POINTアダルトチルドレン:イネイブラーは「支え役」と呼ばれ、子どもでありながら、「親代わり」「妻代わり」「夫代わり」となって家族を支える存在で、「偽親(にせおや)」とも呼ばれます。
心理カウンセラーの寺井です。
「アダルトチルドレン」とは、「機能不全家族」で育ったことにより、子どもの頃に身に付けた「家庭での役割」が習慣化して性格として根付いてしまい、大人になって生きづらさを感じている人を意味する言葉です。
また、アメリカの心理療法家「ウェイン・クリッツバーグ」は、アダルトチルドレンが、子どもの頃に身に付けた「機能不全家族での役割」を「アダルトチルドレンタイプ」としてまとめました。
そして、「アダルトチルドレン:イネイブラー(支え役)」とは、「ウェイン・クリッツバーグ」がまとめた「アダルトチルドレンタイプ(機能不全家族での役割)」のひとつにあたります。
なお、本サイトにおける「アダルトチルドレンタイプ」は、以下の「7つ」を使用しています。
POINT
- 「ヒーロー(英雄役)」
- 「スケープゴート(身代り役)」
- 「ロストワン(いない子)」
- 「クラウン・ピエロ(道化・おどけ役)」
- 「ケアテイカー(世話役)」
- 「イネイブラー(支え役)」
- 「プラケーター(慰め役)」
また、イネイブラーは「支え役」と呼ばれ、「兄弟姉妹の『親』代わり」「父親の『妻』代わり」「母親の『夫』代わり」となって家族を支える存在で、子どもでありながら大人の役割を担う存在を意味します。
そのため、「親に代わって子育てをする子ども」という意味合いから、イネイブラーは「偽親(にせおや)」と呼ばれる場合があります。
この記事は、アダルトチルドレン:イネイブラー(支え役)について解説しています。
アダルトチルドレン:イネイブラー(支え役)とは?
「イネイブラー」という言葉は「世話役」「支え役」「救済者」を意味する言葉であり、「アダルトチルドレン:イネイブラー」は「支え役」と呼ばれ、「機能不全家族」のなかで「苦労する母親」に代わって幼い弟妹の面倒を見たり、「不甲斐ない父親」に代わって母親を支えたり、「自己犠牲」によって家族を支える子どもを指します。
このように、イネイブラーは「兄弟姉妹の『親』代わり」「父親の『妻』代わり」「母親の『夫』代わり」となって家族を支える存在で、子どもでありながら大人の役割を担う存在を意味します。
そのため、「親に代わって子育てをする子ども」という意味合いから、イネイブラーは「偽親(にせおや)」と呼ばれる場合があります。
アダルトチルドレン(AC)のイネイブラーとは、機能不全家族の中では、他の家族を精神的にも物理的にも支えます…(中略)…イネイブラーは「世話役・支え役」「救済者」という役割の意味の言葉です。…(中略)…イネイブラーの特徴とは、親の代わりに片親の世話を焼いたり、兄弟姉妹の面倒を見てお世話役や支え役ばかりしているというところがあげられます。…(中略)…そのため、偽親という呼び方もあるくらいです。
また、イネイブラーはその優しさから、「依存症に苦しむ相手」の支えとなろうとするあまり、「相手の依存症」をかえって「悪化」させてしまうという意味合いが込められおり、「アルコール依存症の禁断症状に苦しむ親」の支えとなろうとするあまり、子どもでありながら、親の代わりにアルコールを購入して親に与えてしまうなど、優しさゆえに相手を支えすぎてしまう存在とも言えます。
イネイブラーのように、家族を支える役割を担う「アダルトチルドレンタイプ」として「プラケーター(慰め役)」と「ケアテイカー(世話役)」がありますが、「プラケーター(慰め役)」は「愚痴を聞く・慰める」など「感情面」で家族を支えるのに対して、「イネイブラー(支え役)」は「家事・育児」など「行動面」で家族を支えるという傾向があります。
また、「ケアテイカー(世話役)」は「感謝されたい・褒められたい」など「見返りを求める」のに対して、「イネイブラー(支え役)」は「見返りを求めない」という傾向があります。
このように、「見返りを求めず家族を支える」というイネイブラーの印象は、「自己犠牲」を美徳とする「日本女性の印象」にかさなる部分が多いことから、イネイブラーは「日本女性に多いタイプ」と考えられています。
ですので、イネイブラーは「男性」より「女性」の方が多く、「献身的で優しい性格の女性」である場合が多いと考えられています。
アダルトチルドレン:イネイブラー(支え役)の「心理的な特徴」
イネイブラーは、子どもの頃から「両親」や「家族」を支えてきたため、大人になっても「他者の手助けを率先して行う」という点が最大の特徴です。
反対に言えば、イネイブラーは「他者の手助けを率先して行うぶんだけ、他者に上手く利用されてやすい」と言えますし、「他者の手助けを率先して行うぶんだけ、自分のことが後回しになりやすい」とも言えます。
なお、「イネイブラーの心理的な特徴」は、主に以下の「8つ」があげられます。
