アダルトチルドレンの回復過程:「4つのステップ」を徹底解説

アダルトチルドレンの回復過程「4つのステップ」を表しているイラスト

POINTアダルトチルドレンの回復過程は、「①過去の喪失を探る(未完の完結)」「②過去と現在をつなげる(脚本分析)」「③取りこんだ信念に挑む(人生脚本の書き換え)」「④新しいスキルを学ぶ(アサーティブトレーニング)」の「4つのステップ」があります。

心理カウンセラーの寺井です。

アダルトチルドレン(AC概念)」は、1970年代、アメリカのアルコール依存症の治療現場から広がり始めた考え方で、1980年代になると、さまざまな専門家たちが「アダルトチルドレンの原因」や「アダルトチルドレンの克服方法」について研究を行い始めました。

そのなかでも、アメリカのソーシャルワーカー・社会心理学博士「クラウディア・ブラック」は、「子どもを生きればおとなになれる―「インナーアダルト」の育て方」という著書の中で、「アダルトチルドレンからの回復プロセス」として、次の「4つのステップ」を示しました。

アダルトチルドレン(AC)概念の生みの親であるクラウディア・ブラックは、ACの回復プロセスを次のような4段階で説明しています。

  • ステップ1=過去の喪失を探る
  • ステップ2=過去と現在をつなげる
  • ステップ3=取りこんだ信念に挑む
  • ステップ4=新しいスキルを学ぶ

引用元:アダルトチルドレン--回復の4ステップ

また、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレンからの回復プロセス」を「具体化」すると以下のようになります。

POINT

  • ステップ1=過去の喪失を探る
    子どもの頃から自分の中に存在し続けている「幼少期のトラウマ」の存在に気づき、「幼少期のトラウマを治療する(癒す)」
  • ステップ2=過去と現在をつなげる
    「人生脚本」を原因とする「禁止令・ドライバーの影響」や「幼少期トラウマ」を原因とする「PTSD(心的外傷後ストレス障害)の影響」が、現在の自分にどのような影響を与えているか?を理解する
  • ステップ3=取りこんだ信念に挑む
    「禁止令・ドライバー」を緩め、「生きづらい『人生脚本』」から「生きやすい『人生脚本』」へと書き換える
  • ステップ4=新しいスキルを学ぶ
    子どもの頃に学べなかった「人間関係の方法」「感情の扱い方」「自分を大切にする方法」を学ぶ

それでは、アダルトチルドレンの回復過程「4つ」のステップについて解説していきます。

ACの回復過程:ステップ①「過去の喪失を探る・解放する」

ACの回復ステップ1を学んでいる様子を表しているイラスト

最初のステップは、「アダルトチルドレンの回復過程のステップ①:『過去の喪失を探る』」です。

「アダルトチルドレン(AC概念)」の生みの親である「クラウディア・ブラック」は、「アダルトチルドレンの回復過程のステップ①:『過去の喪失を探る』」について、以下のように解説しています。

ステップ1=過去の喪失を探る:過去を繰り返し語ることで、子ども時代の家族の中にあった問題や、自分の中での喪失に気づき、かかえていた感情を解放する。これは親を責めることとは違い、あくまで自分自身のための作業。自助グループや治療の場を活用する、信頼できる相手に話を聞いてもらうなど、安全で自分を受け入れてもらえる場で行なうことが必要。

引用元:アダルトチルドレンーー回復の4ステップ

以上のことから、「過去の喪失を探る」とは、以下の3つの作業にわけて取り組む必要があります。

過去の喪失を探る

  1. 過去の喪失(幼少期のトラウマ)」を理解する
  2. 過去を振り返り、過去を繰り返し語ることで、子ども時代の家族が抱えていた問題や、子どもの頃から自分の中に存在し続けている「過去の喪失(幼少期のトラウマ)」の存在に気づく
  3. 「心理カウンセリング」や「自助グループ」など、信頼できる相手や安全に自分を受け入れてもらえる場で、「過去の喪失(子どもの頃から抱え続けてきたネガティブな感情)」を解放し、子どもの頃に負った「心の傷(幼少期のトラウマ)」を治療する(癒す)

続きは、以下の記事で詳しく解説しています。

 

