ロストワンが持つ「豊かな感受性」とは?「HSPとの違い」も解説

アダルトチルドレン_ロストワンとHSPは豊かな感受性を持っている様子を表すイラスト

POINT「ロストワン」と「HSP」は「感受性が豊か」という共通の特徴がありますが、それぞれの「意味合い・原因・影響」には違いがあります。

心理カウンセラーの寺井です。

アダルトチルドレン」の「ロストワン(ロストチャイルド・ロンリー)タイプ」(以下「ロストワン」と言う。)は「いない子」と呼ばれ、「機能不全家族」において「自分の存在感を消すことで家族の負担を減らす(家族に迷惑を掛けない)」という「役割」を担ってきたため、自分の存在価値を感じようとすればするほど「自分の感情を内面に留めて何も行動しないようにする」という特徴があります。

ですので、ロストワンは「自分の感情を内面に留めるぶんだけ、感受性が豊かになる」と考えられています。

一方、生まれながらの「先天的な気質」として「豊かな感受性を持っている人」を「HSP(Highly Sensitive Person)(エイチ・エス・ピー)」と言います。

このように、「ロストワン」と「HSP」は「『感受性が豊か』という共通の特徴」を持ちますが、「ロストワンが持つ感受性の豊かさ」は「生まれた後に親や家族との関係で身に付けた『後天性の性格』を指す」のに対して、「HSPが持つ感受性の豊かさ」は「生まれながらに持っている『先天性な気質』を指す」という違いがあります。

そして、「HSPは生まれながらの『先天的な気質』であるため、根本的な改善は困難である」と考えられているのに対して、ロストワンをはじめとする「アダルトチルドレンは生まれた後に身に付けた『後天的な性格』であるため、根本的な改善が期待できる」と考えられています。

この記事は、ロストワンが持つ「豊かな感受性」と「HSPとの違い」について解説しています。

ロストワンが持つ「豊かな感受性」

アダルトチルドレン_ロストワンが持つ感受性の豊かさを表すイラスト

ロストワンは「機能不全家族」において「自分の存在感を消すことで家族の負担を減らす(家族に迷惑を掛けない)」という「役割」を担ってきたため、自分の存在価値を感じようとすればするほど「自分の感情を内面に留めて何も行動しないようにする」という特徴があります。

ですので、ロストワンは「自分の感情を内面に留めるぶんだけ、ストレスを溜め込みやすい」反面、「自分の感情を内面に留めるぶんだけ、感受性が豊かになる」と考えられています。

感受性とは外部からの影響を受けやすい性質という意味です。自由発想でクリエイティブな能力面に感性が働きます。感受性豊かであれば、色々な個性を発揮することができます。ですが逆に影響を受けやすいため、繊細です。

引用元:受性豊かの意味と特徴12こ・いいこと・しんどいこと

このように、ロストワンが持つ「感受性の豊かさ」は、「創造力・空想力・発想力などを豊かにする」反面、「人間関係においてたくさんの感情を感じるため、感情の処理が追い付かなくなる」と考えられています。

それでは、「ロストワンが持つ『豊かな感受性』」について、以下に詳しく解説していきます。

 

感受性が豊かなロストワンの様子

ロストワンは「周囲に対して自らの特徴をひた隠しにする」という点が性格面での最大の特徴であり、周囲からは「特徴がないように見える」という点が最大の特徴です。

このように、ロストワンは「言葉による感情表現(自己主張)」を殆どしないため、周囲からは「感情が乏しい人」に映る場合があります。

なお、「周囲の人たちから見たロストワンの印象」は、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 何を考えているかわからない人
  • 感情を表に出さない人
  • 自己主張をしない人、意見のない人
  • 無口な人、寡黙な人、大人しい人

ですが、実際にはロストワンは「感情が乏しい人」ではなく、むしろその逆で、ロストワンは「話すことで感情を表現する」ことは少ないものの、「内面には豊かな感受性を秘めている場合が多い」と考えられています。

なお、「感受性が豊かなロストワンの様子」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 一人で「さまざまな空想」をしながら「人形・ぬいぐるみ・積み木・ブロック・粘土」で遊びことが好き
  • 一人で「さまざまな空想」をしながら「虫・動物・植物」を観察することが好き
  • 一人で「さまざまな空想」をしながら「テレビ・ゲーム・漫画・本(物語)」に没頭することが好き
  • 一人で「さまざまな空想」をしながら「絵・イラスト」を描くことが好き
  • 一人で「さまざまな空想」をしながら「歌を歌う・鼻歌を歌う・楽器で遊ぶ」ことが好き
  • 一人で「さまざまな空想」をしながら「一人になれる場所」でのんびりすることが好き

このように、ロストワンは「自分の感情を内面に留めるぶんだけ感受性が豊かになり、創造力・空想力・発想力など柔軟に物事を考える力が自然に養われる」と考えられています。

 

ロストワンが得意とする「感情表現」

このように、ロストワンは「機能不全家族で育った影響」により、「話すことによる感情表現が苦手」になる反面、「話すこと以外の感情表現が得意」になると考えられています。

なお、「感受性が豊かなロストワンが得意とする感情表現」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 「詩・小説・脚本・絵画・彫刻・建築・演技・ダンス・音楽・映像」など「芸術表現」が得意
  • 「イラスト・漫画・ゲーム・料理・模型・工芸・手芸・服飾・動画」など「モノづくり」が得意

また、「話すことが苦手な反面、感受性が豊かなロストワンの様子」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 寡黙だが素晴らしい絵を描く画家
  • 物静かだが素晴らしい作品を造る彫刻家
  • 恐そうだが楽しい曲をつくる作曲家
  • 普段は大人しいが作品を描く時にはとても躍動する書道家
  • 口数は少ないが繊細な作品を描く漫画家やイラストレーター
  • 無口だけど格好いい俳優
  • 不愛想だがコツコツと誠実な職人

