POINT中学生・高校生ができる毒親への対処法は、「心理カウンセラーの協力を得る」「学校の先生など、周りの大人の協力を得る」「電話・チャット・LINEで相談する」などがあげられます。
心理カウンセラーの寺井です。
「毒親への対処法」とひと言に言っても、インターネットや書籍などに紹介されている毒親への対処法は、あくまで、就職をして経済的に自立をしている方か、20歳以上の成人している方を想定してる場合が多いです。
ですが、毒親への対処法で苦しんでいる方の中には、「中学生・高校生」といった未成年の方たちもいらっしゃいます。
この記事を読んでくれている「中学生・高校生」の中には、親子関係の問題が原因で「不登校」になっていたり、「いじめ」にあっていたり、安心できる場所がなくて苦しい想いをしている方がいらっしゃるかもしれません。
この記事は、中学生・高校生ができる毒親への対処法についてまとめます。
中学生・高校生が知っておきたい「毒親」予備知識
「毒親」とは、そもそも、心理学などの学術用語ではなく、「子供を否定する親」「子供を放置する親」「過干渉な親」「過保護な親」など、「子供の人生に悪影響を及ぼす子育てを行う親を指す言葉」として、アメリカの医療コンサルタント&グループセラピストとして活躍した「スーザン・フォワード」が、「毒になる親:一生苦しむ子供」という著書の中で生み出した言葉です。
「毒親」と「中学生・高校生」の関係
「中学生・高校生」は人生経験が浅いため、毒親の問題行動に対して1人ではなかなか対処しがたい立場にあります。
そのため、最悪の場合、毒親の行動が「児童虐待」「ネグレクト」などに至ってしまっても、懸命に耐え続けてしまう場合があります。
「毒親」と「機能不全家族」の関係
また、そこまでいかなくとも、家庭とは密室であるため、毒親の子育ての影響によって、知らず知らずのうちに「生きづらさ」を抱えてしまう場合があります。
このように、「毒親の子育て」によって「中学生・高校生」が生きづらさを感じる家庭を、心理学では「機能不全家族」と呼びます。
「毒親」と「アダルトチルドレン」の関係
また、機能不全家族に育ったことが影響して、大人になっても生きづらさを感じ続けている人を、心理学では「アダルトチルドレン」と呼びます。
「アダルトチルドレン」とは、決して障害や病気といった問題ではなく、子供時代、「毒親との親子関係」や「機能不全家族で育った経験」で身に付けた「性格上の癖」「心理的な特徴」「考え方の習慣」のようなもので改善は可能です。
つまり「毒親」とは「アダルトチルドレンを生み出す親」とも言えます。
「毒親とは何か?毒親の意味合い」については、以下の記事で詳しく解説しています。
中学生・高校生ができる毒親への対処法
中学生・高校生の皆さんは、これから大人になるわけですから、当然、今は経済的に自立がしきれていません。
よって、例え、自分の親が毒親であっても、経済的に自立できるまでは「親の保護」を受け続ける必要があり、結果的に、毒親に「束縛」されやすい立場にあります。
それでも、世の中には「中学生・高校生の力になりたいと願っている大人」はたくさんいらっしゃいます。
中学生・高校生の皆さんができる毒親への対処法は、以下があげられます。
POINT
- 「心理カウンセリング」を利用して、親子関係を新しい視点で捉えてみる
- 学校の先生など「周囲の大人」に助けを求めてみる
- 「電話、チャット、LINE」で相談してみる
- 親であっても未熟な部分がある、苦しければ、逃げてもOK
- 親の人生より、自分の人生を優先「自立」を考え始める
それでは、以下に詳しく解説していきます。
対処法①心理カウンセリングを利用して、親子関係を新しい視点で捉えてみる
まず、中学生・高校生の皆さんができる毒親への対処法としてあげられるのは、心理カウンセリングを利用して、心理カウンセラーの協力を得ることです。
心理カウンセラーは、毒親の心理も理解できる「心理の専門家」です。
また、心理カウンセリングは「秘密を厳守する機会」ですので、家庭で両親に話せないことでも、カウンセリングルームでは、あなたのペースで話すことができます。
中学生・高校生の皆さんが、心理カウンセリングを利用する際のポイントを以下にまとめます。
POINT
