POINTアダルトチルドレン(AC概念)とは、1970年代、アメリカのアルコール依存症の治療現場から広がり始めた考え方で、子どもの頃、心にトラウマ(心的外傷)を負ったことが原因で、大人になって「対人関係の問題」や「生きづらさ」を感じ悩み苦しんでいる人たちに焦点を当てた考え方です。
心理カウンセラーの寺井です。
「アダルトチルドレン(AC概念)」とは、1970年代、アメリカのアルコール依存症の治療現場から広がり始めた考え方です。
「アダルトチルドレン(AC概念)」とは、「アダルトチルドレンの原因」や「アダルトチルドレンの克服方法」を研究する考え方であり、自己理解を深めるための考え方です。
この記事は、アダルトチルドレン(AC概念)について解説しています。
アダルトチルドレン(AC概念)とは?
「アダルトチルドレン」とは、子どもの頃の家庭環境において、親や家族との間で何らかのトラウマ(心的外傷)を負ったことが原因で、大人になって「人間関係の悩み」や「自己否定感」など、「生きづらさ」を感じ悩み苦しんでいる人たちを意味する言葉です。
アダルト・チルドレン(Adult Children:以下AC)とは、子どものころに、家庭内トラウマ(心的外傷)によって傷つき、そしておとなになった人たちを指します。…(中略)…ACの概念は1970年代にアメリカで提唱され始めました。
引用元:アダルト・チルドレンってなに
そして、アダルトチルドレン(AC概念)とは、以下のような考え方を指します。
POINT
- アダルトチルドレンとは、学術的な根拠を持つ診断名ではなく、「自己理解を深めるための言葉」である
- アダルトチルドレンは、「子どもが安心できない子育てをする親」に育てられたことにで負った「トラウマ(心的外傷)」が原因である
- アダルトチルドレンは、生まれ持った「遺伝」ではなく、生まれた後で身に付けた「人生脚本」という「習慣」である
- アダルトチルドレンは、親から子へと「習慣」が「世代間連鎖」する可能性がある
- アダルトチルドレンは「習慣」である以上、克服が可能である
- アダルトチルドレンは、子どもの頃に心に負った「トラウマ(心的外傷)」を治療することで克服できる
それでは、以下に詳しく解説していきます。
アダルトチルドレンと「アルコール依存症」の関係
アダルトチルドレン(AC概念)は、「アルコール依存症」と密接な関係があり、主に以下の点が特徴としてあげられます。
POINT
- 1974年、アメリカで「アルコール依存症の親を持つ子どもたちの研究」が開始されたことから、アダルトチルドレン(AC概念)への関心が高まった
- 1980年代、アメリカで「『アダルトチルドレン(AC概念)』と『アルコール依存症』」に関する書籍」が次々と発表され、ベストセラーとなったことから、アダルトチルドレン(AC概念)が定着していった
- 1980年代、アメリカで「アルコール依存症の親を持ち、『対人関係の問題』や『生きづらさ』に悩み苦しんでいる人たち」を、「アダルトチルドレン・オブ・アルコホリックス」=「アルコール中毒者に育てられたアダルトチルドレン」と呼び始めた
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①アダルトチルドレン(AC概念)への関心の高まり
1974年、アメリカの「国立アルコール乱用とアルコール依存症研究所(NIAAA)」により、アルコール依存症の親を持つ子どもたちの研究が開始され、アルコール依存症の親を持つ子どもたちは、大人になったとき「対人関係の問題」や「生きづらさ」を抱えやすいということがわかってきました。
このことから、アメリカのアルコール依存症の治療現場において、アダルトチルドレン(AC概念)への関心が高まり始めました。
②アダルトチルドレン(AC概念)の定着
1980年代になると、アメリカのソーシャルワーカー・社会心理学博士「クラウディア・ブラック」の著書「私は親のようにはならない」や、アメリカの心理学者「ジャネット・ウォイティッツ」の著書「アダルト・チルドレン~アルコール問題家族で育った子供たち~」が、アメリカにおいて相次いでベストセラーとなりました。
このことから、アメリカ社会において、アダルトチルドレン(AC概念)が定着していきました。
③アダルトチルドレン・オブ・アルコホリックス(ACOA)
このような経緯から、アルコール依存症の親を持ち、「対人関係の問題」や「生きづらさ」に悩み苦しんでいる人たちを、「アダルトチルドレン・オブ・アルコホリックス(Adult Children of Alcoholics)」=「アルコール中毒者に育てられたアダルトチルドレン」と呼び始め、「ACOA」と略されました。
これが「アダルトチルドレン」という用語の起源と言われています。
