アダルトチルドレンの回復過程

2021年10月12日アダルトチルドレンアダルトチルドレンの克服

アダルトチルドレンからの回復過程を表すイラスト

POINTアダルトチルドレンからの回復過程は、大きく分けて4つのステップに分かれます。

心理カウンセラーの寺井です。

自分自身のアダルトチルドレン克服経験を活かし、心理カウンセラーという立場で、アダルトチルドレンからの回復をお手伝いしています。

アダルトチルドレンからの回復過程は、以下の4つのステップに分かれています。

POINT

  1. 過去の喪失を探る作業
  2. 過去と現在をつなげる作業
  3. 取りこんだ信念に挑む作業
  4. 新しいスキルを学ぶ作業

アダルトチルドレンの克服は、「ああすればいい!こうすればいい!」と対処的に取り組んでも一向に進みません。

アダルトチルドレンの克服は、「機能不全家族」や「世代間連鎖」など「アダルトチルドレンが生まれたメカニズム」や、「アダルトチルドレンタイプ」なども理解したうえで、ひとつひとつ進めていく必要があります。

この記事は、「心理カウンセリング」と「インナーチャイルドセラピー」を用いることを前提に、アダルトチルドレンの回復過程について説明しています。

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アダルトチルドレンの回復過程

この記事で説明している「アダルトチルドレンからの回復過程」は、アダルトチルドレン(AC)概念の生みの親である「クラウディア・ブラック」が示した、以下の「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を根拠としています。

アダルトチルドレン(AC)概念の生みの親であるクラウディア・ブラックは、ACの回復プロセスを次のような4段階で説明しています。「ステップ1=過去の喪失を探る」「ステップ2=過去と現在をつなげる」「ステップ3=取りこんだ信念に挑む」「ステップ4=新しいスキルを学ぶ」。

引用元:アダルトチルドレン--回復の4ステップ

このように、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」は、現在、様々な形で行われています。

そのなかでも、「心理カウンセリング」と「インナーチャイルドセラピー」を用いる方法は、家族を巻き込まず、自分1人で進めることができることもあり、アダルトチルドレンからの回復にとても有効であるという認識が一般的です。

ですが、アダルトチルドレンの克服方法は、決して心理カウンセリングのみではなく、自助グループへの参加など様々な方法があります。

 

なお、「一般的なアダルトチルドレンの克服方法」については、以下の記事で詳しく説明しています。

それでは、「心理カウンセリングとインナーチャイルドセラピーを用いた、アダルトチルドレンからの回復過程」について、以下に詳しく説明していきます。

 

ステップ①:自分がアダルトチルドレンであることを認める

アダルトチルドレンと機能不全家族のイメージ

最初のステップは、「過去の喪失を探る作業」です。

すなわち、自分がアダルトチルドレンであることを認める作業です。

 

アダルトチルドレン」は、人間関係において共依存依存傾向になりやすい特徴があります。

よって、人間関係に苦手意識を感じやすく、職場、学校、家族、友人関係、恋愛などの人間関係に問題を抱えやすくなります。

理由は、子ども時代に体験した親との人間関係の影響、すなわち「親から受けた躾や教育の影響」が、大人になっても大きく関わっているためです。

アダルトチルドレン(AC)とは、自分は子ども時代に親との関係で何らかのトラウマ(心的外傷)を負ったと考えている成人のことをいいます。自己認識の概念であり、医学的な診断名ではありません。

引用元:アダルトチルドレンとは?症状や、生きづらさの原因は?

そして、親から受けた躾や教育が厳しいために、子どもがのびのびと自由に過ごせない家族、すなわち「アダルトチルドレンを生み出す家族」のことを「機能不全家族」と呼びます。

機能不全家族とは、ストレスが日常的に存在している家族状態のことです。主に親から子どもへの虐待・ネグレクト(育児放棄)・子どもに対する過剰な期待などの様々な要因が家庭内にあり、子育てや生活などの家庭の機能がうまくいっていない状態です。

引用元:機能不全家族とは?影響を受けるとアダルト・チルドレンになる?

