「長男・長女の役割」がインナーチャイルドに与える影響

長男・長女の役割がインナーチャイルドに与える影響を表すイラスト

POINT

長男・長女は、子どもの頃から「素直な気持ち(本音・本心)」を抑圧することが多く、「否定的自己概念(MUST思考)」が強くなるため、インナーチャイルドが傷つく可能性が高いです。

心理カウンセラーの寺井です。

「長男・長女」は「親にとって初めての子ども」であるため、最初の子どもとして親の愛情を一身に受ける反面、親の期待も一身に受けることにもなり、その影響で、子どもの頃から「両親に期待される、両親に頼られる」ことが多いです。

一方、心理学では「幼少期の体験は『人格形成』に多大な影響を与える」と考えられており、心理学における「インナーチャイルド」とは、「幼少期に負ったトラウマ(心の傷)」や「幼少期に満たされなかった気持ち」や「幼少期に身に付けた思考・行動パターン」など「幼少期の体験(3歳~10歳ごろの体験)」を指します。

以上のことから、「両親に期待されたり頼られることが多かった」という「幼少期の体験」は、長男・長女の性格形成に大きな影響を与えていると言えます。

この記事は、長男・長女の役割がインナーチャイルドに与える影響について解説しています。

長男・長女とは?

長男・長女の意味合いを表すイラスト

「長男・長女」は、「初子(ういご)・第一子(だいいっし)・長子(ちょうし)」とも呼ばれ、以下のような「意味合い」があります。

POINT

  • 夫婦の間に最初に生まれた子ども
  • 兄弟姉妹のなかで一番年長の子ども

このように、「長男・長女」とは「親にとって初めての子ども、親が初めて子育てをする子ども」を意味します。

ですので、親は「長男・長女への期待を膨らませすぎてしまう」あるいは「長男・長女に対して子育てへの不安を募らせてしまう」ことが多く、その影響で、長男・長女は「親に期待される、親に頼られる」ことが多いです。

 

長男・長女が担わされる役割

長男・長女が担わされる役割を表すイラスト

反対に言えば、親は「初めての子どもに対する期待」と「初めての子育てに対する不安」を無意識のうちに「長男・長女」に背負わせてしまう場合があり、その影響で、長男・長女は家族の中で様々な役割を担わされることが多いと考えられています。

なお、「長男・長女が家族の中で担わされる役割」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 勉強・スポーツ・習い事を頑張って親を喜ばせる
  • 炊事・洗濯など家事をこなす
  • 年下のきょうだいの面倒を看る
  • アルバイトなどで生計を支える
  • 病気の家族を看病する
  • 介護が必要な祖父母の世話をする
  • 両親の夫婦仲を仲裁する
  • 家族の不仲やきょうだい喧嘩を仲裁する
  • 父親に代わって母親を支える(夫代わり)
  • 母親に代わって父親を支える(妻代わり)

このように、長男・長女は家族の中で「『父親代わり、母親代わり、夫代わり、妻代わり』を担わされてしまう」あるいは「『親を支える責任』や『家族を支える責任』を背負わされてしまう」ことが多く、子どもであるにもかかわらず、知らず知らずのうちに「親の役割の一部」を担わされたり、「親の責任の一部」を背負わされてしまうことが多いと考えられています。

反対に言えば、長男・長女は最初の子どもとして親の愛情を一身に受ける反面、親の期待も一身に受けることにもなるため、そのぶん、親から掛けられる期待の大きさに負担を感じながら成長していくことが多いと言えます。

 

長男・長女に共通する性格的特徴

長男・長女の性格的特徴を表すイラスト

このように、長男・長女は第一子であることから「両親に期待される、両親に頼られる」ことが多く、その影響で、責任感や義務感が強くなることが多いです。

また、長男・長女は子どもの頃から家族の世話をしてきた場合も多く、その影響で、世話焼きで面倒見がよくなることも多いです。

反対に言えば、長男・長女は「周囲の期待に応えよう!」あるいは「周囲の役に立とう!」とする気持ちが強く、頑張りすぎてしまう一面があるため、他者に頼ることが苦手で何でも一人で抱え込んでしまうことが多いと言えます。

なお、「長男・長女に共通する性格的特徴」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 責任感・義務感が強い
  • 世話焼きで面倒見が良い
  • 完璧主義・理想が高い
  • 他者に頼ること・甘えることが苦手
  • 自分のことを後回しにして他者のことを優先しがち
  • 期待されること・褒められること・感謝されることに生きがいを感じる
  • しっかり者で頼りがいがあると見られる反面、弱音を吐けない

参考元:長男長女の性格や特徴あるある。相性のいい異性のタイプは?

