつの防御行動」として、「自分のネガティブ感情を笑顔でひた隠す」ようになり、「自分のネガティブ感情を笑顔でひた隠す」ことで「自分の存在価値を守ろうとする」と考えられています。

なお、「ピエロタイプが自分の存在価値守るためにとる防御行動」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • つらいときに「つらい」と言えず、周りには「大丈夫です」と即答する
  • 周りから「大丈夫?」と心配されることが苦手なため、周りから「大丈夫?」と心配されないよう笑顔を絶やさない
  • 内面の「つらい気持ち」を刺激されないよう、「騒がしい人」とは距離をとる
  • 内面の「つらい気持ち」を刺激されないよう、「つらそうな人」とは距離をとる

このように、ピエロタイプは表面的には笑顔で陽気に見える反面、内面には「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」などの「ネガティブ感情」を抑圧し続けており、内心はいつもビクビクと怯えているという心理的な特徴があります。

以上のことから、「ネガティブ感情を笑顔で隠す」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

⑤他者の顔色を異常に気にする

ピエロタイプは、子どもの頃から「家族の雰囲気」に気を配って「揉めごとは起きていないか?」を常に気に掛けたり、「親の顔色」をうかがって「機嫌が悪くないか?」を常に気に掛けながら大人へと成長していきます。

このように、ピエロタイプは「機能不全家族」において「ネガティブな雰囲気の家族」や「機嫌の悪い親」を笑わせて和やかにするという「役割」を担ってきたため、大人になってからも「ネガティブな雰囲気の人」や「機嫌の悪い人」を笑わせ和やかにして初めて「自分の存在価値」を感じられるようになります。

なお、ピエロタイプのように、「相手に必要とされることで自分の存在価値を感じる」あるいは「相手に必要とされていないと自分の存在価値を感じられない」という心理状態を「共依存」と言います。

共依存とは特定の相手との関係に依存しすぎる状態のこと。恋愛関係、友人関係、親子関係など人間関係全般に現れます。相手との関係性において自分の価値を見出すことになるため、自分自身を見失ってしまったり、危険な状況を招いたりすることも。

引用元:共依存とは?共依存に陥りやすい人の特徴をチェック!

反対に言えば、ピエロタイプは「他者を和ませている」ときには「精神的な安定」を感じるが、「他者を和ませることができていない」ときには「精神的に不安定」になると言い換えることができます。

このように、ピエロタイプにとって「ネガティブな人を和ませられるか?和ませられないか?」は、自らの「存在価値」に関わる重要なことであるため、ピエロタイプは「他者の顔色を異常に気にする」ようになると考えられています。

以上のことから、「他者の顔色を異常に気にする」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

⑥自分の人生を楽しめない

このように、ピエロタイプは「ネガティブな感情を笑顔で隠す」という心理的な特徴があります。

顔で笑って心で泣く」という言葉の通り、ピエロタイプは「ニコニコ」と笑ってることが多いものの、内面には「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」などの「ネガティブ感情」を押し隠していることが多いのです。

ですので、ピエロタイプが振りまく「笑顔」とは、「本心から湧き出る自然な笑顔」ではなく、あくまで「誰かを笑わせるための作り笑顔」と言えます。

また、ピエロタイプは「嫌われることを極端に恐れる」という点も特徴的であり、人間関係において「心配しすぎる・考えすぎる」という点も特徴的です。

なお、「ピエロタイプが人間関係において心配しすぎる・考えすぎる点」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 仕事・勉強・スポーツなど「自分の成果」を人前で褒められたり評価されると、「誰かに嫉妬されて嫌われてしまうのではないか?」と異常に不安になる
  • 職場・学校・部活・食事会・飲み会など「人の集まり」が終わって一人になると、「あのとき、あの人はなぜ?あんな顔をしたのだろうか?」「あのとき、あの人にもっとこういう言い方をしておけばよかったのではないか?」「もしかして、あの人の機嫌を損ねてしまったのではないか?」など異常に不安になる
  • 誰かに何らかの「頼みごと」や「お願いごと」をしようとすると、「こんなこと頼んだら怒られるんじゃないか?」「こんなことお願いしたら迷惑がられるんじゃないか?」など異常に不安になる