POINT
- イネイブリングを行う
- 親代わりをしたがる
- 自他境界が曖昧になる
- 自己犠牲を繰り返す
- 問題の根本解決を図れない
- 相手の成長・回復・自立を恐れる
- 同情を感じやすい
- 支える相手がいないと落ち込む
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
アダルトチルドレン:イネイブラー(支え役)の「人間関係の特徴」
イネイブラーは、子どもの頃から「家族を支える」「家族に尽くす」という「役割」をこなしてきたため、大人になってからも、人間関係において「相手を支える・相手に尽くす」という点が最大の特徴です。
反対に言えば、イネイブラーは「相手を支える・相手に尽くすぶんだけ、自分のことが後回しになりやすい」あるいは「相手を支える・相手に尽くすぶんだけ、相手に利用されやすい」と言えますし、「相手を支える・相手に尽くすぶんだけ、相手に感謝・信頼されやすい」とも言えます。
なお、「イネイブラーの人間関係の特徴」は、主に以下の「7つ」があげられます。
POINT
- 共依存になりやすい
- 相手の依存症を悪化させてしまう
- 過保護な子育てをする
- 親の介護で疲れ果ててしまう
- 虐待・いじめ・犯罪を見過ごしてしまう
- 仕事においても他者を支える
- 親子役割逆転になりやすい
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
アダルトチルドレン:イネイブラー(支え役)の「恋愛傾向」
イネイブラーの「恋愛思考パターン(愛着スタイル)」は、子どもの頃の「両親との関係性」が大きく影響しています。
また、イネイブラーは子どもの頃から「機能不全家族における『支え役』」として、「苦労する母親」に代わって幼い弟妹の面倒を見たり、「不甲斐ない父親」に代わって母親を支えたり、「自己犠牲」によって家族を支えてきました。
ですので、イネイブラーは「機能不全家族で育った影響」により、大人になって「他者の手助けを率先して行う」という特徴があり、「恋愛関係」においても「『依存心の強い人』や『依存症を持つ人』を献身的に支える」という傾向があります。
よって、イネイブラーは大人になってからの「恋愛関係」においても、子どもの頃と同じように「恋人の支え役」になりやすいという傾向があります。
なお、イネイブラーは「男性」より「女性」の方が多いと考えられていることから、本記事では「イネイブラーの『女性』の恋愛傾向」を「軸」に解説していきます。
また、「イネイブラーの恋愛傾向」は、主に以下の「8つ」があげられます。
POINT
- 恋人の「支え役」になりやすい
- 「対等な恋愛関係」が築けない
- 依存心が強い人との「共依存恋愛」になりやすい
- 「イネイブリング」を行う
- 依存心が強い人との「出会い」と「別れ」を繰り返す
- 「苦しい恋愛」に陥りやすい
- 「恋愛」や「結婚」が遅れてしまう
- 「親代わり恋愛」になりやすい
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
アダルトチルドレン:イネイブラー(支え役)の「恋愛思考パターン」
アダルトチルドレンに限らず、恋愛をはじめとする「人間関係の築き方」には、人それぞれの特徴があります。
なお、恋愛をはじめ「親子・家族・友人・夫婦・職場」などの「人間関係の築き方」の人それぞれの特徴を、心理学では「愛着スタイル」と言い、とくに「恋愛関係の築き方の特徴」は「恋愛思考パターン」とも呼ばれ、子どもの頃の「両親との関係性」が大きく影響していると考えられています。
「愛着スタイル」とは、恋愛を含む人間関係において、人とどんな結びつきを持ちたいのか、どのような関係が心地よく感じるのかを表す傾向を指します。…(中略)…この傾向は、幼少期の保護者との関係が大きく影響している。
以上のことから、イネイブラーを始めとする「アダルトチルドレンの恋愛傾向」には、「機能不全家族」で育った影響が密接に関わっていると言えます。
とくに、イネイブラーは「苦労する『母親』を懸命に支える『娘』」という場合が多く、子どもの頃から苦労する母親を心配し、母親の手助けをすることが多かったため、大人になって「献身的で優しい性格の女性」になる場合が多いです。
そのため「イネイブラーの女性」は、恋愛において「依存心の強い男性」あるいは「依存症を持つ男性」を献身的に支えてしまうなど、知らず知らずのうちに、さまざまな問題に巻き込まれてしまうという点が特徴的と言えます。
そして、恋愛においてイネイブラーがさまざまな問題に巻き込まれてしまう根本原因には、子どもの頃に「機能不全家族で育った影響」が密接に関わっており、子どもの頃の「両親との関係性」が大きく影響していると考えられています。