なお、「アダルトチルドレン(AC概念)の歴史」については以下の記事でさらに詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
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アダルトチルドレンと「機能不全家族」の関係
アダルトチルドレン(AC概念)は、「アルコール依存症」と同じく、「機能不全家族」とも密接な関係があり、主に以下の点が特徴としてあげられます。
POINT
- 1980年代の後半になると、「アルコール依存症の親」に限らず、依存症、虐待、ネグレクト、過干渉、過保護など、「子どもが安心できない子育てをする親」の全てが、アダルトチルドレンの原因になり得ることがわかってきた
- 親や家族がさまざまな問題を抱えていることが原因で、「子どもが安心して生活できない緊張や不安をはらんだ家庭」のことを「機能不全家族」と呼ぶようになった
- 「子供が安心して生活できない家庭で育ったことが原因で、『対人関係の問題』や『生きづらさ』に悩み苦しんでいる人たち」を、「アダルトチルドレン・オブ・ディスファンクショナルファミリー」=「機能不全家族で育ったアダルトチルドレン」と呼ぶようになった
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①アダルトチルドレンの原因は、「アルコール依存症の親」だけとは限らない
当初、アダルトチルドレンの原因は、「アルコール依存症の親」に限られて考えられていました。
それに伴い、アダルトチルドレン(AC概念)の解釈も、当初「アルコール依存症の親のもとで育った人」=「アダルトチルドレン・オブ・アルコホリックス」=「ACOA」のことだけを指していました。
ですが、1980年代の後半に入るとさらに研究が進み、「アルコール依存症の親」に限らず、薬物・ギャンブル・仕事などの依存症を持つ親、拒食・過食などの嗜癖を持つ親、暴言・暴力・虐待を行う親、ネグレクトを行う親、過干渉な親、過保護な親など、「子どもが安心できない子育てをする親」の全てが、アダルトチルドレンの原因になり得ることがわかってきました。
②「機能不全家族」という概念
そして、アルコール依存症の親がいる家庭も含め、「親や家族がさまざまな問題を抱えていることが原因で、子どもが安心して生活できない緊張や不安をはらんだ家庭」のことを「機能不全家族」と呼び、「機能不全家族」は「アダルトチルドレン」と密接な関係があることがわかってきました。
機能不全家族とは、ストレスが日常的に存在している家族状態のことです。主に親から子どもへの虐待・ネグレクト(育児放棄)・子どもに対する過剰な期待などの様々な要因が家庭内にあり、子育てや生活などの家庭の機能がうまくいっていない状態です。
このように、アメリカのアルコール依存症の治療現場から広がりを見せ始めはじめた「アダルトチルドレン(AC概念)」は、アメリカ社会全体へと定着していったことにより、さらなる研究が進んで、その解釈も発展・進化していきました。
③アダルトチルドレン・オブ・ディスファンクショナルファミリー(ACOD)
このとき、「子供が安心できない子育てをする親のもとで育ったことが原因で、『ACOA』と同じように、『対人関係の問題』や『生きづらさ』に悩み苦しんでいる人たち」を、「アダルトチルドレン・オブ・ディスファンクショナルファミリー(Adult Children of Dysfunctional Family)」=「機能不全家族で育ったアダルトチルドレン」と呼ぶようになり、「ACOD」と略されました。
なお、「機能不全家族とは何か?」については、以下の記事でさらに詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
アダルトチルドレンが生まれる理由
このように、アダルトチルドレンが生まれる理由には、「両親=養育者」の存在と、「家庭=居場所」の存在が密接に関わっています。
なお、「アダルトチルドレンが生まれる理由」については以下の記事でさらに詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
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アダルトチルドレンの「生きづらさ」とは?
「生きづらさ」とは、以下のように、いわゆる「日常生活」を送っているだけなのに、生きていくことが困難に感じてしまう心理状態を意味します。
「生きづらさ」とは、生きていくことが困難であると感じること。または、そうさせている要因そのものを指す。同じような言葉である「生きにくさ」とは違い、生きることが「つらい」という感情もそのニュアンスに含まれる。引用元:「生きづらさ」とはいったいなにか?
