POINTアダルトチルドレン:ロストワンは「いない子」と呼ばれ、子どもでありながら、自分の存在感を消す(自我を抑える・一人で過ごす)ことで家族に迷惑を掛けないようにする存在で、「ロストチャイルド・ロンリー・迷子役・不在役・影役」とも呼ばれます。
心理カウンセラーの寺井です。
「アダルトチルドレン」とは、「機能不全家族」で育ったことにより、子どもの頃に身に付けた「家庭での役割」が習慣化して性格として根付いてしまい、大人になって生きづらさを感じている人を意味する言葉です。
また、アメリカの心理療法家「ウェイン・クリッツバーグ」は、アダルトチルドレンが、子どもの頃に身に付けた「機能不全家族での役割」を「アダルトチルドレンタイプ」としてまとめました。
そして、「アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)」とは、「ウェイン・クリッツバーグ」がまとめた「アダルトチルドレンタイプ(機能不全家族での役割)」のひとつにあたります。
ちなみに、「アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)」にはいくつかの「別称」があり「ロストチャイルド、ロンリー、迷子役、不在役、・影役」と呼ばれる場合もあります。
なお、本サイトにおける「アダルトチルドレンタイプ」は、以下の「7つ」を使用しています。
POINT
- 「ヒーロー(英雄役)」
- 「スケープゴート(身代り役)」
- 「ロストワン(いない子)」
- 「クラウン・ピエロ(道化・おどけ役)」
- 「ケアテイカー(世話役)」
- 「イネイブラー(支え役)」
- 「プラケーター(慰め役)」
また、ロストワンは「いない子」と呼ばれ、「家族の負担」を減らすため、「おとなしい子・手の掛からない子(いない子)」を演じることで家族に迷惑を掛けないようにする存在で、子どもでありながら大人の役割を担う存在を意味します。
この記事は、アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)について解説しています。
アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)とは?
「ロストワン」とは「いない子」や「迷子」を意味する言葉であり、「自我を失っている人」や「忘れられがちな人」という意味合いがあります。
そして、「アダルトチルドレン:ロストワン」は「いない子」と呼ばれ、「機能不全家族」という「厳しい環境」を生き延びる(生存する)ために、「親の意見」や「兄姉(年上のきょうだい)の意見」に従うことを優先して「自我」を抑え込み、「自分の存在感を消す(いない子になる)」ことによって家族の負担を減らそうとする(家族に迷惑を掛けないようにする)子どもを指します。
また、「アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)」には、以下のようにいくつかの「別称」が存在します。
POINT
- ロストチャイルド、ロンリー、迷子役、不在役、影役
なお、本サイトでは以下の「2つの表記」に統一しています。
POINT
- アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)
- ロストワン
このように、ロストワンとは「集団の中で存在感の薄い子ども」を意味し、気がつくと集団から離れて一人で過ごしていたり、気がつくと姿が見えなくなっていたり、気がつくとすぐ傍にいたなど、「親」ですら存在を忘れてしまうほど「存在感が薄い」という特徴があるため、周囲からは「何を考えているかわからない存在」に映ります。
なお、「周囲から見たロストワンの印象」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 存在感が薄い人、何を考えているかわからない人、おとなしい人、無口な人、寡黙な人、怒らない人、温厚な人、落ち着いている人
また、ロストワンは「他者に干渉されたくない」あるいは「他者に詮索されたくない」という気持ちが強いため、子どもでありながら、子どもらしい「我儘」などを殆ど言わず、「『自己主張』や『感情表現』を殆どしない」という特徴があります。
ですが、ロストワンは表面的には「おとなしい人」に映る反面、内面には「『豊かな感受性』と『独創性』をひた隠しにしている場合が多い」という特徴があります。
反対に言えば、ロストワンは「本当の自分(豊かな感受性と独創性)」を周囲に知られることを極端に恐れ、「自分の存在感を消す」ことで「本当の自分(豊かな感受性と独創性)を懸命に隠し続けている人」と言い換えることができます。
アダルトチルドレン(AC)のロストワン(ロストチャイルド、ロンリー)とは、自分の存在を機能不全家族の大人たちから気づかれないように消し、極力周りの人間関係に関わらないことで存在することを選択した子どものことです。引用元:アダルトチルドレン:ロストワン(ロストチャイルド、ロンリー)とは?特徴や原因、人間関係を解説