- 心理カウンセリングを利用することで、心理カウンセラーという新たな協力者を得て、親子関係をいろいろな角度で捉えなおし、「問題解決の糸口」を一緒に見つけてみましょう
- その場合、例え、子供のカウンセリングの費用を親が負担していたとしても、子供が希望すれば、心理カウンセラーは「守秘義務」によって、親の同席を拒むことができる場合があります
- なので、親が同席してほしくない場合は、「親には同席してほしくない」という希望を、正直に、心理カウンセラーに伝えてみましょう
このように、例え、中学生・高校生であっても、大人と同じように、親子関係・学校での人間関係に辛くなることがありますし、例え、中学生・高校生であっても、大人と同じように、心理カウンセリングを利用することもできます。
また、ここ最近、中学生・高校生が、当社メンタル心理そらくもの心理カウンセリングを利用してくれるケースが多くなっています。
もちろん、私=「心理カウンセラー寺井啓二」も「中学生・高校生の力になりたいと願っている大人」のひとりです。
ちなみに、当社メンタル心理そらくもは、ご利用者さまの心の安全と心の成長を第一に願っておりますので、中学生・高校生にご利用いただく場合であっても、ご両親の同席はご遠慮いただいています。
ご両親の同席をご遠慮いただいたうえで利用できる「毒親から自分を解放するカウンセリング」については、以下の記事で詳しく解説していますので、良かったら参考にして下さい。
対処法②周囲の大人に助けを求めてみる
皆さんの立場によっては、心理カウンセリングを利用したくても、親に話しづらい方もいらっしゃるかもしれません。
あるいは、心理カウンセリングがよくわからず、不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
そんなときは、自分の周囲にいる大人に助けを求めてみるのも、中学生・高校生の皆さんができる毒親への対処法のひとつです。
中学生・高校生の皆さんが、周囲の大人に助けを求める際のポイントを以下にまとめます。
POINT
- 「スクールカウンセラーの方」や「学校の先生」など、学校に信頼できそうな大人がいる場合は、「助けてほしい…」と、ひと言、勇気をだして伝えてみましょう
- 学校に信頼できそうな大人がいない場合は、「信頼できる友人」や「信頼できる友人の両親」に…
- 信頼できそうな友人がいない場合は、「児童相談所」や「交番のおまわりさん」に…
- 気が引ける場合は、「近所の人」や「近くのコンビニの店員さん」や「近くのガソリンスタンドの店員さん」など、自分の周りで話しかけやすそうな人に…
- もし話しかけられない場合は、「助けてほしい…」と、ひと言、紙に書いて、上記の人たちや渡しやすそうな人に渡してみましょう
- ただ、世の中には、中学生・高校生の皆さんが困っていることにつけこんで、「誘拐・犯罪に巻き込もうとする大人」もいますので、なるべくなら、以前から見かけたことがあり、自分なりに信頼できそうな人を頼りましょう…
対処法③電話、チャット、LINEで相談してみる
人は、とても苦しい心境になると、なかなか言葉が出にくくなってしまい、躊躇(ちゅうちょ)してしまうものです。
なので、皆さんの中には、周りの大人に助けを求めたくでも難しいと感じている方がいらっしゃるかもしれません。
そんなときは、国・県・市・ボランティアなどが用意している相談窓口に助けを求めてみるのも、中学生・高校生の皆さんができる毒親への対処法のひとつです。
国・県・市・ボランティアなどが用意している相談窓口は「電話、チャット、LINE」で相談できるので、「相手の方と直接会わずに相談」できますし、「安全で落ち着ける場所から一人で相談」することができます。
中学生・高校生の皆さんが、電話、チャット、LINEで相談できる窓口を以下に紹介します。
POINT
- 以下のように、国・県・市・ボランティアなど、「子供を守りたいと思っている人」「苦しんでいる子供からの連絡を待っている人」たちが、世の中にはたくさんいますので、「助けてほしい…」と、ひと言、勇気をだして連絡してみよう
- 下の表の「青い文字」を押すと連絡先に移動します
名称 | 連絡方法 | 運営 |
「24時間子供SOSダイヤル」 | 電話 | 文部科学省・地方自治体 |