よって、アダルトチルドレンからの回復は、まず、「自分自身が機能不全家族で育ったアダルトチルドレンであることを認める」ことから始めていきます。

ですが、これは決して親を責める作業ではなく、親を巻き込まず、親に邪魔されず、自己完結をしていく作業です。

ただ、自分がアダルトチルドレンであることや、機能不全家族で育ったことを認めることは、なかなか受け入れがたいことです。

よって、アダルトチルドレンからの回復は、心理カウンセラーの協力のもと、迷いながら時間を掛けて安全に進めていくことが重要です。

 

アダルトチルドレン(ac)チェックリスト

さて、自分がアダルトチルドレンであることを認める作業は、以下の「アダルトチルドレン(ac)チェックリスト」を実行することで行うことができますので、是非、チェックしてみてください。

 

機能不全家族とは?

機能不全家族とは、アダルトチルドレンを生み出す家族です。

ですが、日本の場合、約8割が機能不全家族の可能性があると言われていますので、決して珍しいものではありません。

機能不全家族」については、以下の記事を参考にしてください。

 

ステップ②:子ども時代のトラウマが今現在の自分に与えている影響を認識する

子ども時代のトラウマの影響を認識しようとしているアダルトチルドレンのイメージ

つぎのステップは、「過去と現在をつなげる作業」です。

つまり、機能不全家族で育ったことにより、子ども時代に負ったトラウマの影響を認識する作業です。

 

トラウマ」とは、ある時から今もそのままになっている心の傷のようなものです。

つまり、アダルトチルドレンとは、子ども時代に受けた「トラウマ」を大人になっても抱え続けている人と言えます。

発達期に受けたトラウマは、その後の人生に影響を及ぼしかねません。今まさに発達期にあるお子さんはもちろん、子どものころにトラウマを負って、癒えないまま大人になったという方は、心の傷による生きづらさを抱えています。

引用元:子どものトラウマは、人生が狂うほど根深いことをご存知か?

ただ、「トラウマ」とは、虐待などの際立った親の行動によってのみ負うものとは限らず、親のちょっとした言動によってもトラウマを負ってしまう場合があり、自分1人では気づきずらいものです。

よって、アダルトチルドレンは、自分が心の傷=トラウマを抱え続けていること自体に気づけていない場合が多いです。

なので、心理カウンセラーの協力のもと、子ども時代のトラウマの影響が今現在の自分にどのように影響しているのか?を知っていきます。

 

アダルトチルドレンのタイプを考慮する

ひと口にアダルトチルドレンといっても、ひとりひとり個性が異なりますので、自分が抱える問題の特徴を知ることは、とても重要な作業です。

子ども時代のトラウマの影響は、「完璧主義」「素直になれない」「自分を抑えがち」「いい子を演じる」「世話焼き過干渉」「寂しがり依存気質」「Noと言えない」などの特徴となって問題化します。

これらの特徴は、ヒーロー、スケーブゴート、ロストワン、ピエロ、ケアテイカー、プラケーター、イネイブラーなど、7つの「アダルトチルドレンタイプ」に分類することができます。

このように、自分が抱えている問題を、アダルトチルドレンのタイプに照らし合わせていく作業を、「アダルトチルドレンタイプ診断」と言います。

 

アダルトチルドレンタイプ診断

心理カウンセラーの協力を得つつ、アダルトチルドレンタイプ診断を行うことで、子ども時代のトラウマが今現在の自分に与えている影響を具体的に認識できるようになっていきます。

そうすることで、自己イメージ、人間関係、子育てへの影響など、子ども時代のトラウマが今現在の自分に与えている影響をわかる化していきます。

アダルトチルドレンタイプ診断」については、以下の記事を参考にしてください。

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ステップ③:子ども時代に身に付けた苦しい価値観を和らげる

子ども時代に受け取った親の価値観の影響を和らげようとしているアダルトチルドレンのイメージ

続いてのステップは、「取りこんだ信念に挑む作業」です。

これは、子ども時代に身に付けた苦しい価値観を和らげる作業です。

また、子ども時代に親の影響で身に付け、今現在の自分を苦しめている価値観を、交流分析では「禁止令とドライバー」と呼びます。

そして、「○○しちゃいけない!」「○○はダメだ!」といった抑圧感を「禁止令」と言い、「○○すべき!」「○○であるべき!」という焦燥感を「ドライバー」と言います。

禁止令とは、親から受け取ったメッセージのうち、「~するな」という指示・命令のこと。これを大人になってからも無意識のうちに守ってしまい、「やってはいけないこと」と思い込んでしまっている状態です。

引用元:人生を狂わせる12の禁止令と5つのドライバー

ドライバーは、禁止令とは反対に、「~しろ」という指示・命令による思い込みです。禁止令の一種と考え「拮抗禁止令」と呼ぶ場合もあります。禁止令同様、親からの指示で無意識に「そうしなければいけない」と思い込んで守ってしまっていると考えられます。

