アダルトチルドレン(AC)ケアテイカー(世話役)の「心理的な特徴」

アダルトチルドレン_ケアテイカータイプの心理的な特徴を表すイラスト

POINTケアテイカー(世話役)の心理的な特徴は、「相手の世話」を積極的に行う反面、「世話をしたことへの見返り(感謝・褒めの言葉)」を強く求めるという点が最大の特徴です。

心理カウンセラーの寺井です。

アダルトチルドレン」の「ケアテイカータイプ」は「世話役」とも呼ばれ、「機能不全家族」のなかで「親」に代わって「病気の家族」の看病をしたり、「炊事・洗濯」など家事をこなしたり、「幼い弟妹」の面倒をみたり、「介護が必要な祖父母」の世話をしたり、「父親代わり・母親代わり」となって家族の世話をする子どもを指します。

ですので、ケアテイカーは大人になって、「誰かの世話をできているときには安心を感じるが、誰の世話もできていないときには不安を感じる」という心理的な特徴を持つようになると考えられています。

ちなみに、この記事は「アダルトチルドレン:ケアテイカー(世話役)の『心理的な特徴』」についての解説です。

なお、「アダルトチルドレン:ケアテイカー(世話役)の『恋愛傾向』」については、以下の記事で詳しく解説しています。

それでは、アダルトチルドレン:ケアテイカー(世話役)の「心理的な特徴」について解説していきます。

アダルトチルドレン:ケアテイカー(世話役)の「心理的な特徴」

アダルトチルドレン_ケアテイカータイプの心理的な特徴は家族の世話を焼くことであることを表すイラスト

ケアテイカーは、子どもの頃から「家族の世話」をしてきたため、大人になっても「他者の世話を積極的に行う」という点が最大の特徴です。

また、ケアテイカーは「認められたい・褒められたいという欲求(承認欲求)が強い」という心理的な特徴があるため、相手から「世話をしたことへの見返り(感謝・褒めの言葉)」を得られれば「承認欲求」が満たされ落ち着いていますが、相手から「見返り(感謝・褒めの言葉)」が得られないと「態度が豹変して急に怒りだす」という特徴があります。

なお、「ケアテイカーの心理的な特徴」は、主に以下の「8つ」があげられます。

POINT

  1. 他人の世話をしたがる
  2. 「素直な人」や「無邪気な子ども」に腹が立つ
  3. 先回りしてお世話をする
  4. 「世話焼き」と「自己否定」を繰り返す
  5. 「見返り(感謝・褒め)」がないと急に怒りだす
  6. 相手を「支配・束縛・コントロール」する
  7. 自分の問題から目を反らす
  8. 承認欲求が強い

それでは、以下に詳しく解説していきます。

 

①他人の世話をしたがる

ケアテイカーは「機能不全家族で育った影響」により、まるで「看護師・家政婦・保育士・介護士」のような「役割」を担いながら大人へと成長していきます。

ですので、ケアテイカーは「リトルナース」とも呼ばれ、子どもの頃から「病気の家族」の看病をする、「炊事・洗濯」など家事をこなす、「幼い弟妹」の面倒を見る、「介護が必要な祖父母」の世話をするなど、「自分を犠牲にして家族の世話をする」ことが当然となってしまっており、子どもの頃から「親が担うべき役割を当然のように担い続けてきた人」と言い換えることができます。

なお、ケアテイカーのように、本来であれば「親」が担うべき「看病・家事・育児・介護」などを、「親」に代わって日常的に担っていた子どもを「ヤングケアラー」と言います。

「ヤングケアラー」とは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこどものこと。責任や負担の重さにより、学業や友人関係などに影響が出てしまうことがあります。

引用元:ヤングケアラーについて

このように、ケアテイカーは子どもの頃から親の担うべき役割を担い続けてきた結果、大人になって「親のような役割を果たしている自分」には「存在価値」を感じるが、「親のような役割を果たしていない自分」には「存在価値」を感じられなくなると考えられており、ケアテイカーは「自分の存在価値」を感じたいがために、人間関係において「他人の世話をしたがる」と考えられています。

なお、ケアテイカーのように、「相手に必要とされることで自分の存在価値を感じる」あるいは「相手に必要とされていないと自分の存在価値を感じられない」という心理状態を「共依存」と言います。

共依存とは特定の相手との関係に依存しすぎる状態のこと。恋愛関係、友人関係、親子関係など人間関係全般に現れます。相手との関係性において自分の価値を見出すことになるため、自分自身を見失ってしまったり、危険な状況を招いたりすることも。

引用元:共依存とは?共依存に陥りやすい人の特徴をチェック!

