ロストワンタイプ(いない子)の性格

2021年8月24日アダルトチルドレンアダルトチルドレンの特徴,アダルトチルドレンタイプ,ロストワン(いない子),生きづらさ

アダルトチルドレン_ロストワンタイプの性格を表すイラスト

POINTロストワンタイプの性格は、集団より一人が好き、人と話すより一人で空想していたい感じる点が特徴的です。

心理カウンセラーの寺井です。

アダルトチルドレン」は、子ども時代「機能不全家族」で育ったことにより、人間関係における感じ方や考え方に特徴を持っており、子ども時代に身に付けたその特徴が、大人になっても自身の性格に影響を与えています。

その中で、アダルトチルドレン:ロストワンタイプの特徴は「いない子」の呼び名の通り「内面に感じている豊かな感受性と独創性をひた隠しにする…」点です。

よって、ロストワンタイプは自分自身の性格を「冷たい性格」「暗い性格」と誤解して捉えている場合があります。

この記事は、ロストワンタイプが内面に感じやすい特徴=ロストワンタイプの性格について説明しています。

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ロストワンタイプ(いない子)の性格

ロストワンタイプの性格は、決して生まれながらの「冷たい性格」や「暗い性格」ではありません。

むしろ、内面には豊かな感受性を持ちながらも、懸命に隠し続けている外面の姿が、ロストワンタイプの性格として映っています。

このように、ロストワンタイプは内面的な性格をひた隠しにする特徴があるため、家族や周囲の人間からは、その性格が非常にわかりづらく感じます。

ロストワンタイプが内面で感じる心理的な特徴=ロストワンタイプの性格は、以下の点があげられます。

POINT

  1. 空気を読む力に優れている
  2. 話すことを苦手に感じる
  3. 我儘を言うのが怖い、まじめ我慢強い
  4. 芸術や職人芸など、こだわりと根気を必要とする1人作業を好む
  5. 冷たい性格だと感じる
  6. 曲がったことが嫌い、人と違っていると感じる

それでは、以下に詳しく説明していきます。

 

性格①空気を読む力に優れている

ロストワンタイプは、空気を読む力に優れています。

一を聞き十を知る(いちをききじゅうをしる)」の諺にもある通り、ロストワンタイプは少ない情報での意思伝達にたけているため、気遣いや忖度(そんたく)といった心遣いは、周囲の人たちには到底到達し得ない素晴らしいセンスを持っています。

みなさんも、見て見ぬふりをしたり社交辞令をしたりなど、自分の身を守るために周囲の空気に合わせて自分の気持ちを抑える場面があるかと思いますが、ロストワンタイプは、これと同じ危機感を、子ども時代から常に感じ続けることによって懸命に生き延びてきた人です。

よって、ロストワンタイプの性格は、周囲の空気を敏感に感じ取り、忍者のように自分の存在感を薄めることで自分の身を守ろうとする防衛本能に優れています。

 

とはいえ、ロストワンタイプとは、反対に言えば「人の気持ちがわかりすぎてしまう…」「人の言動に敏感に反応しすぎてしまう…」という心理的な特徴を持っているとも言えます。

ですので、ロストワンタイプは、しばしば「HSP(Highly Sensitive Person)」と混同されてしまう場合があります。

HSPとは、生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質もった人」という意味で、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」と呼び頭文字をとって「HSP(エイチ・エス・ピー」と呼ばれています。HSPは環境や性格などの後天的なものではなく、先天的な気質、即生まれ持った性質であることがわかっています。

引用元:HSP(Highly Sensitive Person)ハイリー・センシティブ・パーソン

上記のように「HSP」とは、あくまで「環境や性格などの『後天的なもの』ではなく、『先天的な気質、即生まれ持った性質』である」と捉えます。

よって、「HSP」とは生まれ持った「先天的な気質」であるため「改善は困難」と考えることが一般的です。

それに対して、ロストワンタイプをはじめとする「アダルトチルドレン」とは、「生まれつきの『先天的な気質』ではなく、あくまで、生まれた後に親との関係で身に付けた『後天的な習慣』である」と捉えます。

よって、ロストワンタイプの性格は、あくまで生まれた後に親との関係で身に付けた「後天的な習慣」であるため「改善は可能」と考えます。

 

いずれにしても、ロストワンタイプの性格は、人間関係において色々と考えすぎてしまったり、悩みを抱えすぎてしまい、人間関係に苦手意識を感じやすいという一面があります。

 

性格②話すことを苦手と感じる

このように、文章や会話といった感情表現に苦手意識を感じやすい点が、ロストワンタイプの性格です。

よって、ロストワンタイプは何かを話そうとすればするほど、のどが詰まってしまったり、頭が真っ白になってしまったり、顔が赤面してしまったり、オドオドしてしまったりします。

これは、ロストワンタイプが非常に豊かな感受性をもっているためで、豊かな感受性とは、表現したい感情の量が非常に豊かということです。

 

つまり、ロストワンタイプは表現したい感情の量が豊かであるため、文章や会話といった感情表現方法では追い付かず、何かを話そうとすればするほど、人目が気になってしまい、感情が渋滞してしまって、かえって上手く話せなくなってしまいます。

そして、結果的に、家族や周りの人から「ちゃんと話しなさい!」「しっかりしなさい!」「おどおどするな!」「なにを言っているのかわからない!」と責められてしまった経験があるため、ロストワンタイプは心が傷ついてしまい、それ以降、話すことへの苦手意識、文章や会話といった感情表現に強い苦手意識を抱え続けている場合があります。

 

性格③我儘を言うのが怖い、まじめで我慢強い

このように、ロストワンタイプが自分を解放し自由になろうとすることは、「育ての親の躾に背く=親に反抗する=親に攻撃され見捨てられる…」という見捨てられ不安に直結します。

