回避依存症の「試し行為(試し行動)」の解説

2023年3月15日アダルトチルドレンアダルトチルドレンの恋愛傾向,回避依存症,恋愛・結婚

回避依存症の試し行為(試し行動)の様子を表すイラスト

POINT「試し行為」とは、本来は「子どもが親の愛情を確認する行為」ですが、回避依存症の方は「恋人から愛情を搾取する」という目的で、大人になってからも「試し行為」を繰り返すという特徴があります。

心理カウンセラーの寺井です。

「試し行為」とは「試し行動」とも呼ばれ、「心理学」や「精神医学」などの学術的な根拠を持つ「言葉」ではありませんので「明確な定義」はありませんが、「子育て」や「恋愛」の分野における「共通認識」としては、「あえて相手を困らせるような行動を取ることで、相手の愛情を確認する行為」を意味します。

このように「試し行為」とは、本来「子どもが親に行う行為」なのですが、子どもの頃に「試し行為」を親にしっかりと受け止めてもらえなかった場合、親との間で「愛着の形成」が十分になされず、その影響で、大人になってからも、恋人に対して「試し行為」を繰り返すと考えられており、「回避依存症の恋愛傾向」のひとつにあげられています。

回避依存症の人の恋愛傾向に「試し行為をする」というものがあります。試し行為とは、相手がどれだけ自分に尽くしてくれるかを試す行為。幼少期に親からの愛情が不足していたことが原因と言われており、自己肯定感が異常に低い人によく見られる行動です。

引用元:回避依存症とは?美人な女性がなりやすい?特徴や共依存についても解説

また、「回避依存症の方」は、子どもの頃に「親」に満たしてもらえなかった「愛情」を、大人になって「恋人」を利用して満たそうとする傾向があるため、本来は「恋人の愛情を『確認』するための『試し行為』」であるはずが、いつの間にか「恋人から愛情を『搾取』するための『試し行為』」へとエスカレートしていく場合があります。

とはいえ、「回避依存症の方」は、決して「恋人との関係を破局させるため」に「試し行為」を行うのではなく、あくまで「恋人との関係を支配・コントロールして継続させるため」に「試し行為」を行うという傾向があります。

この記事は、回避依存症の「試し行為(試し行動)」について解説しています。

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試し行為(試し行動)とは?

試し行為(試し行動)を行うことで親や恋人の愛情を確認している様子を表すイラスト

「試し行為」とは「試し行動」とも呼ばれ、「回避依存症の方」だけが行う「行為」ではなく、すべての人が行う可能性がある「行為」であり、「恋愛関係」に限らず、「親子関係」や「友人関係」においても行われる「行為」と言えます。

とはいえ、「試し行為(試し行動)」という言葉は「心理学」や「精神医学」などの学術的な根拠を持つ「言葉」ではなく、「子育て」や「恋愛」の分野で生まれた「俗称」と言えます。

試し行動について調べたくなるじゃないですか。記事によっては、発達心理学で使われる用語と書かれていることも、あるんですが。特定の提唱者や理論って、ないみたいです。…(中略)…もう少し詳しく調べてみたところ、試し行動・試し行為っていう用語は日本独自に発展した俗称という結論になりました。

引用元:試し行動・試し行為という用語はどこから来たのか調べてみた

このように「試し行為(試し行動)」という言葉は「学術的な根拠」を持つ「言葉」ではないため、「学術的な根拠を持つ明確な定義」はありませんが、「子育て」や「恋愛」の分野における「共通認識」は存在します。

以上のことから、ここでは「試し行為(試し行動)」について以下の「3つ」にわけて解説していきます。

POINT

  1. 子育てにおける「試し行為」
  2. 恋愛における「試し行為」
  3. 回避依存症の「試し行為」

それでは、以下に詳しく解説していきます。

 