反対に言えば、ケアテイカーは「他人の世話をしている」ときには「精神的な安定」を感じるが、「他人の世話をできていない」ときには「精神的に不安定」になると言い換えることができます。

このように、ケアテイカーにとって「誰かの世話をできるか?できないか?」は、自らの「存在価値」に関わる重要なことであるため、ケアテイカーは「誰かの世話をできるチャンス」を敏感に察知して積極的に取りに行くという心理的な特徴があります。

なお、「ケアテイカーが周囲の人から言われる評価・印象」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 面倒見がいい人
  • 気が利く人
  • 察しがいい人
  • かゆいところに手が届く人
  • みんなが嫌がることを引き受けてくれる人

このように、ケアテイカーは「精神的な安定」を得るために、「ケア(Care:お世話)」を「テイク(Take:とる)」する、すなわち、積極的に「他人の世話をしたがる」という特徴があります。

以上のことから、「他人の世話をしたがる」という点は、「アダルトチルドレン:ケアテイカー(世話役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

②「素直な人」や「無邪気な子ども」に腹が立つ

反対に言えば、ケアテイカーは「親に甘える・親に助けを求める」など、「子どもらしく過ごした経験」が圧倒的に不足しているため、大人になって「自己犠牲」をすることに対して「苦痛」を感じにくくなり、むしろ「自己犠牲」をすることに対して「自分の存在価値」を感じやすくなるという特徴があります。

また、ケアテイカーは子どもの頃から自ら進んで家族の世話を焼いてきたため、家族にとっては「世話を焼いてもらえること」が当たり前になってしまう場合が多く、そのぶん、ケアテイカーは「ありがとう…」「助かったわ…」など「世話をしたことへの見返り」を家族からもらえず、心の奥底に「大きな不満」を抱えたまま大人へと成長している場合が多いという傾向があります。

反対に言えば、ケアテイカーにとって「自由・素直・無邪気」とは、人生で一度も経験したことがない「感覚」と言えます。

ですので、ケアテイカーにとって「自由で素直な性格の人」や「自由で無邪気な子ども」とは、子どもの頃に経験できなかった「自分の姿」であり、「機能不全家族」で生まれ育っていなければ、無条件で経験できていたはずの「自分の姿」とも言えます。

よって、「自由で素直な性格の人」や「自由で無邪気な子ども」と関わることは、ケアテイカーにとって「自分がしたくてもできなかったことをしている人」と関わることになるため、ケアテイカーは「受け入れがたい複雑な感情」を感じる場合があります。

なお、「複雑な感情」を受け入れられないがために、相手に八つ当たりすることを「防衛機制:置き換え」と言います。

防衛機制【置き換え】:自分の感情が本来のものに対して持っているものとは逆のものに置き換えてストレスを解消する…(中略)…全く無関係な人やモノに攻撃を加える。いじめ、やつあたり、または、皮肉、嫉妬

引用元:防衛機制|防衛反応|適応機制

ですので、ケアテイカーは大人になってから、「自由で素直な性格の人」に対して「嫉妬」や「警戒」を感じやすくなったり、親になったとき、「自由で無邪気な子ども」に対して「嫌悪感」や「怒り」を感じやすくなるという特徴があります。

以上のことから、「『自由で素直な人』や『自由で無邪気な子ども』に腹が立つ」という点は、「アダルトチルドレン:ケアテイカー(世話役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

③先回りしてお世話をする

前述の通り「共依存」に陥りやすいケアテイカーは、相手の役に立ちたいという気持ちが強いため、「あなたのためを思って…」と先回りしてお世話をし過ぎてしまうという特徴があります。

なお、「ケアテイカーが行う先回り行動」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 相手が何か用事を済ませようとすると、相手より先に動いて用事を済ませてしまう
  • 相手が何かを話そうとすると、相手の話を遮って代わりに話を進めてしまう

