
POINT
母親に優しくできないのは、今も心に残る「未完了の感情」が影響しているのかもしれません。
心理カウンセラーの寺井です。
「本当は母親に優しくしたいのに、どうしてもできない」
「頭では理解しているのに、心がついてこない」
カウンセリングを利用してくださる方たちのなかには、こうした気持ちに罪悪感を抱えて苦しんでいる方が少なくありません。
たとえば、みなさんも次のような感情を経験していないでしょうか。
POINT
- 母親の言動が過剰に気になり、イライラしてしまう
- 母親と距離を置きたいのに会ってしまい、会うと疲れ果ててしまう
- 母親に優しくすると「負けた」ように感じてしまう
このような「母親に対する反応」は、決して性格が冷たいから起きているわけではありません。
これらの反応は、多くの場合、「幼少期の母親との関係のなかで十分に処理されなかった感情が、現在の母親との関係で刺激されている」場合が多いです。
なお、心理学では、未処理のまま心に残っている感情を「未完了の感情」と呼びます。
また、心理学では、このような「過去の経験が現在の対人関係に与える影響」については、主に以下の概念で説明することが多いです。
POINT
- 内的作業モデル(愛着理論:Bowlby)
- スキーマ(認知心理学)
くわえて、心理カウンセリングでは、「過去の経験が現在の対人関係に与える影響」を考えるにあたって、上記の概念に加えて「インナーチャイルド」という概念を用いる場合があります。
「インナーチャイルド」という言葉は学術的な診断名ではありませんが、カウンセリングの世界では、「子どもの頃の未完了の感情に気づくためのイメージ」として広く用いられています。
こうした「未完了の感情」は、
POINT
- 自分を守るための心理的防衛(Vaillant)
- 親との関係で身についた反応パターン
- 大人になってからのストレス環境
など複数の要因で心の奥(潜在意識)に残ってしまうことがあり、心に残った「未完了の感情」は、さまざまな影響を及ぼします。
そのため、母親と向き合うと心が無意識に反応してしまい、「優しくしたい気持ち」と「距離を取りたい気持ち」がぶつかり合ってしまうことがあります。
これらの反応は、あなたの心が壊れているから起きているのではなく、「昔の自分が身につけた心を守る働きが、今も無意識に反応してしまっている」ことで起きているのです。
この記事では、母親に優しくできない背景にある心理メカニズムを、心理学の知見をもとにやさしく解説していきます。
第1章:母親に優しくできない原因は?

世間では「親孝行するのが当たり前」という風潮を感じる場合がありますが、心の問題は道徳や理屈では割り切れないものでもあります。
母親に優しくできないことで悩んでいる人の多くは、「どうして母親に優しくできないのだろう?」など、「母親に優しくできない自分を責めてしまう」ことが多いです。
ですが、母親に優しくできないことで悩んでいる人の多くは、決して「母親に優しくしたくない」のではなく、「本当は母親に優しくしたいけど、それができない」ことで悩んでいる場合が多いです。
このように、母親に優しくできないことで悩んでいる人の多くは、「母親に優しくしたいのにできない」という葛藤を抱えている場合が殆どです。
「優しくしたいのにできない」とき、心は不安定になる
心理学では、人は自分の望みが叶うことで「安心感」を得られると考えられています。
安心感とは、「心が安定して穏やかでいられる状態」のことです。
たとえば、「母親に優しくしたい」と思っているのに、実際には優しくできない場合、それは「自分の望みが叶っていない状態」です。
この「望みと現実の不一致」が、不安やストレスの原因になります。
このように、人は自分の思い通りに行動できないとき、自己否定感や罪悪感を感じやすくなります。
「優しくしたくない」人は、心理的に安定していることもある