①子育てにおける「試し行為」

子育てにおける「試し行為」とは、「子どもが親に対して行う試し行為」を指します。

試し行動とは:子どもが相手(例:里親)に向けて、自分自身をどの程度まで受け止めてくれるのか探る行為のことです。里子・実子を問わず、子どもは悪いことだとわかっていながらも、あえて大人を困らせるような行動を取り、周囲の反応をうかがうことがあります。

引用元:試し行動とは?体験談や対応方法、里親制度における課題も解説

このように、子どもは「親(とくに母親)の愛情を確認する」ために、あえて親を困らせるような行動を取り、親の反応を伺います。

なお、「子どもが親に対して行う試し行為」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 物を投げる
  • 飲み物をこぼす
  • 大きな声で泣く
  • 走ってはいけない場所で走り回る
  • おもちゃを壊す
  • 叱られながらも同じ行動を繰り返す

引用元:試し行動とは?体験談や対応方法、里親制度における課題も解説

反対に言えば、「子どもが親に対して行う試し行為」とは、「子どもが親の愛情を試す行為」と言い換えることができます。

ですので、子どもが行う「試し行為」に対して、親がスキンシップでなだめて応じてあげたり、言葉がけで落ち着かせて応じてあげたり、しっかりと目を見て対話をしてあげると、子どもは、「親は自分を信用してくれている」「親は自分にしっかりと向き合ってくれている」「親は自分を愛してくれている」と「安心」を感じて「愛着の形成」がなされます。

そして、親との間で「愛着の形成」がなされると、人間に対する「基本的信頼感」が育まれ、精神的に安定した「自己肯定感の高い大人」へと成長していくと考えられています。

愛着の形成は、子どもの人間に対する基本的信頼感をはぐくみ、その後の心の発達、人間関係に大きく影響します。乳幼児期に愛着に基づいた人間関係が存在することが、その後の子どもの社会性の発達には重要な役割を持ちます。愛着とは、子どもが特定の他者に対して持つ情愛的な絆のことです(ボウルビィ)。

引用元:心の発達-愛着の形成

とはいえ、「子どもが親に対して行う試し行為」とは、親を困らせる「ワガママ」でもありますので、「子どもの試し行為」に疲れ果ててしまう親御さんもいらっしゃいますし、困惑して自信を失ってしまう親御さんもいらっしゃます。

そうすると、親は「子どもの試し行為」にイライラを募らせて一方的に否定するようになったり、反対に「子どもの試し行為」にオドオドと困惑して一方的に従ってしまう場合があります。

なお、子どもの試し行為を一方的に否定することを「過干渉」と言い、子どもの試し行為に一方的に従い続けることを「過保護」と言います。

過干渉の親のもとで育った子どもは、…(中略)…気づかないうちに自分の意思を伝えられない、発言できない、質問できない、あるいはそもそも自分の意思が何なのかが分からない、という状況に陥ってしまうのです。

過保護に育てられた子どもは、何事にも消極的で恐怖心を感じやすくなる傾向があると言われています。

引用元:非モテを作り出す「過干渉」と「過保護」を抜け出す方法

このように「過干渉な親」や「過保護な親」に育てられた場合、子どもは、「親は自分を信用していない」「親は自分と向き合うことから逃げている」「親は自分を愛していない」と感じて「愛着の形成」が十分になされず、そのぶん「基本的信頼感」も十分に育まれず、精神的に不安定な「自己肯定感の低い大人」へと成長していくと考えられています。

そして、「過干渉な親」や「過保護な親」に育てられた場合、大人になって「自分の気持ちを相手に伝えることを極端に恐れる」ようになり、結果、大人になっても「試し行為」を繰り返すと考えられています。

 

②恋愛における「試し行為」

恋愛における「試し行為」とは、「大人になってから恋人に対して行う試し行為」を指します。

試し行動とは、愛情を確認するために、わざと相手を困らせるような行動をすることを指す言葉です。これは、子どもの行為として保育や幼児教育の現場で使われますが、自分に自信が持てないまま大人になってしまった場合にも同様の行動を見せることがあります。相手から拒絶されないか試し、自分が愛されている存在なんだと確認するのです。

