POINT親代わり恋愛とは、恋人に「親代わり」を求めて子どものように甘えたり、恋人の「親代わり」を望んで親のように尽くすなど、本来「対等であるはずの関係性」が、あたかも「親子のような関係性」になっている恋愛関係を指します。
心理カウンセラーの寺井です。
「親代わり恋愛」とは、「心理学」や「精神医学」などの学術的な根拠を持つ「言葉」ではありませんので「明確な定義」はありませんが、本来「対等であるはずの関係性」が、あたかも「親子のような関係性」になっている恋愛関係を意味します。
このように「親代わり恋愛」とは、子どもの頃、「親」から十分な「愛情」を得られなかった人が、大人になったあと、「親」から得られなかった「愛情」を「恋人」を親代わりにして得ようとするという「恋愛パターン」を指す言葉であり、「アダルトチルドレンの恋愛傾向」のひとつにあげられています。
また「親代わり恋愛」とは、「恋人に『親代わり』を求めて子どものように甘える恋愛パターン」と「恋人の『親代わり』になることを望んで親のように尽くす恋愛パターン」の「2つのパターン」があり、「年の差カップル」より「同世代カップル」のほうが問題が起きやすいと考えられています。
そして、「親代わり恋愛」とは「アダルトチルドレンの恋愛傾向」のひとつであることから、アダルトチルドレンを克服することが、「親代わり恋愛の克服」に繋がると考えることができます。
この記事は、親代わり恋愛について解説しています。
親代わり恋愛とは?
「親代わり恋愛」とは、本来「対等であるはずの関係性」が、あたかも「親子のような関係性」になっている恋愛関係を指します。
また「親代わり恋愛」とは、子どもの頃、親子関係で満たせなかった「甘え欲求(親に甘えたかった気持ち)」や「承認欲求(親に褒められたかった気持ち)」を、大人になって恋愛関係で満たそうとしている心理状態と言い換えることもできます。
親から得たかった愛情が得られなかった時、恋人を親代わりにして得られなかった愛情を得ようとすることがあります。それは実際の親から愛情をもらうのが困難な時、代理的に親代わりになってもらうのです。
このように「親代わり恋愛」とは、子どもの頃、「親」から十分な「愛情」を得られなかった人が、大人になったあと、「親」から得られなかった「愛情」を「恋人」を親代わりにして得ようとするという「恋愛パターン」のひとつであり、子どもの頃、「親」から十分な「愛情」を得られなかったことが原因で、大人になってから、恋愛をはじめ、親子・家族・友達・結婚・仕事など「人間関係全般」に問題を抱えている人を「アダルトチルドレン」と言います。
生きづらさを抱えている人やアダルトチルドレンの人の多くは、愛情不足で育っている人が多いです。自尊心が低いことや人間関係が上手に築き上げることが出来ないことが多いです。
以上のことから、「親代わり恋愛」とは、「アダルトチルドレンの恋愛傾向」のひとつと言えます。
親代わり恋愛:2つのパターン
「親代わり恋愛」とは「アダルトチルドレンの恋愛傾向」のひとつであり、「幼少期の愛情不足」が原因であると考えられています。
また、カウンセリングの臨床経験に基づくと「幼少期の愛情不足」とは、主に以下の「具合例」があげられます。
POINT
- 子どもの頃、親に十分に甘えられなかった
- 子どもの頃、親に十分に褒めてもらえなかった
このように、「親に十分に甘えられなかった子ども」や「親に十分に褒めてもらえなかった子ども」は、「親の愛情不足」のまま大人へと成長しており、大人になって「親の愛情不足」の影響により「親代わり恋愛」を繰り返すと考えられています。
なお、「親の愛情不足の影響」とは、主に以下の「2つ」が考えられます。
POINT
- 子どもの頃、親に十分に甘えられなかった場合
恋人に「たくさん甘えたい!」という「甘え欲求」を強く感じるようになり、恋人に「親代わり」を求めて子どものように甘える - 子どもの頃、親に十分に褒めてもらえなかった場合
恋人に「たくさん褒めてもらいたい!」という「承認欲求」を強く感じるようにあり、恋人の「親代わり」になることを望んで親のように尽くす