一方で、「母親に優しくしたくない」と感じている人が母親に優しくできていない場合、それは「自分の望みが叶っている状態」です。
このときは、「行動が自分の気持ちと一致」しているため、心が比較的落ち着いていることが多いと心理学では考えられます。
「母親に優しくできない」で悩む人は、実は「優しくしたい人」
このように、「母親に優しくできないことで悩んでいる人」の多くは、「本当は母親に優しくしたいけど、それができない」ことで苦しんでいると考えられます。
反対に言えば、苦しみを感じるのは「優しさ」がある証拠と言えるのです。
まずは「優しくできない自分」を責めないで
「母親に優しくできない」と感じるとき、多くの人は「自分は冷たい」「自分は親不孝だ」と自分を責めがちです。
でも、このような苦しさを感じるのは、「母親に優しくしたい」という優しい気持ちが心の中にあるからこそなのです。
ですので、まずは「母親に優しくできない自分」を責めるのではなく、「自分は母親に優しくなりたいと思っているから、今こんなに苦しいんだ」と理解してみて下さい。
それが、心を少しずつ軽くする第一歩になります。
幼少期の母親との関り
「母親に優しくしたいのに、なぜかうまくできない…」
そんな気持ちの背景には、幼いころの母親との関わりが影響していることがあります。
「ボウルビィ(John Bowlby)の愛着理論」では、乳幼児が安心して育つためには、母親(養育者)とのあたたかい関わりが大切だとされています。
もし、その時期に不安や寂しさがあった場合、大人になってからも心が思わず緊張してしまうことがあります。
愛着形成のあり方は、乳幼児の発達はもちろんのこと、青年期や成人期などのその後の人格形成にも大きく影響するものとして非常に重要とされています。
引用元:愛着 | 心理学用語集サイコタム
たとえば、みなさんも次のような体験をしていないでしょうか。
POINT
- 母親との関係で傷ついた経験
- 厳しい関わりや否定的な言葉
- 家庭の不和による不安
- 母親が頼れないと感じた体験
もし、このような体験をしていた場合、過去の傷ついた体験が無意識に反応してしまい、「母親に優しくしたいのに、どうしてもできない」という葛藤が生まれてしまうことがあります。
「優しくしたい気持ち」と「優しくすることへの抵抗」がぶつかるのは、ごく自然な反応です。
まずは、そんな自分をそっと理解してあげることから始めてみましょう。
この章のまとめ
母親に優しくしたいのにできない背景には、「今のあなたの意志ではどうにもならない心の反応」が関係しています。
それは「大人の自分」と「過去の痛みに反応する心」がぶつかっている状態で、あなたが冷たいわけではありません。
次の章では、「子どもの頃の傷ついた体験の影響(インナーチャイルドとは何か?)」について解説していきます。
第2章:インナーチャイルドとは?

「インナーチャイルド」とは、大人になっても心に残っている「子どもの頃の感情や記憶」のことを指します。
「インナーチャイルド」という言葉を耳にすると、少し「スピリチュアル」な表現に感じる方がいるかもしれません。
しかし、カウンセリングの世界では「子どもの頃の感情や記憶に優しく気づくためのイメージ」として、とても役立つ概念として用いられています。
このように、「インナーチャイルド」という言葉は学術用語ではありませんが、「心の働きを理解するための概念」として、臨床現場で広く活用されています。
インナーチャイルドとは「心の内側の子ども」という意味で、子ども時代の記憶や心情をさします。とらえ方はいろいろとありますが、「自分の心の中に住んでいる子どもの自分」といったイメージを持ってみるとわかりやすいかもしれません。
前述の通り、母親に優しくできない理由には「子どもの頃の傷ついた体験」が影響している場合があります。
ここでは、「インナーチャイルド」を理解することで、どうして母親に優しくできないのか、心の仕組みを解きほぐしていきます。
母親に対する「未完了の感情」とは?