引用元:人生を狂わせる12の禁止令と5つのドライバー

とくに、白黒思考(二極思考)」と呼ばれる「偏った考え方(認知の歪み)」は、アダルトチルドレンの最大の特徴です。

白黒思考は「全か無かの思考」「二分法的思考」とも呼ばれるもので、物事を白か黒か、善か悪か、といった極端な立場でしか捉えることが出来ない思考のことを言います。

引用元:白黒思考

認知の歪みとは、誇張的で非合理的な思考パターンである。これらは精神病理状態(とりわけ抑うつや不安)を永続化させうるとされている。

引用元:認知の歪み

 

一気には進まない、徐々に和らげる

このような極端で苦しい価値観は、心的負担を増大させてしまい、うつ病やパニック障害など、心の問題の原因となったり、人間関係の障害になったりします。

よって、例えば、「もっと頑張らなければいけない!」というドライバーは、「頑張っても生きていけるけど、頑張らなくても生きてはいけるので、頑張っても頑張らなくても、どちらも安全でOK…

「弱音を吐いてはいけない!」という禁止令は、「弱音を我慢しても生きていけるけど、弱音を吐いても生きてはいけるので、弱音を吐いても吐かなくても、どちらも安全でOK…

など、心理カウンセラーの協力のもと、子ども時代に身に付けた極端で苦しい価値観を、工夫しながら徐々に和らげでいきます。

 

インナーチャイルドセラピーとは?

とはいえ、子どもにとって親は絶対的存在であり、家族という環境が世界のすべてであった子ども時代に、親から受け取った価値観の影響は強力ですし、トラウマの影響は根深いです。

なので、親から受け取った価値観を和らげる作業は、頭ではわかっていてもなかなか難しいものです。

同時に、アダルトチルドレンは人間関係に苦手意識があるため、視界に人が映ると警戒心や緊張が無意識に敏感に働いてしまいます。

ゆえに、対面式の心理カウンセリングのみですと、心理カウンセラーが視界に入ってしまうため、このステップ3で限界に至ってしまう場合が多いようです。

そこで生まれた工夫が「インナーチャイルドセラピー」です。

 

インナーチャイルドセラピーの重要性

インナーチャイルドセラピーは、目を閉じた「催眠療法(ヒプノセラピー)」をベースに行うため、心理カウンセラーが視界に入らず、人への警戒心と緊張を和らげつつ、安心して取り組むことができます。

また、子ども時代に傷ついた自分を「インナーチャイルド」というイメージで捉えるため、セミナーのように頭で理屈を理解するのではなく、映画やスポーツのように自分の心境の変化を体感で実感していくことができます。

ヒプノセラピー(催眠療法)とは、ユングやフロイトの提唱した深層心理学を根源とし、催眠状態を利用して潜在意識に働きかけ、心理的な問題(=悩み)や心因的な症状を改善する心理療法です。

引用元:ヒプノセラピー基礎知識

インナーチャイルド・セラピーは、まさにこの「未完の完結」作業を応用したものです。…(中略)…未完の感情をそのまま引きずるのではなく、「今ここ」で完結(終わらせ、創り直す)ことが、インナーチャイルド・セラピーです。

引用元:インナーチャイルド・セラピー

このように、「インナーチャイルドセラピー」は、インナーチャイルドセラピストの臨場感あふれる誘導によって、大人になった自分がインナーチャイルドを助ける空想を夢中ですることで、泣いたり怒ったりホッとしたり、自分自身の心境の変化を体感で実感しながら、子ども時代のトラウマを自分で癒し、子ども時代に身に付けた苦しい価値観を自分で和らげていきます。

 

なお、「インナーチャイルドセラピー」については、以下の記事を参考にしてください。

 

ステップ④:子ども時代に学べなかった自分らしい生き方を身につける

インナーチャイルドと対話しながらアダルトチルドレンの回復過程を進めているイメージ

さいごのステップは、「新しいスキルを学ぶ作業」です。

インナーチャイルドを癒したことで、子ども時代のトラウマの影響が徐々に和らぎ、そのぶん、子ども時代に学べなかった自分らしい生き方を徐々に身に付けられるようになっていきます。

 

アダルトチルドレンとは、ある意味、「自分らしい生き方の練習不足の状態」とも言えます。

親の影響やトラウマの影響で、「自分らしい生き方を保留したまま大人になっている部分がある…」と捉えてみるのもひとつでしょう。

 