これは、もともとの性格ではなく、生まれた後、子ども時代に親から受けた子育ての影響です。

よって、ロストワンタイプの性格は、自分らしく生きようとすればするほど、「また心が傷ついてしまうのではないか?」という防衛機制によって強固にブロックされてしまったり、「嫌われてしまう!」という大きな恐怖によってブロックされてしまうため、表面的には無感情に見えても、内面では「どうしよう?どうしよう?」と圧倒的な苦しい迷いや葛藤を感じ続けてしまいます。

ですので、今まで心理カウンセリングの現場で私がお会いさせていただいたロストワンタイプの皆さんは、「もう、周りの人間に傷つけられるのはもうたくさんだ!1人で自由にしていたい!」というSOSを訴えてくださる場合が多いです。

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性格④絵画、楽曲、職人など芸術性に優れている

ただ、ロストワンタイプの性格は、文章や会話による感情表現で周りの人たちと関わりを築いていくことを苦手に感じやすい反面、ひとつのことを一人でとことんこだわり抜いたり、苦しいことでも1人でもコツコツと根気よくやり抜いたり、周囲の脚光を浴びることより、1人で自分のペースで自由に取り組むことでその才能が開花する場合があります。

よって、ロストワンタイプの性格は、時として、絵画、楽曲、造形、伝統的な職人芸など、こだわりと根気と独創性を必要とする芸術によって爆発的に開花する場合があります。

寡黙な絵描きさん、物静かな彫刻家さん、怖そうで優しい作曲家さん、作品を描くときはとても躍動する書道家さん、無口だけど格好いい俳優さん、不愛想だが誠実な職人さん、このように、内に秘めた豊かな感受性と独創性を、描画、描写、演技、演奏、モノづくりといった方法で感情表現しようとしたとき、ロストワンタイプの性格がとても有効に作用する場合があります。

 

性格⑤冷たい性格と言われる

このように、ロストワンタイプは自分の内面の豊かな感覚を大切に感じていようとするため、結果的に、自分の周囲のことに興味を感じづらくなってしまう性格です。

例えば、学校の運動会や部活動などについて、ほかのクラスメイトのように夢中になれなかったり、落ち込んで泣きじゃくる子がいても、ほかのクラスメイトのように同情する気になれなかったりします。

これは、ついつい集団の意見や雰囲気に流されてしまう心理=「集団化」や「同一化」=「人に惑わされること…人に振り回されること…人に騙されること…」に対して、ロストワンタイプが優れた冷静さを持っているためです。

 

このように、ロストワンタイプは自分の感情をひた隠しにすることで生き延びてきた「サバイバー」であるが故に、この優れた危機回避能力によって、人間関係におけるトラブルを冷静に事前回避できる代わりに、周りの人たちからは「自分勝手」「冷たい人」「冷めた性格」などの誤解されてしまう場合があります。

そして、今まで心理カウンセリングの現場で私がお会いさせていただいたロストワンタイプの皆さんも、この優れた冷静さを「自分は我儘で自分勝手なんだ!」「自分は冷たい性格なんだ!」「自分は周りの人に興味を持てない社会不適合者だ!」「自分は人を信じられない欠陥人間だ!」など、大きく誤解して認識している場合が多いです。

 

性格⑥強い意志、独創性、正義感を持っている

また、見方によって、ロストワンタイプの性格は「人に惑わされない強い意志と忍耐力、かけがえのない独創性を備えている…」とも言えます。

よって、ロストワンタイプは、突如として強いリーダーシップを発揮する場合があります。

家族、学校、職場などの人間関係において、いじめや虐待やハラスメントなどの理不尽な状況が起こると、ある時点までは「いない子」として存在を消し静観しているものの、ある限界点を超えると突如として強い正義感を発揮し、根っからの誠実さを盾に恐れることなく立ち向かい、家族、学校、職場などの人間関係を理不尽な状況を健全な状況に導くなど、優れた正義感によって集団を救おうとする場合もあります。

このように、ロストワンタイプは、平常時においてはあまり目立とうとはしませんが、緊急時には優れた正義感を発揮し、生き生きと活躍する場合があります。

 

アダルトチルドレンチェック

さて、ロストワンタイプを含む、アダルトチルドレンの特徴については、以下の「アダルトチルドレン(ac)チェックリスト」でチェックできますので参考にしてください。

 

アダルトチルドレン(ac)タイプ診断

また、以下の記事は、ロストワンタイプをはじめとする「アダルトチルドレンのタイプ診断」を行うことができますので、アダルトチルドレンのタイプに興味をお持ちの方は参考にしてください。

 

まとめ

さいごに、ロストワンタイプの性格について重要ポイントをまとめます。

  • POINTロストワンタイプは、人の言動に敏感に反応しすぎてしまう
  • ロストワンタイプは、会話が苦手、上手く話せないと感じやすい
  • ロストワンタイプは、自分の我儘お願いをすることが怖いと感じる
  • ロストワンタイプは、大勢の人と過ごすより、1人で空想の世界に浸っていたいと感じる
  • ロストワンタイプは、人と話すことより、一人で描いたりイメージしたりする方が楽しいと感じる
  • ロストワンタイプは、自分は「冷たい性格」「暗い性格」「つまらない性格」だと感じる
  • ロストワンタイプは、曲がったことが嫌い、自分は周りの人と違っていると感じる

また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。

是非、あわせてお読みください。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「ロストワンタイプ(いない子)の性格」という記事でした。

この記事を書いた人

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はじめまして「メンタル心理そらくも 代表:寺井啓二」です。うつ、アダルトチルドレンを克服した経験を持つ心理カウンセラーです。自らの克服経験を世の中に役立てたいと考えています。

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