ケアテイカーが行う「先回り行動」は、「上司」や「年長者」には「気が利く人」として喜ばれる場合がありますが、「友人」や「子ども」には「余計なお世話」として喜ばれない場合があります。

このように、ケアテイカーが行う「先回り行動」は、「お世話されたいと感じている人」と「お世話されたくないと感じている人」とで「評価・印象」がわかれるという傾向があります。

なお、「お世話されたいと感じている人が感じる、ケアテイカーへの評価・印象」は、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 言わなくてもわかってくれる人
  • 雰囲気で察してくれる人
  • 気遣ってくれる人

一方、「お世話されたくないと感じている人が感じる、ケアテイカーへの評価・印象」は、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • せっかちな人
  • おせっかいな人
  • ありがた迷惑な人

なお、相手の気持ちを考えずに、一方的に世話を焼きすぎてしまうことを「過干渉」と言います。

過干渉とは、漢字の通り、干渉が行き過ぎていることを指し、行動を制限したり無理矢理考えを決めたりすることを言います。

引用元:過干渉な親の特徴は?子どもへの悪影響と4つの対処法

このように、ケアテイカーは「機能不全家族で育った影響」により、大人になって「過干渉」になりやすいと考えられています。

反対に言えば、ケアテイカーとは、一見「積極的にお世話をする献身的な人」に映りますが、反面「相手の世話を焼きすぎるあまり、相手に不快な気持ちをさせてしまう人」と言い換えることができます。

以上のことから、「先回りしてお世話をする」という点は、「アダルトチルドレン:ケアテイカー(世話役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

④「世話焼き」と「自己否定」を繰り返す

ケアテイカーは、子どもの頃から「家族の世話をするという条件を満たすことで自分の存在価値を認めてもらえる」という「親子の関係性」のなかで育ってきたため、大人になっても、「誰かの世話をしている自分には価値があるが、誰の世話もしていない自分には価値がない」という「強い価値観」を身に付けていると考えられています。

なお、「家族の世話をすることで親に愛してもらえるという条件」を、子どもに思い込ませるような「親の愛情表現」を「条件付きの愛情」と言います。

条件付きの愛とは、すなわち「◯◯する子は愛してあげる」「◯◯できない子は愛してあげない」というコントロールです。

引用元:条件付きの愛。アダルトチルドレンがハマりやすいワナとは?

このように、ケアテイカーは「『誰かの世話役』として必要とされていなければ、自分の存在価値が無くなってしまう!」という「強い危機感」を常に感じているため、「親・兄弟姉妹・子ども・友人・恋人・配偶者・同僚・後輩」など「他者」を懸命に世話しようとします。

ですが、ケアテイカーが懸命に世話をしても、さまざまな理由で相手から思い通りの「見返り(感謝・褒めの言葉)」が得られない場合があります。

そうすると、ケアテイカーは相手から「見返り(感謝・褒めの言葉)」が得られない原因は「自分」にあると思い込み、「相手に認めてもらえない自分が悪い!」「相手に認めてもらえない自分には価値がない!」など自分を激しく責めてしまい、激しい「自己否定」に陥ってしまうという特徴があります。

自己否定とは自分が自分のことを「嫌だ」と感じたり、自由に行動したり楽しんだりすることを自分自身で否定してしまうことを指します。多くの場合、自己否定の感情は低い自尊心やトラウマ、罪悪感などに起因します。

引用元:自己否定とどうやって向き合う?HSPも原因のひとつ?改善に導く対策や習慣も

そして、ケアテイカーは「相手に認めてもらえないのは自分の努力が足りないからだ!」「相手に認めてもらうためにはもっと世話をしなければならない!」と考えるようになり、相手から「見返り(感謝・褒めの言葉)」が得られるまで「世話焼き」と「自己否定」を繰り返すという特徴があります。

反対に言えば、ケアテイカーが「世話焼き」と「自己否定」を繰り返すことは、自らに「強い精神的ストレス」を掛け続けることにもなりますので、場合によっては「うつ病」など「精神疾患」に至ってしまう場合もあります。

以上のことから、「『世話焼き』と『自己否定』を繰り返す」という点は、「アダルトチルドレン:ケアテイカー(世話役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

