ケアテイカータイプが原因で起きる問題

2022年7月30日アダルトチルドレンアダルトチルドレンタイプ,ケアテイカー(世話役),アダルトチルドレンの問題,生きづらさ

ケアテイカータイプが原因で起きる問題を表しているイラスト

POINTケアテイカータイプが原因で起きる問題は、人間関係や子育てにおける過干渉が特徴的です。

心理カウンセラーの寺井です。

アダルトチルドレン」とは、子ども時代「機能不全家族」という厳しい環境を生き抜いた生存者=サバイバーとも言えます。

とくに、ケアテイカータイプは「世話役」の呼び名の通り、子ども時代から、親をはじめとする周囲の人間たちに、先回りした気遣いと世話焼きをし続けてきたため、相手との距離感を見失いやすく、人間関係や子育てにおいて過干渉に陥りやすい点が特徴です。

この記事は、ケアテイカータイプが原因で起きる問題について説明しています。

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ケアテイカータイプ(世話役)が原因で起きる問題

アダルトチルドレン:ケアテイカータイプがお世話を好むことは、必ずしも悪いことではありません。

例えば、ケアテイカータイプのお世話好きな特徴を、「看護師」「介護士」「保育士」「教師」など、お仕事や職種に向けていくと、自分にとっても周囲にとっても大きなプラスに作用する場合があります。

ですが、ケアテイカータイプのお世話好きな特徴を、「夫婦」「家族」「子育て」「職場」「学校」「友人」「恋愛」など、プライベートに向けていくと、ケアテイカータイプの世話焼きが原因で、様々な問題を引き起こしてしまう場合があります。

ケアテイカータイプが原因で起きる問題は、以下の点があげられます。

POINT

  1. 子どもの問題に過干渉になりやすい
  2. 子育てでイライラを募らせやすい
  3. 人間関係のトラブルを招きやすい
  4. 逆恨みでいじめや仕返しなどをしがち

それでは、以下に詳しく説明していきます。

 

問題①子どもの問題に過干渉になりやすい

アダルトチルドレン:ケアテイカータイプの特徴として、子どもに過干渉になりやすいという点があります。

特に、ケアテイカータイプが母親であった場合、子どもに対して全身全霊をもってお世話をするため、子どもの人間関係や問題についつい干渉してしまいます。

そうすると、習い事や塾など、過度な教育を子どもに押し付けてしまったり、子どもの喧嘩に口を出してしまったり、人間関係における問題解決能力や調整能力など、子どもが大人になるために経験する必要がある成功体験を、ケアテイカータイプである母親が奪ってしまい、結果、子どもの精神的自立や成長を阻害してしまう場合があります。

このように、過干渉によって子どもの成長を阻害してしまう親を、スラング用語では「毒親」と称する場合があります。

毒親(どくおや、英: toxic parents)は、毒になる親の略で、毒と比喩されるような悪影響を子供に及ぼす親、子どもが厄介と感じるような親を指す俗的概念である。

引用元:毒親

そして、ケアテイカータイプの子どもへの過干渉が激化すると、稀に、子どもの学校問題にも過干渉をしてしまう場合があり、モンスターピアレンツなどと呼ばれ、問題視されてしまう場合があります。

 

また、「過干渉によって子どもの成長を阻害してしまう毒親の特徴」については、以下の記事で詳しく説明していますので、必要な方は参考にして下さい。

 

問題②子育てでイライラを募らせやすい

ケアテイカータイプは、お世話をしてあげたのに、相手に褒めてもらえなかったり感謝してもらえないと、大きな不安とイライラに襲われてしまう特徴があります。

ですが、子どもはいまだ幼く、親に世話をしてもらっても、親を褒めてあげたり感謝することができない場合があります。

この場合、子どもは無邪気なだけで、決して親のお世話に感謝をしていないわけではないのですが、ケアテイカータイプは、このような無邪気な子どもの態度に、「感謝が足りない!生意気だ!」と理不尽さを覚えてしまい、イライラを募らせてしまう場合があります。

そして、ケアテイカータイプは、無邪気な子どもの態度に触れれば触れるほど、頭ではわかっているのに、気持ちはイライラが募ってしまい、とても苦しい子育てになってしまう場合があります。

このように、ケアテイカータイプは、子育てにおいてイライラを募らせやすく、結果、子どもに対して手をあげてしまったり、「厳しいしつけによる虐待」や「ネグレクト」などの問題に発展してしまう場合があります。

 

問題③人間関係のトラブルを招きやすい

ケアテイカータイプは、人間関係において、「おせっかいな人」「寂しがり屋」「かまってちゃん」などの印象に捉えられてしまいがちです。

そして、自分の寂しさを紛らわせるために、ついつい「余計なお世話」をしてしまい、人間関係にトラブルを招いてしまう場合があります。

そのような状況に至ったとしても、「寂しかった…」「ごめんなさい…」「ありがとう…」と、自分の気持ちを素直に伝え、相手の気持ちも素直に受け入れられればトラブルも収束するのですが、ケアテイカータイプは、頑固で意地を張る一面があるため、かえって問題を大きくしてしまう場合があります。

 

問題④逆恨みでいじめや仕返しなどをしがち

ケアテイカータイプは、懸命にお世話をする反面、褒めてもらったり感謝してもらったり、見返りを求めている一面があります。

このようなケアテイカータイプの優しさを、粗雑に扱ったり、一方的に拒否したり、存在そのものを否定したりすると、ケアテイカータイプは深く傷つき怒り、逆恨みや仕返しなど、極端な攻撃的態度に豹変する場合があります。

