毒親の過干渉、自分の子供「孫」への影響

毒親の過干渉が孫に及ぼす影響を表わすイラスト

POINT毒親である「実父・実母」から受けた過干渉の影響は、「負の世代間連鎖」によって、自分の子供「孫」へと影響を及ぼす場合があります。

心理カウンセラーの寺井です。

毒親」とは、過干渉をはじめ、子供にとって悪影響を及ぼす子育てをする親を指す言葉です。

自分が、毒親である「実父・実母」から受けた過干渉の影響は、自分の子供「孫」へと影響するのか?

このような不安を感じてくださっている方がいらっしゃるかもしれません。

親の子育ての影響を自分が強く受けている以上、自分の子供も自分の子育ての影響を強く受けてしまうように感じるのは、ある意味、自然な感じ方と言えます。

この記事は、毒親である「実父・実母」の過干渉が、自分の子供「孫」へと及ぼす影響について解説しています。

毒親の過干渉、自分の子供「孫」への影響

毒親の過干渉はあくまで子供がターゲットである様子を表わすイラスト

心理カウンセリングの現場では、人間関係への苦手意識や、子育てへの苦手意識など、人間が抱える生きづらさの根本原因は、子供時代の親との関係=毒親である実父・実母から受けた過干渉の影響であると考えます。

すると、懸命に子育てに取り組んでいる父親・母親のみなさんから、「毒親である実父から受けた子育ての影響が、自分の子供=孫にまで及んでしまうのではないか?」「毒親である実母から受けた子育ての影響が、自分から自分の子供たち=孫へと連鎖してしまうのではないか?」といった不安の声をお聞かせ頂くことが多いです。

ここでは、毒親である実父・実母の過干渉が、自分の子供「孫」へと及ぼす影響について解説していきます。

 

毒親のターゲットは、あくまで「子供」であって「孫」ではない

過干渉をする毒親の心理を分析すると、根本にあるのは「依存心」であることが見えてきます。

つまり、過干渉をする毒親の心理をシンプルに表現すると、「寂しさを紛らわせるため、子供を傍に置いておきたいと感じている…」と言えます。

なので、過干渉をする毒親を「祖父・祖母」、自分を「子供」、自分の子供を「孫」とした場合、「祖父・祖母」の目的は、自分の依存心を満たすために自分の「子供」を束縛・支配することにあると言えます。

よって、「子供」が近くにいる限り、あくまでターゲットは「子供」であって「孫」ではありません。

ですが、過干渉な「祖父・祖母」を頼りにしすぎて「孫」の子育てを任せすぎてしまうと、過干渉な「祖父・祖母」は「子供」をより一層に束縛・支配するため、「孫」に嫌がらせのような過干渉を行う場合があります。

このような「過干渉をする毒親の心理」については、以下の記事で詳しく紹介していますので、興味のある方は参考にして下さい。

 

実父・実母=毒親と同居している場合

自分を「父親・母親」、過干渉をする実父・実母を「祖父・祖母」、自分の子供を「孫」とした場合、孫から見て、「父親・母親」以外の大人=「祖父・祖母」などが同している家族を「拡大家族」と呼びます。

拡大家族の場合、「父親・母親」にとっては、過干渉な「祖父・祖母」がすぐ近くに存在し続けることになりますので、そのぶん、「父親・母親」は、子育てについて過干渉をされたり、なんらかの負の影響を受け続けることになります。

また、「父親・母親」は、実父・実母と同居していることによって、「父親・母親」という立場に加えて、「婿・嫁・息子・娘」といった立場も増えるため、そのぶん心的エネルギーの消費量が増え、そのぶん「孫」である自分の子供に向ける心的エネルギー=「愛情」が不足してしまう場合があります。

そういった意味では、拡大家族の場合、「孫」は、「祖父・祖母」の過干渉の影響を直接的に受けることはありませんが、拡大家族の影響によって「父親・母親」の心的疲労が蓄積すると、「祖父・祖母」の過干渉の影響を間接的に受けてしまう場合があると言えます。

