アダルトチルドレン(AC)プラケーター(慰め役)の「心理的な特徴」

2019年10月11日アダルトチルドレンアダルトチルドレンの特徴,アダルトチルドレンタイプ,プラケーター(慰め役),生きづらさ

アダルトチルドレン_プラケータータイプの心理的な特徴を表すイラスト

POINTプラケータータイプ(慰め役)の心理的な特徴は、「相手の気持ち」に寄り添う「共感力」が高く「優しい性格」である反面、相手に「同情」しやすいという点が最大の特徴です。

心理カウンセラーの寺井です。

アダルトチルドレン」の「プラケータータイプ」とは、「慰める人」「なだめ役」を意味する言葉であり、プラケーターは「慰め役」とも呼ばれ、「機能不全家族」のなかで「暗い表情の家族」の存在にいち早く気づき、家族の気持ちに寄り添い、家族を慰める優しい子どもを指します。

ですので、プラケーターは大人になって、「他者のネガティブ感情(寂しさ・悲しさ・不安・怒り・落ち込みなど)に非常に敏感」という心理的な特徴をもつようになると考えられています。

ちなみに、この記事は「アダルトチルドレン:プラケーター(慰め役)の『心理的特徴』」についての解説です。

なお、「アダルトチルドレン:プラケーター(慰め役)の『恋愛傾向』」については、以下の記事で詳しく解説しています。

それでは、アダルトチルドレン:プラケーター(慰め役)の「心理的な特徴」について解説していきます。

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アダルトチルドレン:プラケーター(慰め役)の「心理的な特徴」

アダルトチルドレン_プラケータータイプの心理的な特徴は家族を慰めることであることを表すイラスト

プラケーターは、子どもの頃から「家族の表情」に常に気を配ってきたため、大人になっても「他者の気持ちを察する能力が非常に高い」という点が最大の特徴です。

反対に言えば、プラケーターは「他者の感情の影響を受けやすいぶんだけ、他者の感情に振り回されやすい」と言えますし、「他者の感情に振り回されやすいぶんだけ、自分のことが後回しになりやすい」とも言えます。

なお、「プラケーターの心理的な特徴」は、主に以下の「5つ」があげられます。

POINT

  1. 共感力が高い
  2. 問題行動を起こさない
  3. 問題の根本解決が図れない
  4. 同情を感じやすい
  5. ストレスを溜め込みやすい

それでは、以下に詳しく解説していきます。

 

①共感力が高い

プラケーターは「小さなカウンセラー」と呼ばれるように、子どもの頃から「家族の表情」に常に気を配り、家族が「暗い表情」を見せるといち早く気づいてケアをしてきた経験から、大人になっても「相手の気持ちを察する能力が高い」という特徴があります。

なお、「プラケーターの心理的な特徴」である「相手の気持ち」を察する能力を「共感力」と言います。

共感力とは、他人の考えや意見を察したり、喜怒哀楽などの感情に寄り添ったりするスキルをさします。

引用元:共感力とは?共感力を身に付けるメリットや高めるための方法を解説

このように、プラケーターは「機能不全家族で育った影響」により、相手の感情、とくに、相手の「ネガティブ感情(寂しさ・悲しさ・不安・怒り・落ち込みなど)」に非常に敏感にであり、相手の「ネガティブ感情」に気づくと居てもたってもいられなくなり、ついつい相手の心のケアをしたくなる(相手に寄り添い慰めたくなる)という特徴があります。

反対に言えば、プラケーターは、親子・家族・友達・恋愛・夫婦・仕事など、人間関係において「他者の感情の影響を受けやすく、他者の感情に振り回されやすい」と言い換えることができます。

以上のことから、「共感力が高い」という点は、「アダルトチルドレン:プラケーター(慰め役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