このように、アダルトチルドレンとは、外面的には問題なく日常生活を送っているように見えても、内面的には「生きづらさ」を感じて悩み苦しんでいると言えます。
アダルトチルドレンが抱える「生きづらさ」
まず、「アダルトチルドレンの入門書」として知られている「生きづらさの正体はアダルトチルドレン」という本の中で、著者「梅岡幸子」氏は、「アダルトチルドレンが抱える生きづらさ」として、以下のような症状をあげています。
アダルトチルドレンの生きづらさ
- 人間関係がうまくいかない
- 相手と親密になると怖くなり、仲良くなってもみずから関係を壊してしまう
- 言いたいことが言えず「いい人」を演じてしまう
- いじめの標的になりやすい
- 幸せな恋愛ができない
- ダメな人ばかりを好きになってしまう
- 愛されている自信がない
- 恋人に依存してしまう
- 完璧主義の呪いに苦しむ
- 食べ物や買い物・仕事への依存症
アルコール依存症の親に育てられたアダルトチルドレン(ACOA)の特徴
次に、日本に「アダルトチルドレン(AC概念)」を紹介した、精神科医「斎藤学(さいとうさとる)」氏は、「アルコール依存症の親に育てられたアダルトチルドレン(ACOA)の特徴」として、以下のような点をあげています。
ACOAの特徴
- 自分の考えや行動が「これでいい」との確信が持てない
- 物事を最初から最後までやり遂げることが困難
- 本当のことをいったほうが楽なときでも嘘をつく
- 自分に情け容赦なく批判を下す
- 楽しむことがなかなかできない
- まじめすぎる
- 親密な関係を持つことが大変難しい
- 自分には、コントロールできないと思われる変化に過剰反応する
- 常に、他人からの肯定や受け入れを求めている
- 自分は、人とは違うといつも感じている
- 常に責任をとりすぎるか、責任をとらなさすぎるかである
- 過剰に忠実である
- 衝動的である。他の行動が可能であると考えずに1つのことに自らを閉じ込める
機能不全家族で育ったアダルトチルドレン(ACOD)の特徴
同じく、精神科医「斎藤学(さいとうさとる)」氏は、「機能不全家族で育ったアダルトチルドレン(ACOD)の特徴」として、以下のような点をあげています。
ACODの特徴
- 周囲が期待しているように振る舞おうとする
- 何もしない完璧主義者である
- 尊大で誇大的な考え(や妄想)を抱いている
- 「NO」が言えない
- しがみつきと愛情を混同する
- 被害妄想におちいりやすい
- 表情に乏しい
- 楽しめない、遊べない
- フリをする
- 環境の変化を嫌う
- 他人に承認されることを渇望し、寂しがる
- 自己処罰に嗜癖している
- 抑うつ的で無力感を訴える。その一方で心身症や嗜癖行動に走りやすい
- 離人感がともないやすい
アダルトチルドレンのタイプ
また、アメリカの心理療法家「ウェイン・クリッツバーグ」は、「アダルトチルドレン・シンドローム―自己発見と回復のためのステップ」という著書の中で、アダルトチルドレンの生きづらさを、以下のような「6つの役割」として提唱しています。
アダルトチルドレン「6つの役割」
- ヒーロー(英雄役)
ある特定の分野で家族や周囲から高い評価を受け、期待されている - スケープゴート(身代り役)
家族の中で「ダメな子」として、否定的な役割を担わされている - ロスト・ワン(いない子)
荒れている家庭の中で、目立たないように身を潜めている - プラケーター(慰め役)
家族の中で落ち込んでいたり、傷ついた人を慰めて、助けようとするカウンセラーのような役割を担わされている - クラウン(道化)
家族が暗い表情にならないように、いつもおどけたり、冗談を言ったりして、ピエロのような役割を演じている - イネイブラー(支え役)
慰め役や道化と似ていて、家族に奉仕し、支えることで、家族の機能を保とうとしている
なお、「アダルトチルドレンタイプ」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
アダルトチルドレン「4つ」の心理学的な特徴
アダルトチルドレンの生きづらさを心理学に沿って考えると、以下の「4つ」の心理学的な特徴があげられます。
POINT
- 「白黒思考」
- 「人生脚本」
- 「共依存」
- 「世代間連鎖」
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①「白黒思考」
アダルトチルドレンとは「極端な考え方」をしがちな特徴があり、そのことが原因でさまざまな「生きづらさ」を抱えやすくなります。
このとき、生きづらさの原因になるような「極端な考え方」を、心理学では「認知の歪み」あるいは「白黒思考」と言います。
