アダルトチルドレン(AC)ピエロ(おどけ役)の「人間関係の特徴」

アダルトチルドレン_ピエロタイプの人間関係の特徴を表しているイラスト

POINTピエロタイプ(おどけ役)の人間関係は、表面的には「明るい笑顔」を振りまくものの、「悩み・弱音は決して打ち明けない」という点が最大の特徴です。

心理カウンセラーの寺井です。

アダルトチルドレン」の「ピエロ(マスコット・クラウン)タイプ」(以下「ピエロタイプ」と言う。)は「おどけ役」とも呼ばれ、「喧嘩や不和」が多い「機能不全家族」のなかで「家族のストレスや緊張」を和らげるため、突然おどけたり、歌いだしたり、笑いを誘ったり、笑顔を振りまくなど、「ムードメーカー(おどけ役)」となって家族の雰囲気を和ませる子どもを指します。

ですので、ピエロタイプは大人になってからも、人間関係において「明るい笑顔を振りまく」という特徴があり、「周囲から感謝・信頼されることも多い」反面、「悩み・弱音は決して打ち明けない」という特徴があります。

ちなみに、この記事は「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の『人間関係の特徴』」についての解説です。

なお、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の『恋愛傾向』」については、以下の記事で詳しく解説しています。

それでは、アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の「人間関係の特徴」について解説していきます。

アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の「人間関係の特徴」

アダルトチルドレン_ピエロタイプが人間関係で直面する問題の特徴を表しているイラスト

ピエロタイプは、子どもの頃から「家族のネガティブな雰囲気を和ませる」という「役割」をこなしてきたため、大人になってからも、人間関係において「積極的にネガティブな雰囲気を和ませる」という点が最大の特徴です。

反対に言えば、ピエロタイプは「周囲に笑顔を振りまいて雰囲気を和ませるぶんだけ、自らのネガティブ感情のケアが後回しになりやすく、ストレスを溜め込みやすい」と言えますし、「周囲に笑顔を振りまいて雰囲気を和ませるぶんだけ、周囲に感謝・信頼されやすい」とも言えます。

なお、「ピエロタイプの人間関係の特徴」は、主に以下の「8つ」があげられます。

POINT

  1. 友達は多いが心を許せる友人がいない
  2. 人間関係に疲れやすい
  3. 理不尽な仕打ちを受けても笑ってやり過ごす
  4. 他者の感情に振り回されやすい
  5. 仕事においては「笑顔」が大きなプラスになる
  6. 重い責任を負うことを極端に避ける
  7. 突然、心のバランスが崩れる
  8. 突然、無断欠勤・音信不通・行方不明になる

それでは、以下に詳しく解説していきます。

 

①友達は多いが心を許せる友人がいない

ピエロタイプは、子どもの頃から「家族のネガティブな雰囲気」を和ませるために「家族のムードメーカー(おどけ役)」を懸命に演じてきたため、大人になってからも、内面には「ネガティブな感情」を感じながら、表面では「ニコニコと笑ってしまう」という特徴があります。

そのため、ピエロタイプは周囲からは「明るい人・優しい人・お茶目な人・愛嬌がある人」という「プラスの印象」に映る反面、内面では「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」などの「ネガティブ感情」をひた隠しにしていると考えられています。

一方、人間関係において、相手と信頼関係を築くうえで最も大切なことは「自分のことを正直に話していくこと」と考えられており、自分の良い点ばかりではなく、自分の悩みや弱音も正直に話すことを「自己開示」と言います。

「この人のことは信頼できる」「この人になら何でも話せる」。こうした信頼関係を築くには、相手より先にどんどん自分のことを話し、「自己開示」していくことが有効だ。

引用元:相手から「信頼」と「情報」を得る 自己開示の心理テクニック

「自己開示」とは、他者にありのままの自分をさらけ出すこと。自分の強みだけでなく、悩みや弱点なども含めて開示することをいいます。

引用元:自己開示

ですが、ピエロタイプは表面的には「明るい笑顔」を振りまくものの、内面にひた隠す「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」などの「悩み・弱音は決して自己開示しない」という傾向があります。

そのため、ピエロタイプは表面の「明るい笑顔」によって「友達は多い」のですが、内面の「悩み・弱音」を吐き出せるような「心許せる友人がいない(少ない)」という特徴があります。