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⑤「見返り(感謝・褒め)」がないと急に怒りだす

前述の通り、ケアテイカーは子どもの頃に親から受けた「条件付きの愛情」が原因で、「『誰かの世話役』として必要とされていなければ、自分の存在価値が無くなってしまう!」という「強い危機感」を常に感じています。

なお、「自分の存在価値が無くなってしまう!」という「強い危機感」を「見捨てられ不安」と言います。

また、「見捨てられ不安」とは「何としても見捨てられないようにするための強い不安」とも言えますし、「見捨てられること・孤独になることを何としても避けようとする強い警戒心」とも言えます。

ですので、人は「見捨てられ不安」を感じると「強い精神的ストレス」に襲われるため居てもたってもいられなくなり、「見捨てられ不安」を和らげるために、衝動的にさまざまな「防御行動」をとるという特徴があります。

【見捨てられ不安とは?】見捨てられること、自分から人が離れてしまうことに強い不安を感じます。見捨てられたくない相手は、恋愛相手、友人、親、職場の人間などで、人から嫌われたくないため、様々な防衛行動を起こします。

引用元:【見捨てられ不安克服】愛着障害、恋愛依存と見捨てられ不安の治し方。

前述の通り、ケアテイカーは「見捨てれ不安」を和らげるために、相手から「見返り(感謝・褒めの言葉)」を得ようと懸命にお世話を続けますが、ケアテイカーが懸命に世話をしても、さまざまな理由で相手から思い通りの「見返り(感謝・褒めの言葉)」が得られない場合もあります。

そうすると、ケアテイカーは「見捨てられ不安」を刺激されたことになり、その影響で、相手から「見返り(感謝・褒めの言葉)」が得られない原因は「相手」にあると思い込み、「私がこれだけしてあげたのに、感謝を示さないあなたが悪い!」「私がこれだけしてあげたのに、なんで?認めてくれないの!?」など相手を激しく責めてしまい、「激しい怒り・激しいヒステリー(衝動的な「防御行動」)」に陥ってしまうという特徴があります。

なお、「ケアテイカーが陥る、激しい怒り・激しいヒステリー(衝動的な「防御行動」)」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 不眠不休でお世話をしているのに、「子ども」が泣き止まないことに怒りを爆発させる「父親・母親
  • 疲労困憊でお世話をしているのに、「園児・生徒」が言うことを聞かないことに怒りを爆発させる「保育士・教師
  • 多忙激務でお世話をしているのに、「患者・利用者」が言うことを聞かないことに怒りを爆発させる「看護師・介護士

ケアテイカーのように、家族を支える役割を担う「アダルトチルドレンタイプ」として「イネイブラー(支え役)」と「プラケーター(慰め役)」がありますが、「イネイブラー(支え役)」と「プラケーター(慰め役)」は「見返りを求めない」のに対して、「ケアテイカー(世話役)」は「感謝されたい・褒められたい」など「見返りを求める」という特徴があり、積極的にお世話をしてあげたのにも関わらず、相手から「見返り(感謝・褒めの言葉)」が得られないと「態度が豹変して急に怒りだす」という特徴があります。

以上のことから、「『見返り(感謝・褒め)』がないと急に怒りだす」という点は、「アダルトチルドレン:ケアテイカー(世話役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

⑥相手を「支配・束縛・コントロール」する

ケアテイカーは、物心ついたときから「家族」を当然のように世話してきたため、誰かの世話をしている状態が「通常」で、誰の世話もしていない状態が「異常」という心理状態にあります。

ですので、ケアテイカーは誰かの世話をできているときには「安心」を感じるのですが、誰の世話もできていないときには「不安」を感じるという特徴があります。

反対に言えば、ケアテイカーが「安心」を感じて生きていくためには「世話をする相手の存在」が必要不可欠であるといえます。

そのため、ケアテイカーは「お世話が必要な人(精神的・経済的に依存傾向な人)」には興味を感じるが、「お世話が必要ない人(精神的・経済的に自立したしっかりと人)」には興味を感じないという特徴があり、「相手にしっかりとした人」になってもらいたいから「相手のお世話をする」のではなく、「自分存在価値」を感じるために「相手のお世話をする」と言えます。