白黒思考は「全か無かの思考」「二分法的思考」とも呼ばれるもので、物事を白か黒か、善か悪か、といった極端な立場でしか捉えることが出来ない思考のことを言います。
引用元:白黒思考
なお、「白黒思考」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
②「人生脚本」
また、アダルトチルドレンが持つ「極端な考え方」は、いくら注意をしても、気がつくと無意識に繰り返してしまう特徴があり、長い時間を掛けて身に付けた「習慣」と言えます。
このように、子どもの頃、「親に言われた言葉」や「親にされた行動」の影響で、成人しても「習慣」として無意識に繰り返してしまう思考・行動などのパターンを「交流分析」という心理学では「人生脚本」と言います。
人生脚本とは、エリック・バーンが提唱した心理学理論です。幼少期に自分自身の人生脚本を描き、その通りになるとされています。人生脚本の大部分は親からのメッセージにより決定されます。無意識のうちに生き方を決め、それに従い行動するということです。
引用元:人生脚本とは
なお、「人生脚本」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
③「共依存」
このように、アダルトチルドレンとは、「白黒思考」という「極端な考え方」を、「人生脚本」という「習慣」で延々と繰り返していると言えます。
そうすると、「アルコール・薬物・ギャンブル・仕事などへの依存症」「DVや自己犠牲など極端な夫婦関係・恋愛関係」「拒食・過食・引きこもりなど極端な嗜癖」「パワハラ・いじめ・不登校など極端な対人関係」「暴言・暴力・虐待・ネグレクト・過干渉・過保護など極端な子育て」など、偏った状態に安心感・充実感を求めるようになり、このような心理状態を「共依存」と言います。
共依存とは、自分自身に焦点があたっていない状態のことです。たとえば、自分の価値を周囲の基準だけを頼りに判断する。自分がどうしたいかではなく、周囲の期待に応えることだけに必死など、他の人の問題を解決することに、いつも一生けん命であること。
引用元:共依存とは
④「世代間連鎖」
反対に言えば、アダルトチルドレンは「極端な考え方」を「習慣」として無意識に繰り返してしまうので、子育てにおいて自分自身が無意識に「アダルトチルドレンの原因」となってしまう特徴があり、アダルトチルドレンが抱える生きづらさは、親から子へ、子から孫へと「世代間連鎖」をしてしまう特徴があります。
世代間連鎖とは、親から子へ世代を超えて伝わるもののこと。わかりやすいものでいえば、虐待や貧困などの問題である。しかし、実際はそういった大きな問題だけではなく、親から子への愛情のかけ方や接し方も、連鎖する。
引用元:世代間連鎖を止めるの、やめた
このように、「共依存」という「生きづらさ」を「習慣」として繰り返しているうちに、自らが抱える生きづらさを自分の子どもへと無意識に「世代間連鎖」してしまう点が、「アダルトチルドレン最大の特徴」と言えます。
だからこそ、アダルトチルドレンの生きづらさを克服することは、自分の人生にも次の世代の人生にも責任を果たすことができる、価値ある行動だと言えます。
なお、「世代間連鎖」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
また、「アダルトチルドレンの特徴」については以下の記事でさらに詳しく解説していますので、併せて紹介します。
アダルトチルドレンと「トラウマ(心的外傷)」の関係
「トラウマ(心的外傷)」とは、以下のように、身体が傷ついているのと同じように、心が傷ついている心理状態を意味します。
心的外傷(しんてきがいしょう、英語: psychological trauma、トラウマ)とは、外的内的要因による肉体的及び精神的な衝撃(外傷的出来事)を受けた事で、長い間それにとらわれてしまう状態で、また否定的な影響を持っていることを指す。
引用元:心的外傷
このように、アダルトチルドレンとは、「トラウマ(心的外傷)」を負っていることに気づけないままに、「トラウマ(心的外傷)」の影響を受け続けていると言えます。
子ども時代に負ったトラウマ(心的外傷)の影響
子どもは、発達期に自分の存在を保護してくれる「親」や「家族」のことを、無条件で信頼します。
反対に言えば、無条件で信頼している「親」や「家族」から傷つけられることは、子どもにとって大きなショックであり、子どもの人生に大きな影響を与えます。
発達期に受けたトラウマは、その後の人生に影響を及ぼしかねません。今まさに発達期にあるお子さんはもちろん、子どものころにトラウマを負って、癒えないまま大人になったという方は、心の傷による生きづらさを抱えています。