「子どもの人権110番」 | 電話 | 法務省法務局 |
「チャイルドライン」 | 電話・チャット | ボランティア団体 |
「子ゴコロ・親ゴコロ相談@東京」 | LINE | 東京都 |
対処法④親であっても未熟な部分がある、苦しければ、逃げてもOK
人は、概ね12歳を過ぎ、中学生・高校生になると、「思春期」と呼ばれる「第二反抗期」が始まり、自分の居場所を、「親子などの家庭の内側」から「友人などの家庭の外側」に求め広げていきます。
それは「親離れ・親からの自立」を意味します。
よって、子供の「親離れ」に合わせて、親も「子離れ」を始めていくことが、人としても生き物としてもとても自然なことです。
ですが、親のなかには、心理的に未熟な部分を残したまま大人になってしまっている親もおり、頭ではわかっていても、気持ちがどうしても不安定になり、親子関係をうまく築けなくなってしまう親もいます。
そんなとき、親と一緒に居て苦しいなら、「親から離れたり逃げることは、親を見捨てるのではなく、親から卒業することなんだ、親から自立することなんだ…だから、親も自分もどちらも悪くないんだ…」と思い始めてみることも、立派な対処法のひとつです。
対処法⑤親の人生より、自分の人生を優先「自立」を考え始める
そもそも、「親が子供を養わなければならない法律」はあっても、「子供が親を支えなければらない法律」はありません。
にもかかわらず、苦しんでいる親は、叫んだり、ドヤしたり、泣いたり、わめいたり、拗ねたり、子供が罪悪感を感じる言葉をかけ続け、なんとかして、子供を束縛しようとするかもしれません。
そんなときは、
「ぼくは、お母さんのパパじゃない!」
「ぼくは、お父さんのパパじゃない!」
「わたしは、お母さんのママじゃない!」
「わたしは、お父さんのママじゃない!」
「もうお母さんのことはお母さんに任せよう!」
「もうお父さんのことはお父さんに任せよう!」
と、心の中で1人でつぶやいてみるのも、立派な対処法のひとつです。
そして、助けてほしいとき、「助けてほしい…」と素直に周囲に言えることは、とても素晴らしいことです。
自分が困っているときに、誰かに助けを求めることは、自分を救うことになりますし、相手を信頼することにもなります。
このように、誰かに助けてほしいときは、「助けてほしい…」と勇気をだして周囲に伝えようとしてみることも、中学生・高校生ができる毒親への対処法のひとつです。
毒親から精神的に自立するための対策
ちなみに、「毒親から精神的に自立するための具体的な対策」については、以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方は参考にしてください。
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まとめ
さいごに、中学生・高校生ができる毒親への対処法について重要ポイントをまとめます。
- POINT中学生・高校生は、毒親の問題行動にたいして、1人では対処しがたい
- 毒親のいる家庭を「機能不全家族」と呼ぶ
- 毒親に育てられた人を「アダルトチルドレン」と呼ぶ
- 中学生・高校生は、自立するまで「親の保護」を受け続けなければならないため、毒親に束縛されやすい
- 心理カウンセラーは、毒親の心理も理解できる「心の専門家」
- 心理カウンセリングは「秘密を厳守する機会」なので「親の同席を拒める」場合がある
- 自分の周囲にいる大人に助けを求めてみるのも、中学生・高校生ができる毒親への対処法のひとつ
- 国・県・市・ボランティアなどが用意している相談窓口は、「電話、チャット、LINEで、相手の方と直接会わずに相談」できる
- 親であっても未熟な部分がある、親と居て苦しければ、逃げてもOK
- 親の人生より、自分の人生を優先することが「自立」という
- 助けてほしいとき、「助けてほしい…」と素直に周囲に言えることは、とても素晴らしいこと
- 誰かに助けてほしいときは、「助けてほしい…」と勇気をだして周囲に伝えようとしてみることも、中学生・高校生ができる毒親への対処法のひとつ
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。
以上、「中学生・高校生ができる毒親への対処法」という記事でした。