引用元:大人の試し行動とは? 試し行動をする大人の心理と対処法

前述の「子どもが親に対して行う試し行為」と同じように、「恋人の愛情を確認する」ために、あえて恋人を困らせるような行動を取り反応を伺い、恋人から拒絶されなければ、「嫌なことをしても許してもらえているのだから、自分は恋人に愛されているんだ」という確認をする行為が、恋愛における「試し行為」です。

なお、「大人になってから恋人に対して行う試し行為」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • わざと別れ話をして、引き止めてくれるかどうか試す
  • 浮気や、他の異性と親しくしている姿を見せつけてヤキモチを焼かせる
  • 体調不良や不幸話をアピールすることで、相手に心配してもらおうとする
  • 高額なプレゼントを欲しがるなど、ワガママを言って相手の反応を見る
  • 束縛や相手を傷つけることで、相手がどこまで許してくれるかを試す
  • 不機嫌や否定的な態度をとって、自分優位であろうとする

引用元:恋人の試し行為にうんざり!試し行動をする大人の心理&有効な対処法とは

このように、恋人に対して行う「試し行為」とは「恋人の愛情を試す行為」と言い換えることができます。

そして、「自分に自信が持てない大人」や「自分の気持ちを相手に伝えることができない大人」であればあるほど、恋人に対する試し行為を行いがちであると考えられています。

試し行為を取る人は、本来の自信のなさが影響して、相手が自分から離れてしまう前提で考えてしまっていることが多いです。相手が離れていくのを見て傷つきたくないが為に、自分からわざと相手を苦しめる発言や態度を取ります。

引用元:試し行為をする恋人に困っている人必見!行動心理を知って上手に対応しよう

反対に言えば、子どもの頃、「試し行為」を親にしっかりと受け止めてもらった子どもは、親との間で「愛着の形成」が十分になされ、人間に対する「基本的信頼感」が育まれるため、大人になって「自分の気持ちを恋人に伝える」ことができるようになり、そのぶん、恋人に対して「試し行為」を行うことが少なくなると言えます。

一方、子どもの頃、「試し行為」を親にしっかりと受け止めてもらえなかった子どもは、親との間で「愛着の形成」が十分になされず、人間に対する「基本的信頼感」が育まれず、大人になって「自分の気持ちを恋人に伝える」ことができず、そのぶん、恋人に対して「試し行為」を行うことが多くなると言えます。

なお、子どもの頃、「試し行為」を親にしっかりと受け止めてもらえなかったことにより、親との間で「愛着の形成」が十分になされず、恋愛をはじめ「人間関係全般」に問題が生じることを「愛着障害」と言います。

愛着障害とは、養育者との愛着が何らかの理由で形成されず、子供の情緒や対人関係に問題が生じる状態です。主に虐待や養育者との離別が原因で、母親を代表とする養育者と子供との間に愛着がうまく芽生えないことによって起こります。

引用元:愛着障害(アタッチメント障害)

このように、子どもの頃、「試し行為」を親にしっかりと受け止めてもらえなかった人は、大人になって「恋人を親代わり」にして「試し行為」を繰り返すと考えられています。

反対に言えば、「恋人が行う試し行為」を受け止め続けることは、「恋人の親代わりとなって試し行為を受け止め続ける」ことになりますので、そのぶん「精神的な負担」を感じ続けることになります。

 

③回避依存症の「試し行為」

回避依存症の「試し行為」とは、「回避依存症の方が恋人に対して行う試し行為」を指します。

前述の「①子どもが親に対して行う試し行為」や「②大人になってから恋人に対して行う試し行為」は、「愛情の試し行為」とも呼ばれ、以下のような「行動心理」によるものです。

愛情の試し行為

  1. 子どもが親に対して行う試し行為
    わざと親を困らせるような行動を取り「親の愛情を確認する
  2. 大人になってから恋人に対して行う試し行為
    わざと恋人を困らせるような行動を取り「恋人の愛情を確認する