また、「ピエロタイプが人間関係において心配しすぎる症状を「気にしすぎ症候群」と呼ぶ場合があります。

気にしすぎ症候群…(中略)…「既読スルー」にやきもき、「あの人のあの一言」で一晩眠れず・・・。他人からすれば「気にしすぎだって!」で済むことに、立ち止まって苦しんでしまう人が激増している。
まじめで完璧主義、人のことを考える優しい人が陥りやすいという「気にしすぎ」な心理状態。

引用元:気にしすぎ症候群

過剰に気にしすぎる、考えすぎる性格は、主に3つの原因で形成されます。生まれつきの特性であるHSPのケース、親の過保護・過干渉が原因、そして学校や社会で『たくさん考え気にし続けることで自分を守らなければならない』というきっかけや心の傷が原因です。引用元:【気にしすぎ症候群の治し方】

ちなみに、上記のように「気にしすぎ症候群」の原因が「HSPの症状」であると考えた場合、「HSP」は「生まれつきの気質」となり、「生まれつきの気質」である以上、「気にしすぎ症候群の改善は難しい」と考えられがちです。

HSPとは、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の頭文字をとって「HSP(エイチ・エス・ピー」と呼ばれています。これは、生まれつき「非常に繊細な人」「非常に感受性が強く、敏感な気質をもった人」という意味であり、疾患として診断されるものではありません。引用元:HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)

ですが、もし「気にしすぎ症候群」の原因が「HSPの症状」ではなく「親の子育ての影響(機能不全家族で育った影響・アダルトチルドレンの症状)」であると考えた場合、「親の子育ての影響」は「生まれた後に身に付けた習慣(思考癖)」となり、「生まれた後に身に付けた習慣(思考癖)」である以上、「アダルトチルドレンの回復過程」に取り組むことで「気にしすぎ症候群の改善」は可能であると考えることができます。

当社のカウンセリングにおいても、「自分はHSPです」と主張するクライアントさまが「アダルトチルドレンの回復過程」に取り組んだことにより「気にしすぎ症候群」が改善されたという「実績」が多くあるのも事実です。

いすれにしても、「ピエロタイプは人間関係において「心配しすぎる・考えすぎる」という特徴があるため、「顔」は笑っていても「心」は全く楽しめていないという心理状態になりやすいと言えます。

以上のことから、「自分の人生を楽しめない」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

⑦自己肯定感が低く、自信がない

ピエロタイプは、子どもの頃から「両親・家族の感情を害さないことばかりを優先」しなければならなかったため、そのぶん「自分の感情を大切にされない」あるいは「自分の感情を大切にしない」まま大人へと成長していきます。

ですので、「偽りの笑顔」で「家族のおどけ役」を演じ続けてきたピエロタイプとは、「ありのままの自分を認めてもらえない」あるいは「ありのままの自分を認めることができない」まま大人へと成長した人と言い換えることができます。

反対に、「ありのままの自分を認めてもらえることで感じる安心」や「ありのままの自分を認めることで感じる安心」を「自己肯定感」と言います。

「自己肯定感」とは、誰かと比較することなく、ありのままの自分を受け入れることです。自分をもっと好きになる!「自己肯定感」を育んで人生の質を高めよう

また、「自己肯定感が高い人」ほど自分に自信を持つことができ、「自己肯定感の低い人」ほど自分に自信を持つことができないと考えられています。

自己肯定感が高いと自分に自信を持つことができ、さまざまな面で積極性が高まる点がメリットです。…(中略)…自己肯定感が低い人は失敗すると自分を責める傾向があり、なかなか自信を持てません。自分の意見をはっきりと言えず、周囲から「あの人は主体性に欠ける」と思われてしまう場合もあります。