ですので、自らが懸命にお世話をしてきた相手が自分の元から「自立」して離れていこうとすると、ケアテイカーは「否定的な発言」を繰り返すことで「相手の自立を阻止する」という特徴があります。

なお、「相手の自立を阻止するために、ケアテイカーが繰り返す否定的な発言」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • ○○してはダメ!○○は許しません!
  • 何をやっても、あなたは本当にダメね
  • 私がいないと、あなたは何もできないのね
  • そんなこと、あなたにできるわけがない
  • どこに行っても、あなたは通用しないに決まっている
  • 何をやっても、あなたは失敗するに決まっている

このような「否定的な発言」は、ケアテイカーである「母親」が「子ども」に対して行う場合が多いと考えられています。

また、ケアテイカーのように、相手に対して「精神的優位」に立とうとする行動を「マウンティング」と言います。

マウンティングとは?動物が上下関係を示すための行動で、「相手に自分のほうが上だと示す」という行為のことです。

引用元:マウンティング女子の3つの特徴とそれぞれの対処法、あなたは大丈夫?

そして、ケアテイカーが「マウンティング」を繰り返す理由は、相手の「自立心・自信・自己肯定感」を傷つけることで、相手に対して「精神的優位」に立ち、相手とのあいだで「上下関係」を築き、相手を「支配・束縛・コントロール」することにあります。

このように、ケアテイカーは相手のお世話をすることで「自分の存在価値」を感じようとするという特徴があるため、「相手に必要とされなくなることを極端に恐れる」あまり、相手を「支配・束縛・コントロール」するという特徴があります。

以上のことから、「相手を『支配・束縛・コントロール』する」という点は、「アダルトチルドレン:ケアテイカー(世話役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

⑦自分の問題から目を反らす

「ケアテイカー」という言葉は、「ケア(Care:お世話)」を「テイク(Take:とる)」する、すなわち、誰かに言われて消極的に「お世話」をするのではなく、自分から進んで積極的に「お世話」をする人という意味合いがあります。

ですので、ケアテイカーは周囲の人から頼りにされやすく、相手が「異性」でも「同性」でも懸命に世話を焼きます。

とくに「ケアテイカーの女性」と「依存的な女性」の「共依存」であった場合、「依存的な女性」は「ケアテイカーの女性」にさまざまな相談を持ち掛けますが、「ケアテイカーの女性」は自分のことのように考え、自分のことのように動き回り、まるで「依存的な女性の母親代わり」であるかのように世話を焼きます。

このように、ケアテイカーは「人生の充実感」を「自己実現」に求めるのではなく、「他者に必要とされる(承認欲求を満たす)こと」に求めるという特徴があり、そのぶん「相手の苦しさ」が「自分の苦しさ」のように感じられたり、「相手の喜び」が「自分の喜び」のように感じられたり、「自分」と「他者」の境界が曖昧になってしまうという特徴があります。

なお、「自分」と「他者」の境界のことを、「交流分析」という心理学では「自他境界」と言い、ケアテイカーは人間関係において「自他境界が曖昧になる」という特徴があります。

自他境界とは、『自分と他者は、別のものである』という境目又は輪郭のようなものです。 …(中略)…この自他境界があいまいになっていることで、人間関係に支障をきたしやすくなったり、心の不安定さを巻き起こしたりします。

引用元:誰にでもいえる自他境界のお話

また、「自他境界」が曖昧であると、本来、自分とは関係のないはずの「他者の感情」に敏感になってしまい、そのぶん「人間関係での支障」や「心の不安定さ」を感じやすくなるという特徴があります。

このように、ケアテイカーは誰かの世話を焼くことで「自分の存在価値」を感じることができるのと引き換えに、誰かの世話を焼くことで「人間関係での支障」や「心の不安定さ」など「自分の問題」を抱えることになります。

ですが、ケアテイカーは「自分の問題」とは向き合おうとせず、むしろ「自分の問題から目を反らすために他者の世話を続ける(自分の問題から目を反らすために他者の問題へと関心を向け続ける)」と考えられています。

なお、「自分の問題から目を反らすために他者の問題へと関心を向ける」ことを、心理学では「防衛機制:逃避」と言います。

逃避とは:面倒に感じることや向き合うことが困難な現実から目をそらし、別の現実や空想へ目を向けることを防衛機制では逃避と呼んでいます。明日までにレポートを作成しなければいけないのに部屋の掃除に時間を費やすといった行動。

