ロストワンタイプが抱える症状と問題

2023年11月28日アダルトチルドレンアダルトチルドレンタイプ,ロストワン(いない子),アダルトチルドレンの問題,生きづらさ

ロストワンタイプが抱える症状と問題を表しているイラスト

POINTロストワンタイプが抱える症状と問題は、人間の集団に対する苦手意識が特徴的です。

心理カウンセラーの寺井です。

アダルトチルドレン」とは、子ども時代「機能不全家族」という厳しい環境を生き抜いた生存者=サバイバーとも言えます。

とくに、ロストワンタイプは「いない子」の呼び名の通り、子ども時代、親から受けたトラウマの影響により、人に対して警戒心を感じやすく、不登校、引きこもりなどの問題を抱えやすい点が特徴です。

この記事は、ロストワンタイプが抱える症状と問題について説明しています。

広告

ロストワンタイプ(いない子)が抱える症状と問題

アダルトチルドレン:ロストワンタイプの最大の特徴は「話すこと=言葉による感情表現が苦手」「集団で過ごすより一人でのびのびと過ごすことを望む」の2点と言えます。

ですので、例えば、芸術家や職人さんのように、誰にも邪魔されることなく、ひとつのことに自分が納得を感じるまで集中して黙々と取り組む作業においては、抜群の才能を発揮する場合があります。

ですが、家族、学校、職場、地域などの組織の中に押し込められてしまうと、集団の中での人間関係の窮屈さとロストワンタイプの性格とのアンマッチが原因で、様々な問題を抱えてしまう場合があります。

ロストワンタイプが抱える症状や問題は、以下の点があげられます。

POINT

  1. 家族、学校、職場、地域など、集団が苦痛
  2. 不登校、引きこもり、転職が多い
  3. 孤独感を抱えやすく、孤立しやすい
  4. 離人感を感じやすい
  5. 疎外感を感じやすい

それでは、以下に詳しく説明していきます。

 

症状①家族、学校、職場、地域など、集団が苦痛に感じる

ロストワンタイプは豊かな空想力と豊かな感受性を持っているため「周囲の人に邪魔されず、1人でのびのびと過ごしていたい…」と願っています。

もともと、自分1人で楽しめる子=周りに邪魔されず1人でのびのびと自由に過ごしていたい平和的な子=ロストワンタイプの性格にしてみると、親の期待に応えなければならない日本の家庭環境や、集団行動ありきの日本の教育現場は、親や同級生に依存されてしまったり、親や同級生らの八つ当たりやいじめに巻き込まれてしまう厳しい環境とも言えます。

このように、日本における家族、学校、職場、地域などの環境は、「厳しい躾」「厳しい規則」や「みんな一緒に…」「みんな仲良く…」など、「全体主義」「同一化」「協調性」「組織的な集団行動」を美徳とする部分が色濃いため、1人でのびのびと過ごしていたいロストワンタイプにとって、日本の家族、学校、職場、地域などの人間関係は、かなり窮屈で苦痛に感じる場合があります。

 

症状②不登校、引きこもり、転職が多い

よって、ロストワンタイプは、日本の家族、学校、職場、地域などの人間関係に馴染めず、慢性的な孤独感や孤立感や疎外感が募ってストレスを抱えてしまい、不登校や引きこもりとなり集団から安全距離を置こうとしたり、転職を繰り返すことで自分の居場所を探し求めようとする場合があります。

そして、幼稚園、小学校、中学校、高校などでは、ロストワンタイプの性格は「集団生活ができない子」「協調性がない子」など、まるで問題児であるかのような、残念で誤ったレッテルを貼られてしまう場合があります。

このように、親や教育者の立場から見れば「引きこもり」や「不登校」と決めつけていまいがちな子どもの行動であっても、ロストワン本人の視点に立ってみると、集団行動ありきの日本の家族、学校、職場、地域などの人間関係の窮屈さと、自分自身の個性とのアンマッチに苦しんでいる場合が多く、ロストワン本人には何ら非が無い場合が殆どです。

 

症状③圧倒的な孤独感と孤立感を抱えて耐えてしまう

ロストワンタイプのもうひとつの特徴は「話すこと=言葉による感情表現が苦手」という点です。

よって、ロストワンタイプは、内面に苦しさを感じていても、その苦しさを、親、兄弟、友人、知人、学校の先生、お医者様など、周囲の人に言葉で訴えることすら難しい心理状態にあります。

結果、内面の苦しさを周囲の人に言葉で訴えることが叶わず、周囲の人に誰にもわかってもらえず、むしろ、周囲の人からは「問題を起さない、おとなしくていい子」と見なされてしまいがちです。

このように、ロストワンタイプは、目に見えている表面的な部分は問題ないように見えても、目に見えていない内面には圧倒的な孤独感と孤立感を抱え、ひたすらに耐え続けてしまう場合があります。

 

症状④離人感を感じやすい

ただ、ロストワンタイプの性格は先天的な性質ではなく、ましてや病気や障害といったものでもなく、あくまで生まれあとに身に付けた「後天的な習慣」です。

なので、心理カウンセリングによって心の防衛本能が和らぐと、ロストワンタイプの性格をお持ちの方は、時折「自分がわからない…」「自分が自分じゃないような気がする…」「生きている気がしない…」など、長年、心に押し隠してきた自らの苦しい二面性による違和感=「離人感(りじんかん)」を訴えてくださる場合があります。