ロストワンは、アダルトチルドレンのなかでもきわだって「自己肯定感」が低いので、「私は聞き上手という価値がある!」「内に秘めた鋭い感受性がある!」と気づくことが第一歩。
このように、ロストワンは「機能不全家族で育った影響」により、「他者に干渉されること・他者に詮索される」ことを極端に恐れるという傾向があり、大人になってからも「周囲と距離を取って一人で過ごすことが多い」という特徴があります。
同時に、ロストワンは「自己主張」や「感情表現」を抑えて「自分の存在感を消そうとする」という特徴があるため、大人になってからも「自己主張」や「感情表現」が苦手であり、とくに「言葉によるコミュニケーション(話すこと)に苦手意識を感じやすい」という特徴があります。
なお、ロストワンは「男性」も「女性」もどちらも存在すると考えられており、「長子(長男・長女)」に少なく「末っ子」に多いと考えられています。
アダルトチルドレン(AC)ロストワン(いない子)の性格
ロストワンは、子どもの頃から「自分の存在感を消す(いない子になる)」ことで家族の負担を減らそうとしてきたため、大人になっても「自分の意見や感情を内面に抑え込む」という点が最大の特徴です。
このように、ロストワンは「感情を内面に留める」という心理的な特徴があるため、「人とのコミュニケーションが苦手である反面、感受性が豊かになる」という特徴があります。
なお、「ロストワンの性格の特徴」は、主に以下の「8つ」があげられます。
POINT
- 集団は苦手、一人が気楽で落ち着く
- 「どうせ自分なんて…」と感じやすい
- 集団の中で「疎外感」や「孤独感」を感じやすい
- 周囲の人たちの好意を素直に受け取れない
- 目立つことや注目されることを恐れる
- 自己主張や感情表現が苦手
- 人前で話すことや会話することが苦手
- 感情を内面に留める
続きは、以下の記事でさらに詳しく説明しています。
周囲の人たちが感じる、ロストワン(いない子)の特徴
ロストワンは、子どもの頃から「自分の存在感を消す(いない子になる)」ことで家族の負担を減らそうとしてきたため、大人になっても「周囲から関心を持たれないことで安心を感じようとする」という点が最大の特徴です。
このように、ロストワンは「人と関わることに対して防衛的な気持ちが強い」という心理的な特徴があるため、「人の集団と距離を置き、一人でいることが多い反面、人間関係のトラブルに巻き込まれにくい」という特徴があります。
なお、「周囲の人たちが感じる、ロストワン(いない子)の特徴」は、主に以下の「7つ」点があげられます。
POINT
- 存在感が薄い、目立たない
- 何を考えているかわからない
- 一人でいることが多い
- 周りに流されない
- 冷たい性格に感じる
- 会話が続かない
- 誠実、公平、我慢強い
続きは、以下の記事でさらに詳しく説明しています。
アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)の「人間関係の特徴」
ロストワンは、子どもの頃から「自分の存在感を消すことで家族の負担を減らす(家族に迷惑を掛けない)」という「役割」を担ってきたため、大人になってからも、人間関係において「自己主張や感情表現を抑えて目立たないようにする」という点が最大の特徴です。
また、ロストワンは子どもの頃から「自分の気持ちや意見を親や家族に否定されたり無視される」ことが多かったため、大人になって「人と関わることに対して防衛的な気持ちが強くなる」と考えられています。
ですので、ロストワンは「人と関わることに対して防衛的な気持ちが強いぶんだけ、人間関係が長続きしない」と言えますし、「人と関わることに対して防衛的な気持ちが強いぶんだけ、人間関係のトラブルに巻き込まれない」とも言えます。
なお、「ロストワンの人間関係の特徴」は、主に以下の「8つ」があげられます。
POINT
- コミュニケーション(会話)が苦手
- 集団やグループが苦手
- 引きこもり・不登校・転職が多い
- 「重い責任」に負うことを極端に嫌う
- 人間関係が長続きしない
- 人間関係のトラブルに巻き込まれない
- 共依存に陥らない
- 自立した関係が築ける
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)の「恋愛傾向」
ロストワンの「恋愛思考パターン(愛着スタイル)」は、子どもの頃の「両親との関係性」が大きく影響しています。
また、ロストワンは子どもの頃から「機能不全家族」という「厳しい環境」を生き延びるために、自我(自分の気持ち・意見)を抑え込んだり、親から離れて一人で過ごすなど、「自分存在感を消す(いない子を演じる)」ことで家族の負担を減らしてきました。
