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長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状は、①他者を頼れない、②完璧主義、③強がり、④世話焼き、⑤自己犠牲、⑥他者に厳しい、⑦承認欲求が強い、⑧親の影響を強く受ける、などがあげられます。
心理カウンセラーの寺井です。
心理学における「インナーチャイルド」とは、「幼少期に負ったトラウマ(心の傷)」や「幼少期に満たされなかった気持ち」や「幼少期に身に付けた思考・行動パターン」など「幼少期の体験(3歳~10歳ごろの体験)」を指します。
長男・長女は、第一子であることから「両親に期待される、両親に頼られる」ことが多く、「親から大きな期待と責任を背負わされる」ことが多いため、そのぶん、インナーチャイルドが傷つく可能性が高いと言えます。
このように、長男・長女は「最初に生まれてきた子ども」というだけで、「素直な気持ち(本音・本心)」を抑圧することが多くなったり、「否定的自己概念(MUST思考)」が強くなり、その影響で、大人になって「生きづらさ」を感じる場合が多いです。
なお、インナーチャイルドが傷ついていることが原因て、大人になって「生きづらさ」を感じている人を「アダルトチルドレン」と言います。
「アダルトチルドレン」とは、機能不全家族で育ったことにより、「親から守られる」「適切な教育を受ける」などの正常な成長過程をたどれず、成人してからも生きにくさや心に傷を抱えている人のことをさします。
このように、長男・長女は知らず知らずのうちにインナーチャイルドが傷ついてしまっている場合が多く、傷ついたインナーチャイルドによって様々な症状が引き起こされると考えられています
この記事は、長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状について解説しています。
長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状
前述の通り、長男・長女の役割がインナーチャイルドに与える影響は、「アダルトチルドレンの特徴」として表れる可能性があります。
「アダルトチルドレン」とひと口に言っても「さまざまなタイプ」があり、「アダルトチルドレンタイプ」と呼ばれ、長男・長女は、主に以下の「3タイプ」の特徴があらわれやすいと考えられています。
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- 「ヒーロータイプ(英雄役)」
「スーパーチャイルド」とも呼ばれ、「親や家族の期待」に応えるために「勉強・スポーツ・習い事」を頑張る。「優等生」に映る反面、「挫折に弱い」一面がある - 「ケアテイカー(世話役)」
「小さな看護師」とも呼ばれ、「親代わり」となって家族の世話を焼く。「気が利く人・面倒見が良い人」に映る反面、「過干渉・おせっかい」な一面がある - 「イネイブラー(支え役)」
「偽親(にせおや)」とも呼ばれ、「自己犠牲」によって家族を支える。「献身的な人」に映る反面、一方的に尽くしすぎて「相手の依存心を強めてしまう」
このように、子どもの頃に家庭で担った「長男・長女という役割」が、大人になっても無意識のうちに「思考・行動パターン」として繰り返され、様々な症状を引き起こす場合があります。
なお、「長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
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- 他者を頼れない
- 完璧主義
- 強がり
- 先回りして世話を焼く
- 自己犠牲を繰り返す
- 他者に厳しい
- 承認欲求が強い
- 親の影響を強く受ける
それでは、以下に詳しく解説していきます。
①他者を頼れない
長男・長女は、子どもの頃から「周囲から頼られる側、周囲を助ける側」であることが多かったため、大人になって、周囲に助けを求めることに対して抵抗感を感じる場合があります。
なお、「長男・長女が周囲に助けを求めることに対して感じる抵抗感」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
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- 常に強い自分でいなければならない
- 他者を頼ることは弱い人間のすることで許せない
- 他者に迷惑を掛けたくない