このように、子どもが親に対して行う「愛情の試し行為」や、自信のない大人が恋人に対して行う「愛情の試し行為」は、あくまで「相手の愛情を確認する行為」に過ぎません。

ですが、「回避依存症の試し行為」とは、前述の①②にあたる「愛情の試し行為」とは違い、以下のような「行動心理」によるものです。

回避依存症の試し行為

  • 回避依存症の試し行為
    恋人に対して「暴言・暴力・束縛・浮気・脱走」を行い「恋人から愛情を搾取する

このように「回避依存症の試し行為」は、前述の②にあたる「恋人の愛情を確認する行為」が繰り返された結果、「恋人から愛情を搾取する(搾り取る)行為」へとエスカレートしていく場合があります。

回避依存症の恋人がそういった行動をすると「愛情を確かめようとしているんだ」と思うでしょう。しかしそれは間違いです。回避依存症が暴言や暴力、無視、浮気をするのは愛情を確かめるためではありません。あなたをどれくらい利用できるか確かめるためです。

引用元:回避依存症の試し行為の内容、勘違いされていること

なお、「回避依存症の試し行為」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 暴言を吐く
  • 暴力を振るう
  • お金を貢がせる
  • 貢がせる前段階として借金や公共料金の一時立て替えを頼む
  • 他の女性と遊んだ話をする
  • 他の女性と体の関係を持った話をする

引用元:回避依存症の試し行為の内容、勘違いされていること

このように、「回避依存症の「試し行為」とは、「恋人からどれくらい愛情を搾り取れるか?恋人をどれくらい利用できるか?を確かめる行為」と言い換えることができます。

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回避依存症「4つ」のタイプそれぞれの「試し行為」

回避依存症4つのタイプそれぞれの試し行為を表しているイラスト

前述の通り「回避依存症の試し行為」は、「恋人の愛情を確認する行為」に留まらず、「恋人から愛情を搾取する(搾り取る)行為」へとエスカレートしていく場合があります。

とはいえ、「回避依存症の方」は、決して「恋人との関係を破局させるため」に「試し行為」を行うのではなく、あくまで「恋人との関係を支配・コントロールして継続させるため」に「試し行為」を行うという傾向があります。

ですので「充実した恋愛生活」を送るためにも、「回避依存症の恋愛傾向」について理解を深めていくことはとても重要なことです。

そして、「回避依存症の恋愛傾向」を「タイプ」という視点で捉えることで、「各タイプで共通する特徴」や「各タイプで相違する傾向」に気づき、さらに理解を深めていくことが可能です。

なお、「回避依存症」は大きく分類すると、主に以下の「4タイプ」に分けることができると考えられています。

回避依存症は、大きく分類すると4つのタイプに分けることができます。

  • 独裁者タイプ
  • 搾取者タイプ
  • ナルシストタイプ
  • 脱走者タイプ

引用元:回避依存症 – 東京カフェカウンセリング

それでは、「回避依存症『4つ』のタイプそれぞれの『試し行動』」について、以下に詳しく解説していきます。

 

①独裁者タイプ

「回避依存症:独裁者タイプ」は、恋人に対する「試し行為」として「暴力的支配行動」を繰り返すという点が特徴的です。

「暴力的支配行動」は「恋人をわざといやな呼び名で呼んだり,馬鹿にしたりする」,「恋人を押したり,つかんだり,つねったりする」などの項目から構成されている。

引用元:恋人支配行動が恋愛関係の良好さに及ぼす影響

なお、「独裁者タイプが行う試し行為(暴力的支配行動)」は、主に以下の「2つ」があげられます。

POINT

  1. 身体的暴力
    「殴る・蹴る・突き飛ばす・物にあたる・物を壊す」など
  2. 精神的暴力
    「無視・恫喝・人格否定・あらさがし・ダメ出し」など

「独裁者タイプ」は、「恋人に見捨てられたくない」あるいは「一人ぼっちになりたくない」という「見捨てられ不安」が強いため、自分の元から恋人が離れていかないよう、恋人に対して「身体的暴力」や「精神的暴力」を行うことで「恋人を支配・服従」させ、恋人を自らの元に「束縛」するという傾向があります。