以上のことから、「友達は多いが心を許せる友人がいない」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の人間関係の特徴」のひとつと言えます。

 

②人間関係に疲れやすい

ピエロタイプは、子どもの頃から「家族の雰囲気」に常に気を配り、家族が「息詰まる雰囲気・重苦しい空気・揉め事・喧嘩・殺伐感・冷たさ・しらけ」など「ネガティブな雰囲気」になることを極端に恐れながら大人へと成長していきます。

ですので、ピエロタイプは大人になってからも周囲の雰囲気にとても敏感であり、とくに「人間関係において周囲のネガティブな雰囲気を極端に恐れる」という特徴があります。

また、ピエロタイプは「嫌われることを極端に恐れる」という傾向があり、大人になってからも、人間関係において「心配しすぎる・考えすぎる」という点が特徴的です。

なお、「ピエロタイプが人間関係において心配しすぎる・考えすぎる点」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 仕事・勉強・スポーツなど「自分の成果」を人前で褒められたり評価されると、「誰かに嫉妬されて嫌われてしまうのではないか?」と異常に不安になる
  • 職場・学校・部活・食事会・飲み会など「人の集まり」が終わって一人になると、「あのとき、あの人はなぜ?あんな顔をしたのだろうか?」「あのとき、あの人にもっとこういう言い方をしておけばよかったのではないか?」「もしかして、あの人の機嫌を損ねてしまったのではないか?」など異常に不安になる
  • 誰かに何らかの「頼みごと」や「お願いごと」をしようとすると、「こんなこと頼んだら怒られるんじゃないか?」「こんなことお願いしたら迷惑がられるんじゃないか?」など異常に不安になる

また、ピエロタイプのように人間関係において心配しすぎる症状を「気にしすぎ症候群」と呼ぶ場合があります。

気にしすぎ症候群…(中略)…「既読スルー」にやきもき、「あの人のあの一言」で一晩眠れず・・・。他人からすれば「気にしすぎだって!」で済むことに、立ち止まって苦しんでしまう人が激増している。
まじめで完璧主義、人のことを考える優しい人が陥りやすいという「気にしすぎ」な心理状態。

引用元:気にしすぎ症候群

このように、ピエロタイプは「誰かの機嫌を損ねていないか?」「自分は迷惑を掛けていないか?」など「心配しすぎる・考えすぎる」という特徴があるため、人間関係において「他者の顔色を気にしすぎる」という傾向が強いです。

ですので、「不機嫌そうな上司」や「当たりの強い先輩」がいる「職場」だと、機嫌を損ねないよう異常に顔色をうかがい常にビクビクと行動したり、「自己主張」や「自己アピール」を求められる「職場」だと、自分が悪く思われないよう異常に緊張し常にプレッシャーを感じ続けてしまったり、ピエロタイプは「人間関係に疲れ切ってしまう」という特徴があります。

以上のことから、「人間関係に疲れやすい」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の人間関係の特徴」のひとつと言えます。

 

③理不尽な仕打ちを受けても笑ってやり過ごす

ピエロタイプは、子どもの頃から「家族のネガティブな雰囲気を和ませるという条件を満たすことで自分の存在価値を認めてもらえる」という「親子の関係性」のなかで育ってきたため、大人になっても、「ネガティブな雰囲気を和ませている自分には存在価値があるが、ネガティブな雰囲気を和ませることができない自分には存在価値がない」という「強い価値観」を身に付けていると考えられています。

ですので、ピエロタイプは大人になってから、人間関係において「言い争い・喧嘩・パワハラ・モラハラ・いじめ」などを行う「ネガティブな人」に遭遇すると、そのたびに「ネガティブ人を和ませなければ!」という「強い使命感」を感じてしまい、無意識に「言い争い・喧嘩・パワハラ・モラハラ・いじめ」に巻き込まれてしまう場合があります。

なお、「ピエロタイプが無意識に巻き込まれやすいネガティブな状況」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 上司からパワハラを受けても、ニコニコと笑いながら従ってしまう
  • 配偶者や恋人からモラハラを受けても、ニコニコと笑いながら受け入れてしまう
  • 先輩・同僚・友人・知人からいじめを受けても、ニコニコと笑いながら我慢してしまう