ですので、ロストワンは「機能不全家族で育った影響」により、大人になって「自分の感情(気持ちや意見)を抑え込む」あるいは「人と関わることに息苦しさを感じる」という特徴があり、「恋愛関係」においても「自分の感情(気持ちや意見)を殆ど話さない」あるいは「恋人と親密になることを避ける」という傾向があります。
よって、ロストワンは大人になってからの「恋愛関係」においても、子どもの頃と同じように「いない子(存在感の薄い人)」になりやすいという傾向があります。
なお、ロストワンは「男性」も「女性」もどちらも存在すると考えられていることから、本記事では「ロストワンの『男女』に共通する恋愛傾向」を「軸」に解説していきます。
また、「ロストワンの恋愛傾向」は、主に以下の「9つ」があげられます。
POINT
- 恋愛に息苦しさを感じる
- 恋人と親密になることを避ける
- 会話は苦手だが、時間を掛けて丁寧に感情を言葉にする
- 感情を自由に表現させてくれる人を信用する
- 恋愛トラブルに巻き込まれない
- 冷たい人だと誤解される
- 「無視・過干渉・不平等」を極端に嫌う
- お互いに自立した恋愛関係を好む
- 不器用だが一途な恋愛を好む
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)の「恋愛思考パターン」
アダルトチルドレンに限らず、恋愛をはじめとする「人間関係の築き方」には、人それぞれの特徴があります。
なお、恋愛をはじめ「親子・家族・友人・夫婦・職場」などの「人間関係の築き方」の人それぞれの特徴を、心理学では「愛着スタイル」と言い、とくに「恋愛関係の築き方の特徴」は「恋愛思考パターン」とも呼ばれ、子どもの頃の「両親との関係性」が大きく影響していると考えられています。
「愛着スタイル」とは、恋愛を含む人間関係において、人とどんな結びつきを持ちたいのか、どのような関係が心地よく感じるのかを表す傾向を指します。…(中略)…この傾向は、幼少期の保護者との関係が大きく影響している。
以上のことから、ロストワンを始めとする「アダルトチルドレンの恋愛傾向」には、「機能不全家族」で育った影響が密接に関わっていると言えます。
とくに、ロストワンの両親は「自分の負担を減らすために子どもを放置する母親」と「子どもに無関心な父親」という「子育てから逃げてばかりで協力し合おうとしない関係性」であった場合が多く、その影響で、ロストワンは子どものことから「両親の負担」を減らすために「自我(自分の気持ち・意見)を抑え込む」あるいは「一人で過ごす」など「おとなしい性格」になる場合が多いです。
ですが、ロストワンは周囲からは「おとなしい性格」に見えるものの、内面には「豊かな感受性」をひた隠しにしている場合が多く、その影響で、恋愛関係において「自分の内面(自分の感情)を否定・無視・干渉・詮索されるこを極端に恐れる」という点が特徴的と言えます。
そして、恋愛において、ロストワンがさまざまな問題に巻き込まれてしまう根本原因には、子どもの頃に「機能不全家族で育った影響」が密接に関わっており、子どもの頃の「両親との関係性」が大きく影響していると考えられています。
なお、ロストワンは「男性」も「女性」もどちらも存在すると考えられています。
よって、本記事では「ロストワンの恋愛思考パターン」について、以下のように「男女」それぞれにわけて解説していきます。
POINT
- 「ロストワンの『男性』の恋愛思考パターン」
- 「ロストワンの『女性』の恋愛思考パターン」
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①ロストワン(いない子)の「男性」の恋愛思考パターン
「ロストワンの『男性』の恋愛思考パターン」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 母親との関係性の影響
「子どもを放置する母親」あるいは「他のきょうだいと差別する母親」あるいは「過干渉・過保護な母親」との関係性から「母親に傷つけられることへの恐れ」を抱くようになり、大人になって「女性に傷つけられる(否定・無視・干渉・詮索される)」ことを極端に恐れるようになる - 父親との関係性の影響
「子どもに無関心な父親」あるいは「他のきょうだいと差別する父親」あるいは「家庭に不在がちな父親」との関係性から「無価値感」を感じるようになり、大人になって「どうせ自分は誰からも大切にされない」と感じやすくなる - 両親との関係性の影響
「子育てから逃げてばかりで協力し合おうとしない両親の関係性」から、大人になって「恋人と親密な関係になることを避ける」ようになる
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
②ロストワン(いない子)の「女性」の恋愛思考パターン