前述の通り、子どもが安心して育つためには、母親とのあたたかい関わりが大切です。
しかし、
POINT
- 自分の気持ちを言えなかった
- 自分の気持ちをわかってもらえなかった
- 自分の気持ちを我慢し続けていた
このような経験が積み重なると、感情は処理されないまま心の奥で静かに残ってしまうことがあります。
心理学では、このように「ある時から未処理のまま心に残っている感情」を「未完了の感情」と呼びます。
こころの悩みの根っこには、幼少期の親子関係やその後の人間関係の中で閉じ込め、蓋をして隠されてきた「未完了の感情」があります。
母親に優しくできないと感じる背景には、この「未完了の感情」が関係していることが少なくありません。
インナーチャイルドが抱えている「母親への未完了の感情」
なお、インナーチャイルドが抱えている「母親に対する未完了の感情」とは、主に次のようなものが考えられます。
POINT
- 愛してほしかった
- 認めてほしかった
- 気持ちをわかってほしかった
- 話を聞いてほしかった
- 助けてほしかった
- 味方でいてほしかった
このような感情が十分に満たされないまま大人になると、母親と接したときに過去の感情が刺激され、心が揺さぶられてしまうことがあります。
その結果、
POINT
- 優しくしたいのに、優しくできない
- 距離を置きたい、会うと疲れ果ててしまう
このような「気持ちの衝突」が起こりやすくなります。
なお、「未完了の感情」についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をお読み下さい。
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「インナーチャイルド」を用いる意味合い
「インナーチャイルド」は、あくまで「心のケアをしやすくするためのイメージ」です。
専門の現場では、次のような目的で用いられています。
POINT
- 子どもの頃に残った未完了の感情を「小さな自分のイメージ」に置き換えることで、気持ちを見つめやすくする
- 「インナーチャイルド(小さな自分)が、今も『もっと○○してほしかった!』と伝えている」と捉えることで、心のケアがしやすくなる
感情は目に見えないため、イメージ化することで理解しやすくなるのです。
母親に優しくできないときに表れているもの
たとえば、次のような反応は、実は「大人の自分の反応ではない」ことが多いのです。
POINT
- 母親に会うとざわつく
- 優しくしたいのに冷たくしてしまう
- どう接していいかわからない
- 優しくすると負けた気がする
- 不満や失望が沸き上がる
このような反応は、「大人の自分の反応」ではなく、「インナーチャイルド(母親に対する未完了の感情)が刺激されて反応している」と考える方が自然です。
インナーチャイルドを責めると苦しくなる理由
ただ、大人の自分の視点で考えてみれば、「母親との関係性をインナーチャイルドに邪魔されている」と考えることもできます。
ですので、中には、
POINT
- インナーチャイルドのせいで母親に優しくできない
- インナーチャイルドに邪魔されている
と考えてしまう方もいます。
しかし、インナーチャイルドは「自分の一部」です。
責めてしまうと、結果的に「自分自身を責めることと同じ」になり、さらに心が苦しくなってしまうことがあります。
インナーチャイルドは「癒し」を求めている
母親に優しくできなくて苦しくなると、「こんな自分はダメだ」と自分を責めてしまいがちです。
しかし、インナーチャイルドが反応している理由は、あなたを困らせるためではありません。
むしろ、「ずっと我慢してきた気持ちを、ようやく安心して表に出せるようになった」という心の回復のサインでもあります。
まるで、「子どもの頃から傷ついたままの感情に気づいてほしい」「子どもの頃から傷ついたままの感情を癒してほしい」というメッセージをインナーチャイルドが送ってくれているようなものなのです。
このような背景を考えれば、母親に優しくできないあなたは、決して冷たい人間などではなく、むしろ「本当は優しくしたいという思いがあるからこそ、心が痛む」のです。
その痛みこそが、「インナーチャイルドの声」です。
なお、「インナーチャイルドを癒す際のポイント」は次のような感じです。
POINT
- 自分の感情を否定しないようにする
- 小さなステップで少しずつ行う
- 難しければ専門家を頼ってOK
焦らなくても大丈夫です。
まずは、心の中にいる小さな自分に「どんな気持ちだったの?」と、そっと耳を傾けてみることから始めてみましょう。
このように、カウンセリングの現場では、「インナーチャイルドに優しくすると、自分にも優しくできるようになり、結果的に母親との関係にも変化が生まれる」と考えられています。
この章のまとめ