このように「親代わり恋愛」とは、恋人に「親代わり」を求めて子どものように甘えたり、恋人の「親代わり」になることを望んで親のように尽くしたり、「親子のような恋愛関係」になるという特徴があります。
以上のことから、「親代わり恋愛」とは、以下の「2つのパターン」が存在すると言えます。
POINT
- 恋人に「親代わり」を求める恋愛パターン
- 恋人の「親代わり」になることを望む恋愛パターン
それでは、「親代わり恋愛:2つのパターン」について、以下に詳しく解説していきます。
①恋人に「親代わり」を求める恋愛パターン
「恋人に『親代わり』を求める恋愛パターン」とは、「男性」でも「女性」でも起こり得る恋愛関係です。
ですので、「恋人に『親代わり』を求める恋愛パターン」とは、以下の「2つ」が考えられます。
POINT
- 彼氏が彼女に「母親代わり」を求める恋愛パターン
- 彼女が彼氏に「父親代わり」を求める恋愛パターン
そして、「母親代わり」を求める男性も「父親代わり」を求める女性も、「恋人にたくさん甘えたい!」など「強い甘え欲求」を感じているという共通の心理的特徴があります。
なお、「恋人に『親代わり』を求める『男女』共通の特徴」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- とにかく一緒に居たがる、一緒に居られないと不安になる
- 電話・LINEなど、頻繁に連絡を取りたがる、連絡がとれないと不安になる
- とにかく相手のことを知りたがる、教えてもらえないと不安になる
- とにかく自分のことを教えたがる、自分に興味を持ってもらえないと不安になる
- 言葉遣い・行動など、とにかく優しさを求める、優しくしてもらえないと不安になる
- 手を繋ぐ・肩を抱くなど、頻繁に「スキンシップ」を取りたがる、してもらえないと不安になる
- ちょっと困ると、すぐに相手を頼り相談する、相談に乗ってもらえないと不安になる
このように「恋人に『親代わり』を求める人」は、「親の愛情不足」によって満たされないままの「甘え欲求」を満たすために「子どものように甘える」という特徴があります。
また、「恋人に『親代わり』を求める人」のように、恋人をはじめとする特定の相手に甘えすぎてしまうことを「依存心」と言います。
恋愛に夢中になりすぎて好きな人しか目に入らなくなってしまい、依存することで相手を困らせてしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。…(中略)…依存心とは、誰かに頼りたいと思う気持ちをいいます。…(中略)…1人で過ごしたくない、どんな時も誰かと一緒にいたいという気持ちを常に持っている人は依存心が強いといえるでしょう。
このように「依存心」が強い人は、恋愛において相手に依存し(子どものように振舞い)過ぎてしまい、かえって相手を困らせてしまうという傾向があります。
以上のことから、「依存心」が過ぎるあまり相手を困らせてしまうという点は、「恋人に『親代わり』を求める恋愛パターンの特徴」と言えます。
②恋人の「親代わり」になることを望む恋愛パターン
「恋人の「親代わり」になることを望む恋愛パターン」とは、「男性」でも「女性」でも起こり得る恋愛関係です。
ですので、「恋人の「親代わり」になることを望む恋愛パターン」とは、以下の「2つ」が考えられます。
POINT
- 彼氏が彼女の「父親代わり」になることを望む恋愛パターン
- 彼女が彼氏の「母親代わり」になることを望む恋愛パターン
そして、「父親代わり」になることを望む男性も「母親代わり」になることを望む女性も、「恋人にたくさん褒められたい!」など「強い承認欲求」を感じているという共通の心理的特徴があります。
なお、「恋人の『親代わり』になることを望む『男女』共通の特徴」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 友人との先約を断ってでも、恋人との予定を優先していつも一緒に居たがる
- 相手の意見には絶対に反対せず、すべて聞き入れて従おうとする
- 身の回りの世話など、相手が一人でできることでもお世話したがる