ACの回復過程:ステップ②「過去と現在をつなげる」

ACの回復ステップ2を学んでいる様子を表しているイラスト

次のステップは、「アダルトチルドレンの回復過程のステップ②:『過去と現在をつなげる』」です。

「アダルトチルドレン(AC概念)」の生みの親である「クラウディア・ブラック」は、「アダルトチルドレンの回復過程のステップ②:『過去と現在をつなげる』」について、以下のように解説しています。

ステップ2=過去と現在をつなげる:過去の痛みが、現在の自分にどう影響しているかを調べる。感情レベルではなく冷静に自分を振り返る作業。自分の過去は、現在の自己イメージにどう影響している?人間関係にどう影響している?職場での私・親としての私にどう影響している?・・・など。こうして、自分の中にある課題に気づく。

引用元:アダルトチルドレンーー回復の4ステップ

以上のことから、「過去と現在をつなげる」とは、以下の4つの作業にわけて取り組む必要があります。

過去と現在をつなげる

  1. 「過去(幼少期)の体験」が、現在の自分にどのような影響を与えているか?を理解する(脚本分析
  2. 「人生脚本」を原因とする「禁止令・ドライバーの影響」を理解する
  3. 「幼少期のトラウマ」を原因とする「PTSD(心的外傷後ストレス障害)の影響」を理解する
  4. アダルトチルドレンタイプ」を理解する

続きは、以下の記事で詳しく解説しています。

 

ACの回復過程:ステップ③「取りこんだ信念に挑む」

ACの回復ステップ3を学んでいる様子を表しているイラスト

次のステップは、「アダルトチルドレンの回復過程のステップ③:『取りこんだ信念に挑む』」です。

「アダルトチルドレン(AC概念)」の生みの親である「クラウディア・ブラック」は、「アダルトチルドレンの回復過程のステップ③:『取りこんだ信念に挑む』」について、以下のように解説しています。

ステップ3=取りこんだ信念に挑む:過去に取りこんだ「私は○○だ」「○○すべき」「○○であるべき」といった考え方やルールのうち、自分を苦しめているものを手放す。そして、別の考え方やルールに置き換える作業をする。たとえば「他人の要求になるべく応えるべきだ」→「私はイエス、ノーを自分で決めていい」「マイナスの感情をもつのはよくない」→「感情は自然にわいてくるもので、いい・悪いはない。すべて自分に大切なことを伝えている」のように。

引用元:アダルトチルドレンーー回復の4ステップ

以上のことから、「取りこんだ信念に挑む」とは、以下の3つの作業にわけて取り組む必要があります。

取りこんだ信念に挑む

  1. 取り込んだ信念」を理解する
  2. 取り込んだ信念に挑む」を理解する
  3. 「禁止令・ドライバー」を緩める(人生脚本の書き換え

続きは、以下の記事で詳しく解説しています。

 

ACの回復過程:ステップ④「新しいスキルを学ぶ」

ACの回復ステップ4を学んでいる様子を表しているイラスト

次のステップは、「アダルトチルドレンの回復過程のステップ④:『新しいスキルを学ぶ』」です。

「アダルトチルドレン(AC概念)」の生みの親である「クラウディア・ブラック」は、「アダルトチルドレンの回復過程のステップ④:『新しいスキルを学ぶ』」について、以下のように解説しています。

ステップ4=新しいスキルを学ぶ:別の考え方やルールのもとで生きていかれるように、これまで学ぶ機会がなかったスキルを学び、練習しながら身につけていく。たとえば、人間関係の方法、感情の扱い方、自分を大切にする行動、つらさに対処する方法、遊ぶことや楽しむこと、ノーを言うこと、他人からの言葉の攻撃をまともに受けない方法・・・など。

引用元:アダルトチルドレンーー回復の4ステップ

以上のことから、「新しいスキルを学ぶ」とは、以下の3つの作業にわけて取り組む必要があります。

新しいスキルを学ぶ

  1. 人間関係の方法」を学ぶ
  2. 感情の扱い方」を学ぶ
  3. 自分を大切にする方法」を学ぶ

続きは、以下の記事で詳しく解説しています。

 

