ケアテイカータイプの克服
POINTケアテイカータイプの克服は、相手のお世話は相手に任せ、自分のお世話は自分で行い、自立共存の関係を築くことです。
心理カウンセラーの寺井です。
「アダルトチルドレン」は、子ども時代「機能不全家族」という厳しい環境で育ったことで、自分の気持ち、本音、望み、願い、感情をグッと我慢して抑圧してしまう傾向にあります。
そして、自分の感情を抑圧しすぎることは生きづらさの原因となります。
よって、ケアテイカータイプの克服は「相手の世話をしない」=「相手をことは相手に任せて信頼する」ということを理解することです。
人は、自分のことは自分がお世話し、相手のお世話は相手に任せることで、自立共存の関係となり、自分と相手の間に信頼関係が生まれます。
この記事は、ケアテイカータイプの克服について説明しています。
ケアテイカータイプ(世話役)の克服
アダルトチルドレン:ケアテイカータイプは「誰かのお世話をしていないと、自分に存在価値はない!」という捉え方をする特徴があります。
なので、アダルトチルドレン:ケアテイカータイプの克服は「誰かのお世話をするように、自分のお世話をしてもOK…」という雰囲気の中で解きほぐしていく必要があります。
ケアテイカータイプの克服は、以下の流れで進めていきます。
POINT
- ケアテイカータイプのインナーチャイルドを認識する
- 「相手の世話をしない」=「相手に任せる」ということに気づく
- 「誰かのお世話をしたい!」という欲求を「自分のお世話をしよう!」という欲求に転換し、自分が自分のお世話をすることで、自分が落ち着き、相手も落ち着くことに気づく
このように、ケアテイカータイプの克服は、ケアテイカータイプの特徴や、その想いや願いも理解した上うえ、ひとつひとつ進めていく必要があります。
以下に、当社メンタル心理そらくもが考える「アダルトチルドレンのカウンセリング:克服への“9”の重要ポイント」と「アダルトチルドレンの回復過程」に関する記事を紹介します。
STEP①ケアテイカータイプのインナーチャイルド
さて、日常においては「ああしたほうがいいよ…こうしたほうがいいよ…」と、周囲に対していろいろと気を利かせてくれるケアテイカータイプは、周囲から「気が利く人、面倒見がいい人」だと、とても頼りにされているかもしれません。
そして、ケアテイカータイプは、誰かのお世話を焼くことで自分の存在価値を感じてきた反面、誰にも褒めてもらえなかったり感謝をしてもらえないことに対する寂しさ&焦り&不安を、ずっと感じ続けているのかもしれません。
ケアイテイカーさんの「気が利く世話役」という仮面の内側には、ほんとうは寂しくて怖くて、「誰にも必要とされなくなったらどうしよう…」と怯え続けている、子ども時代の自分=「インナーチャイルド」が助けを求め続けているのかもしれません。
「自分は誰かのお世話をしていないと存在価値がないんだ!」
このように、誰かをお世話することで、自分の存在を保証してもらおうとし続けている子ども時代の自分のイメージ=ケアテイカータイプ(世話役)のインナーチャイルドを見つけてあげることが、ケアテイカータイプのアダルトチルドレンの克服の第1ステップとなります。
ケアテイカータイプをはじめとする各インナーチャイルドは、以下の「アダルトチルドレンのタイプ診断」を行うことで見つけることができます。
STEP②「相手の世話をしない」=「相手に任せる」ということ
私自身も、かつてはアダルトチルドレン:ケアテイカータイプの個性を感じていたことがありました。
子どもの頃、兄弟姉妹が多かったため「ほかの兄弟より劣っているのではないか?」という不安=劣等感を抱えていました。
そして、姉や妹が母親の買い物を手伝うために自分を置いて出かけたり、兄が父親の庭仕事を手伝うために二人きりで作業をしているのを見るたびに…
「自分だけ仲間外れにされているのではないか?」
「自分も兄や姉のように両親を手伝わなければいけない!」
このように、子どもの頃の私は、見捨てられ不安を感じ、本当はゆっくりとのびのび過ごしていたい気持ちがあっても、無理をして掃除をしたり手伝いをして、両親の役に立とうとしていました。
「自分だけ置いてけぼりにされたくない!だから両親の役に立っていなきゃ!」
子どもの頃から、周りの様子がとても気になり、このような焦りと不安=見捨てられ不安を感じながら成長していきました。
結果、社会人となって仕事をするようになったとき、無理な仕事を引き受けてしまったり、ほかの人の仕事を代わりに引き受けてしまったり、「人より負担を抱えていないと安心できない…」という心理を感じるようになりました。