- 電話・LINEなど、常に相手からの連絡を待っている、連絡が来ると最優先で返信する
- 相手が浮気をしても許してしまう
- ファッションや髪型などを相手の好みに合わせ、相手好みの人間になろうとする
- 相手に言われるがままにお金を渡したり、高価なプレゼントを買ってしまう
- 自分は悪くなくても、すぐに謝ってしまう
- 「大丈夫?大丈夫?」と相手を心配しすぎてしまう
- 「○○したほうがいい!○○しないほうがいい!」と相手に干渉しすぎてしまう
このように「恋人の『親代わり』になることを望む人」は、「親の愛情不足」によって満たされないままの「承認欲求」を満たすために、「恋人の親であるかのように尽くす」という特徴があります。
また、「恋人の『親代わり』になることを望む人」のように、恋人に尽くすことで自分の存在価値を感じようとする恋愛関係を「共依存恋愛」と言います。
共依存恋愛とは、自分をかえりみずに相手のために必死になっている人と、そうした相手に依存している人の恋愛関係を指します。男性が女性に依存する場合もあれば、女性が男性に依存する場合もありますし、同性愛の場合も共依存関係は成立します。
このように「共依存恋愛」の傾向が強い人は、恋愛において相手の世話を焼き(相手の親であるかのように尽くし)過ぎてしまい、かえって相手を困らせてしまうという傾向があります。
以上のことから、「共依存恋愛」の傾向が強いことで相手を困らせてしまうという点は、「恋人の『親代わり』になることを望む恋愛パターンの特徴」と言えます。
親代わり恋愛カップルの特徴
前述の通り、子どもの頃、母親に甘えられないまま大人になった男性は、大人になってから、恋人に対して「母親のような愛情」を求めるという傾向があります。
子供の頃に親に甘えることができなかった男性は、子供の時の愛情不足が原因で大人になってから好きな女性に甘えるということがあるようです。特に母親に対して甘えることができなかった家庭環境の男性は、彼女に対して母親のような愛情を求める心理があるようです。
同じように、子どもの頃、父親に甘えられないまま大人になった女性は、大人になってから、恋人に対して「父親のような愛情」を求めるという傾向があります。
父親から十分な愛情をもらえずに育った女性は、常に自分の中に理想の父親像を持っています。それが恋愛において、自分が思い描いている父親像と男性を重ね合わせてしまうようになるのです。…(中略)…また、幼少期に両親の離婚によって父親との関わりを持たずに育った女性も、このような思いを持って育っていくと言えるでしょう。愛情不足で育った場合、恋愛において男性に対して父親のような愛情を求めてしまう
このように、「親代わり恋愛」とは「親子のような関係性を求める恋愛関係」ですので、「年の差カップル」も「同世代カップル」もどちらも存在すると考えられています。
よって、ここでは「親代わり恋愛カップルの特徴」として、以下の「2つ」を解説していきます。
POINT
- 「年の差カップル」による親代わり恋愛の特徴
- 「同世代カップル」による親代わり恋愛の特徴
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①「年の差カップル」による親代わり恋愛の特徴
「親代わり恋愛」とは、子どもの頃、「親」に満たしてもらえなかった「愛情(親に甘えたかった気持ち・親に褒められたかった気持ち)」を、大人になって「パートナー(恋人・配偶者)」に満たしてもらおうとする心理状態を指します。
ですので、「親代わり」を求めて「年上のパートナー」を選ぶことが多かったり、「親代わり」になることを望んで「年下のパートナー」を選ぶことが多いと言われており、そのぶん「年の差カップル」になりやすいと言われています。
親代わりの異性としてずっと年上の人をパートナーに選ぶことが多い。ずっと年下のパートナーと自分から付き合って、親のように振舞う。これは不安定型愛着スタイルが一因であるとも考えられる。問題解決のため、不安定な愛着が原因という視点(愛着障害という視点)もある。
引用元:「親代わりのパートナー・ずっと年下のパートナーの異性を求めてしまう」原因は不安定型愛着スタイル|それを克服するには?