アダルトチルドレンのカウンセリング

対面カウンセリングでアダルトチルドレンの克服に取り組んでいるイラスト

ここまで、「アダルトチルドレンの回復過程『4つ』のステップ」について解説してきました。

また、「クラウディア・ブラック」は、「アダルトチルドレンからの回復プロセスの重要なポイント」として、以下のように解説しています。

これは親を責めることとは違い、あくまで自分自身のための作業。自助グループや治療の場を活用する、信頼できる相手に話を聞いてもらうなど、安全で自分を受け入れてもらえる場で行なうことが必要。

引用元:アダルトチルドレン--回復の4ステップ

このように、「アダルトチルドレンからの回復」には、以下の2点が重要と言えます。

POINT

  1. 「親・家族」に対する負の感情は、「親・家族」に聞かせるのではなく、「親以外の信頼できる相手(心理カウンセラー・自助グループなど)」に聞いてもらう必要がある
  2. 「親・家族」に対する負の感情は、「安全な場所(カウンセリングルーム・自助グループなど)」で聞いてもらう必要がある

以上のことから、「心理カウンセリングは、アダルトチルドレンの克服にとても有効である」と言われています。

例え、1人では困難な取り組みであっても、「アダルトチルドレンを熟知した心理カウンセラー」や「アダルトチルドレンの克服経験を持つカウンセラー」の協力を得ることで、「アダルトチルドレンの克服」に安心して取り組むことができると言えます。

 

なお、「アダルトチルドレンの克服のための心理カウンセリングのポイント」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

「アダルトチルドレンタイプ」それぞれの「克服方法」

アダルトチルドレンタイプを表すイラスト

アダルトチルドレンが、子どもの頃に身に付けた「機能不全家族での役割」を、アメリカの心理療法家「ウェイン・クリッツバーグ」は「アダルトチルドレンタイプ」としてまとめました。

「アダルトチルドレンの克服方法」は、概ね「各タイプで共通している部分」が多いのですが、厳密に言うと「各タイプで異なる部分」も存在します。

なお、本サイトにおける「アダルトチルドレンタイプ」は以下の「7つ」を使用しており、「アダルトチルドレンタイプ」それぞれの「克服方法」については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

まとめ

さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。

  • POINTステップ①:過去の喪失を探る・解放する」とは、「過去の喪失(幼少期のトラウマ)」を治療すること(未完の完結)
  • ステップ②:過去と現在をつなげる」とは、「過去(幼少期)の体験」が、現在の自分にどのような影響を与えているか?を理解すること(脚本分析)
  • ステップ③:取りこんだ信念に挑む」とは、「禁止令・ドライバー」を緩め、「生きづらい『人生脚本』」から「生きやすい『人生脚本』」へと書き換えること(人生脚本の書き換え)
  • ステップ④:新しいスキルを学ぶ」とは、「人間関係の方法」「感情の扱い方」「自分を大切にする方法」を学ぶこと(アサーティブトレーニング)

また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。

是非、あわせてお読みください。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「アダルトチルドレンの回復過程:『4つのステップ』を徹底解説」という記事でした。

この記事を書いた人
寺井 啓二

「うつ、アダルトチルドレンの克服経験」を持つ「心理カウンセラー・心理セラピスト」。
自らの克服経験を世の中のために役立てたいと考え、2013年に「メンタル心理そらくも」を設立、代表を務める。
10年以上のカウンセリング臨床実績があり、「アダルトチルドレン、インナーチャイルド、うつ病、パニック障害、人間関係の生きづらさ、親子関係の悩み(毒親)、子育ての悩み、恋愛・結婚の悩み、中学生・高校生の悩み」などの相談を得意としている。

◆カウンセリング実績
・臨床実績:過去2000回以上
・男女比:男性40%、女性60%
・年齢層:中学生から60歳代
・来訪元:静岡県内、愛知など東海圏
     東京、神奈川など首都圏
     大阪、兵庫など関西圏
     海外在住の方

◆保有資格
・上級心理カウンセラー
・メンタル心理カウンセラー
・うつ病アドバイザー
・チャイルドカウンセラー
・家族療法カウンセラー
・セルフ・アクセプタンスカウンセラー
・EFT-Japan Level 1
・EFT-Japan プラクティショナー

“代表:寺井啓二の詳しいプロフィール”

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