このように、ピエロタイプは「人間関係における揉め事」を極端に嫌うあまり、相手から「理不尽な仕打ち」を受けても「反論・反抗」を一切せず、ニコニコと笑ってやり過ごそうとするという傾向があります。

なお、ピエロタイプのように、自分の気持ちを我慢をして、相手の気持ちに合わせてばかりいる心理状態を「共依存」と言います。

共依存に陥っている人は、相手に気に入られようとするあまり、自分の意見を主張できない傾向があります。共依存から抜け出すためには、何もかも相手に合わせるのではなく、たまには自分の率直な意見を伝えてみるのも効果的です。

引用元:「共依存」に陥りやすい人の3つの特徴

とくに、ピエロタイプは「両親に似たような性格の人」に対して「両親と同じように接する(両親と同じパターンを繰り返す)」と考えられています。

以上のことから、「理不尽な仕打ちを受けても笑ってやり過ごす」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の人間関係の特徴」のひとつと言えます。

 

④他者の感情に振り回されやすい

ピエロタイプは、子どもの頃から「両親・家族の機嫌を損ねないことばかりを優先」しなければならなかったため、そのぶん「自分の感情の扱い方」を十分に学べず「自己主張をすることへの苦手意識」を残したまま大人へと成長していきます。

ですので、ピエロタイプは大人になってからも「周囲の機嫌を損ねないことばかりを優先」しがちになり、「自分の意見を主張する」ことよりも「他者の顔色をうかがう」ことの方が多くなると考えられています。

自己主張が苦手な人は、たびたび自分より他人を優先させてしまいます。感受性の高さとも重なる部分がありますが、自分の意見の主張よりも他人の顔色をうかがってしまうのではないでしょうか。

引用元:心理カウンセラーに聞く!自己主張が得意な人と苦手な人の特徴は?自己主張をするためには?

このように、ピエロタイプは「自己主張が苦手」であるため、人間関係において「他者の感情に振り回されやすい」という特徴があります。

なお、「ピエロタイプが他者の感情に振り回される状況」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 本当は嫌なこと(仕事・役割)でも、頼まれると断れずに笑顔で引き受けてしまうため、次から次へと嫌なことを頼まれてしまう
  • いつも笑顔でいるため、上司や先輩から可愛がられる反面、雑用・使い走りなどを押し付けられやすく、相手に都合よく利用されやすい
  • 自分の意見(主体性)がないため、人から指示をされれば動けるが、人から指示されないと動けない
  • 自己主張が苦手なため、自分から相手に求めることは少なく、相手からの求めに応じることの方が多い
  • 他者の顔色をうかがいすぎるため、周囲の意見に流されやすく、人間関係の狭間で苦しむことが多い
  • いわゆる「いい人」と言われることが多い反面、周囲からは「八方美人・お調子者・優柔不断・世渡り上手」と思われる場合がある

このように、ピエロタイプが「自己主張が苦手」であるということは、ピエロタイプの「本当の気持ち」が周囲の人たちに伝わらないことを意味します。

とくに、ピエロタイプは「表面的には常に笑顔」でいることが多いため、周囲の人たちはピエロタイプに対して「なんでも受け入れてくれる優しい人」という「勝手な思い込み」を持ってしまいます。

ですので、周囲の人たちがピエロタイプに対して抱いている「イメージ」と、ピエロタイプの「本当の気持ち」とのあいだには、驚くほど大きなギャップが存在する場合が多いと言えます。

以上のことから、「他者の感情に振り回されやすい」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の人間関係の特徴」のひとつと言えます。

⑤仕事においては「笑顔」が大きなプラスになる

ピエロタイプは「自己主張が苦手」である反面、「ニコニコと魅力的な笑顔」を持ち合わせているため、周囲の人たちからの「評判が良い・人気が高い」という点が特徴的です。

そのため、「飲食店・宿泊施設の接客」「営業職」「保険の外交員」「美容師」「エステティシャン」「ビューティーアドバイザー」など、自分の主張は控えめにして「笑顔」で相手を引き立てることが重要視される「職種」であると、仕事において「充実感」を感じやすいという特徴があります。

また、ピエロタイプは「非常に魅力的な愛嬌・愛想」を持ち合わせているため、どのような「職種」であっても自然と「人気者」となり、周囲から感謝・信頼される場合が多いです。