なお、「年の差カップルによる親代わり恋愛の関係性」は、主に以下の「具体例」が考えられます。
POINT
- 「パートナーに『親代わり』になってもらいたい『年少者(年下のパートナー)』」と「パートナーの『親代わり』になりたい『年長者(年上のパートナー)』」の年の差カップル
このように「年の差カップル」の場合、「親代わりを求める年少者」と「親代わりになりたい年長者」とのあいだで「利害が一致する」場合が多いため、恋愛関係でも夫婦関係でも問題は起きにくいという特徴があります。
②「同世代カップル」による親代わり恋愛の特徴
とはいえ、「親代わり恋愛」とは、あくまで「親」に満たしてもらえなかった「愛情(親に甘えたかった気持ち・親に褒められたかった気持ち)」を「パートナー(恋人・配偶者)」に満たしてもらうことにあります。
ですので、「親代わり恋愛」とは「年の差カップル」に限らず、「親代わり」をしてくれそうな「相手」であれば、「同世代カップル」でも起こり得る恋愛関係と言えます。
ですが、「同世代カップルによる親代わり恋愛」の場合、付き合い始めた当初や結婚した当初は「親代わり恋愛」であることに気づけない場合が多く、時間が経ってから「違和感」を感じ始める場合が多いという傾向があります。
ですので「同世代カップルによる親代わり恋愛」の場合、「パートナーの『親代わり』になりたくない人」と感じている人も、結果的に「親代わり恋愛」に巻き込まれてしまう場合があります。
以上のことから、「同世代カップルによる親代わり恋愛の関係性」は、主に以下「2つ」が考えられます。
POINT
- 「パートナーに『親代わり』になってもらいたい人」と「パートナーの『親代わり』になりたい人」の同世代カップル
- 「パートナーに『親代わり』になってもらいたい人」と「パートナーの『親代わり』になりたくない人」の同世代カップル
このように「同世代カップル」の場合、「親代わりを求める人」と「親代わりになりたい人」のように「利害が一致する」場合は、恋愛関係でも夫婦関係でも問題は起きにくいのですが、「親代わりを求める人」と「親代わりになりたくない人」のように「利害が一致しない」場合は、恋愛関係・夫婦関係で問題が起きやすいという特徴があります。
親代わり恋愛の原因
「親代わり恋愛」という言葉は「心理学」や「精神医学」などの学術的な根拠を持つ「言葉」ではなく、「恋愛」や「夫婦」の悩みの中から生まれた「俗称」と言えます。
よって、「親代わり恋愛」という言葉には「学術的な根拠を持つ明確な定義」はありませんが、心理学に基づく「共通認識」は存在します。
なお、「心理学で考える『親代わり恋愛の原因』」とは、主に以下の「3つ」が考えられます。
POINT
- 愛着障害
- 不安(とらわれ)型愛着スタイル
- 見捨てられ不安
- インナーチャイルド(未完の感情)
- 恋愛依存症
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①愛着障害
「親代わり恋愛」とは、子どもの頃、親子関係で満たせなかった「愛情(親に甘えたかった気持ち・親に褒められたかった気持ち)」を、大人になって恋愛関係で満たそうとしている心理状態を指します。
反対に言えば、「親代わり恋愛をする人」とは「親の愛情が不足したまま大人になった人」と言い換えることができます。
また、親が子どもに十分な「愛情」を注ぐことを心理学では「愛着の形成」と言い、「愛着の形成」によって育まれる「自分は他人に受け入れてもらえる価値のある人間だ!」と感じる気持ち(自分や他人への信頼感)」を「基本的信頼感」と言います。
愛着の形成は、子どもの人間に対する基本的信頼感をはぐくみ、その後の心の発達、人間関係に大きく影響します。乳幼児期に愛着に基づいた人間関係が存在することが、その後の子どもの社会性の発達には重要な役割を持ちます。愛着とは、子どもが特定の他者に対して持つ情愛的な絆のことです(ボウルビィ)。