インナーチャイルドとは、子どもの頃の感情や記憶が心の中に残っている状態をイメージしやすく表現したものです。
母親との関係で感じてきた「満たされなかった思い」が残っていると、それが大人になっても心に影響しやすくなります。
次の章では、「母親に優しくできないとき、心で何が起こっているのか?」について解説していきます。
なお、「インナーチャイルド」についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をお読み下さい。
第3章:母親に優しくできない心のメカニズム

母親に優しくできないことで悩んでいる方の多くは、「自分は冷たい人間なのではないか」という不安を抱えています。
しかし心理学では、「母親に優しくできないのは冷たい人間だから」とは考えず、母親に優しくできない背景には、次のような「過去の経験」や「無意識的な心の働き」が関係していると考えます。
POINT
- 幼少期の傷と防衛反応
- 厳しい躾やモデリングの影響
- 安全基地の不足と親子役割逆転
- 理想の母親像とのギャップ
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①幼少期の傷と防衛反応
幼少期に強い不安や悲しみを感じた「傷つき体験」は、大人になっても影響を与えます。
人は、傷つくような体験をすると、「もう二度と同じ思いをしたくない」と感じるようになります。
その結果、無意識のうちに「次は傷つけられないようにしよう」と学習し、「自分を守るための考え方や行動パターン」を身に付けていきます。
心理学では、こうした心の働きを「防衛機制」と呼びます。
防衛機制とは、不快な感情を弱めたり、避けたりすることで精神的な安定を保つ心の働きのことです。
防衛機制は弱さではなく、生き延びるために備わった自然な心の働きです。
また、防衛機制の多くは、幼少期の経験から身につくとされています。
子どもはまだ心が未熟で、自分を守る方法を十分に持っていません。
そのため、強い不安や悲しみを感じたときに、心が自動的に「守る仕組み」を作り出すのです。
このことから、もし子どもの頃に母親との関係で傷ついた経験がある場合、大人になっても「また母親に傷つけられたくない」という防衛反応が無意識に働くことがあります。
その結果、親に会うと自然に距離を取りたくなったり、反応が過剰になってしまい、「母親に優しくしたいのに、拒絶されるのが怖くてできない」と感じてしまうことがあります。
②厳しい躾やモデリングの影響
「三つ子の魂百まで」という言葉があるように、心理学でも、子どもの頃に親との関わりは、その後の人格形成に大きく関係すると考えられており、子どもは成長の過程で、親の考え方や言葉づかい、行動の仕方を見て学んでいきます。
つまり、「親を見て育つ」という言葉の通り、子どもは親の姿をまねながら、生き方や人との関わり方を身につけていくのです。
心理学では、こうした心の働きを「モデリング」と呼びます。
【観察学習(モデリング)とは】
心理学者のアルバート・バンデューラが提唱した概念で、他人(モデル)の行動を観察・模倣するだけで学習が成立すること。
これは、社会的学習理論の中でも大切な概念で、人は身近な存在の行動を観察し、それを自分の行動として取り入れることで学んでいくとされています。
そのため、もし子どもの頃に母親から厳しく育てられた経験がある場合、大人になってからも、無意識のうちに「厳しく接する」という関わり方を身につけていることがあります。
その影響で、他人に対してだけでなく、母親に対しても無意識に厳しく接してしまうことがあります。
結果として、「母親に優しくしたいのに、つい冷たくしてしまう」という葛藤を抱えてしまう方も少なくありません。
③安全基地の不足と親子役割逆転
子どもにとって、親は本来「安心できる存在」であることが理想です。
心理学では、子どもが安心して心の拠り所とできる存在を「安全基地(secure base)」と呼びます。
しかし、両親の不仲や家庭内の緊張(夫婦げんか、嫁姑問題など)が続くと、家庭が「安全基地」として機能しなくなってしまいます。
そうした「安心できない環境」で育った子どもは、「家族が壊れないようにしなきゃ」「自分が間に入らないといけない」と過剰に気を使い、子どもでありながら「家族の調整役」や「親のケア役」を担おうとしてしまうことがあります。
心理学では、このように「子どもが親を助けている状態(立場が入れ替わっている状態)」を「親子の役割逆転(ロールリバーサル)」 と呼びます。
親子逆転というのは、その名の通り親と子の役割が入れ替わることです。掃除や家事など物理的な面というよりは、精神面での役割逆転が起こっていることが多いです。
引用元:【ありのままの自分でいいと思えない】「親に頼れない」「親に本音が言えない」と悩む子ども時代 〜気がつきにくい親子逆転|Poche
具体的には、以下のような経験がなかったでしょうか?