ですので、「身体的暴力」や「精神的暴力」という「独裁者タイプが行う試し行為」に対して、「ごめんなさい…ごめんなさい…」と謝りすぎてしまうと、「独裁者タイプ」に支配され続けてしまう可能性があります。

 

なお、「回避依存症:独裁者タイプの恋愛傾向」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

②搾取者タイプ

「回避依存症:搾取者タイプ」は、恋人を都合よく利用して自分の欲求を満たす傾向があり、恋人から「さまざまなもの」を「搾取する(しぼり取る)」ために「試し行為」を繰り返すという点が特徴的です。

なお、「搾取者タイプ」が恋人から「搾取するもの」とは、主に以下の「3つ」があげられます。

POINT

  1. お金
    食事代・デート代の支払いをさせる、借金・金の無心をする
  2. セックス
    恋人であることをはっきり明言しないが、セックスは欲求する
  3. 身の回りの世話
    食事・洗濯・掃除・など、身の回りの世話を呼び出してやらせる

以上のことから、「搾取者タイプが行う試し行為」とは、主に以下の「行動原理」に基づいていると言えます。

POINT

  1. 恋人をうまく利用して「金銭欲」や「食欲」を満たすため
  2. 恋人をうまく利用して「性欲」を満たすため
  3. 恋人をうまく利用して「愛情欲求」を満たすため

また、「搾取者タイプが行う試し行為」は、甘えたり、拗ねたり、「アメとムチ」を使い分け、恋人の「同情心」や「罪悪感」を刺激することで、恋人の心情と行動をコントロールするという特徴があります。

ですので、「同情心」や「罪悪感」を刺激する「搾取者タイプの試し行為」に対して、「かわいそう…かわいそう…」と同情しすぎてしまうと、「搾取者タイプ」に搾取され続けてしまう可能性があります。

 

なお、「回避依存症:搾取者タイプの恋愛傾向」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

③ナルシストタイプ

「回避依存症:ナルシストタイプ」は、恋人に対して「身体的暴力」を振るうことは少ないものの、恋人を「精神的に傷つける」ことが多く、「恋人を自分の思い通りにコントロールする」ために「試し行為」を繰り返すという点が特徴的です。

また、「ナルシストタイプ」のように、恋愛関係において恋人を自分の思い通りにコントロールしようとすることを「恋人支配行動」と言います。

恋愛関係の中では様々な問題行動が生じる。…(中略)…様々な行動から恋人の行動を制限しようとする試みを“恋人支配行動”と命名している。

引用元:恋人支配行動が恋愛関係の良好さに及ぼす影響

なお、「ナルシストタイプが行う試し行為(恋人支配行動)」は、主に以下の「3つ」があげられます。

POINT

  • 恋人の気持ちを考えず、常に自己中心的に振舞う
  • 恋人に対して命令はするが、反論は許さない
  • 恋人に対して、自分の理想を押し付ける(服装・髪型・食事・言葉遣いなど)

このように「ナルシストタイプ」は、「自分は特別な存在なんだ!」「自分は愛されるために生まれたんだ!」など思い込みがちであり、「自信過剰」「自己中心的」「共感能力が低い」という特徴があります。

また「ナルシストタイプ」は、「容姿が優れている」「おしゃれ」「仕事ができる」「経済力がある」など、表面的には「魅力的な人」「モテる人」「ハイスペックな人」という印象に映りやすいため、恋人の気持ちを考慮することなく「気になった相手」を口説き、本能のままに「浮気」を繰り返したり、すでに「結婚をしている相手」であっても平然と「不倫」を繰り返すという特徴があります。