引用元:心の発達-愛着の形成
そして、子どもにとって「親との愛着関係」は、心身ともに健全な成長をしていくために必要不可欠な「心のよりどころ」であり、心理学では「心の安全基地」と言います。
安全基地とは、アメリカ合衆国の心理学者であるメアリー・エインスワースが1982年に提唱した人間の愛着行動に関する概念である。子供は親との信頼関係によって育まれる『心の安全基地』の存在によって外の世界を探索でき、戻ってきたときには喜んで迎えられると確信することで帰還することができる。
引用元:安全基地
このように、親とのあいだで「愛着の形成」がなされると「心の安全基地」を持つことができ、人間に対する「基本的信頼感」が育まれ、精神的に安定した「自己肯定感の高い大人」へと成長していくと考えられています。
ですが、親の愛情が不足していた場合、子どもは、親とのあいだで「愛着の形成」が十分になされず、「心の安全基地」を持つこともできず、そのぶん「基本的信頼感」も十分に育まれず、精神的に不安定な「自己肯定感の低い大人」へと成長していくと考えられています。
なお、子どもの頃、親の愛情が不足していたことにより、親とのあいだで「愛着の形成」が十分になされず、恋愛をはじめ、親子・家族・友達・結婚・仕事など「人間関係全般」に問題が生じることを「愛着障害」と言います。
愛着障害とは、養育者との愛着が何らかの理由で形成されず、子供の情緒や対人関係に問題が生じる状態です。主に虐待や養育者との離別が原因で、母親を代表とする養育者と子供との間に愛着がうまく芽生えないことによって起こります。
引用元:愛着障害(アタッチメント障害)
このように、親の愛情が不足したまま大人になった人は「愛着障害」の可能性があり、その影響で「親代わり恋愛」を繰り返すと考えられています。
以上のことから、「愛着障害」とは「親代わり恋愛」の原因のひとつと言えます。
②不安(とらわれ)型愛着スタイル
「親代わり恋愛」とは、「恋愛関係のひとつのカタチ」であり「愛情表現のひとつのカタチ」とも言えます。
このように、恋愛をはじめとする人間関係の築き方には「人それぞれの傾向がある」と考えられています。
なお、「親代わり恋愛」のように「人それぞれの人間関係の築き方の傾向」を、心理学では「愛着スタイル」と言い、大きく分けて「4つの愛着スタイル」があると考えられています。
「愛着スタイル」とは、恋愛を含む人間関係において、人とどんな結びつきを持ちたいのか、どのような関係が心地よく感じるのかを表す傾向を指します。ロバーツさんによると、この傾向は、幼少期の保護者との関係が大きく影響している。
成人期の愛着スタイルは4つのタイプに分類されます。
- 自律・安定型
- とらわれがた(不安型)
- 拒絶・回避型
- 恐れ・回避型
また、「親代わり恋愛」は「相手にとらわれやすい・相手に執着しがち」という傾向があることから、「不安(とらわれ)型愛着スタイル」にあたると考えられています。
とらわれがた(不安型):不安が大きく、相手にしがみつくタイプです。親密でありたいと強く願っていますが、安心して離れることができないのでしがみついてしまいます。他者からどう評価されるかということがとても気になり、拒否されたり、見捨てられることを過度に心配しています
このように、親の愛情が不足したまま大人になった人は「不安(とらわれ)型愛着スタイル」の可能性があり、その影響で「親代わり恋愛」を繰り返すと考えられています。
以上のことから、「不安(とらわれ)型愛着スタイル」とは「親代わり恋愛」の原因のひとつと言えます。
③見捨てられ不安
子どもの頃、「愛情(親に甘えたかった気持ち・親に褒められたかった気持ち)」が満たされなかった人は、「親の愛情不足」のまま大人へと成長しており、その影響で、大人になって「強い孤独感」を感じやすく「精神的に不安定」になりやすいと考えられています。