そして、自分が結婚し、子育てに関わるようになったとき、「自分の子どもにはのびのびと育ってほしいなぁ…」だから、「親や周りの人の役に立っていない人間はダメな人!」みたいな価値観は、もう終わりにしようと感じられるようになりました。
なので、ケアテイカータイプのアダルトチルドレンの克服の第2ステップは、
「今までは、誰かの役に立つことで自分の存在価値を感じようとしてくれてありがとう…」
「これからは、誰かの役に立っていなくても、自分は自分の存在価値を認めていくよ…」
「これからは、自分が自分の役に立とうとしたり、自分が自分のお世話をすることで、自分の人生を豊かにし、両親や周りの人たちに安心を届けよう…」
このように、「本当は、お世話やお手伝いなどをするより、遊んだりのびのびと過ごしていたかった…」という子ども時代の自分の気持ちを認め、今まで、誰かの役に立つことで自分の存在価値を守ってきてくれたインナーチャイルドを労り「これからは、相手のお世話をしなくても、相手のことは相手に任せ見守ってあげてもOKだよ…」と、相手をお世話しないということは相手に嫌われるのではなく、相手に任せて信頼することだということに気づくことが大切になります。
さて、私自身もアダルトチルドレンの克服経験を持つ心理カウンセラーです。
私のアダルトチルドレン克服体験は、以下に詳しくまとめてありますので参考にしてください。
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STEP③自分をお世話をし、精神的自立を果たす
ですが、誰かのお世話をすることで誰かの役に立ち、自分の存在意義を感じてきたケアテイカータイプにとっては、誰のお世話もしない状態は、とても落ち着かず大きな恐れを感じるものです。
そこで「催眠療法(ヒプノセラピー)」を用い、目を閉じることで見捨てられ不安を和らげつつ、子どもの自分=インナーチャイルドと大人の自分がお互いにお世話をしあうイメージを心に浸透させていきます。
このように、催眠療法(ヒプノセラピー)の雰囲気を活用し、ゆったりとした雰囲気の中で、「誰かのお世話をしたい!」という欲求を「苦しんでいる自分のお世話をしよう!」という欲求に転換し、子ども時代の自分=インナーチャイルドと大人の自分がお世話しあうイメージをすることで精神的な自立を果たす作業を、インナーチャイルドセラピーと呼びます。
当社メンタル心理そらくものインナーチャイルドセラピーは、父親や母親のインナーチャイルドや、ときには、祖父母、兄弟、姉妹のインナーチャイルドにまで関心を広げ、子ども時代の自分を広く新しい視点で捉えなおしていきます。
そうすることで「働かざる者は食うべからず!」「ただ飯を食うな!」「人様の役に立て!」「怠け者!」など、農村などの重労働環境で育まれた、見捨てられ不安を煽る「仲間外れ」「差別」「村八分」のような価値観=「現代日本のケアテイカーの原点」に深い納得を感じるとともに、その価値観が、ずっと前の世代から「世代間連鎖」していることにも深い納得を感じるかもしれません。
そして、子どもの頃、働き者に見えていた親や兄弟も、内心では自分と同じように、「本当は、お世話やお手伝いなどするより、遊んだりのびのびと過ごしていたかった…」ということに、理屈ではなく体感で納得を深めていきます。
このように「相手のお世話をすることより、自分のお世話をすることの大切さ」を理解し、誰かの世話を焼く前に、自分の世話を焼くことで、自分で自分の見捨てられ不安を和らげ、自分も家族も周りの人もみな幸せになっていく、人間関係における相手の気持ちの尊重の仕方を、理屈ではなく体感で実感し習得していく機会が、当社メンタル心理そらくもが考えるケアテイカータイプの克服方法です。
また、ケアテイカータイプをはじめ、アダルトチルドレンの克服方法である「インナーチャイルドセラピー」については、以下の記事で詳しく紹介しています。
まとめ
さいごに、ケアテイカータイプの克服について重要ポイントをまとめます。
POINT
- 誰の役に立っていなくても「怠け者」ではない
- 誰の役に立っていなくても「見捨てられる」こともない
- 相手の気持ちを無視してお世話をしてしまうことは、その人の「自尊心を傷つけてしまう」ことになりかねない
- その人のことはその人に任せ、お世話をしないことを「相手を見守る」「相手に任せる」「相手の気持ちを尊重する」と言う
- 自分のことを自分でお世話し、自分の見捨てられ不安を自分で和らげることを「自立」と言う
また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。
是非、あわせてお読みください。
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。
以上、「ケアテイカータイプの克服」という記事でした。