引用元:自己肯定感の高い人は転職に有利?身につけたい行動や習慣を解説

以上のことから、「ありのままの自分を認めてもらえない」あるいは「ありのままの自分を認めることができない」まま大人へと成長したピエロタイプとは、「自己肯定感の低く、自信がない人」と言い換えることができます。

なお、「ピエロタイプが感じる、自己肯定感の低さ・自信のなさ」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 自分なんていない方がいい、自分には価値がないと感じる
  • 自分は存在していいのだろうか?という不安を感じる
  • 自分は此処に居ていいのだろうか?という不安を感じる
  • 自分は最低だ・嘘つきだ・偽善者だ・卑怯者だと感じる
  • 消えたい・居なくなりたいと感じる

このように、ピエロタイプは「ありのままの自分を認めることができない」、とくに「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」などの「ネガティブな自分を認めることができない!」という傾向が強いため、周囲からは「いつも笑顔で、自己肯定感が高く、自信がある」と見られがちですが、実際は「いつも怯えて、自己肯定感が低く、自信がない」という心理状態にあります。

以上のことから、「自己肯定感が低く、自信がない」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

⑧誰にも理解されないという気持ちが強い

ピエロタイプは、子どもの頃から「笑顔という仮面」で「自分の本心(ネガティブ感情)」を隠しながら大人へと成長していくため、「親・家族」にさえも「自分の本心(ネガティブ感情)」に気づいてもらえず、自らが抱える「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」などの「ネガティブ感情」を誰にも理解してもらえないまま大人へと成長していきます。

ですので、ピエロタイプは大人になってからも、「周囲の人たちに見せる姿」と「内面の本心(ネガティブ感情)」に「大きな矛盾」を抱え続けることになります。

反対に言えば、ピエロタイプは人間関係において「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」などの「ネガティブ感情」を感じることがあっても、「今まで誰にも気づいてもらえなかったのだから、これからも誰にも理解されない」という気持ちを強く感じやすいため、誰かに話してストレスを発散しようとはせず、ストレスを限界まで溜め込んでしまう場合が多いです。

なお、「誰にも理解されないという気持ち」を「孤独感」と言います。

孤独感とは、「自分は孤独だ」という思いのこと。共感する相手や頼れる人がおらず、心もとなさや寂しさを表す言葉です。

引用元:疎外感とは? 感じやすい人の特徴と心理・克服方法を解説

また、ピエロタイプは人生のほとんどを「ムードメーカー(おどけ役)」を演じることで過ごしてきたため、長年、内面に抑圧し続けてきた「自分の感情(ネガティブ感情)」が、まるで「自分の感情ではない」ように感じられるという特徴があります。

なお、「自分の感情がわからないという感覚」を「離人感」と言います。

離人感は、「自分自身の感覚」が自分から離れてしまっているような感覚。「考え」自分の考えが自分でないような感じであったり、「感情」自分の感情がないように感じられます。

引用元:離人症

このように、ピエロタイプは子どもの頃から「笑顔という仮面」で「自分の本心(ネガティブ感情)」を抑圧し続けなければならなかったことが原因で、大人になって「誰にも理解されないという気持ち(孤独感)」や「自分の感情がわからないという感覚(離人感)」が強くなると考えられています。

以上のことから、「誰にも理解されないという気持ちが強い」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の「人間関係の特徴」

アダルトチルドレン_ピエロタイプが人間関係で直面する問題の特徴を表しているイラスト

ピエロタイプは、子どもの頃から「家族のネガティブな雰囲気を和ませる」という「役割」をこなしてきたため、大人になってからも、人間関係において「積極的にネガティブな雰囲気を和ませる」という点が最大の特徴です。