POINT
- 親の愚痴や相談の聞き役になっていた
- 親の機嫌が悪くならないよう、常に顔色を伺っていた
- 「自分がしっかりしないと」と、弟妹の世話や家事を担っていた
- 自分の気持ちを抑え、親にとって「いい子」を演じ続けていた
家庭が「安全基地」として機能していれば、子どもはこのような我慢や努力をする必要はありません。
しかし、役割逆転が起きている家庭では、どれだけ親を助けても「感謝されない」「認めてもらえない」「むしろ当然だと思われる」という経験を積み重ねることになります。
その結果、大人になったあなたの心には、「あれだけ助けたのに報われなかった」という悲しみや、「私は十分に甘えさせてもらえなかったのに、なぜ今さら母に優しくしなければならないの?」という強い不公平感が残ってしまいます。
④理想の母親像とのギャップ
家庭が「安全基地」として機能していない場合、子どもは家にいても安心することができず、常に不安や孤独を抱えながら育つことになります。
そうした環境で育つと、子どもは次第に「母親への不満や怒り」を心に溜めていきます。
しかし、このような感情をそのまま抱え続けていると心が耐えられなくなってしまうため 、心理的な防衛として、子どもは心の中に「理想の母親像」 を作り出す場合があります。
なお、心理的な防衛として「子どもが心の中に作り出す『理想の母親像』」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 本当の母親なら、優しくしてくれるはず
- 本当の母だったら、もっと理解してくれるはず
- 本来の母親とは、こういう存在であるべき
このように、心が耐えられなくなると、子どもは「理想の母親像」を心に描くことで現実とのギャップを埋め、心のバランスを保とうとする場合があります。
このような反応は、心を守る自然な働きなのですが、同時に、現実の母親に対する不満や失望を感じやすくもなってしまい、その結果、「現実の母に優しくできない」という葛藤にもつながってしまう場合があります。
この章のまとめ
子どもの頃の「言えなかった気持ち」や「我慢した思い」は、表に出せないまま心に残ります。
母親と接したときに、その「しまわれた気持ち」が刺激されることで、「優しくしたいのにできない葛藤」が生まれます。
これは、心がまだ処理しきれずに抱えているサインです。
優しくできないのは、あなたが冷たいからではなく、「これ以上、自分を犠牲にしたくない」と心が必死に訴えている防衛反応なのです。
次の章では、「母親に優しくできない自分を癒す具体的な方法」について解説していきます。
なお、「インナーチャイルドの原因となる母親の特徴」についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をお読み下さい。
第4章:母親に優しくできない自分を癒す5つのステップ

母親に優しくできないとき、多くの方は「こんな自分はダメだ」と自分を責めてしまいます。
ですが、心が反応するのには理由があり、ゆっくりと癒していく方法があります。
ここでは、カウンセリングでも取り入れられる「心をゆるめるステップ」を、やさしい形でまとめました。
ステップ1:まずは「自分を責めない」ことから始める
母親に優しくできないと、自分が冷たい人間のように感じてしまうかもしれません。
しかし、この反応は心が弱いのではなく、これまでの人生で身につけてきた「心を守るための自然な反応」です。
どうか、そんな自分に「よく頑張ってきたね」と、そっと声をかけてあげてください。
ステップ2:感情に「言葉」を与える
インナーチャイルドは、小さな頃に言葉にできなかった気持ちを抱えています。
POINT
- 本当は甘えたかった
- もっとわかってほしかった
- 悲しかった、寂しかった
- ひとりで頑張るしかなくてつらかった
これらを紙に書いたり、心の中でそっと言葉にしてみたりする(言語化する)だけでも、心がやわらぎ始めます。
ステップ3:小さな自分に寄り添うイメージワーク
カウンセリングでは、次のようなイメージワークがよく使われます。
POINT
- 静かな場所で目を閉じ、小さな自分を思い浮かべる
- 「どんな気持ちだったの?」と優しく問いかける