ただ、ピエロタイプは「人気者」になりやすい反面、周囲から「嫉妬」されてしまう場合も少なくなく、くわえて「八方美人」のところもあるため、「穏やかな雰囲気の職場」であれば問題ないのですが、「ネガティブな人(両親に似たタイプの人)がいる職場」であった場合、周囲の顔色を気にしすぎてしまい、人間関係に疲れ切ってしまう場合があります。

このように、「ネガティブな雰囲気」に強い苦手意識を持つピエロタイプとって、「笑顔」を活かせる「職種」や「穏やかな雰囲気の職場」に巡り合うことは、精神的な安定を得るための大切な要素のひとつと言えます。

以上のことから、「仕事においては笑顔が大きなプラスとなる」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の人間関係の特徴」のひとつと言えます。

 

⑥重い責任を負うことを極端に避ける

前述の通り、ピエロタイプは「自己主張が苦手」であるため、人間関係において「自分の意見(主体性)がない」という傾向が強く、そのぶん「他人の意見に流されやすい」という傾向が強いです。

ですので、例えば仕事の場合、ピエロタイプは上司や先輩に指示される側である場合は安心して仕事に取り組みますが、自分が部下や後輩に指示する側になると「重い責任」を感じて「強い不安感」に襲われるという特徴があります。

このように、ピエロタイプは人間関係において「重い責任を負うことを極端に避ける」という傾向があり、周囲から「重い責任を負わされそう」になると、その可能性をいち早く察知して回避するという特徴があります。

なお、「ピエロタイプが重い責任を負うことを回避する状況」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • アルバイト先で「バイトリーダ」をお願いされた途端、「責任の重さ」を感じてアルバイトを辞めてしまう
  • 友達グループの中心人物として「期待」され始めた途端、「責任の重さ」を感じてグループからいなくなってしまう
  • 職場で「昇進」のチャンスを打診された途端、他者に花を持たせて「責任の重さ」を回避する
  • 友人関係で「頼りにされる」ことが増え始めた途端、「責任の重さ」を回避するために引っ越してしまう
  • 仕事で「重い責任」を負わないで済むよう、ある程度の期間で転職を繰り返す

このようにピエロタイプは、子どもの頃から「機能不全家族の重苦しい雰囲気」のなかで我慢に我慢をかさねて生き抜いてきた結果、大人になってから、「重い責任・重い負担を負うことを極端に避けるようになる」と考えられています。

以上のことから、「重い責任を負うことを極端に避ける」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の人間関係の特徴」のひとつと言えます。

 

⑦突然、心のバランスが崩れる

ピエロタイプは、子どもの頃から「笑顔という仮面」で「自分の本心(ネガティブ感情)」を隠しながら成長していくため、「親・家族」にさえも「自分の本心(ネガティブ感情)」に気づいてもらえることがなく、自ら話すこともなく、ただただ「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」などの「ネガティブ感情(ストレス)」を心に溜め込みながら成長していきます。

ですが、人の心とは「ストレスを無限に溜め込み続ける」ことができないため、ピエロタイプは成長すればするほど「心の荷物(ストレス)」を増やし続けることになり、いつか「ストレスが限界」に達することになります。

そして「ストレスが限界」に達したとき、以下のように「心と身体にさまざまな症状」を感じるようになります。

POINT

  • 心の症状
    気持ちが沈む、イライラする、怒りっぽくなる、やる気が出ない、集中力、注意力の低下、楽しいはずのことに興味が持てない、特別なことがあったわけではないのに悲しくなる、「どうせうまくいかない」と考える、同じことや悪い結果ばかり考える、もしくは何も考えられない、重要な決断ができない、したくない、自分が無価値だと感じる、自分を責める
  • 身体の症状
    眠れない、熟睡できない、寝すぎてしまう、食欲低下、もしくは暴飲暴食、全身倦怠感、疲労感、頭痛、めまい
    肩こり、腰痛、動悸、息切れ、腹痛、便秘、下痢、ふと涙が出る、涙が止まらない

引用元:ストレスが引き起こす病気

とくに「思春期」であった場合、さらに「心が繊細」であり、且つ、ピエロタイプは「ネガティブ感情(ストレス)を話すこと(感情表現)への苦手意識」があるため、「ストレスが限界」に達していることを「言葉で話す」のではなく「さまざまな行動」で示す場合があります。