- 他者に助けを求めて拒絶されることが怖い
- 他者を頼ってあとで裏切られるのが怖い
- 他者に依存してしまうことが怖い
このように、長男・長女は「他者に頼られることが多い」反面、「他者を頼ることが苦手」である場合が多く、その影響で、負担を自分一人で抱え込んでしまい、孤独感や孤立感を強めてしまう場合があります。
以上のことから、「他者を頼れない」という点は、「長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状」のひとつと言えます。
②完璧主義
長男・長女は、子どもの頃から「親の期待に応えることで自分の存在価値を認めてもらえる」という「親子の関係性」のなかで育ってきたため、大人になって、「周囲の期待に応えることができている自分には価値があるが、周囲の期待に応えることができていない自分には価値がない」という「否定的自己概念」を身に付けている場合が多いです。
ですので、長男・長女は「周囲から期待・評価をされていなければ自分の存在価値が無くなってしまう!」という「強い危機感」を感じやすく、その影響で、自らに「非常に高い目標」を設定したり、少しのミスも許せないため「事前に綿密な計画」や「事前に万全な準備」を整えようとしたり、決められた約束を絶対に守るため「時間厳守」を徹底するなど、周囲の評価を気にするあまり、さまざまな点において「完璧」を目指して「努力」をする傾向があります。
なお、このような「完璧を目指して努力をする心理的な特徴」を「完璧主義」と言います。
完璧主義とは、必要以上に高い目標を設定し、万事が整った状態を目指し努力する特徴や性格を指します。自分自身に厳しく、また他人の評価を気にする傾向にあり、定められた時間内で完璧を目指そうとします。ミスや失敗を許すことができず、頑張り過ぎてしまうので精神的なストレスをため込みがちです。
また、「完璧主義の人の特徴」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
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- 他人の評価が気になる
- 事前の計画や準備を周到にする
- 無駄が嫌い、時間厳守を徹底する
- 責任感が強い、妥協は嫌い
- 上昇志向が強い、理想が高い
- 自分にも他人にも厳しい
- 自分の思い通りにいかないとイライラする
- 失敗が許せない、失敗が怖い
- 負けを許せない、負けを認められない
- 逃げることを許せない、逃げることを認められない
- 常に何かと戦ってる、常に勝つことばかり求めている
- 結果がすべて、いくら努力しても結果が出ないものは無意味と感じる
- 完璧な自分に満足感を感じる
とはいえ、「完璧主義」とは決して悪いものではなく、さまざまな点において「質の高い成果」を生み出すことができたり、「ミスが許されない作業を丁寧に行う」ことができるため、「高い達成感」や「周囲からの信頼」を得られるというメリットがあります。
ただ、「完璧主義」とは自らに「強い精神的負担(ストレス)」を掛け続けることにもなりますので、長男・長女は自らを苦しめてしまうことも多いです。
以上のことから、「完璧主義」という点は、「長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状」のひとつと言えます。
③強がり
このように、長男・長女は「優秀」で「失敗」が少ないため、表面的には「頼りがいのある人」に映りますが、内面には「失望されることへの恐れ」や「失敗することへの恐れ」など「弱い自分」をひた隠しにしている場合が多いです。
ですが、長男・長女は「『弱い自分』を周囲に知られてしまっては、周囲から期待されなくなってしまい、周囲に見放され、自分の存在価値が無くなってしまう!」という「強い危機感」を持っているため、「弱い自分を隠すために強い自分を演じる」という傾向があり、「弱い自分」を隠そうとすればするほど「他者に助けを求めなくなる」あるいは「他者に弱音を吐かなくなる」という心理的な特徴があります。
なお、このような「弱い自分を隠すために強い自分を演じる」ことを「強がり」と言います。
強がりの心理には、弱い自分をさらけ出したくない気持ちが表現されています。…(中略)…誰が見ても恥ずかしくない自分になるために、弱さを強さに変えていきたいと、理想の自分を演じています。