例えば、職場や学校や友人関係などでも、ちょっとしたことで相手を不機嫌にしてしまい、それ以来、いじめの対象にされてしまったり、嫌がらせの対象にされてしまう場合があります。

このような場合は、もしかしたら、ケアテイカータイプの気持ちを知らず知らずに傷つけてしまい、嫉妬や逆恨みをされてしまっているのかもしれません。

また、ケアテイカータイプは、「なんとしても誰かの役に立ちたい!」と強く願っているため、場合によっては、突き放せば突き放すほど、ストーカー行為などの付きまといの問題に発展してしまう場合があります。

 

アダルトチルドレン(ac)タイプ診断

さて、アダルトチルドレンは、ケアテイカータイプ(世話役)のほかにも、抱えている「インナーチャイルド」の特徴によっていくつかのタイプに分類できます。

アダルトチルドレン(ac)タイプ診断を行うことは、アダルトチルドレンの克服の第一歩です。

以下の記事は、自分が抱えているインナーチャイルドのタイプを診断することができます。

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ケアテイカータイプと「機能不全家族」の関係

ケアテイカーと機能不全家族の関係を表わしているイメージ

ここまで、ケアテイカータイプが原因で起きる問題についてお話をしてきました。

とくに、アダルトチルドレンのケアテイカータイプは、「世話役」の呼び名の通り、子ども時代「機能不全家族」という厳しい環境を生き抜くために「頼りない親や兄弟姉妹の世話を焼き、親に代わって家族の面倒を見る…」という方法で懸命に生き延びてきた人です。

 

ケアテイカータイプの世話焼きは、生き延びるため

親に見捨てられてしまったり、親が居なくなってしまったり、親が倒れてしまっては、子どもは死んでしまいます。

よって、機能不全家族に生まれたケアテイカータイプの子どもは、自分が生き延びるために、頼りない親や家族にたいして、常に細心の気配りをし続け、先回りして世話を焼き続けることで懸命に生き延びようとします。

つまり、ケアテイカータイプが世話焼きであるのは、あくまで「先回りして世話焼きをし、トラブルを減らすという方法」を用いて「自分が生き延びるという目的」を果たすためです。

 

また、ケアテイカータイプを始めとする「アダルトチルドレンが生まれる理由」については、以下の記事で詳しく説明していますので、必要な方は参考にして下さい。

 

「ケアテイカー」の親も「ケアテイカー」

また、親がケアテイカータイプであると、親の世話焼きは、だんだんと子どもに対する過干渉となっていきます。

すると、子どもは親に干渉されるのを嫌がり、親に干渉されないように、親よりさらに先回りして気を遣い、「親に失敗を指摘されない=親に干渉されない」よう焦るようになります。

そうすると、親も更に先回りして、「子どもの落ち度や失敗を探す=子どもにさらなる過干渉をする」ようになり、ケアテイカータイプの世話好きが、親と子の間で連鎖し、どんどんと強化されていきます。

 

ケアテイカータイプは親から子へ連鎖する

このように、ケアテイカータイプの特徴が、親から子へと受け継がれていく心のしくみを、心理学では「世代間連鎖」と呼び、ケアテイカータイプのように、子どもに対して、過剰な過干渉をする親を、スラング用語では「毒親」と称する場合があります。

特に日本の場合、ケアテイカータイプである母親が多いと言われ、親から連鎖したケアテイカータイプの気質が、「過干渉」「過保護」「虐待」「ネグレクト」など、子育ての問題の根本原因となっている場合があります。

以下に、「アダルトチルドレンと子育ての関係」について詳しくまとめた記事を紹介します。

 

アダルトチルドレンは「サバイバー」

このように、ケアテイカータイプをはじめ、アダルトチルドレンは、ある意味、厳しい環境を懸命に生き抜いてきた「サバイバー」とも言えます。

確かに、ケアテイカータイプは、ありがた迷惑、過干渉などの印象があり、見方によってはトラブルメーカーのように感じてしまいますが、反対に言えば、それだけ、周囲の人の役に立ちたいと願っており、「ありがとう…」「よくやったね…」などの言葉=「周囲の人からの感謝や労いを求め続けている人」=「周囲の人に必要とされたいと願っている人」と、心理カウンセリングの現場では捉えます。

よって、ケアテイカータイプが原因で起きる問題は、障害や病気といった問題ではなく、厳しい環境を生き抜いてきたことで身に付けた優れた生存本能=サバイバーの証であると、心理カウンセリングの現場では考えています。

 

ケアテイカータイプをはじめ、アダルトチルドレンを生み出す機能不全家族については、戦後の日本家庭の8割は機能不全家族と言われています。

なお、アダルトチルドレンを生み出す機能不全家族については、以下の「機能不全家族チェックリスト」でチェックできますので合わせて紹介します。

 

まとめ

さいごに、ケアテイカータイプが原因で起きる問題について重要ポイントをまとめます。

  • POINTケアテイカータイプが原因で起きる問題は、過干渉が根本にある
  • ケアテイカータイプは、過干渉なあまり、子どもの精神的自立や成長を阻害してしまう場合がある
  • ケアテイカータイプは、子育てにおいて「過干渉」「過保護」「虐待」「ネグレクト」などの問題を起してしまう場合がある
  • ケアテイカータイプは、人間関係において、「いじめ」「つきまとい」などの問題を起してしまう場合がある

また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。

是非、あわせてお読みください。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「ケアテイカータイプが原因で起きる問題」という記事でした。

この記事を書いた人

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はじめまして「メンタル心理そらくも 代表:寺井啓二」です。うつ、アダルトチルドレンを克服した経験を持つ心理カウンセラーです。自らの克服経験を世の中に役立てたいと考えています。

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