また、上記のような「長男・長女に共通する性格的特徴」を「長男・長女症候群」と呼ぶ場合があります。

「長男・長女症候群」の特徴としては、「責任感が強くがんばり屋」「できたことよりもできないことに目が行き、自分に厳しい」「弱音を吐かない(吐けない)」「甘え下手」「つい頑張ってしまい、オーバーワーク気味」「何かしていないと罪悪感を感じる」「いつも家族や他人の心配をしている」「パートナーに尽くしすぎてしまう」「他人から頼まれると断れない」などです。

引用元:長男・長女症候群

このように、長男・長女は子どもの頃から「両親に期待される、両親に頼られる」ことが多く、そのことは、長男・長女の性格形成に大きな影響を与えていると考えられています。

 

長男・長女のインナーチャイルドが傷つく原因

長男・長女のインナーチャイルドが傷つく原因を表すイラスト

心理学における「インナーチャイルド」とは、「幼少期に負ったトラウマ(心の傷)」や「幼少期に満たされなかった気持ち」や「幼少期に身に付けた思考・行動パターン」を指します。

例えば、幼少期に親から「暴力・暴言」を受けた場合、インナーチャイルドは傷つき、それ以来、「これ以上、傷つきたくない!」という「防衛的な気持ち」から「感情」や「欲求」を抑え込むようになったり、「どうせ自分には価値がない」という「無価値観」から「自己主張」や「自我」を抑え込むようになります。

そして、このような「思考・行動パターン」を幼少期から繰り返すことで「習慣化」し、徐々に性格として根付いていきます。

そういった意味では、長男・長女は子どもの頃から「親から大きな期待と責任を背負わされる」ことが多いため、そのぶん、インナーチャイルドが傷つく可能性が高いと言えます。

なお、「長男・長女のインナーチャイルドが傷つく原因」とは、主に「3つ」があげられます。

POINT

  1. 条件付きの愛情
  2. 否定的自己概念
  3. 機能不全家族(毒親)

それでは、以下に詳しく解説していきます。

 

①条件付きの愛情

子どもは、親からの愛情なしでは生きていくことが困難であるため、親からの愛情を得るために、親の期待に懸命に応えようとします。

とくに、長男・長女は「お兄ちゃんなんだから頑張りなさい!」あるいは「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい!」など、親から様々な条件を付けられてしまうことが多いです。

なお、「ある条件を満たしたら愛情を注ぐが、ある条件を満たさなければ愛情を注がない」など、子どもに愛情を注ぐことに対して親が条件を付けることを「条件付きの愛情」と言います。

条件付きの愛とはすなわち「◯◯する子は愛してあげる」「◯◯できない子は愛してあげない」というコントロールです。

引用元:条件付きの愛。アダルトチルドレンがハマりやすいワナとは?

このように、長男・長女は「親から大きな期待と責任を背負わされる」ことが多く、且つ「条件付きの愛情」で育てられる場合が多いため、その影響で、「親から愛情を得るためには、親の期待に応え続けなければならない」あるいは「親から愛情を得るためには、親から与えられた責任を果たさなければはならない」という「思考パターン」になりやすいです。

なお、「長男・長女が親にされがちな『条件付きの愛情』」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 勉強・スポーツ・習い事など、親の期待に応えられたときには褒められるが、親の期待に応えられないと怒られる
  • 年下のきょうだいの世話・病気の家族を看病など、親に指摘される前に気づいて世話をしたときには褒められるが、親に指摘されてから世話をすると怒られる
  • 炊事・洗濯・掃除など、親に不満を言わずに手伝いをしているときには褒められるが、親に不満を言いながら手伝うと怒られる

このように、長男・長女は「条件付きの愛情」で育てられた影響で、大人になって「誰かの役に立てている(誰かに必要とされる)ときには自分の存在価値を感じて精神的に安定するが、誰の役にも立てていい(誰にも必要とされていない)ときには自分の存在価値を感じられず、精神的に不安定になる」ことが多く、ありのままの自分を受け入れられず、頑張ったり我慢することが多くなり、自分に厳しくなると考えられています。

以上のことから、「条件付きの愛情」とは、「長男・長女のインナーチャイルドが傷つく原因」のひとつと言えます。

 

②否定的自己概念

前述の通り、長男・長女のインナーチャイルドが傷つく原因として「条件付きの愛情」があげられますが、長男・長女は親との関りの中で「条件付きの愛情」を繰り返すうちに、いつしか「親の期待を裏切ってはならない」あるいは「親の期待に応えなければならない」という「無条件では愛されない」という「思考パターン」を身に付けていくと考えられています。