「ロストワンの『女性』の恋愛思考パターン」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 母親との関係性の影響
「子どもを放置する母親」あるいは「他のきょうだいと差別する母親」あるいは「過干渉・過保護な母親」との関係性から「無価値感」を感じるようになり、大人になって「どうせ自分は誰からも大切にされない」と感じやすくなる - 父親との関係性の影響
「子どもに無関心な父親」あるいは「他のきょうだいと差別する父親」あるいは「家庭に不在がちな父親」との関係性から「父親に対する嫌悪感」を抱くようになり、大人になって「男性に対する警戒感」を持つようになる - 両親との関係性の影響
「子育てから逃げてばかりで協力し合おうとしない両親の関係性」から、大人になって「恋人と親密な関係になることを避ける」ようになる
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)が生まれる原因
ロストワンが生まれる原因は、「機能不全家族」で育ったことにより、子どもの頃に「トラウマ(心の傷)」を負ったことが根本的な原因です。
なお、「ロストワンが生まれる原因となる機能不全家族の特徴」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 親が子どもに対して関心が薄い(ネグレクト・育児放棄)
- 親が子どもに対して干渉しすぎる(過干渉・過保護)
- 親の愛情が「兄弟姉妹」で平等ではない(きょうだい差別)
また、子どもが「トラウマ」によって抱える「負の感情」のひとつに「見捨てられ不安」があります。
ロストワンは、「親が自分の気持ちや意見を尊重しない様子」に対して「見捨てられ不安」を感じやすいため、「自分の気持ちや意見を『否定・無視・干渉・詮索』してくる親」を見ると「見捨てられ不安」を感じて居てもたってもいられなくなり、「自分の存在感を消す(自我を抑え込む・一人で過ごす)ことで親の負担を減らそう(親に迷惑を掛けないようにしよう)」と自ら進んで「いない子」を演じるようになると考えられています。
そして、家族のなかで「いない子」を演じ続けているうちに「無意識の思考パターン(習慣)」として「潜在意識」に根付き、大人になっても「いない子」を演じ続けていると考えられます。
以上のことから、「ロストワンが生まれる原因」として、以下のような「流れ」が考えられます。
POINT
- 「愛情不足」により「見捨てられ不安」を感じる
- 「見捨てられ不安」を和らげるために「いない子」を演じる
- 「いない子」を演じることで「自分の存在価値」を感じる
- 「自分の存在価値」を感じるために「いない子」を演じ続ける
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
ロストワン(いない子)を克服する「重要ポイント」
ロストワン(いない子)を始めとする「アダルトチルドレンの克服方法」は、「アダルトチルドレン(AC)概念」の生みの親である「クラウディア・ブラック」により「アダルトチルドレンを克服する手順(ステップ)」がしっかりと確立されています。
反対に言えば、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン克服の手順(ステップ)」遵守しない限り、根本的な「アダルトチルドレンの克服」は難しく、一時的には症状が落ち着いたとしても、しばらくして「いない子」の症状が再現する場合が多いと言えます。
なお、「アダルトチルドレンの根本的な克服に重要なポイント」としては、主に以下の「2つ」があげられます。
POINT
- 「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を遵守する
- アダルトチルドレンの克服に必要な「心理学・心理療法」を習得した「協力者」を得る
それでは、以下に詳しく解説していきます。
アダルトチルドレン「回復の4ステップ」
そもそも「アダルトチルドレン(AC概念)」は、1970年代、アメリカのアルコール依存症の治療現場から広がり始めた考え方で、1980年代になると、さまざまな専門家たちが「アダルトチルドレンの原因」や「アダルトチルドレンの克服方法」について研究を行い始めました。
そのなかでも、アメリカのソーシャルワーカー・社会心理学博士「クラウディア・ブラック」は、「子どもを生きればおとなになれる―「インナーアダルト」の育て方」という著書の中で、「アダルトチルドレンからの回復プロセス」として、次の「4つのステップ」を示しました。
アダルトチルドレン(AC)概念の生みの親であるクラウディア・ブラックは、ACの回復プロセスを次のような4段階で説明しています。
- ステップ1=過去の喪失を探る
- ステップ2=過去と現在をつなげる
- ステップ3=取りこんだ信念に挑む
- ステップ4=新しいスキルを学ぶ