このように、長男・長女は「周囲の人たちに見せる姿(強い自分)」と「内面の本心(弱い自分)」とのあいだに「自己矛盾」を抱えている場合が多く、そのぶん「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」など、「ネガティブ感情(ストレス)」を無意識のうちに心に溜め込んでしまうことが多いです。
そして「ストレスが限界」に達してしまった場合、長男・長女は急にやる気を失ってしまったり、急に体調を大きく崩してしまうなど、いわゆる「燃え尽き症候群」に陥ってしまう場合があります。
燃え尽き症候群とは、物事に意欲的に取り組んでいた人が、燃え尽きたようにやる気や意欲をなくしてしまう症状のことです。プレッシャーなどのストレスを継続的に感じたり、体を酷使したりするなど心身ともに無理をした結果、極度の疲労を抱えてしまうことが原因と考えられており、うつ病の一種とも言われています。
以上のことから、「強がり」という点は、「長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状」のひとつと言えます。
④先回りして世話を焼く
長男・長女は、子どもの頃から「家族の世話をすることで自分の存在価値を認めてもらえる」という「親子の関係性」のなかで育ってきた場合が多く、その影響で、大人になって「誰かの世話をしている自分には価値があるが、誰の世話もしていない自分には価値がない」という「否定的自己概念」を身に付けている場合が多いです。
ですので、長男・長女は「親・兄弟姉妹・子ども・友人・恋人・配偶者・同僚・後輩」など、「他者を懸命に世話する」ことで自分の存在価値を見出そうとする傾向があり、「相手の役に立ちたい」という気持ちが強すぎるあまり、「あなたのためを思って…」と、先回りしてお世話をし過ぎてしまう場合があります。
なお、「長男・長女が行う先回り行動」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
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- 相手が何か用事を済ませようとすると、相手より先に動いて用事を済ませてしまう
- 相手が何かを話そうとすると、相手の話を遮って代わりに話を進めてしまう
このように、長男・長女が行う「先回り行動」は、場合によっては「気が利く人」として喜ばれる場合がありますが、場合によっては「余計なお世話」として喜ばれない場合があります。
なお、相手の気持ちを考えずに、一方的に世話を焼きすぎてしまうことを「過干渉」と言います。
過干渉とは、漢字の通り、干渉が行き過ぎていることを指し、行動を制限したり無理矢理考えを決めたりすることを言います。
このように、長男・長女は「面倒見の良い人」に見られる反面、「おせっかいな人」に見られる場合があります。
以上のことから、「先回りして世話を焼く」という点は、「長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状」のひとつと言えます。
⑤自己犠牲を繰り返す
長男・長女は、子どもの頃から「自分が楽しむ」ことより「家族を支える」ことを優先し続けてきた場合が多く、その影響で、「自分のことより他者のことを優先すべき」という「否定的自己概念」を身に付けている場合が多いです。
ですので、長男・長女は「人生の充実感」を「自己実現」に求めるのではなく、「他者に必要とされる(承認欲求を満たす)こと」に求める傾向があり、そのぶん「相手の苦しさ」が「自分の苦しさ」のように感じられたり、「相手の喜び」が「自分の喜び」のように感じられたり、他者に感情移入をし過ぎてしまい、他者との境界が曖昧になってしまう場合があります。
なお、相手に「感情移入」するあまり、相手のために自分の何かを犠牲にして尽くすことを「自己犠牲」と言います。
自己犠牲とは、他人のために自分の何かを犠牲にして尽くすこと。たとえば、他人の仕事まで引き受けたり、休みも自分ではなく周囲を優先してしまったり、などの行動をとることです。
また、「長男・長女が行う自己犠牲」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
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- 子育てにおける具体例
「子どもの幸せが自分の幸せなのだから、子どものためなら自分はどうなっても構わない」
「子どもが少しでも困った顔を見せると、居てもたってもいられなくなる」
「子どものことばかりが気になって、子ども以外のことに興味がわかない」 - 恋愛・結婚における具体例
「パートナーが幸せであれば自分も幸せ、パートナーが苦しんでいれば自分も苦しい」