なお、イネイブラーは「男性」より「女性」の方が多いと考えられていることから、本記事では「イネイブラーの『女性』の恋愛思考パターン」を「軸」に解説していきます。
また、「イネイブラーの『女性』の恋愛思考パターン」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 母親との関係性の影響
「苦労する母親を支えてきた」という「母親との関係性」から、大人になって、苦しんでいる人を支えることで愛されようとする - 両親の関係性の影響
「依存心の強い父親」と「依存心の強い父親を献身的に支える母親」という「両親の関係性」から、大人になって、依存心の強い人を献身的に支えることで愛されようとする - 父親との関係性の影響
「依存心の強い男性に献身的に尽くす」という「母親の価値観を取り入れた影響」から、母親が愛した男性(父親)と同じような依存心の強い人に愛されようとする
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
アダルトチルドレン:イネイブラー(支え役)が生まれる原因
イネイブラーが生まれる原因は、「機能不全家族」で育ったことにより、子どもの頃に「トラウマ(心の傷)」を負ったことが根本的な原因です。
なお、「イネイブラーが生まれる原因となる機能不全家族の特徴」は、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 父親が不甲斐ない(依存心が強い)
- 父親が依存症に苦しんでいる
- 母親が忙しなく動き回っていることが多い
- 母親が苦労していることが多い
- 父親・母親の夫婦仲が穏やかではないことが多い
- 兄弟姉妹が心配そうにしていることが多い
また、子どもが「トラウマ」によって抱える「負の感情」のひとつに「見捨てられ不安」があります。
イネイブラーは、「家族が苦しんでいる様子」に対して「見捨てられ不安」を感じやすいため、「苦しんでいる家族」を見ると「見捨てられ不安」を感じて居てもたってもいられなくなり、親・家族に対する「支え役」を担うようになったと考えられています。
そして、親・家族に対する「支え役」を繰り返しているうちに「無意識の思考パターン(習慣)」として「潜在意識」に根付き、大人になっても「支え役」を繰り返していると考えられます。
以上のことから、「イネイブラーが生まれる原因」として、以下のような「流れ」が考えられます。
POINT
- 「愛情不足」により「見捨てられ不安」を感じる
- 「見捨てられ不安」を和らげるために「支え役」となる
- 「支え役」を担うことで「自分の存在価値」を感じる
- 「自分の存在価値」を感じるために「支え役」を続ける
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
イネイブラー(支え役)を克服する「重要ポイント」
イネイブラータイプ(支え役)を始めとする「アダルトチルドレンの克服方法」は、「アダルトチルドレン(AC)概念」の生みの親である「クラウディア・ブラック」により「アダルトチルドレンを克服する手順(ステップ)」がしっかりと確立されています。
反対に言えば、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン克服の手順(ステップ)」遵守しない限り、根本的な「アダルトチルドレンの克服」は難しく、一時的には症状が落ち着いたとしても、しばらくして「支え役」の症状が再現する場合が多いと言えます。
なお、「アダルトチルドレンの根本的な克服に重要なポイント」としては、主に以下の「2つ」があげられます。
POINT
- 「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を遵守する
- アダルトチルドレンの克服に必要な「心理学・心理療法」を習得した「協力者」を得る
それでは、以下に詳しく解説していきます。
アダルトチルドレン「回復の4ステップ」
そもそも「アダルトチルドレン(AC概念)」は、1970年代、アメリカのアルコール依存症の治療現場から広がり始めた考え方で、1980年代になると、さまざまな専門家たちが「アダルトチルドレンの原因」や「アダルトチルドレンの克服方法」について研究を行い始めました。
そのなかでも、アメリカのソーシャルワーカー・社会心理学博士「クラウディア・ブラック」は、「子どもを生きればおとなになれる―「インナーアダルト」の育て方」という著書の中で、「アダルトチルドレンからの回復プロセス」として、次の「4つのステップ」を示しました。
アダルトチルドレン(AC)概念の生みの親であるクラウディア・ブラックは、ACの回復プロセスを次のような4段階で説明しています。
- ステップ1=過去の喪失を探る
- ステップ2=過去と現在をつなげる
- ステップ3=取りこんだ信念に挑む