また、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を「具体化」すると、以下のようになります。
POINT
- ステップ1=過去の喪失を探る
機能不全家族で育った影響で負った「幼少期のトラウマ(インナーチャイルド)」の存在に気づき、「幼少期のトラウマ(インナーチャイルド)」を癒す - ステップ2=過去と現在をつなげる
機能不全家族で育った影響で身に付けた「『いない子』の思考パターン(人生脚本)」が、現在の自分にどのような影響を与えているか?を理解する - ステップ3=取りこんだ信念に挑む
インナーチャイルドセラピー(退行催眠)を用いて、「『いない子』の思考パターン(人生脚本)」を「『生きやすい』思考パターン」へと書き換える - ステップ4=新しいスキルを学ぶ
子どもの頃に学べなかった「人間関係の方法」「感情の扱い方」「自分を大切にする方法」を学ぶ
このように、「アダルトチルドレンからの回復プロセス」は、「アダルトチルドレン(AC)概念」の生みの親である「クラウディア・ブラック」によってしっかりと確立されています。
以上のことから、アダルトチルドレンの克服は、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を遵守したうえで進めていく必要があると言えます。
なお、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」については、以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
アダルトチルドレンの克服に必要な「心理学・心理療法」
「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を示した「クラウディア・ブラック」は、「ステップ1=過去の喪失を探る」のなかで、「アダルトチルドレン克服の基本方針」について以下のように述べています。
ステップ1=過去の喪失を探る:過去を繰り返し語ることで、子ども時代の家族の中にあった問題や、自分の中での喪失に気づき、かかえていた感情を解放する。これは親を責めることとは違い、あくまで自分自身のための作業。自助グループや治療の場を活用する、信頼できる相手に話を聞いてもらうなど、安全で自分を受け入れてもらえる場で行なうことが必要。
なお、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン克服に基本方針」を「具体化」すると、以下のようになります。
POINT
- 過去を振り返り、過去を語ることで、子ども時代の家族の問題や、子ども時代に負った「トラウマ(心の傷)」の存在に気づく必要がある
- 子ども時代に負った「トラウマ(心の傷)」を癒す必要がある
- 子ども時代に負った「トラウマ(心の傷)を癒す作業」は、「心理カウンセリング」や「自助グループ」など、信頼できる相手や安全に自分を受け入れてもらえる場所で行う必要がある
以上のことから、「アダルトチルドレンの克服に必要な要件」は、以下のようになります。
POINT
- 辛く苦しい過去であっても一度は振り返り、子ども時代の家族の問題や、子ども時代に負った「トラウマ(心の傷)」に向き合う必要がある
- 子ども時代に負った「トラウマ(心の傷)」を癒さない限り、アダルトチルドレンの克服はできない
- これらの作業は、心理カウンセラーを始めとする「信頼できる相手の協力」や、カウンセリングルームを始めとする「安全に自分を受け入れてもらえる場所」で取り組む必要がある
- 反対に言えば、アダルトチルドレンの克服は、家族を巻き込まず、家族に邪魔されず行う必要がある
とはいえ、「子ども時代の家族との記憶」や「子ども時代のトラウマ体験」は、「なかなか思い出しづらい『遠い昔の記憶』」であるのと同時に、「できれば思い出したくない『傷ついた記憶』」でもあります。
ですので、心理カウンセラーの技量が低いことが原因で、アダルトチルドレンの克服がうまく行かなくなってしまう場合も考えられます。
以上のことから、当社メンタル心理そらくもとしては、アダルトチルドレンを克服するためには、以下の「心理学・心理療法」を習得していることが望ましいと考えています。
POINT
- NLPカウンセリング
- 来談者中心療法
- 家族療法
- ゲシュタルト療法
- エリクソン催眠療法(ヒプノセラピー)
- インナーチャイルドセラピー(退行催眠)
- EFT(感情解放テクニック)
なお、「当社メンタル心理そらくもが考える、アダルトチルドレンを克服するために必要な『心理学・心理療法』」については以下のページに詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
ロストワン(いない子)を克服する「具体的な方法」