「パートナーと一緒に居る時も一緒に居られないときも、パートナーのことが頭から離れない」
「パートナーのことばかりが気になって、パートナー以外のことに興味がわかない」
このように、長男・長女は「自己犠牲をすることでで自分の存在価値を感じる」という「自己矛盾」を抱えている場合が多く、自分の存在価値を感じようとすればするほど自分を苦しめてしまうことが多いです。
以上のことから、「自己犠牲を繰り返す」という点は、「長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状」のひとつと言えます。
⑥他者に厳しい
長男・長女は、「優秀」であるぶんだけ「失敗や挫折」をあまり経験しないまま大人へと成長している場合が多いため、「失敗や挫折をする人の気持ちが理解できない」という傾向があり、「努力すれば誰でもできるはずだ!」あるいは「失敗や挫折をする人は努力が足りないのだ!」と考えがちです。
そのため、長男・長女は他者に対して「自分と同程度の能力」や「自分と同程度の努力」を求めてしまう場合があり、その影響で、他者に厳しくなってしまう場合があります。
なお、「長男・長女が他者に厳しい様子」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
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- 立場の弱い人をかえって追い込んでしまう
- 「努力・能力・結果」を厳しく求める
- 言い訳を許さない
- 自分の思い通りにいかないとイライラする
- しつこく説教をしてしまう
このように、「長男・長女が持つ厳しさ」は、他者の成長を促すための「愛のムチ」という意味合いが含まれているのですが、場合によっては、「立場の弱い人(弟妹、子ども、後輩、生徒、部下、配偶者、恋人、友人など)」に対して「モラハラ・パワハラ・ヒステリック」を繰り返すことで、無意識のうちに「自分の優位性(優越感)」を保とうとしている場合もあります。
なお、このような「自分が相手より優位にあることをアピールする行為」を「マウンティング(マウントをとる)」と言います。
「マウントをとる」とは、自分が相手より優位にあるとアピールする行為。自分のステータスや持ち物を自慢したり、他人を見下したりすることを指します。「マウンティング」も同じ意味です。もとは動物の行動を表す言葉ですが、人間のコミュニケーションにも使われるようになりました。
このように、長男・長女は「優秀」であるがゆえに「他者に厳しい接し方」をしたり「他者を見下す」場合があり、その影響で、人間関係において相手との関係性が「上下関係」になりやすく、そのぶん「対等な関係」や「親密な関係」が築けない場合があります。
以上のことから、「他者に厳しい」という点は、「長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状」のひとつと言えます。
⑦承認欲求が強い
長男・長女は、子どもの頃に「条件付きの愛情」で育った場合が多いのですが、親が示した条件を満たして愛情をもらえた場合もあれば、親が示した条件を満たせずに愛情をもらえなかった場合もあります。
また、場合によっては、親が示した条件を満たしたにも拘わらず親の愛情をもらえなかった場合や、弟や妹が生まれたことで愛情がもらえなかった場合もあり、様々な影響で、長男・長女は「愛情不足」で育っている場合が多いと考えられています。
なお、「子どもの頃の愛情不足」とは、主に以下の「具合例」があげられます。
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- 子どもの頃、親に十分に甘えられなかった
- 子どもの頃、親に十分に褒めてもらえなかった
また、このような「認められたい・褒められたいという欲求」を「承認欲求」と言います。
承認欲求とは「自分を見てほしい」「話を聞いてほしい」「誰かに褒めてほしい」といった「他者から認められたい」という欲求です。誰もが持っている自然な欲求ではあるものの、時には自分自身を苦しめたり、周囲の人を不快な気持ちにさせてしまったりと、強すぎる承認欲求には良い影響があるとはいいがたいものもあります。
そして、子どもの頃に親に認められたり褒めてもらえた経験が少ない人は、大人になって「承認欲求が強くなる」と考えられています。
例えば、幼少期に親に認められたり褒められた経験が少なかった人は、自分に価値を感じないまま成長してしまいます。その結果、自分で自分を認められないため、他者に認めてもらおうとするようになり承認欲求が強くなるのです。