- ステップ4=新しいスキルを学ぶ
また、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を「具体化」すると、以下のようになります。
POINT
- ステップ1=過去の喪失を探る
機能不全家族で育った影響で負った「幼少期のトラウマ(インナーチャイルド)」の存在に気づき、「幼少期のトラウマ(インナーチャイルド)」を癒す - ステップ2=過去と現在をつなげる
機能不全家族で育った影響で身に付けた「『支え役』の思考パターン(人生脚本)」が、現在の自分にどのような影響を与えているか?を理解する - ステップ3=取りこんだ信念に挑む
インナーチャイルドセラピー(退行催眠)を用いて、「『支え役』の思考パターン(人生脚本)」を「『生きやすい』思考パターン」へと書き換える - ステップ4=新しいスキルを学ぶ
子どもの頃に学べなかった「人間関係の方法」「感情の扱い方」「自分を大切にする方法」を学ぶ
このように、「アダルトチルドレンからの回復プロセス」は、「アダルトチルドレン(AC)概念」の生みの親である「クラウディア・ブラック」によってしっかりと確立されています。
以上のことから、アダルトチルドレンの克服は、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を遵守したうえで進めていく必要があると言えます。
なお、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」については、以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
アダルトチルドレンの克服に必要な「心理学・心理療法」
「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を示した「クラウディア・ブラック」は、「ステップ1=過去の喪失を探る」のなかで、「アダルトチルドレン克服の基本方針」について以下のように述べています。
ステップ1=過去の喪失を探る:過去を繰り返し語ることで、子ども時代の家族の中にあった問題や、自分の中での喪失に気づき、かかえていた感情を解放する。これは親を責めることとは違い、あくまで自分自身のための作業。自助グループや治療の場を活用する、信頼できる相手に話を聞いてもらうなど、安全で自分を受け入れてもらえる場で行なうことが必要。
なお、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン克服に基本方針」を「具体化」すると、以下のようになります。
POINT
- 過去を振り返り、過去を語ることで、子ども時代の家族の問題や、子ども時代に負った「トラウマ(心の傷)」の存在に気づく必要がある
- 子ども時代に負った「トラウマ(心の傷)」を癒す必要がある
- 子ども時代に負った「トラウマ(心の傷)を癒す作業」は、「心理カウンセリング」や「自助グループ」など、信頼できる相手や安全に自分を受け入れてもらえる場所で行う必要がある
以上のことから、「アダルトチルドレンの克服に必要な要件」は、以下のようになります。
POINT
- 辛く苦しい過去であっても一度は振り返り、子ども時代の家族の問題や、子ども時代に負った「トラウマ(心の傷)」に向き合う必要がある
- 子ども時代に負った「トラウマ(心の傷)」を癒さない限り、アダルトチルドレンの克服はできない
- これらの作業は、心理カウンセラーを始めとする「信頼できる相手の協力」や、カウンセリングルームを始めとする「安全に自分を受け入れてもらえる場所」で取り組む必要がある
- 反対に言えば、アダルトチルドレンの克服は、家族を巻き込まず、家族に邪魔されず行う必要がある
とはいえ、「子ども時代の家族との記憶」や「子ども時代のトラウマ体験」は、「なかなか思い出しづらい『遠い昔の記憶』」であるのと同時に、「できれば思い出したくない『傷ついた記憶』」でもあります。
ですので、心理カウンセラーの技量が低いことが原因で、アダルトチルドレンの克服がうまく行かなくなってしまう場合も考えられます。
以上のことから、当社メンタル心理そらくもとしては、アダルトチルドレンを克服するためには、以下の「心理学・心理療法」を習得していることが望ましいと考えています。
POINT
- NLPカウンセリング
- 来談者中心療法
- 家族療法
- ゲシュタルト療法
- エリクソン催眠療法(ヒプノセラピー)
- インナーチャイルドセラピー(退行催眠)
- EFT(感情解放テクニック)
なお、「当社メンタル心理そらくもが考える、アダルトチルドレンを克服するために必要な『心理学・心理療法』」については以下のページに詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