ですので、「浮気」や「不倫」を繰り返す「ナルシストタイプの試し行為」に対して、「見捨てないで…見放さないで…」とすがり過ぎてしまうと、「ナルシストタイプ」に都合よく利用され続けてしまう可能性があります。

 

なお、「回避依存症:ナルシストタイプの恋愛傾向」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

④脱走者タイプ

「回避依存症:脱走者タイプ」は、人間関係に「息苦しさ」を感じやすく、誰かに「束縛される・依存される・責任を負わされる」ことを極端に嫌うため、恋人との「距離感」が近くなりすぎると「息苦しさ」感じ、恋人との「距離感」を調整するために「試し行為」を繰り返すという点が特徴的です。

なお、恋愛において「脱走者タイプ」が「息苦しさ」を感じる状況とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 長い時間、恋人と同じ空間にいる(部屋・車・電車・ベッドなど)
  • 恋人からスキンシップを望まれる(手を繋ぐ・ハグ・キス・セックスなど)
  • 自分の過去・自分の予定・自分の感情を詮索される
  • アドバイスや指図をされる、一方的に話を聞かされる、一方的にせがまれる
  • 愛の告白を迫られる、結婚を迫られる

このように「脱走者タイプ」は、決して恋人を邪魔だと思っているわけではないのですが、「ひとりの時間・自由の時間への執着」が強いため、「物理的な縄張り」や「心理的な縄張り」を干渉されることに対して「強い抵抗感」を感じるという点が特徴的です。

また「脱走者タイプ」は、恋愛において「恋人に対する不満」を感じたとき、恋人と話し合うことをせず、黙って我慢をしてしまうという傾向があります。

そうすると、「脱走者タイプ」は「恋人に対する不満(精神的ストレス)」を心に溜め込み続けることになり、限界に近づくと、恋人から遠ざかる(脱走する)ことで「精神的ストレス」を和らげようとする傾向があります。

なお、「脱走者タイプ」が「精神的ストレス」を和らげるために行う「恋人から遠ざかる行動」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 突然、何の連絡もなくデートをすっぽかす
  • 突然、何の相談もなくその場を立ち去る
  • 突然、LINE・メール・電話での連絡が取れなくなる
  • 突然、何の連絡もなく引っ越してしまい、行方知れずとなる

とはいえ、「脱走者タイプ」が「恋人から遠ざかる(脱走する)理由」は「恋人が必要ない」からではなく、「恋人との距離感を調整する」ことにあるため、時間の経過によって「恋人との距離感」が適切に保てるようになると、恋人の元へとふらっと戻ってきて「復縁」をするという特徴があります。

ですので、「脱走」と「復縁」を繰り返す「脱走者タイプの試し行為」に対して、「仕方がない…仕方がない…」と合わせて過ぎてしまうと、「脱走者タイプ」に振り回され続けてしまう可能性があります。

 

なお、「回避依存症:脱走者タイプの恋愛傾向」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

試し行為を克服する方法

回避依存症の原因はアダルトチルドレンであることを表すイラスト

前述の通り、「試し行為の原因」には、子どもの頃に親から受けた子育ての影響や、子どもの頃に一緒に過ごした家族の影響など、子どもの頃の家庭環境が密接に関わっており、子どもの頃、親から受けた子育て・家族の様子・家庭環境に何らかの問題があった場合、その影響により「試し行為」を繰り返す可能性が高いと言えます。

 

「試し行為の克服」とは、アダルトチルドレンを克服すること

このとき、子どもの人生に悪影響を与えるような問題のある子育てを行う親を「毒親」と言い、子どもの人生に悪影響を与えるような問題のある家庭を「機能不全家族」と言います。

そして、機能不全家族で育った(毒親に育てられた)ことが原因で、大人になって、恋愛を含む「人間関係全般」に問題を抱えている人を「アダルトチルドレン」と言います。

「アダルトチルドレン」とは、機能不全家族で育ったことにより、「親から守られる」「適切な教育を受ける」などの正常な成長過程をたどれず、成人してからも生きにくさや心に傷を抱えている人のことをさします。

引用元:機能不全家族で育った大人「アダルトチルドレン」を克服するには?