このように、ロストワンは、「機能不全家族」で育った影響で「トラウマ(心の傷)」を負い、「トラウマ」の「防御行動」として「いない子」を演じるようになり、家族のなかで「いない子」を演じ続けているうちに「無意識の思考パターン(習慣)」として「潜在意識」に根付いていったと考えられています。
以上のことから、「ロストワンの原因」は、大きく分けて以下の「2つ」があります。
POINT
- 感情面の原因…「幼少期のトラウマ」
- 思考面の原因…「無意識の思考パターン」
よって、「ロストワンの克服」は、以下の「2つの取り組み」が必要となります。
POINT
- 感情面のケア…「幼少期のトラウマ」を癒す
- 思考面のケア…「無意識の思考パターン」を書き換える
このように、ロストワンを始めとする「アダルトチルドレンの克服」は、「感情面」と「思考面」の「両方の取り組み」が必要です。
反対に言えば、どちらか「片方の取り組み」だけでは、一時的には症状が落ち着いたとしても、しばらくして「いない子」の症状が再現する可能性が高いと言えます。
アダルトチルドレンの克服がうまく行かない理由
また、「ゲシュタルト心理学」や「交流分析」によると、「幼少期のトラウマを癒す作業」や「無意識の思考パターンを書き換える作業」は、子どもの頃の感情に「感情移入」できればできるほど効果が高いと考えられています。
とはいえ、「子どもの頃のトラウマ体験」や「子どもの頃の家族との記憶」は、「できれば思い出したくない『傷ついた記憶』」であるのと同時に、「なかなか思い出しづらい『遠い昔の記憶』」でもあります。
ですので、心理カウンセラーが視界に入ってしまうと集中しきれず、「アダルトチルドレンの克服」はうまく行かなくなってしまう場合が多いです。
よって、目を開けた状態で行う「対話型のカウンセリング」のみでは、「アダルトチルドレンの克服」がうまく行かない場合があると言えます。
インナーチャイルドセラピー(退行催眠)が有効な理由
このように、目を開けた状態で行う「対話型のカウンセリング」のみだと、心理カウンセラーが視界に入ってしまい、子どもの頃の感情に「感情移入」できず、「アダルトチルドレンの克服」がうまく行かない場合が多いです。
ですが、目を閉じた状態で行う「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」であれば、心理カウンセラーが視界に入らず、子どもの頃の感情に「感情移入」しやすくなり、「アダルトチルドレンの克服」が進めやすくなります。
よって、「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」は「アダルトチルドレンの克服」に非常に有効であると言えます。
以上のことから、「ロストワンの克服」は、以下の手順で行っていきます。
POINT
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
まとめ
さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。
- POINTロストワンとは、「いない子」という意味で「ロストチャイルド・ロンリー・迷子役・不在役・影役」とも呼ばれる
- ロストワンの性格は、「人とのコミュニケーションが苦手である反面、感受性が豊かになる」という点が特徴的
- 周囲の人たちが感じるロストワンの特徴は、「人の集団と距離を置き、一人でいることが多い反面、人間関係のトラブルに巻き込まれにくい」という点
- ロストワンの人間関係は、「人間関係に息苦しさ(ストレス)を感じやすい」反面、「人間関係に執着せず、一人でも気楽に過ごすことができる」という点が特徴的
- ロストワンの恋愛は、子どもの頃と同じように「いない子(存在感の薄い人)」になりやすいという傾向がある
- ロストワンの恋愛思考パターンは、子どもの頃の「両親との関係性」が大きく影響している
- ロストワンが生まれる原因は、「幼少期のトラウマ」と「無意識の思考パターン」の2つがある
- ロストワンの克服は、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を遵守する
- ロストワンの克服は、アダルトチルドレンの克服に必要な「心理学・心理療法」を習得した「協力者」が必要
- ロストワンの克服は、「感情面」と「思考面」の「両方の取り組み」が必要
- ロストワンの克服は、「対話型のカウンセリング」のみでは上手くいかない場合がある
- ロストワンの克服は、「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」が非常に有効
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。
関連情報まとめページ
以上、「アダルトチルドレン:ロストワン(いない子)とは?『特徴・恋愛傾向・原因・克服方法』を徹底解説」という記事でした。