例えば、料理やスポーツも、最初は経験不足のためなかなかうまくはいかないほうが自然ですし、何歳からでも学び始めることができますし、何歳からでも身に付けていくことができます。

それと同じように、自分らしい生き方も、何歳からでも学び始めることができますし、何歳からでも身に付けていくことができます。

 

インナーチャイルドという味方を感じながら日常を過ごす

人間関係の対処法、感情の表現方法、自分を大切にする意味、苦しさやつらさへの対処法、遊ぶこと楽しむことの意味、Noと断ることの意味、他人の攻撃をかわす方法…などなど。

子ども時代に学べなかった自分らしい生き方を身につける作業は、一気に自分を変えようとするのではなく、徐々に新しい価値観を取り入れながら、今までの生き方をリノベーションしていくイメージです。

なので、インナーチャイルドセラピーによって自分の胸の内に迎え入れたもう一人の自分=インナーチャイルドという味方を感じながら日常を過ごすことが大切です。

 

また、症状が落ち着いてきたところで、アダルトチルドレンの克服本などを読みながら過ごしてみるのもひとつの方法です。

そうすることで、自己理解がさらに深まり、子ども時代のトラウマの影響をさらに和らげることが叶い、自然と自分らしい生き方が身についていきます。

 

なお、「アダルトチルドレンの克服本」については、以下に詳しく説明しています。

また、「アダルトチルドレンを克服すると生まれる5つの変化」についても合わせて紹介します。

 

アダルトチルドレンの克服をサポート

カウンセリングでアダルトチルドレンの克服に取り組んでいるイラスト

さて、この記事を書いている私=寺井啓二も、かつては「アダルトチルドレン」でした。

そして、私は心理カウンセリングを利用することで「子ども時代のトラウマ体験や傷ついた感情」に気づき、「インナーチャイルドセラピー」で安全に感情解放し、アダルトチルドレンを克服しました。

今では、自分自身のアダルトチルドレン克服経験を活かし、「アダルトチルドレン(ac)を克服した心理カウンセラー」として、皆様のアダルトチルドレンの克服をサポートしています。

メンタル心理そらくものカウンセリングサービスは、アダルトチルドレンの克服を「帰宅後のアフターフォロー」も含めた形でサポートしているのが特徴です。

 

なお、当社メンタル心理そらくもが行っている「アダルトチルドレンのカウンセリング:克服への“9”の重要ポイント」については、以下の記事で詳しく説明しています。

 

まとめ

この記事で説明したアダルトチルドレンの回復過程は、あくまで「家族を巻き込まない方法」です。

アダルトチルドレンからの回復には、家族も交えたグループカウンセリングも有効ですが、必ずしも、自分の期待通りに家族が変わってくれるとは限りません。

だからこそ、アダルトチルドレンからの回復は、家族、友人、恋人、同僚、伴侶など、周囲を変えるようとすることより、自助・自立・自尊の気持ちが重要となります。

以下に、アダルトチルドレンの回復過程についての重要ポイントをまとめます。

POINT

  • アダルトチルドレンの特徴を理解したうえで、ひとつひとつ回復を進めることが重要
  • 心理カウンセラーの協力のもと時間を掛けて安全に進めることが重要
  • アダルトチルドレンにはタイプがあり、タイプに合わせて進めることが重要
  • ステップ3以降は、対面式の心理カウンセリングのみでは限界があり、インナーチャイルドセラピーが有効
  • インナーチャイルドを感じながら日常を過ごすことで、自分らしい生き方が自然と身につく

最後に、あわせて読んで頂きたいおすすめの記事として、私自身の「アダルトチルドレン克服体験談」を紹介します。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページにまとめていますので紹介します。

以上、「アダルトチルドレンからの回復過程」という記事でした。

この記事を書いた人

心理カウンセラーの紹介

心理カウンセラー寺井啓二の写真とメッセージ

はじめまして「メンタル心理そらくも 代表:寺井啓二」です。うつ、アダルトチルドレンを克服した経験を持つ心理カウンセラーです。自らの克服経験を世の中に役立てたいと考えています。

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カウンセリングなどを行う「メンタル心理そらくものカウンセリングルーム」です。中学生、高校生、成人男性、成人女性、ご年配の方まで、静岡県内をはじめ、首都圏、関西、九州、東北など、全国から多くの方に来訪頂いています。

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2021年10月12日アダルトチルドレンアダルトチルドレンの克服

Posted by 寺井 啓二