このように、長男・長女は、子どもの頃から親の期待に応えたり、家族の世話をしたり、親を支えてきたにも拘らず、親から十分な見返り(親の愛情)をもらえていない場合が多いです。
ですので、長男・長女は、大人になってからも誰かの期待に応えたり、誰かの世話をしたり、誰かを支えることで、承認欲求を満たそう(親の愛情不足を補おう)とします。
ですが、いくら懸命に誰かの期待に応えたり、誰かの世話をしたり、誰かを支えたとしても、さまざまな理由で、相手から思い通りの「見返り(感謝・褒めの言葉)」が得られない場合もあります。
そうすると、長男・長女は、相手から「見返り(感謝・褒めの言葉)」が得られない原因は「相手」にあると思い込み、「自分がこれだけしてあげたのに、感謝を示さないあなたが悪い!」あるいは「自分がこれだけしてあげたのに、なんで?認めてくれないの!?」など、相手を激しく責めてしまい、激しい怒り・激しいヒステリーに陥ってしまう場合があります。
なお、「長男・長女が陥る、激しい怒り・激しいヒステリー」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 不平等や不公平を見過ごせず、激しい怒りを感じる
- 弟や妹の我儘な態度に対して、激しい怒りを感じる
- 親の否定的な言動に対して、激しい怒りを感じる
このように、長男・長女は子どもの頃から「親や家族に対する不満や怒り」を抑圧している場合が多く、その影響で、相手から「見返り(感謝・褒めの言葉)」が得られないと、長年にわたって抑圧してきた「親や家族に対する不満や怒り」が爆発してしまい、「激しい怒り・激しいヒステリー」に陥ってしまう場合があります。
以上のことから、「承認欲求が強い」という点は、「長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状」のひとつと言えます。
⑧親の影響を強く受ける
長男・長女は、子どもの頃から「親の期待に応える、親の手伝いをする、親を支える」などの「役割」を担ってきたため、大人になっても「親の影響」を強く受け続ける場合が多いです。
なお、「長男・長女が大人になっても親から受け続ける影響」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 友人・恋人・結婚相手に干渉される
- 進路・就職に干渉される
- 家業を継がされる
- 子育てのやり方に干渉される
- 頻繁に連絡がきて対応に苦慮する
- トラブル対応を押し付けられる
- 愚痴を聞かされる
- 介護を押し付けられる
- 実家から出ていくことを強く反対される
- お金を無心されたり、お金の工面をさせられる
子どもが親からこのような干渉を受けた場合、子どもは「反抗心」が刺激され、親の干渉をはねのける場合が多いのですが、長男・長女は「親の影響」を強く受け続けているため、親の干渉をはねのけることができず、大人になっても「親の影響」を強く受け続けてしまう場合があります。
なお、このような「親と子どもが互いに強く影響し合っている親子」を「共依存親子」と言います。
共依存親子とは、親と子どもが互いに強く依存し合い、自分自身を見失ってしまう関係です。親は子どもの存在によって自分の価値を見出し、子どもは親を喜ばせることでしか自分の存在意義を感じられなくなります。親が子どもに親がいないと何もできないと思わせたり、子どもがいないと親が困ると思わせたりして、子どもを支配します。
また、「子どもへの依存心が強い親」であった場合、親は子どもに甘え続けることになり、子どもは親の甘えを受け止め続けることになります。
なお、このような「『子どもに甘えている親』と『親の甘えを受け止めている子ども』の親子関係」を「親子役割逆転」と言います。
「親子の役割逆転」とは通常の親子関係とは真逆の役割が成立している状態です。親は子供の甘えの欲求を満たしてあげることが自然なことですが、「親子の役割逆転」では親が子供に甘え、子供が親の欲求を満たす役割を担わされています。
このように、長男・長女は、子どもの頃から「親の影響」を強く受けている場合が多いため、大人になってからも、親に依存され過ぎたり親に依存し過ぎてしまう場合があります。
以上のことから、「親の影響を強く受ける」という点は、「長男・長女のインナーチャイルドが引き起こす症状」のひとつと言えます。
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