- 浮かんできた気持ちに、否定せず寄り添う
はっきり見えなくても大丈夫です。
もし何も浮かばなかったとしても、ぼんやりと感じてあげるだけでもOKです。
大切なのは「その子をひとりにしない姿勢」です。
とはいえ、インナーチャイルドと向き合う作業は、怖さや辛さを伴う場合があります。
ですので、もし辛くなったら途中でやめても全然OKです。
一人では難しいと感じた場合は、カウンセラーと一緒に取り組むことが安全です。
お望みでしたら、心理カウンセラー寺井がお手伝いをさせて頂きます。
ステップ4:母親との距離を「自分軸」で決める
心が整う前に無理をすると、かえって苦しくなります。
もし可能なら、次のような母親との距離の取り方を試してみてください。
POINT
- 会う頻度を減らす
- 電話やLINEのペースを自分で決める
- 苦手な話題は避ける
- 会うときは短時間にする
心の距離を置くことは、将来的に穏やかに関われるようになるための「一時避難」であり、関係を断絶することではありません。
これは「逃げ」ではなく、心を守るための立派なセルフケアです。
ステップ5:優しさは「作らなくていい」
インナーチャイルドが癒されると、自然と心に余裕が生まれます。
その結果として、少しずつ母親に対する反応も穏やかになっていきます。
優しくできるようになることを目標にする必要はありません。
あなた自身の心が軽くなること、それがいちばん大切です。
この章のまとめ
母親との関係を無理に変える必要はありません。
まずは、心の中の「小さな自分(インナーチャイルド)」に寄り添うことから始めます。
- 当時どんな気持ちだったのか
- 何を我慢していたのか
- 本当はどうしてほしかったのか
こうした感情に耳を傾けることで、大人のあなた自身の心もやわらぎ、結果として母親との距離の取り方にも変化が生まれていきます。
次の章では、「インナーチャイルドを癒すことで生まれる『母親との関係性の変化』」について解説していきます。
第5章:インナーチャイルドが癒されると母親との関係はどう変わる?

インナーチャイルドが少しずつ癒されてくると、母親との関係にも静かな変化が訪れます。
これは無理に仲良くしようとしなくても、自然に起こる変化です。
1. 母親への反応が穏やかになる
以前は母親の言動に強く反応してしまっていた場合でも、心の奥に安心感が育ってくると、反応のスピードや強さがゆっくりと落ち着いてきます。
「気づいたら前より落ち着いて話せている」こうした変化がふと訪れます。
2. 「選べる自分」 を取り戻す
「会うべき」「優しくすべき」といった「べき思考」が弱まり、自分の気持ちで選べる余裕が生まれてきます。
すると、「今日は話せそう」「今は距離を置こう」と自然に判断できるようになります。
3. 過去と現在を区別しやすくなる
インナーチャイルドが癒されると、「昔の母親」と「今の母親」を切り分けられるようになります。その結果、過去の痛みに引っ張られることが減り、現在の自分に戻りやすくなります。
4. 優しさが「無理なく」生まれることもある
癒しが進むと、母親に対して少しだけやわらかい気持ちが生まれる瞬間があります。
それは努力ではなく、心が整った結果として自然にあふれてくるものです。
まとめ:あなたは「優しさ」をあきらめていません
母親に優しくできず苦しくなるのは、「本当は優しくしたい」という願いが心にあるからこそ。
その痛みは、心の奥で小さな自分が助けを求めているサインです。
ゆっくり、「インナーチャイルドの声」に寄り添うことが、あなた自身への最大の優しさに繋がり、母親との関係にも穏やかな変化をもたらします。
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さいごに、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。
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なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。
以上、「母親に優しくできないのは『インナーチャイルド』が原因?心理学から読み解く癒しのステップ」という記事でした。