そして、長男・長女は大人になっても「無条件では愛されないという思考パターン(ありのままの自分を否定する思考パターン)」を無意識に繰り返すことになり、知らず知らずのうちに、自らのインナーチャイルドを傷つけている場合があります。

このとき、「子どもの頃の自分(第二反抗期(思春期)以前の自分)のイメージ」を「インナーチャイルド」と呼ぶのに対し、「大人になってからの自分(第二反抗期(思春期)以降の自分)のイメージ」を「インナーアダルト」と言います。

なお、「『インナーチャイルド』と『インナーアダルト』の違い」は、主に以下のようになります。

POINT

  • インナーチャイルド
    第二反抗期(思春期)以前の自分
    感情・感覚・気持ち・本音・本心・欲求・無意識・潜在意識
    お腹がすいたら何かを食べたくなるなど、生まれながらに持っている領域
    ありのまま(正直・素直)な自分・自然体の自分
  • インナーアダルト
    第二反抗期(思春期)以降の自分
    理性・知性・知識・思考・認知・理想・意識・顕在意識
    学校の勉強・家族のルール・仕事のスキルなど、生まれたあとに学んでいく領域
    頑張っている自分・我慢している自分・演じている自分

また、「インナーアダルト」は「親の影響」を強く受けるため、「親の態度」によって以下のような違いが出る場合があります。

POINT

  • 親から「無条件の愛情」で育てられた場合の「インナーアダルト」
    親の態度を模倣して「ありのまま(正直・素直)の自分を肯定する思考パターン」を身に付ける
    自分を好きになり、ありのままの自分を表現できるようになる
    自己肯定感が高くなる
  • 親に「条件付きの愛情」で育てられた場合の「インナーアダルト」
    親の態度を模倣して「ありのまま(正直・素直)の自分を否定する思考パターン」を身に付ける
    自分を嫌いになり、ありのままの自分を隠すようになる
    自己否定感が高くなる

このように、親から「条件付きの愛情」で育てられた場合、「インナーアダルト」は親と同じように「インナーチャイルド」を「否定・抑圧・放置」するようになります。

反対に言えば、親に「条件付きの愛情」されて育った場合、「インナーアダルト」は「インナーチャイルド」を絶えず傷つけることになるため、親から物理的に離れたとしても、慢性的に「生きづらさ」を感じ続けるようになります。

以上のことから、「否定的自己概念」とは、「長男・長女のインナーチャイルドが傷つく原因」のひとつと言えます。

 

③機能不全家族(毒親)

このように、長男・長女は「最初に生まれてきた子ども」というだけで、知らず知らずのうちに「否定的自己概念」を持つことが多いと考えられています。

くわえて、親が「過干渉、過保護、暴言、暴力、ネグレクト」など「問題のある子育てを行う親」であった場合、長男・長女が持つ「否定的自己概念」はさらに強いものとなります。

なお、「過干渉、過保護、暴言、暴力、ネグレクト」など「子どもの人生に悪影響を及ぼす子育てを行う親」を「毒親」と言います。

毒親とは、アメリカの専門家が提唱した概念です。過干渉や暴言・暴力などによって子どもに重圧を与えたり、親の都合を優先し、子どもをかまわなかったりする親のことだとしています。

引用元:毒親とは 専門家が語る特徴と対策 過干渉や暴言はどうすれば・・・ – NHK クローズアップ現代 全記録

また、「家庭内に存在する様々な問題が原因で、子どもが日常的に心的負担を感じている家族」を「機能不全家族」と言います。

機能不全家族とは、ストレスが日常的に存在している家族状態のことです。主に親から子どもへの虐待・ネグレクト(育児放棄)・子どもに対する過剰な期待などの様々な要因が家庭内にあり、子育てや生活などの家庭の機能がうまくいっていない状態です。

引用元:機能不全家族とは?影響を受けるとアダルト・チルドレンになる?

