POINTロストワンタイプに向いている仕事は、①一人で取り組む仕事、②内職・ルーチンワーク、③介護士・保育士、④芸術表現・モノづくり、などがあげられます。
心理カウンセラーの寺井です。
「アダルトチルドレン」の「ロストワン(ロストチャイルド・ロンリー)タイプ」(以下「ロストワン」と言う。)は「いない子」と呼ばれ、「機能不全家族」において「自分の存在感を消すことで家族の負担を減らす(家族に迷惑を掛けない)」という「役割」を担ってきたため、自分の存在価値を感じようとすればするほど「自分の感情を内面に留めて目立たないようにする」という特徴があります。
ですので、ロストワンは「集団行動より単独行動を好む」という特徴があり、「人の集団のなかで仕事をするより、一人で仕事をする方が本領を発揮しやすい」と考えられています。
また、ロストワンは「感情表現」や「コミュニケーション」が苦手である場合が多いため、「自分の感情を内面に留めることが多い反面、感受性が豊かになる」と考えられています。
よって「ロストワンに向いている仕事」としては、「マイペースで取り組める仕事」や「人とあまり関わらない仕事」が考えられます。
この記事は、アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)に向いている仕事について解説しています。
アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)に向いている仕事
ロストワンは「機能不全家族」という「厳しい環境」を生き延びる(生存する)ために、「自分の存在感を消す(周囲に与えない)」ことによって家族の負担を減らそうとする(家族に迷惑を掛けないようにする)子どもを指します。
ですので、ロストワンは大人になって「人と関わることに対する防衛的な気持ち」が強くなると考えられており、その影響で「人に干渉されることを極端に嫌い、人の集団と距離を置き、一人で過ごす方が安心を感じやすくなる」と考えられています。
また、ロストワンは「感情表現」や「コミュニケーション」が苦手である場合が多いため、「自分の感情を内面に留めることが多い反面、感受性が豊かになる」と考えられています。
なお、「適職を考えるにあたり考慮したいロストワンの特徴」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 集団行動より単独行動を好む
- 重い責任を負うのが苦手
- 共依存に陥らない
- 感受性が豊か
以上のことから、「ロストワンに向いている仕事」は、主に以下の「4つ」があげられます。
POINT
- 一人で取り組む仕事
- 内職・ルーチンワーク
- 介護士・保育士
- 芸術表現・モノづくり
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①一人で取り組む仕事
「職を得る」とは「会社」に入社することを意味する場合が多いですが、ロストワンは「集団やグループに属することが苦手」でるため、「会社」など人の集団の中で働くことに対して「息苦しさ」を感じやすいと考えられています。
このように、ロストワンは「集団行動より単独行動を好む」という特徴があり、「人の集団のなかで仕事をするより、一人で仕事をする方が本領を発揮しやすい」と言えます。
なお、「単独行動を好むロストワンが得意とする仕事」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 検針員、ビルメンテナンス、警備員、トラック運転手、新聞配達、清掃員、農家など
- カウンセラー、フリーランス、ブロガーなど
このように、ロストワンは「人と関わることに対して防衛的な気持ちが強い」反面、「孤独耐性が高い(一人でも精神的安定を保てる)」という特徴があるため、「人の集団の中で仕事をするより、一人で仕事をする方が精神的に安定する」という特徴があります。
孤独に強い人は、みんなで仕事を取り掛かるのが苦手な一面を持ちます。一つの仕事を誰かに任せるよりも、自分で気長にやることで安心感が得られるタイプ。そのため、驚くほどの集中力を発揮する場合も。
とくに、ロストワンは「共依存に陥ることが殆どなく、精神的に自立した関係を好む」ため、「クライアントと適切な対人距離を保つことが重要な『カウンセラー』」や「他者に頼らずとも単独で仕事に取り組める『フリーランス』」や「自らの経験を客観的に表現することができる『ブロガー』」は、ロストワンに向いている仕事と言えます。
以上のことから、「一人で取り組む仕事」は「アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)に向いている仕事のひとつ」と言えます。
なお、この記事を書いている「心理カウンセラー寺井啓二」も、「アダルトチルドレンの生きづらさに苦しみ、アダルトチルドレンを克服した心理カウンセラー」です。
以下に「心理カウンセラー寺井啓二のアダルトチルドレン克服体験談」を紹介しますので、必要な方は参考にしてください。
②内職・ルーチンワーク
このように、ロストワンは「人の集団の中で仕事をするより、一人で仕事をする方が精神的に安定する」という特徴があるため、一般的な人に比べ「一人で黙々と取り組む作業が得意」と考えられています。
また、ロストワンは「コミュニケーションが苦手」あるいは「重い責任を負うのが苦手」という特徴も併せ持つため、仕事の中でも「単純作業」が向いていると言えます。
単純作業は、自分が担当する作業を1人で黙々と進める働き方が基本です。そのため、周囲とコミュニケーションを図りながら仕事をするより、静かに集中して仕事したい人に向いています。反対に、周囲とコミュニケーションを取りながら1つの仕事に取り組みたい人や、1人で集中して作業するのが苦手な人には向いていないでしょう。
なお、「ロストワンに向いている単純作業」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 内職
- ルーチンワーク
「内職」は「会社」などに出勤する必要がなく「在宅」で取り組むことが可能であり、仕事内容も「簡単な手作業を繰り返す」ことが多いため、一人で黙々と取り組む作業が得意なロストワンに向いている仕事と言えます。
また、「ルーチンワーク」は「仕事の流れが明確に決められているため仕事の内容や環境の変化が少なく、専門知識も必要としない簡単な作業を繰り返す」ことが多いため、「重い責任」を負うのが苦手なロストワンに向いている仕事と言えます。