なお、「思春期の子どもがストレスが限界であることを示す行動」とは、主に「以下の具体例」があげられます。

POINT

  • 突然、学校へ通えなくなる(不登校)になる
  • 突然、部屋に閉じこもってしまう(引きこもり)になる

このように「不登校」や「引きこもり」とは、周囲から見れば「突然の出来事」のように思われますが、「思春期の子どもたち」にとっては、幼少期から我慢に我慢をかさねてきた「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」などの「ネガティブ感情(ストレス)」が限界に達したことを周囲に伝える「SOSのサイン」を意味する場合があります。

ですので、「不登校」や「引きこもり」という「SOSのサイン」を懸命に発信してくれている「思春期の子どもたち」に対して、「周囲の大人たち」が「なんで?どうして?どういうこと?」と慌てふためいたり、騒ぎ立てたり、問い詰めてしまっては、「思春期の子どもたちの心」はさらに傷つき、さらに塞ぎこんでしまう可能性が高いと言えます。

親(保護者)にとっては、ある日突然のことかもしれませんが、子どもが学校へ行かなくなる前には、多くの場合、なんらかの予兆があります。…(中略)…それは子どもの心が発したSOSだったりします。

引用元:不登校 早期発見のために ~「不登校問題」と親(保護者)のメンタルケア~

とくにピエロタイプは、子どもの頃から「親・家族がネガティブな雰囲気」に陥ってしまうことだけはなんとしても避けようと懸命に「おどけ役」を演じてきたため、そのぶん「強い孤独感」を感じやすく、また自らの「不登校」や「引きこもり」によって「親・家族をネガティブな雰囲気」にしてしまったことに対して「強い罪悪感」も感じやすいため、内面では「激しく自分を責めている」場合があります。

近年でも、つい先日まで明るくニコニコ笑顔で過ごしていた中学生・高校生が、突然、自らの命を絶ってしまうという大変悲しいな出来事がしばしば起こってしまいます。

これらの出来事は、表面的には「笑顔を演じていた」ものの、幼少期から我慢に我慢をかさねてきた「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」などの「ネガティブ感情(ストレス)」が限界に達してしまい、周囲に助けを求めたが気づいてもらえなかったり、どうしても周囲に助けを求められなかったことが少なからず影響していると考えられています。

思春期・青年期の悩みの背景には共通して強い孤独感があり,自殺や抑うつなどの非社会的行動だけでなく,非行・家出・性的問題などの反社会的行動とも密接に関連していることを示している。

引用元:高校生の孤独感に関する研究

このように、ピエロタイプは幼少期から周囲に知られないよう、心に「ストレス」を抑圧し続けているため、「ストレス」が限界に達したとき、周囲からは「突然、心のバランスが崩れたかのように見える」という特徴があります。

以上のことから、「突然、心のバランスが崩れる」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の人間関係の特徴」のひとつと言えます。

 

⑧突然、無断欠勤・音信不通・行方不明になる

このように、ピエロタイプは子どもの頃から「ストレス」を溜め込み続けているため、そのぶん「溜め込んできたストレスの影響で心が飽和状態にある」と言えます。

ですので、周囲の人たちから見れば「些細な出来事」であっても、心に余裕がないピエロタイプにとっては「大きな負担」に感じられてしまい、「些細な出来事」がきっかけで「ストレスが限界」に達してしまう場合があります。

そうすると、「ストレスが限界」に達してしまったピエロタイプは、突然「心身の不調(ストレス反応)」を感じることになり、人間関係に大きな影響を及ぼしかねない行動を起こす場合があります。

なお、「ピエロタイプがストレスの限界によって起こす行動」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 穏やかにニコニコと働いていた職場の人が、突然、ストレスの限界で無断欠勤をする
  • 明るく優しく魅力的で人気があった友人が、突然、ストレスの限界で音信不通になる
  • 親切で丁寧に対応してくれていた取引先の担当者が、突然、ストレスの限界で行方不明になる

このように、ピエロタイプは人間関係において「ストレスが限界」に達すると、突然「無断欠勤」をしたり「音信不通」になってしまったり「行方不明」になってしまう場合があります。

以上のことから、「突然、無断欠勤・音信不通・行方不明になる」という点は、「アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の人間関係の特徴」のひとつと言えます。

 