反対に言えば、ピエロタイプは「周囲に笑顔を振りまいて雰囲気を和ませるぶんだけ、自らのネガティブ感情のケアが後回しになりやすく、ストレスを溜め込みやすい」と言えますし、「周囲に笑顔を振りまいて雰囲気を和ませるぶんだけ、周囲に感謝・信頼されやすい」とも言えます。

なお、「ピエロタイプの人間関係の特徴」は、主に以下の「8つ」があげられます。

POINT

  1. 友達は多いが心を許せる友人がいない
  2. 人間関係に疲れやすい
  3. 理不尽な仕打ちを受けても笑ってやり過ごす
  4. 他者の感情に振り回されやすい
  5. 仕事においては「笑顔」が大きなプラスになる
  6. 重い責任を負うことを極端に避ける
  7. 突然、心のバランスが崩れる
  8. 突然、無断欠勤・音信不通・行方不明になる

続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

 

「アダルトチルドレンタイプ」それぞれの「心理的な特徴」

アダルトチルドレンタイプを表すイラスト

アダルトチルドレンが、子どもの頃に身に付けた「機能不全家族での役割」を、アメリカの心理療法家「ウェイン・クリッツバーグ」は「アダルトチルドレンタイプ」としてまとめました。

そして、「ピエロタイプ(おどけ役)」とは、「ウェイン・クリッツバーグ」がまとめた「アダルトチルドレンタイプ(機能不全家族での役割)」のひとつにあたります。

なお、「ピエロタイプ(おどけ役)」以外の「アダルトチルドレンタイプ」それぞれの「心理的な特徴」については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

まとめ

さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。

アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の心理的な特徴」としては、以下の点があげられます。

  • POINT「幼少期トラウマの影響」により、ネガティブな雰囲気を極端に恐れる
  • 「PTSDの回避行動の影響」により、ネガティブな雰囲気を笑顔で和ませる
  • 「相手の気持ちを和ます」ことができるまで、「おどけ役」と「自己否定」を繰り返す
  • 「見捨てられ不安の防御行動の影響」により、ネガティブな感情を笑顔で隠す
  • 「自分の存在価値を感じようとする」あまり、他者の顔色を異常に気にする
  • 「人間関係において心配しすぎる・考えすぎる」あまり、自分の人生を楽しめない
  • 「ありのままの自分を認めてもらえなかった影響」により、自己肯定感が低く、自信がない
  • 「自分の本心(ネガティブ感情)を抑圧し続けてきた影響」により、「孤独感」や「離人感」が強い

また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。

是非、あわせてお読みください。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「アダルトチルドレン(AC)ピエロ(おどけ役)の『心理的な特徴』」という記事でした。

この記事を書いた人
寺井 啓二

「うつ、アダルトチルドレンの克服経験」を持つ「心理カウンセラー・心理セラピスト」。
自らの克服経験を世の中のために役立てたいと考え、2013年に「メンタル心理そらくも」を設立、代表を務める。
10年以上のカウンセリング臨床実績があり、「アダルトチルドレン、インナーチャイルド、うつ病、パニック障害、人間関係の生きづらさ、親子関係の悩み(毒親)、子育ての悩み、恋愛・結婚の悩み、中学生・高校生の悩み」などの相談を得意としている。

◆カウンセリング実績
・臨床実績:過去2000回以上
・男女比:男性40%、女性60%
・年齢層:中学生から60歳代
・来訪元:静岡県内、愛知など東海圏
     東京、神奈川など首都圏
     大阪、兵庫など関西圏
     海外在住の方

◆保有資格
・上級心理カウンセラー
・メンタル心理カウンセラー
・うつ病アドバイザー
・チャイルドカウンセラー
・家族療法カウンセラー
・セルフ・アクセプタンスカウンセラー
・EFT-Japan Level 1
・EFT-Japan プラクティショナー

“代表:寺井啓二の詳しいプロフィール”

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