以上のことから、「内職・ルーチンワーク」は「アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)に向いている仕事のひとつ」と言えます。
③介護士・保育士
ロストワンをはじめとする「アダルトチルドレン」は、子どもの頃に「親からの愛情不足」であった場合が多いため、大人になって「承認欲求(感謝されたい!褒められたい!という気持ち)が強く残る」と考えられています。
承認欲求とは、「他人から認められたい」「自分を価値ある存在として認めたい」という欲求のことで、「尊敬・自尊の欲求」とも呼ばれています。
そのため「アダルトチルドレン」は、仕事において承認欲求を満たしやすい「援助職(教師・看護師・介護士・保育士など)」を仕事とする場合が多いと考えられています。
ですが、「介護士・保育士」など「援助職」の方は、仕事において承認欲求を満たそうとすればするほど「誰かの役に立ちたい!」という「献身的な気持ち」が強くなり、そのぶん仕事において「感謝・尊敬」を受けることが多くなる反面、「共依存に陥りやすくなる」と考えられています。
共依存体質になりやすい職種として、援助職が挙げられます。援助職とは、教師・看護師・介護士・保育士など、人を援助することが主な仕事となる職種です。
引用元:共依存について
それに対して、ロストワンは「人と関わることに対して防衛的な気持ち」が非常に強く、「人間関係において共依存に陥ることは殆どない」ため、「介護士・保育士」など「共依存に陥りやすい援助職」であっても「適切な対人距離を保ちながら『共依存』に陥ることはない」と考えることができます。
ただ、「援助職」のなかでも「教師・看護師」は「ハードワークで責任が重すぎる」ため、ロストワンには向いていない仕事と言えます。
このように、ロストワンが「介護士・保育士」を仕事とした場合、「共依存に陥ることなく承認欲求を満たすことができる」ため、「生きがいを感じながら、マイペースで仕事を続けられる場合が多い」と考えられています。
以上のことから、「介護士・保育士」は「アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)に向いている仕事のひとつ」と言えます。
④芸術表現・モノづくり
ロストワンは、子どもの頃から「自分の感情を表現すること(自分の意見を主張すること)」を「親や家族に否定されたり無視される」ことが多かったため、大人になって「『感情表現』や『コミュニケーション』が苦手になる場合が多い」と考えられおり、とくに「話す(会話する)ことに対して焦りや不安を感じやすくなる」と考えられています。
ですので、ロストワンは「話すことで感情を表現する」ことは少ないのですが、内面には豊かな感受性を秘めている場合が多いと考えられており、「自分の感情を内面に留めるぶんだけ感受性が豊かになり、創造力・空想力・発想力など柔軟に物事を考える力が自然に養われる」と考えられています。
感受性とは外部からの影響を受けやすい性質という意味です。自由発想でクリエイティブな能力面に感性が働きます。感受性豊かであれば、色々な個性を発揮することができます。ですが逆に影響を受けやすいため、繊細です。
なお、「感受性が豊かなロストワンが得意とする感情表現」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 「詩・小説・脚本・絵画・彫刻・建築・演技・ダンス・音楽・映像」など「芸術表現」が得意
- 「イラスト・漫画・ゲーム・料理・模型・工芸・手芸・服飾・動画」など「モノづくり」が得意
このように、感受性が豊かなロストワンは「音楽・映像・アート」など「芸術センスを求められる仕事」で活躍したり、「ハンドメイド作家・伝統工芸職人・イラストレーター」など「こだわり・根気・丁寧さを求められる仕事」で活躍する場合が多いと考えられています。
以上のことから、豊かな感受性を活かすことができる「芸術表現」や「モノづくり」は、「アチルドレンダルト:ロストワン(いない子)に向いている仕事のひとつ」と言えます。
なお、「ロストワンが持つ豊かな感受性」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)の「人間関係の特徴」
ロストワンは、子どもの頃から「自分の存在感を消すことで家族の負担を減らす(家族に迷惑を掛けない)」という「役割」を担ってきたため、大人になってからも、人間関係において「自己主張や感情表現を抑えて目立たないようにする」という点が最大の特徴です。
また、ロストワンは子どもの頃から「自分の気持ちや意見を親や家族に否定されたり無視される」ことが多かったため、大人になって「人と関わることに対して防衛的な気持ちが強くなる」と考えられています。
ですので、ロストワンは「人と関わることに対して防衛的な気持ちが強いぶんだけ、人間関係が長続きしない」と言えますし、「人と関わることに対して防衛的な気持ちが強いぶんだけ、人間関係のトラブルに巻き込まれない」とも言えます。
なお、「ロストワンの人間関係の特徴」は、主に以下の「8つ」があげられます。
POINT
- コミュニケーション(会話)が苦手
- 集団やグループが苦手
- 引きこもり・不登校・転職が多い
- 「重い責任」に負うことを極端に嫌う
- 人間関係が長続きしない
- 人間関係のトラブルに巻き込まれない
- 共依存に陥らない
- 自立した関係が築ける
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
まとめ
さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。
- POINTロストワンは「集団行動より単独行動を好む」ため、「一人で取り組む仕事」が向いている
- ロストワンは「一人で黙々と取り組む作業が得意」であるため、「内職・ルーチンワーク」が向いている
- ロストワンは「共依存に陥ることがない」ため、「介護士・保育士」が向いている
- ロストワンは「感受性が豊か」であるため、「芸術表現・モノづくり」が向いている
また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。
是非、あわせてお読みください。
関連記事
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。
関連情報まとめページ
以上、「アダルトチルドレン(AC)ロストワン(いない子)に向いている仕事」という記事でした。