ちなみに、「突然、無断欠勤・音信不通・行方不明になる」という点は、「回避依存症:脱走者タイプ」の特徴と一致します。

なお、「回避依存症:脱走者タイプの特徴」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の「心理的な特徴」

アダルトチルドレン_ピエロタイプの心理的な特徴はおどけて周囲を和ませることであることを表すイラスト

ピエロタイプは、子どもの頃から「家族のネガティブな雰囲気」を敏感に察知していち早く和ませてきたため、大人になっても「周囲のネガティブな雰囲気を敏感に察知して積極的に和ませる」という点が最大の特徴です。

同時に、ピエロタイプは「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」など「ネガティブな自分」を極端に嫌うという特徴があるため、大人になってからも「ネガティブな自分を笑顔という仮面で懸命に隠し続ける」という特徴があります。

なお、「ピエロタイプの心理的な特徴」は、主に以下の「8つ」があげられます。

POINT

  1. 「ネガティブな雰囲気」を極端に恐れる
  2. 「ネガティブな雰囲気」を笑顔で和ませる
  3. 「おどけ役」と「自己否定」を繰り返す
  4. 「ネガティブな感情」を笑顔で隠す
  5. 他者の顔色を異常に気にする
  6. 自分の人生を楽しめない
  7. 自己肯定感が低く、自信がない
  8. 誰にも理解されないという気持ちが強い

続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

 

「アダルトチルドレンタイプ」それぞれの「人間関係の特徴」

アダルトチルドレンタイプを表すイラスト

アダルトチルドレンが、子どもの頃に身に付けた「機能不全家族での役割」を、アメリカの心理療法家「ウェイン・クリッツバーグ」は「アダルトチルドレンタイプ」としてまとめました。

そして、「ピエロタイプ(おどけ役)」とは、「ウェイン・クリッツバーグ」がまとめた「アダルトチルドレンタイプ(機能不全家族での役割)」のひとつにあたります。

なお、「ピエロタイプ(おどけ役)」以外の「アダルトチルドレンタイプ」それぞれの「人間関係の特徴」については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

まとめ

さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。

アダルトチルドレン:ピエロ(おどけ役)の人間関係の特徴」としては、以下の点があげられます。

  • POINT「悩み・弱音は決して打ち明けない」ため、友達は多いが心を許せる友人がいない
  • 「他者の顔色を気にしすぎる」あまり、人間関係に疲れやすい
  • 「ネガティブな人を和ませなければ!」と思うあまり、理不尽な仕打ちを受けても笑ってやり過ごす
  • 「自己主張が苦手」であるため、他者の感情に振り回されやすい
  • 「仕事においては笑顔で相手を引き立てる」ため、周囲から感謝・信頼される場合が多い
  • 「幼少期から我慢をかさねて生き抜いてきた」ため、重い責任を負うことを極端に避ける
  • 「幼少期からストレスを抑圧し続けている」ため、突然、心のバランスが崩れる場合がある
  • 「ストレスが限界に達する」と、突然、無断欠勤・音信不通・行方不明になる場合がある

また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。

是非、あわせてお読みください。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「アダルトチルドレン(AC)ピエロ(おどけ役)の『人間関係の特徴』」という記事でした。

この記事を書いた人
寺井 啓二

「うつ、アダルトチルドレンの克服経験」を持つ「心理カウンセラー・心理セラピスト」。
自らの克服経験を世の中のために役立てたいと考え、2013年に「メンタル心理そらくも」を設立、代表を務める。
10年以上のカウンセリング臨床実績があり、「アダルトチルドレン、インナーチャイルド、うつ病、パニック障害、人間関係の生きづらさ、親子関係の悩み(毒親)、子育ての悩み、恋愛・結婚の悩み、中学生・高校生の悩み」などの相談を得意としている。

◆カウンセリング実績
・臨床実績:過去2000回以上
・男女比:男性40%、女性60%
・年齢層:中学生から60歳代
・来訪元:静岡県内、愛知など東海圏
     東京、神奈川など首都圏
     大阪、兵庫など関西圏
     海外在住の方

◆保有資格
・上級心理カウンセラー
・メンタル心理カウンセラー
・うつ病アドバイザー
・チャイルドカウンセラー
・家族療法カウンセラー
・セルフ・アクセプタンスカウンセラー
・EFT-Japan Level 1
・EFT-Japan プラクティショナー

“代表:寺井啓二の詳しいプロフィール”

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