離人感/現実感消失症は、身体または精神から自分が切り離されたような感覚が持続的または反復的にあり、自分の生活を外から観察しているように感じること(離人感)や、自分が外界から切り離されているように感じること(現実感消失)があります。

引用元:離人感・現実感消失症

ロストワンタイプは、ある意味、本当の自分をぐっと押し隠し、自己否定をすることで生き延びてきたわけなので、「離人感」を感じることはとても自然であり、「離人感」を感じることは、ある意味、長年、心に押し隠し続けてきた本当の自分の感情を感じ始めた好転反応=良化のサインであると心理カウンセリングで現場では考えます。

いわば、ロストワンタイプが感じる「離人感」は、「本当の自分を押し隠すことで安心を感じていたい今までの自分の感情」と「本当の自分を解放することで安心を感じはじめたい新たな自分の感情」が激しく葛藤しつつ、徐々に混ざり合い始めている心理状態とも言えます。

よって、いくつかあるアダルトチルドレンタイプの中でも、ロストワンタイプに限っては、目や耳で捉えることができる表面的な部分だけを鵜呑みにせず「目に見えていない繊細な内面的な部分にも最大限の心配りをする必要がある…」と心理カウンセリングの現場では考えています。

 

症状⑤疎外感を感じやすく、不運なトラブルを起こしてしまう場合がある

ロストワンタイプは、子ども時代から自我を抑え込み、自分の内面を知られることを極端に恐れているため、周囲の人間から無神経に干渉されたり、自分の内面を執拗に詮索されると、とても敏感に反応し激しい抵抗をしてしまう場合があります。

結果、故意ではないのに、ケンカになってしまったり、相手を傷つけてしまったり、突発的なトラブルを引き起こしてしまう場合があります。

この敏感な捉え方を、心理学では「白黒思考」と呼び、アダルトチルドレンの代表的な特徴のひとつです。

ただ、ロストワンタイプが引き起こすトラブルは、あくまで、周囲の人間の配慮が足りないことが原因で起こるトラブルです。

ですので、ロストワンタイプに対しては「ああすればいい!」「こうすればいい!」などの余計な干渉や、「なんで?どうして?」などの余計な詮索さえしなければ、ロストワンタイプのほうから積極的にトラブルを引き起こすことは殆どありません。

 

アダルトチルドレン(ac)タイプ診断

さて、アダルトチルドレンは、ロストワンタイプ(いない子)のほかにも、抱えている「インナーチャイルド」の特徴によっていくつかのタイプに分類できます。

アダルトチルドレン(ac)タイプ診断を行うことは、アダルトチルドレンの克服の第一歩です。

以下の記事は、自分が抱えているインナーチャイルドのタイプを診断することができます。

広告

アダルトチルドレンは「サバイバー」

アダルトチルドレンはサバイバーであるイメージ

このように、ロストワンタイプをはじめ、アダルトチルドレンは、子ども時代、機能不全家族という厳しい環境で過ごしたことでトラウマを抱え、様々な心理的な特徴、性格面での癖を身に付けてきました。

そして、子ども時代に受けたトラウマの影響が精神疾患の原因にもなり、さまざまな症状や問題を抱えることになっています。

ですので、ある意味、アダルトチルドレンは、厳しい環境を懸命に生き抜いてきた「サバイバー」とも言えます。

 

確かに、ロストワンタイプが抱える症状と問題は「我慢しすぎ…」「考えすぎ…」「警戒しすぎ…」とも言えますが、反対に言えば、ひとつひとつのことにまじめに真剣に取り組んでいるとも言えます。

よって、ロストワンタイプが抱える症状と問題は、病気や障害などではなく、厳しい環境を生き抜いてきたことで身に付けた優れた生存本能=サバイバーの証であり、サバイバーであるアダルトチルドレンは、子ども時代、厳しい環境を生き抜いてきたからこそ「人生を深く考えながら生きている人」であると心理カウンセリングの現場では考えています。

 

なお、アダルトチルドレンを生み出す機能不全家族については、以下の「機能不全家族チェックリスト」でチェックできますので紹介します。

 

まとめ

さいごに、ロストワンタイプが抱える症状と問題について重要ポイントをまとめます。

  • POINTロストワンタイプが抱える問題や症状は、人に対する苦手意識が根本にある
  • ロストワンタイプは、人にとって恩恵があるはずの家族、学校、職場、地域などの人の集団に苦痛を感じやすい
  • よって、集団から離れがちとなり、孤立感、疎外感、疎外感を感じやすい
  • ロストワンタイプは、あえて自己主張を控えてきたことで離人感を感じやすい
  • ロストワンタイプの症状は、「考えすぎ…」「警戒しすぎ…」ともいえる反面、優れた生存本能=サバイバーの証とも言える

また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。

是非、あわせてお読みください。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「ロストワンタイプが抱える症状と問題」という記事でした。

この記事を書いた人

心理カウンセラーの紹介

心理カウンセラー寺井啓二の写真とメッセージ

はじめまして「メンタル心理そらくも 代表:寺井啓二」です。うつ、アダルトチルドレンを克服した経験を持つ心理カウンセラーです。自らの克服経験を世の中に役立てたいと考えています。

代表:寺井啓二の紹介

カウンセリングルーム紹介

メンタル心理そらくものカウンセリングルームの紹介イメージ

カウンセリングなどを行う「メンタル心理そらくものカウンセリングルーム」です。中学生、高校生、成人男性、成人女性、ご年配の方まで、静岡県内をはじめ、首都圏、関西、九州、東北など、全国から多くの方に来訪頂いています。

カウンセリングルームの紹介