引用元:回避・逃避とは|解説と具体例

このように、ケアテイカーは「他者の問題解決に取り組むことで自分の問題解決から目を反らす」という特徴があります。

以上のことから、「自分の問題から目を反らす」という点は、「アダルトチルドレン:ケアテイカー(世話役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

⑧承認欲求が強い

ケアテイカーを始めとする「アダルトチルドレン」は、子どもの頃から「愛情不足」で育っている人が多いと考えられています。

生きづらさを抱えている人やアダルトチルドレンの人の多くは、愛情不足で育っている人が多いです。自尊心が低いことや人間関係が上手に築き上げることが出来ないことが多いです。

引用元:「愛情不足」で育つと、大人になったときに「生きづらさ」を抱え、アダルトチルドレンになりやすい!

なお、カウンセリングの臨床経験に基づくと「子どもの頃の愛情不足」とは、主に以下の「具合例」があげられます。

POINT

  1. 子どもの頃、親に十分に甘えられなかった
  2. 子どもの頃、親に十分に褒めてもらえなかった

とくに、ケアテイカーは大人になってからも「褒められたい・認められたいという欲求」が強いという特徴があり、ケアテイカーは「ありがとう!」「すごいね!」「助かったわ!」と言われたいがために、他者を懸命にお世話をするという特徴があります。

なお、ケアテイカーが強く感じる「認められたい・褒められたいという欲求」を「承認欲求」と言います。

承認欲求とは「自分を見てほしい」「話を聞いてほしい」「誰かに褒めてほしい」といった「他者から認められたい」という欲求です。誰もが持っている自然な欲求ではあるものの、時には自分自身を苦しめたり、周囲の人を不快な気持ちにさせてしまったりと、強すぎる承認欲求には良い影響があるとはいいがたいものもあります。

引用元:承認欲求とは|強い人の特徴や対処法、マズローの欲求5段階説についても解説

また、子どもの頃に親に認められたり褒めてもらえた経験が少ない人は、大人になって「承認欲求が強くなる」と考えられています。

例えば、幼少期に親に認められたり褒められた経験が少なかった人は、自分に価値を感じないまま成長してしまいます。その結果、自分で自分を認められないため、他者に認めてもらおうとするようになり承認欲求が強くなるのです。

引用元:承認欲求とは?強い人の特徴や対処法、増えた原因を解説!

「機能不全家族」において、「ケアテイカー(世話役)」と同じ役割を担う「イネイブラー(支え役)」と「プラケーター(慰め役)」は、子どもの頃に「ありがとう!」「すごいね!」「助かったわ!」という「感謝・褒め」の言葉を「親」からもらえている場合が多いため、多少ではありますが「承認欲求」が満たされている場合が多いです。

ですが、「ケアテイカー(世話役)」は、子どもの頃に「ありがとう!」「すごいね!」「助かったわ!」という「感謝・褒め」の言葉を「親」からもらえていることが極端に少なく、「承認欲求」が殆ど満たされないまま大人になっている場合が多いと考えられています。

このように、ケアテイカーは「愛情不足」で育った影響により「承認欲求が強い」という特徴があります。

以上のことから、「承認欲求が強い」という点は、「アダルトチルドレン:ケアテイカー(世話役)の心理的な特徴」のひとつと言えます。

 

アダルトチルドレン:ケアテイカー(世話役)の「人間関係の特徴」

アダルトチルドレン_ケアテイカータイプが人間関係で直面する問題の特徴を表しているイラスト

ケアテイカーは、子どもの頃から「家族の世話をする」という「役割」をこなしてきたため、大人になってからも、人間関係において「積極的に相手の世話を焼く」という点が最大の特徴です。

反対に言えば、ケアテイカーは「積極的に相手の世話を焼くぶんだけ、自分のことが後回しになりやすい」あるいは「積極的に相手の世話を焼くぶんだけ、相手に見返りを求める」と言えますし、「積極的に相手の世話を焼くだけ、相手に感謝・信頼されやすい」とも言えます。