このように、長男・長女が「機能不全家族で育った(毒親に育てられた)」場合、「否定的自己概念」がさらに強まり、その影響で「子どもらしい素直な感情表現」ができず、「素直な気持ち(本音・本心)」を抑圧したまま大人へと成長していくことになります。

以上のことから、「機能不全家族(毒親)」とは、「長男・長女のインナーチャイルドが傷つく原因」のひとつと言えます。

 

なお、「インナーチャイルドが傷つく原因」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

長男・長女の役割がインナーチャイルドに与える影響

長男・長女の生きづらさはインナーチャイルドが引き起こしている様子を表すイラスト

前述の通り、長男・長女が「機能不全家族で育った(毒親に育てられた)」場合、「否定的自己概念」を強めたり、「抑圧した感情」を抱えたまま大人へと成長することになり、その影響で、大人になって「生きづらさ」を感じる場合があります。

なお、機能不全家族で育った(毒親に育てられた)影響で、大人になって「生きづらさ」を感じている人を「アダルトチルドレン」と言います。

「アダルトチルドレン」とは、機能不全家族で育ったことにより、「親から守られる」「適切な教育を受ける」などの正常な成長過程をたどれず、成人してからも生きにくさや心に傷を抱えている人のことをさします。

引用元:機能不全家族で育った大人「アダルトチルドレン」を克服するには?

このように、「長男・長女の役割」はインナーチャイルドに様々な影響を与える可能性があり、家庭環境によっては、大人になって「生きづらさの原因」となる場合があります。

なお、「長男・長女の役割がインナーチャイルドに与える影響」とは、主に以下の「2つ」があげられます。

POINT

  1. 感情面の影響
    子どもらしい素直な感情表現ができず、「○○したい、○○してほしい、○○と思う」という「素直な気持ち(本音・本心)」を抑圧する
  2. 思考面の影響
    無条件では愛されないという思考が強くなり、「○○しなければ!○○はダメだ!」という「否定的自己概念(MUST思考)」が強くなる

それでは、以下に詳しく解説していきます。

 

①感情面への影響:未完の感情

長男・長女は、親から愛情を得るために頑張ったり我慢することが多いため、子どもらしい素直な感情表現ができず、素直な気持ち(本音・本心)を抑圧することが多くなると考えられています。

このとき、長男・長女が「子どもの頃に抑圧した気持ち」は決して消え去ったわけではなく、「潜在意識」という心の深い部分に残り続けて、大人になったあとも影響を与え続けます。

なお、長男・長女が「子どもの頃に抑圧した気持ち」のように、ある時から未解決のまま心に残っている感情を「未完の感情」と言います。

「未完の感情」とは、過去の出来事の場面で、ある人に対して、あなたの感情が出せなかったままだったり、出しきれてなかったり、出したとしても言いくるめられていたりと、納得いかない状況のまま行き場を失って心の奥に残ってしまった感情です。…(中略)…多くは親(養育者)との関係で「未完の感情」が残っています。「未完の感情」は、相手が特別な存在である親(養育者)だからこそ、あなたが強く感じた感情です。

引用元:機能不全家族で育った大人「アダルトチルドレン」を克服するには?

また、長男・長女が抑圧している「未完の感情」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 子どもの頃に親や家族に言いたかったが言えなかったこと
  • 子どもの頃にやりたかったがやれなかったこと
  • 子どもの頃に親や家族に相談したかったが相談できなかった悩み
  • 子どもの頃に我慢した「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」
  • 子どもの頃に頑張ったのに褒められなかったこと
  • 子どもの頃に我慢したのに感謝されなかったこと

そして、「未完の感情」によって引き起こされる「生きづらさ」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 大人になって、自分の言いたいことを我慢してしまう
  • 大人になって、自分のやりたいことを我慢してしまう
  • 大人になって、自分の悩みを誰かに相談できずに抱え込んでしまう
  • 大人になって、「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」を感じやすくなる
  • 大人になって、「認められたい!褒められたい!」という気持ちが強くなる
  • 大人になって、「必要とされたい!感謝されたい!」という気持ちが強くなる

このように、長男・長女は「未完の感情」を抱えたまま大人へと成長していく場合が多いのですが、幼少期から抑圧し続けているため「未完の感情」の存在自体に気づけていない場合が多く、自分が「生きづらさ」を抱えていること自体に気づけていない場合が多いです。

 

なお、「未完の感情」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

②思考面への影響:禁止令・ドライバー

長男・長女は、親から愛情を得るために親の期待に応え続けなければならないことが多いため、「無条件では愛されない、ありのままの自分では愛されない」など、否定的自己概念が強くなると考えられています。

なお、子育てにおいて子どもが親から受けた言動のうち、「○○はダメ!」など、何かを禁止された指示・命令のことを「禁止令」と呼び、「~しろ!」「~しなさい!」「~したほうがいい!」など、何かを煽り立てられた指示・命令のことを「ドライバー(拮抗禁止令)」と呼びます。

禁止令とは心理学者エリックバーン博士によって開発された自己分析法で、文字通り「〇〇してはいけない」という「禁止」の「命令」のことです。…(中略)…幼いころに親などの養育者から否定的・禁止的な命令や態度を繰り返し受けることで、自らの思考や行動の制限を課してしまうものです。