なお、「親の愛情不足」の影響で感じる「強い孤独感」を「見捨てられ不安」と言います。
【見捨てられ不安とは?】見捨てられること、自分から人が離れてしまうことに強い不安を感じます。見捨てられたくない相手は、恋愛相手、友人、親、職場の人間などで、人から嫌われたくないため、様々な防衛行動を起こします。
このように、「子どもの頃、親に十分に甘えられなかった人」は「見捨てられ不安」を感じやすいという傾向があり、「親代り恋愛」とは「見捨てられ不安」を和らげるための行為とも言えます。
以上のことから、「見捨てられ不安」とは「親代わり恋愛」の原因のひとつと言えます。
④インナーチャイルド(未完の感情)
また、前述の「見捨てられ不安」のように、ある時(過去)から未解決のままモヤモヤと心に残り続けている感情を、「ゲシュタルト療法」という心理学では「未完の感情」と言います。
納得がいかない思いは、行き場がなくて、心のどこかにモヤモヤしたまま残ってしまいます。いわば出口がなくて迷子になってしまった感情。これを「未完の感情」と呼びます。
そして、「見捨てられ不安(未完の感情)」を軽減するために思い描く、「傷ついた子どもの頃の自分のイメージ」を「インナーチャイルド」と言います。
インナーチャイルドを癒すことで、間違った価値観を変える事が出来ますし、見捨てられ不安が軽減し望んだあなたで生きられるようになっていくのです。
このように、親の愛情が不足したまま大人になった人は「インナーチャイルドが傷ついたまま」である可能性があり、その影響で「親代わり恋愛」を繰り返すと考えられています。
以上のことから、「インナーチャイルド」とは「親代わり恋愛」の原因のひとつと言えます。
⑤恋愛依存症
また、前述の「見捨てられ不安」を和らげるために「誰かに頼りたい」と感じる気持ちを「依存心」と言い、恋人にあれこれ求めることで「見捨てられ不安」を和らげることを「恋愛依存症」と言います。
恋愛依存症とは、好きな人がいて楽しいはずなのに、相手に見捨てられるのではないかという不安がつきまとい、そんな自分を安心させるために、相手に行動をあれこれ求めてしまう状態を指します。
また「恋愛依存症」には、以下の「4つのタイプ」が存在すると考えられています。
そして「恋愛依存症」のなかでも、「共依存型」と「回避依存型」はとくに女性と関わりが深いと言われており、カウンセリングの臨床経験に基づいても、「共依存型」と「回避依存型」の「親代わり恋愛」に関する相談は非常に多いです。
恋愛依存症にはタイプ別に
- 「共依存型」
- 「回避依存型」
- 「ロマンス依存型」
- 「セックス依存型」
という4つの種類が存在します。
この中でも、とくに恋愛依存症の女性と関わりが深いのが「共依存型」と「回避依存型」です。
このように、親の愛情が不足したまま大人になった人は「恋愛依存症」の可能性があり、その影響で「親代わり恋愛」を繰り返すと考えられています。
以上のことから、「恋愛依存症」とは「親代わり恋愛」の原因のひとつと言えます。
なお、「共依存型」と「回避依存型」の「男女それぞれの恋愛傾向」については、以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
親代わり恋愛を克服する方法
前述の通り、「親代わり恋愛の原因」には、親の愛情が不足したまま大人になったことが密接に関わっており、その影響により「親代わり恋愛」を繰り返す可能性が高いと言えます。
「親代わり恋愛の克服」とは、アダルトチルドレンを克服すること
そして、子どもの頃、親からの愛情が不足していたことが原因で、大人になって恋愛をはじめ、親子・家族・友人・結婚・仕事など「人間関係全般」に問題を抱えている人を「アダルトチルドレン」と言います。
生きづらさを抱えている人やアダルトチルドレンの人の多くは、愛情不足で育っている人が多いです。自尊心が低いことや人間関係が上手に築き上げることが出来ないことが多いです。