②問題行動を起こさない

アダルトチルドレンは「機能不全家族で育った影響」から、人間関係において、さまざまな「問題行動」を起こしてしまう場合があります。

例えば、プラケーターに似たと特徴を持つ「ケアテイカー(世話役)」は、相手の気持ちを無視してお世話をし過ぎてしまう「過干渉」という問題行動を起こしがちであり、「イネイブラー(支え役)」は、相手の問題行動を止めるどころか、相手の問題行動を助長してしまう「イネイブリング」という問題行動を起こしがちです。

ですが、プラケーターが「機能不全家族で担ってきた役割」は、「喧嘩・言い争い・もめごと」など「家族間での不和な雰囲気」を仲裁して和ませることにあります。

ですので、プラケーターは「機能不全家族で担ってきた役割」の影響により、大人になっても、人間関係において「喧嘩・言い争い・もめごと」などの「問題行動」をほとんど起こさないという特徴があります。

反対に言えば、プラケーターは、周囲の仲裁や他者の気持ちに寄り添うなど、周囲のことばかりを優先しがちであるため、自分のことが後回しになりやすいという特徴があります。

以上のことから、人間関係において「問題行動を起こさない」という点は、「アダルトチルドレン:プラケーター(慰め役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

なお、「プラケーター・ケアテイカー・イネイブラーの違い」については、以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

③問題の根本解決が図れない

プラケーターは「機能不全家族で育った影響」により、「家族の不安や恐怖に寄り添う・家族の愚痴を聞き慰める」ことに「責任感」や「使命感」を感じやすいという特徴があります。

反対に言えば、プラケーターは「誰かをなだめる・誰かを慰める」ことができて、初めて「自分の存在価値」を感じることができる人であり、誰かをなだめたり慰めたりできないと「自分の存在価値」を感じることができない人と言い換えることができます。

よって、人間関係で「怒っている人」がいた場合、例え「怒っている人」のほうに「問題の原因」があったとしても、プラケーターは「怒っている人」を懸命になだめようとする特徴があります。

同じように、人間関係で「嘆いている人」がいた場合、例え「嘆いている人」のほうに「問題の原因」があったとしても、プラケーターは「嘆いている人」を懸命に慰めようとする特徴があります。

このように、プラケーターは人間関係の問題に対して「根本的な原因」に気づけず、他者の「怒り」をなだめたり、他者の「不安」を慰めるなど、「表面的な対応」に囚われてしまうという特徴があります。

以上のことから、人間関係において「問題の根本解決が図れない」という点は、「アダルトチルドレン:プラケーター(慰め役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

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④同情を感じやすい

プラケーターは「機能不全家族で育った影響」により、大人になっても「落ち込んでいる人・困っている人」など「慰めの必要な人」を放っておけないという特徴があります。

反対に言えば、プラケーターは「落ち込んでいる人・困っている人」に対して「かわいそう…かわいそう…」という「同情」を感じやすいと言い換えることができます。

「同情」とは、相手の悩みを自分のことのように親身に思いやる気持ちですので、決して「問題」ではないのですが、プラケーターは持ち前の「共感力の高さ」ゆえに「同情」を感じやすく、結果的に「他人の心配」ばかりを感じ続けることになりやすいと言えます。

また、プラケーターは「同情」を感じやすいがゆえに、「本当に落ち込んでいる人」や「本当に困っている人」に対してだけではなく、「落ち込んでいるふりをしている人」や「困っているふりをしている人」にまで「同情」してしまうという特徴があります。

なお、「落ち込んでいるふり」や「困っているふり」をすることで「同情」を引こうとすることを「自己憐憫(じこれんびん)」と言います。

自己憐憫とは、自分を哀れみかわいそうだと思い込むこと。自己憐憫に陥る人は被害者意識が強く、他人の同情を期待する傾向があるため、周囲には困った存在と見なされる場合があります。

引用元:「自己憐憫」ってどういう意味?陥る人の心理や対処法を解説【専門家監修】

このように、プラケーターは「同情」を感じやすいことにより、相手の「自己憐憫」を見抜けないまま、相手に寄り添ったり慰めたりしてしまうため、「相手に都合よく利用されてしまう場合がある」という特徴があります。