また、大きなショック体験が原因で、時間が経ってからもその影響を受け続けることを「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」と言います。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、強烈なショック体験、強い精神的ストレスが、こころのダメージとなって、時間がたってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるものです。
引用元:PTSDについて
このように、アダルトチルドレンとは、自分の存在を擁護してくれるはずの「親」や「家族」から傷つけられてしまったことが原因で、心に大きな「トラウマ(心的外傷)」を抱えてしまい、そのぶん「生きづらさ」を強く感じ続けていると言えます。
「生きづらさの克服」とは、トラウマ(心的外傷)を癒すこと
このように、「アダルトチルドレンが抱える生きづらさの根本原因」は、子どもの頃に負った「トラウマ(心的外傷)」と言えます。
反対に言えば、「アダルトチルドレンが抱える生きづらさ」は、子ども時代に負った「トラウマ(心的外傷)」を癒すことで克服できると言えます。
トラウマ(心的外傷)を治療する工夫「インナーチャイルド」
また、子ども時代に負った「トラウマ(心的外傷)」のように、ある時から心に残ったままになっている感情を「ゲシュタルト療法」という心理学では「未完の感情」と言い、「トラウマ(心的外傷)」を治療しやすくするために、あえて思い描く「子ども時代の自分イメージ(未完の感情のイメージ)」を「インナーチャイルド」と言います。
納得がいかない思いは、行き場がなくて、心のどこかにモヤモヤしたまま残ってしまいます。いわば出口がなくて迷子になってしまった感情。これを「未完の感情」と呼びます。
諸説ありますが、「子供の頃の記憶や感情」のことをインナーチャイルドと呼びます。主にネガティブな記憶や、それに伴う感情(親に怒られた、友達にいじめられた、さみしかった、つらかった、孤独を感じた等)が中心です。
引用元:インナーチャイルドとは?
このように、子ども時代に負った「トラウマ(心的外傷)」は、「インナーチャイルド」という概念を用いることで格段に治療しやすくなります。
なお、「未完の感情と何か?」「インナーチャイルドとは何か?」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
アダルトチルドレンの生きづらさを克服する「インナーチャイルドセラピー」
「トラウマ(心的外傷)」の治療方法には、大きく分けて「薬物療法」と「心理療法」の2つがあります。
その中でも、「インナーチャイルド」という概念を用いて「トラウマ(心的外傷)」を治療する心理療法を「インナーチャイルドセラピー」と言います。
インナーチャイルド・セラピーは、まさにこの「未完の完結」作業を応用したものです。…(中略)…未完の感情をそのまま引きずるのではなく、「今ここ」で完結(終わらせ、創り直す)ことが、インナーチャイルド・セラピーです。
引用元:インナーチャイルド・セラピー
このように、「アダルトチルドレンが抱える生きづらさ」とは、その原因である「トラウマ(心的外傷)」を「インナーチャイルド」に置き換え、「インナーチャイルドセラピー」で癒すことで克服することが可能になると言えます。
なお、「インナーチャイルドセラピーとは何か?」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
また、「インナーチャイルドセラピーを用いた、アダルトチルドレンからの回復過程」についても、以下にあわせて紹介します。
まとめ
このように、「アダルトチルドレン」とは、「生きづらさ」には必ず原因があり、自己理解を深めることで「生きづらさの克服」が可能となることを示す「希望の言葉」と言えます。
そして、「アダルトチルドレン」についてはさらなる研究が進み、現在では心理カウンセリングを始め、さまざまな克服方法が確立されています。
「アダルトチルドレンの克服方法に沿った心理カウンセリング」については以下の記事で詳しく解説していますので、是非、参考にしてください。
また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。
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以上、「アダルトチルドレンとは?『AC概念』の解説」という記事でした。