このように、親の愛情が不足したままの大人「アダルトチルドレン」は、「親の愛情不足」が原因で「親代わり恋愛」を繰り返すと考えられています。
以上のことから、「親代わり恋愛」とは「アダルトチルドレンの恋愛傾向」のひとつと言え、「アダルトチルドレンを克服」することで「親代わり恋愛の克服」ができると考えられます。
「アダルトチルドレン(親代わり恋愛)」の克服方法
そもそも「アダルトチルドレン(AC概念)」とは、1970年代、アメリカのアルコール依存症の治療現場から広がり始めた考え方で、1980年代になると、さまざまな専門家たちが「アダルトチルドレンの原因」や「アダルトチルドレンの克服方法」について研究を行い始め、今では、アメリカのソーシャルワーカー・社会心理学博士「クラウディア・ブラック」によって、「アダルトチルドレンからの回復プロセス」がしっかりと確立されています。
とはいえ、前述の通り「親代わり恋愛の原因」とは、子どもの頃に「親の愛情不足」の影響で心に負った「幼少期のトラウマ」が密接に関わっており、「幼少期のトラウマ」とは、「なかなか思い出しづらい『遠い昔の記憶』」であるのと同時に、「できれば思い出したくない『傷ついた記憶』」でもあります。
よって、「幼少期のトラウマ」を思い出そうと過去を振り返っても、自分1人ではなかなか思い出せなかったり、なかなか受け入れられない場合があります。
なお、「クラウディア・ブラック」は、「アダルトチルドレンからの回復」には以下の2点が重要と述べています。
POINT
- 「親・家族」に対する負の感情は「親・家族」に聞かせるのではなく、「親以外の信頼できる相手(心理カウンセラー・自助グループなど)」に聞いてもらう必要がある
- 「親・家族」に対する負の感情は「安全な場所(カウンセリングルーム・自助グループなど)」で聞いてもらう必要がある
以上のことから、「心理カウンセリングは、アダルトチルドレンの克服にとても有効である」と言われており、カウンセリングを利用して、カウンセラーの協力を得ながら「アダルトチルドレンからの回復プロセス」を進めることで「アダルトチルドレンの克服」が可能となり、アダルトチルドレンの克服をすることで「親代わり恋愛の克服」ができると言えます。
なお、当社メンタル心理そらくもが考える「アダルトチルドレン克服カウンセリング(親代わり恋愛の克服方法)」については、以下の記事で詳しく解説していますので、是非お読み下さい。
まとめ
さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。
- POINT親代わり恋愛とは、「親子のような関係性」になっている恋愛関係を指す
- 親代わり恋愛には、「子どものように恋人に甘える恋愛パターン」と「親のように恋人に尽くす恋愛パターン」がある
- 親代わり恋愛カップルは、「年の差カップル」より「同世代カップル」のほうが問題が起きやすい
- 親代わり恋愛の原因は、「愛着障害」「不安(とらわれ)型愛着スタイル」「見捨てられ不安」「インナーチャイルド(未完の感情)」「恋愛依存症」などが考えられる
- 親代わり恋愛は、「アダルトチルドレンの恋愛傾向」のひとつと言える
- 親代わり恋愛の克服方法とは、アダルトチルドレンを克服することである
また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。
是非、あわせてお読みください。
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なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。
以上、「親代わり恋愛とは?『恋愛パターン・カップルの特徴・原因・克服方法』の解説」という記事でした。