以上のことから、「同情を感じやすい」という点は、「アダルトチルドレン:プラケーター(慰め役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

⑤ストレスを溜め込みやすい

プラケーターは「機能不全家族で育った影響」により、自分のことより周囲のことに関心を向けがちであり、そのぶん「自我が弱い」あるいは「自己主張が苦手」であるため、「ストレスを発散することが苦手」という特徴があります。

また、プラケーターは「喧嘩・言い争い・もめごと」などの緊張状態が苦手であることから、「怒っている相手に強く言われると何も言い返せない」という特徴があります。

そうすると、プラケーターは「相手が怒っているのは自分が悪い」「相手を怒らせた自分が悪い」「相手をなだめきれない自分が悪い」など、相手の怒りをなだめきれないことへの責任を感じて「自己否定」を繰り返すという特徴があります。

ですので、プラケーターが「パワハラ」や「モラハラ」に巻き込まれた場合、怒られれば怒られるほど「自己否定」をしてしまい、「ストレス」をため込んでしまい、「うつ病」など「精神疾患」に至ってしまう場合があります。

以上のことから、「ストレスを溜め込みやすい」という点は、「アダルトチルドレン:プラケーター(慰め役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

アダルトチルドレン:プラケーター(慰め役)の「人間関係の特徴」

アダルトチルドレン_プラケータータイプの人間関係で直面する問題の特徴を表しているイラスト

プラケーターは、子どもの頃から「家族をなだめ慰める」という「役割」をこなしてきたため、大人になっても「相手に献身的に寄り添う」という点が最大の特徴です。

反対に言えば、プラケーターは「相手に献身的に寄り添うぶんだけ、自分のことが後回しになりやすい」あるいは「相手に献身的に寄り添うぶんだけ、相手に利用されやすい」と言えますし、「相手に献身的に寄り添うぶんだけ、相手に感謝・信頼されやすい」とも言えます。

なお、「プラケーターの人間関係の特徴」は、主に以下の「5つ」があげられます。

POINT

  1. 共依存になりやすい
  2. 自分の人生を楽しめない
  3. 職場での人間関係が希薄になる
  4. 仕事においても献身的に寄り添う
  5. 親子役割逆転になりやすい

続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

 

「アダルトチルドレンタイプ」それぞれの「心理的な特徴」

アダルトチルドレンタイプを表すイラスト

アダルトチルドレンが、子どもの頃に身に付けた「機能不全家族での役割」を、アメリカの心理療法家「ウェイン・クリッツバーグ」は「アダルトチルドレンタイプ」としてまとめました。

そして、「プラケーター(慰め役)」とは、「ウェイン・クリッツバーグ」がまとめた「アダルトチルドレンタイプ(機能不全家族での役割)」のひとつにあたります。

なお、「プラケーター(慰め役)」以外の「アダルトチルドレンタイプ」それぞれの「心理的な特徴」については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

まとめ

さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。

アダルトチルドレン:プラケーター(慰め役)の心理的な特徴」としては、以下の点があげられます。

  • POINT「共感力が高い」あまり、周囲の感情に振り回されやすい
  • 「喧嘩・言い争い・もめごと」などの「問題行動」をほとんど起こさない反面、自分のことが後回しになりやすい
  • 「相手をなだめる・慰める」ことに尽力するあまり、問題の根本解決が図れない
  • 「同情・優しさ」を感じやすいあまり、相手に都合よく利用されてしまう場合がある
  • 「自分のことより相手を優先」するあまり、ストレスを溜め込みやすい

また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。

是非、あわせてお読みください。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「アダルトチルドレン(AC)プラケーター(慰め役)の『心理的な特徴』」という記事でした。

この記事を書いた人

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はじめまして「メンタル心理そらくも 代表:寺井啓二」です。うつ、アダルトチルドレンを克服した経験を持つ心理カウンセラーです。自らの克服経験を世の中に役立てたいと考えています。

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