なお、「ケアテイカーの人間関係の特徴」は、主に以下の「8つ」があげられます。

POINT

  1. 共依存になりやすい
  2. 子育てでイライラを感じやすい
  3. 過干渉な子育てをする
  4. トラブルを起こしやすい
  5. 逆恨み・いじめ・仕返しをする
  6. 仕事においても他者の世話をする
  7. 他者を頼らず限界まで世話を続ける
  8. 親子役割逆転になりやすい

続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

 

「アダルトチルドレンタイプ」それぞれの「心理的な特徴」

アダルトチルドレンタイプを表すイラスト

アダルトチルドレンが、子どもの頃に身に付けた「機能不全家族での役割」を、アメリカの心理療法家「ウェイン・クリッツバーグ」は「アダルトチルドレンタイプ」としてまとめました。

ですが、「アダルトチルドレン:ケアテイカー(世話役)」は、厳密に言えば「ウェイン・クリッツバーグ」がまとめた「アダルトチルドレン『6つ』の役割」に含まれていません。

「ケアテイカー(世話役)」とは、「『プラケーター(慰め役)』と『イネイブラー(支え役)』」を包括した呼び名である」と言われおり、もともと「ケアテイカー(世話役)としてひとつであったものが『プラケーター(慰め役)』と『イネイブラー(支え役)』に細分化された」とも言われています。

ですが、「ケアテイカー」という呼び名は「プラケーター」「イネイブラー」と同じように世の中で広く知られているものであり、且つ、日々「アダルトチルドレンの克服に携わるカウンセラー」としては、「ケアテイカー・プラケーター・イネイブラーはそれぞれ個別に違った特徴がある」と感じています。

ですので、「アダルトチルドレンの克服に携わるカウンセラー(寺井啓二)の意見」も踏まえたうえで、本サイト(当社メンタル心理そらくもの公式サイト)では、「ウェイン・クリッツバーグ」がまとめた「アダルトチルドレン『6つ』の役割」に加え、「ケアテイカー(世話役)」もプラスしています。

なお、「ケアテイカー(世話役)」以外の「アダルトチルドレンタイプ」それぞれの「心理的な特徴」については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

まとめ

さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。

アダルトチルドレン:ケアテイカー(世話役)の心理的な特徴」としては、以下の点があげられます。

  • POINT「自分の存在価値を感じる」ために、他人の世話をしたがる
  • 「自分が経験できなかったことへの嫉妬・警戒」から、「素直な人」や「無邪気な子ども」に腹が立つ
  • 「相手の役に立とうとする」あまり、先回りしてお世話をする
  • 「見返り(感謝・褒めの言葉)」が得られるまで、「世話焼き」と「自己否定」を繰り返す
  • 「見返り(感謝・褒めの言葉)」が得られないと、態度が豹変して急に怒りだす
  • 「相手より精神的優位に立とうとする」あまり、相手を「支配・束縛・コントロール」する
  • 「自分の問題」から目を反らすために、「他人の問題」に関心を向ける
  • 「子どもの頃の愛情不足」により、承認欲求が強い

また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。

是非、あわせてお読みください。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「アダルトチルドレン(AC)ケアテイカー(世話役)の『心理的な特徴』」という記事でした。

この記事を書いた人
寺井 啓二

「うつ、アダルトチルドレンの克服経験」を持つ「心理カウンセラー・心理セラピスト」。
自らの克服経験を世の中のために役立てたいと考え、2013年に「メンタル心理そらくも」を設立、代表を務める。
10年以上のカウンセリング臨床実績があり、「アダルトチルドレン、インナーチャイルド、うつ病、パニック障害、人間関係の生きづらさ、親子関係の悩み(毒親)、子育ての悩み、恋愛・結婚の悩み、中学生・高校生の悩み」などの相談を得意としている。

◆カウンセリング実績
・臨床実績:過去2000回以上
・男女比:男性40%、女性60%
・年齢層:中学生から60歳代
・来訪元:静岡県内、愛知など東海圏
     東京、神奈川など首都圏
     大阪、兵庫など関西圏
     海外在住の方

◆保有資格
・上級心理カウンセラー
・メンタル心理カウンセラー
・うつ病アドバイザー
・チャイルドカウンセラー
・家族療法カウンセラー
・セルフ・アクセプタンスカウンセラー
・EFT-Japan Level 1
・EFT-Japan プラクティショナー

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