イネイブラー(支え役)を克服する「具体的な方法」
イネイブラーは、「機能不全家族」で育った影響で「トラウマ(心の傷)」を負い、「トラウマ」の「防御行動」として「支え役」を担うようになり、親・家族への「支え役」を繰り返しているうちに「無意識の思考パターン(習慣)」として「潜在意識」に根付いていったと考えられています。
以上のことから、「イネイブラーの原因」は、大きく分けて以下の「2つ」があります。
POINT
- 感情面の原因…「幼少期のトラウマ」
- 思考面の原因…「無意識の思考パターン」
よって、「イネイブラーの克服」は、以下の「2つの取り組み」が必要となります。
POINT
- 感情面のケア…「幼少期のトラウマ」を癒す
- 思考面のケア…「無意識の思考パターン」を書き換える
このように、イネイブラーを始めとする「アダルトチルドレンの克服」は、「感情面」と「思考面」の「両方の取り組み」が必要です。
反対に言えば、どちらか「片方の取り組み」だけでは、一時的には症状が落ち着いたとしても、しばらくして「支え役」の症状が再現する可能性が高いと言えます。
アダルトチルドレンの克服がうまく行かない理由
また、「ゲシュタルト心理学」や「交流分析」によると、「幼少期のトラウマを癒す作業」や「無意識の思考パターンを書き換える作業」は、子どもの頃の感情に「感情移入」できればできるほど効果が高いと考えられています。
とはいえ、「子どもの頃のトラウマ体験」や「子どもの頃の家族との記憶」は、「できれば思い出したくない『傷ついた記憶』」であるのと同時に、「なかなか思い出しづらい『遠い昔の記憶』」でもあります。
ですので、心理カウンセラーが視界に入ってしまうと集中しきれず、「アダルトチルドレンの克服」はうまく行かなくなってしまう場合が多いです。
よって、目を開けた状態で行う「対話型のカウンセリング」のみでは、「アダルトチルドレンの克服」がうまく行かない場合があると言えます。
インナーチャイルドセラピー(退行催眠)が有効な理由
このように、目を開けた状態で行う「対話型のカウンセリング」のみだと、心理カウンセラーが視界に入ってしまい、子どもの頃の感情に「感情移入」できず、「アダルトチルドレンの克服」がうまく行かない場合が多いです。
ですが、目を閉じた状態で行う「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」であれば、心理カウンセラーが視界に入らず、子どもの頃の感情に「感情移入」しやすくなり、「アダルトチルドレンの克服」が進めやすくなります。
よって、「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」は「アダルトチルドレンの克服」に非常に有効であると言えます。
以上のことから、「イネイブラーの克服」は、以下の手順で行っていきます。
POINT
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
まとめ
さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。
- POINTイネイブラーとは、「支え役」という意味で「偽親(にせおや)」とも言われる
- イネイブラーの心理的な特徴は、「相手の手助け」を率先して行う反面、「依存心」や「依存症」を悪化させる点
- イネイブラーの人間関係は、「相手を支える・相手に尽くす」反面、「共依存」になりやすい
- イネイブラーの恋愛は、子どもの頃と同じように「恋人の支え役」になりやすいという傾向がある
- イネイブラーの恋愛思考パターンは、子どもの頃の「両親との関係性」が大きく影響している
- イネイブラー、ケアテイカー、プラケーターは、それぞれ違った特徴がある
- イネイブラーが生まれる原因は、「幼少期のトラウマ」と「無意識の思考パターン」の2つがある
- イネイブラーの克服は、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を遵守する
- イネイブラーの克服は、アダルトチルドレンの克服に必要な「心理学・心理療法」を習得した「協力者」が必要
- イネイブラーの克服は、「感情面」と「思考面」の「両方の取り組み」が必要
- イネエブラーの克服は、「対話型のカウンセリング」のみでは上手くいかない場合がある
- イネイブラーの克服は、「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」が非常に有効
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページにまとめていますのであわせて紹介します。
関連情報まとめページ
以上、「アダルトチルドレン:イネイブラー(支え役)とは?『特徴・恋愛傾向・原因・克服方法』を徹底解説」という記事でした。