 

実父・実母=毒親と別居している場合

孫から見て、「父親・母親」以外の大人=「祖父・祖母」などが同居していない家族を「核家族」と呼びます。

核家族の場合、「父親・母親」は、過干渉な「祖父・祖母」とは物理的に離れて暮らしていますので、そのぶん「父親・母親」は、過干渉な「祖父・祖母」の影響を受けることはありません。

また、「父親・母親」は、実父・実母と別居していることによって、「婿・嫁・息子・娘」といった役割に心的エネルギーを消費してしまうこともありませんので、「父親・母親」として、心的エネルギー=「愛情」を自分の子供に集中して向けることができます。

なので、核家族の場合、「孫」は「祖父・祖母」の過干渉の影響を直接的に受けることはないと言えます。

 

毒親から受けたトラウマが心に残っている場合

ただ、核家族のように、過干渉な「祖父・祖母」と物理的には離れていても、子供時代に毒親から受けた過干渉の影響が「トラウマ(心的外傷)」として「父親・母親」の心に残り続けている場合があります。

その場合、「父親・母親」は、例え、過干渉である「祖父・祖母」と物理的に離れて暮らしていても、子供時代に毒親から受けた過干渉によるトラウマの影響によって、「祖父・祖母」から受けた過干渉などの子育て方法を、今度は、自分の子供に繰り返してしまう場合があります。

そういった意味では、「父親・母親」の心に、子供時代に毒親から受けた過干渉によるトラウマの影響が残っている場合、拡大家族であっても、核家族であっても、「孫」は「祖父・祖母」の過干渉の影響を間接的に受けてしまう場合があると言えます。

 

過干渉をする毒親に育てられた人は、その人自身も過干渉をする親になりやすい

上記のように、「父親・母親」の心に、子供時代に毒親から受けた過干渉によるトラウマの影響が残っていると、自分が親にされて嫌だったはずの過干渉を、嫌だと感じながらも、無意識に自分の子供へと繰り返してしまう場合があります。

このように、人は、子育ての方法を、遺伝によって生まれながらに習得しているわけではなく、子供時代、自分の親にしてもらえた子育てを、自分が親になってから繰り返そうとする特徴があり、この特徴を心理学では「世代間連鎖」と言います。

つまり、過干渉をする親に育てられた人は、その人自身も過干渉をする親になりやすいという特徴があります。

なお、「毒親に育てられた方の子育ての特徴」については、以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方は参考にしてください。

 

毒親診断チェック

このように、毒親の特徴である「過干渉」は、日々の暮らしのなかで、親から子供へ、子供から孫へと自然に連鎖し習慣化してしまいますので、自分自身では気づきづらい特徴があります。

毒親とは何か?毒親の意味合い」については、以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方は参考にして下さい。

また、「過干渉」を始めとする毒親の特徴は、以下の「毒親診断チェックリスト」を実行することで詳しくチェックすることができます。

自分は毒親なのか?」もしくは「自分は毒親に育てられたのか?」に興味がある方は、是非、チェックしてみてください。

 

毒親の影響:「負の世代間連鎖」は断ち切ることができる…

過干渉な毒親の影響を断ち切っている様子を表わすイラスト

前述の通り、「子育てのやり方」とは、子どもの頃に受けた「親の育児方法の影響」が「世代間連鎖」によって大きく影響しています。

「世代間連鎖」とは、人間が長い年月を掛けて培ってきた「生存本能」ですので、自己啓発、気合、根性、頑張り、我慢などの対処法では、到底太刀打ちすることはできません。

かといって、「世代間連鎖」は、宿命、運命、呪縛、洗脳など、抗うことすらできないものではなく、心理カウンセリングなどを活用し、「世代間連鎖」の意味合いに理解を深めつつ、心理学=人の心のしくみに沿った対策を講じれば、毒親から受け継いでしまった負の影響から自分を解放し、自分の子供や孫などの次の世代のために、「負の世代間連鎖」を自分の世代で断ち切ることは可能です。