また、「試し行為」とは、アダルトチルドレンの特徴のひとつとも言われています。

アダルトチルドレン試し行動をしてしまうのは、アダルトチルドレンが育つ過程で、親からの愛情を受けていると感じられない場面に多く遭遇してきたからです。

引用元:【アダルトチルドレンの試し行動の原因とは】やめたいのにやめられない苦しみ

このように、「試し行為の原因」とは、「子どもの頃、機能不全家族で育った影響」や「子どもの頃、毒親に育てられた影響」である可能性が高い、すなわち、「試し行動の原因」は「アダルトチルドレン」と密接な関係にあると言えます。

反対に言えば、「機能不全家族で育った(毒親に育てられた)影響」である「アダルトチルドレン」を克服することが、「試し行為の克服」に繋がると考えることができます。

 

なお、「アダルトチルドレンとは何か?」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

「アダルトチルドレン(試し行為)」の克服方法

そもそも「アダルトチルドレン(AC概念)」とは、1970年代、アメリカのアルコール依存症の治療現場から広がり始めた考え方で、1980年代になると、さまざまな専門家たちが「アダルトチルドレンの原因」や「アダルトチルドレンの克服方法」について研究を行い始め、今では、アメリカのソーシャルワーカー・社会心理学博士「クラウディア・ブラック」によって、「アダルトチルドレンからの回復プロセス」がしっかりと確立されています。

とはいえ、前述の通り「試し行為の原因」とは、子どもの頃に負った「幼少期のトラウマ」が密接に関わっており、「幼少期のトラウマ」とは、「なかなか思い出しづらい『遠い昔の記憶』」であるのと同時に、「できれば思い出したくない『傷ついた記憶』」でもあります。

よって、「幼少期のトラウマ」を思い出そうと過去を振り返っても、自分1人ではなかなか思い出せなかったり、なかなか受け入れられない場合があります。

以上のことから、カウンセリングを利用して、カウンセラーの協力を得ながら「アダルトチルドレンからの回復プロセス」を進めることで「アダルトチルドレンの克服」が可能となり、アダルトチルドレンの克服をすることで「試し行為の克服」ができると言えます。

 

なお、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレンからの回復プロセス」については以下の記事で詳しく解説していますので、是非お読み下さい。

 

まとめ

さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。

  • POINT「試し行為」とは「学術的な根拠」を持つ言葉ではないため「明確な定義」はない
  • 「試し行為」とは「あえて相手を困らせる行動を取り、相手の愛情を確認する行為」を意味する
  • 「試し行為」とは、本来「子どもが親に行う行為
  • 子どもの頃、「試し行為」を親にしっかりと受け止めてもらえなかった場合、大人になっても「試し行為」を繰り返す
  • 「回避依存症の試し行為」は、「愛情を確認する行為」から「愛情を搾取する行為」へとエスカレートする場合がある
  • 独裁者タイプの試し行為は、「身体的暴力」や「精神的暴力」を繰り返すこと
  • 搾取者タイプの試し行為は、恋人の「同情心」や「罪悪感」を刺激すること
  • ナルシストタイプの試し行為は、「不倫」や「浮気」を繰り返すこと
  • 脱走者タイプの試し行為は、「脱走」と「復縁」を繰り返すこと
  • 試し行為の原因は、「アダルトチルドレン」と密接な関係にある
  • 試し行為の克服方法とは、アダルトチルドレンを克服することである

また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。

是非、あわせてお読みください。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「回避依存症の『試し行為(試し行動)』の解説」という記事でした。

この記事を書いた人

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はじめまして「メンタル心理そらくも 代表:寺井啓二」です。うつ、アダルトチルドレンを克服した経験を持つ心理カウンセラーです。自らの克服経験を世の中に役立てたいと考えています。

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