引用元:知っていますか?あなたを縛る「禁止令」【私たちは禁止されている】

拮抗禁止令とは、幼少期に親の役割をもつ人から与えられた「〇〇しなさい」「〇〇したほうがよい」「〇〇であるべき」という、いわゆる「〇〇しろ」というメッセージを受けて、そのよう生きていこうと「決断」することで自らに課したものです。…(中略)…ドライバーというその名の通り、その人の行動を駆り立ててしまうのです。

引用元:知っていますか?あなたを駆り立てる5つの拮抗禁止令(ドライバー)

また、長男・長女が身に付ける「禁止令・ドライバー」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 親の期待に応えなければならない、親の期待を裏切ってはならない
  • 親に褒めてもらえるくらいに、先回りして家族の世話をしなければならない
  • 苦しんでいる親を支えなければならない、親に迷惑を掛けてはならない

そして、「禁止令・ドライバー」によって引き起こされる「生きづらさ」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 大人になって、完璧主義になり、失敗を極端に恐れるようになる
  • 大人になって、先回りして他者の世話を焼きすぎてしまう
  • 大人になって、自分を犠牲にして他者を支えすぎてしまう

このように、長男・長女は「禁止令・ドライバー」を強めながら大人へと成長していく場合が多いのですが、幼少期から習慣化しているため「禁止令・ドライバー」の存在自体に気づけていない場合が多く、自分が「生きづらさ」を抱えていること自体に気づけていない場合が多いです。

 

なお、「禁止令・ドライバー」については、以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状

長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状を表すイラスト

前述の通り、長男・長女の役割がインナーチャイルドに与える影響は、「アダルトチルドレンの特徴」として表れる可能性があります。

「アダルトチルドレン」とひと口に言っても「さまざまなタイプ」があり、「アダルトチルドレンタイプ」と呼ばれ、長男・長女は、主に以下の「3タイプ」の特徴があらわれやすいと考えられています。

POINT

  1. ヒーロータイプ(英雄役)
    「スーパーチャイルド」とも呼ばれ、「親や家族の期待」に応えるために「勉強・スポーツ・習い事」を頑張る。「優等生」に映る反面、「挫折に弱い」一面がある
  2. ケアテイカー(世話役)
    「小さな看護師」とも呼ばれ、「親代わり」となって家族の世話を焼く。「気が利く人・面倒見が良い人」に映る反面、「過干渉・おせっかい」な一面がある
  3. イネイブラー(支え役)
    「偽親(にせおや)」とも呼ばれ、「自己犠牲」によって家族を支える。「献身的な人」に映る反面、一方的に尽くしすぎて「相手の依存心を強めてしまう」

このように、子どもの頃に家庭で担った「長男・長女という役割」が、大人になっても無意識のうちに「思考・行動パターン」として繰り返され、様々な症状を引き起こす場合があります。

なお、「長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  1. 他者を頼れない
  2. 完璧主義
  3. 強がり
  4. 先回りして世話を焼く
  5. 自己犠牲を繰り返す
  6. 他者に厳しい
  7. 承認欲求が強い
  8. 親の影響を強く受ける

続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

 

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以上、「『長男・長女の役割』がインナーチャイルドに与える影響」という記事でした。

この記事を書いた人
寺井 啓二

「うつ、アダルトチルドレンの克服経験」を持つ「心理カウンセラー・心理セラピスト」。
自らの克服経験を世の中のために役立てたいと考え、2013年に「メンタル心理そらくも」を設立、代表を務める。
10年以上のカウンセリング臨床実績があり、「アダルトチルドレン、インナーチャイルド、うつ病、パニック障害、人間関係の生きづらさ、親子関係の悩み(毒親)、子育ての悩み、恋愛・結婚の悩み、中学生・高校生の悩み」などの相談を得意としている。

◆カウンセリング実績
・臨床実績:過去2000回以上
・男女比:男性40%、女性60%
・年齢層:中学生から60歳代
・来訪元:静岡、愛知など東海圏
     東京、神奈川など首都圏
     大阪、兵庫など関西圏
     海外在住の方

◆保有資格
・上級心理カウンセラー
・メンタル心理カウンセラー
・うつ病アドバイザー
・チャイルドカウンセラー
・家族療法カウンセラー
・セルフ・アクセプタンスカウンセラー
・EFT-Japan Level 1
・EFT-Japan プラクティショナー

“代表:寺井啓二の詳しいプロフィール”

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