 

負の世代間連鎖を断ち切る鍵「アダルトチルドレン」

毒親に育てられた影響を、自分の子供や孫へと及ぼさない、すなわち、負の世代間連鎖を断ち切るためには、まずはじめに、自分が毒親によって傷つけられた「アダルトチルドレン」であることを認めるところから始めます。

アダルトチルドレンとは、学術的な根拠を持つ診断名ではなく、子ども時代、「機能不全家族」を生き抜く過程で身に付けた「性格上の癖」「心理的な特徴」「考え方の習慣」を指す言葉です。

アダルトチルドレン(AC)とは、自分は子ども時代に親との関係で何らかのトラウマ(心的外傷)を負ったと考えている成人のことをいいます。自己認識の概念であり、医学的な診断名ではありません。

引用元:アダルトチルドレンとは?症状や、生きづらさの原因は?

そして、アダルトチルドレンであることを認めることができると、次に、心理カウンセラーなどの専門家の協力のもと、「アダルトチルドレンの回復過程」に沿ったカウンセリングを行うことで、負の世代間連鎖を断ち切ることが可能になります。

 

毒親育ちを克服するカウンセリング

なお、毒親に育てられた影響を自分の子どもへと及ぼさないために、「アダルトチルドレンの回復過程」に沿って行う、「負の世代間連鎖を断ち切るためカウンセリング」=「毒親から自分を解放するカウンセリング」については、以下の記事で詳しく解説していますので、是非、お読み下さい。

 

まとめ

さいごに、毒親の過干渉が、自分の子供「孫」へと及ぼす影響について重要ポイントをまとめます。

POINT

  • 毒親のターゲットはあくまで「子供」であって「孫」ではない
  • よって、拡大家族であっても、核家族であっても、「祖父・祖母」の過干渉の影響が、直接、「孫」に及ぶことは少ない
  • 拡大家族の場合、「孫」は「祖父・祖母」の過干渉の影響を、間接的に受けてしまう場合がある
  • 「父親・母親」の心に、子供時代に毒親から受けた過干渉によるトラウマの影響が残っている場合、「孫」は「祖父・祖母」の過干渉影響を、間接的に受けてしまう場合がある
  • 過干渉をする親に育てられた人は、その人自身も過干渉をする親になりやすい
  • 世代間連鎖」の影響は強力だが「負の世代間連鎖」を断ち切ることは可能
  • 毒親に育てられた子供を「アダルトチルドレン」と呼ぶ
  • アダルトチルドレンの回復過程」を踏むことで、「負の世代間連鎖」を断ち切ることできる

また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。

是非、あわせてお読みください。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「毒親の過干渉、自分の子供「孫」への影響」という記事でした。

この記事を書いた人
寺井 啓二

「うつ、アダルトチルドレンの克服経験」を持つ「心理カウンセラー・心理セラピスト」。
自らの克服経験を世の中のために役立てたいと考え、2013年に「メンタル心理そらくも」を設立、代表を務める。
10年以上のカウンセリング臨床実績があり、「アダルトチルドレン、インナーチャイルド、うつ病、パニック障害、人間関係の生きづらさ、親子関係の悩み(毒親)、子育ての悩み、恋愛・結婚の悩み、中学生・高校生の悩み」などの相談を得意としている。

◆カウンセリング実績
・臨床実績:過去2000回以上
・男女比:男性40%、女性60%
・年齢層:中学生から60歳代
・来訪元:静岡県内、愛知など東海圏
     東京、神奈川など首都圏
     大阪、兵庫など関西圏
     海外在住の方

◆保有資格
・上級心理カウンセラー
・メンタル心理カウンセラー
・うつ病アドバイザー
・チャイルドカウンセラー
・家族療法カウンセラー
・セルフ・アクセプタンスカウンセラー
・EFT-Japan Level 1
・EFT-Japan プラクティショナー

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