このように、ロストワンは「自分の感情を内面に留める分だけ感受性が豊かになり、感受性が豊かな分だけ『話す』ことによる感情表現が苦手になり、『話す』ことが苦手な分だけ『芸術表現』や『モノづくり』による感情表現が得意になる」と考えられています。

 

ロストワンは「話す」ことが苦手

このように、ロストワンは「感受性が豊かな分だけ『話す』ことが苦手になり、人とのコミュニケーションに対する苦手意識を感じやすくなる」と考えられています。

なお、「人とのコミュニケーション」のなかで「会話」や「文章」など「言語を用いて行うコミュニケーション」を「バーバル(言語)コミュニケーション」と言い、「言語を用いずに行うコミュニケーション」を「ノンバーバル(非言語)コミュニケーション」と言います。

対面でやり取りするコミュニケーションは、大きく分けて「バーバル(言語)コミュニケーション」「ノンバーバル(非言語)コミュニケーション」の2つで構成されます。

  • バーバルコミュニケーションとは文字を読んだり、言葉を聞いたりして行う対人間でのやり取りのことです。つまり、言語を知覚で認識するコミュニケーションです。
  • ノンバーバルコミュニケーションは、「身振り、手振り」といったボディランゲージと、「表情、声のトーンや大きさ」などから情報を得るやり取りです。視覚や聴覚を使って得られる情報だといってもよいでしょう。引用元:オンライン時代に浮き上がる「対面コミュニケーション」の意義

このように、ロストワンは「ノンバーバル(非言語)コミュニケーションが得意」である反面、「バーバル(言語)コミュニケーションが苦手」という点が特徴的であり、とくに「話すことに対して焦りや不安を感じやすい」と考えられています。

くわえて、「感受性が豊か」ということは、それだけ「状況の変化」や「人の言葉」に敏感に気持ちを動かされやすく、人間関係においてたくさんの感情を感じることになります。

ですので、感受性が豊かなロストワンは何かを話そうとしても「感情の処理」が追い付かず、何かを話そうとすればするほど「焦りと不安」が強くなってしまうため、人間関係において「会話が続かなくなってしまうことが多い」という特徴があります。

なお、「ロストワンが会話が続かなくなってしまう様子」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 何かを話そうとすればするほど、のどが詰まって話せなくなってしまう
  • 何かを話そうとすればするほど、頭が真っ白になって話せなくなってしまう
  • 何かを話そうとすればするほど、顔が赤くなって話せなくなってしまう
  • 何かを話そうとすればするほど、オドオドして話せなくなってしまう

このように、ロストワンは何かを話そうとすればするほど「感情の処理」が追い付かず、自分の気持ちを相手に伝えられなくなってしまうため、「職場や学校など会話を必要とする人間関係においてストレスを溜め込みやすい」と考えられています。

 

なお、「アダルトチルドレン(AC)ロストワン(いない子)の性格」については以下の記事で解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

「ロストワン」と「HSP」の違い

ロストワンの感受性とHSPの感受性の違いを表すイラスト

ロストワンは「機能不全家族で育った影響」により、「自分の感情を内面に留めることが多かったぶんだけ感受性が豊かになる」と考えられており、その影響で「創造力・空想力・発想力など柔軟に物事を考える力が自然に養われ、『芸術表現』や『モノづくり』が得意になる」と考えられています。

感受性が豊かな人はその高い感性を持って、芸術作品を生み出す力や、評価する目を持っているという点が長所の一つ。新しいジャンルを作ったり、既存のものを新たな解釈でアレンジしたり、芸術を深めることが得意です。

引用元:感受性豊かな人の特徴とは?感性が豊かな男女の原因&長所や短所を解説!

このように、「ロストワンが持つ感受性の豊かさ」とは、あくまで「機能不全家族育った影響」。すなわち「生まれた後に親や家族との関係で身に付けた『後天性の性格』」であると言えます。

一方、生まれた後の「後天的な性格」として「豊かな感受性」を持っているではなく、生まれながらの「先天的な気質」として「豊かな感受性を持っている人」を「HSP(Highly Sensitive Person)(エイチ・エス・ピー)」と言います。

HSPとは、生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質もった人」という意味で、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」と呼び頭文字をとって「HSP(エイチ・エス・ピー」と呼ばれています。HSPは環境や性格などの後天的なものではなく、先天的な気質、生まれ持った性質であることがわかっています。

引用元:HSP(Highly Sensitive Person)ハイリー・センシティブ・パーソン

このように、「ロストワン」と「HSP」は「『感受性が豊か』という共通の特徴」を持ちますが、「ロストワンが持つ感受性の豊かさ」は「生まれた後に親や家族との関係で身に付けた『後天性の性格』を指す」のに対して、「HSPが持つ感受性の豊かさ」は「生まれながらに持っている『先天性な気質』を指す」という違いがあります。

それでは、「『ロストワン』と『HSP』の違い」について、以下に詳しく解説していきます。

 

人間関係での「ロストワンの感受性」

ロストワンは「感受性が豊かな分だけ『芸術表現』や『モノづくり』が得意になる」反面、人間関係においては「感受性が豊かな分だけ『人の感情を敏感に察知できる』」と考えられています。

そして、人の感情を敏感に察知できる「ロストワンの感受性」は、人間関係のトラブルを冷静に回避できるなど、「人間関係における危機回避能力の役割を果たしている」と考えられています。

感受性が強い人は、相手の言葉や身の回りの物事から、感じ取るものが多いのが特徴です。…(中略)…人間関係では、些細なことでも人の良い面に気付くことができますが、同時に嫌な面にも気付きやすく、人間不信になりやすい面も持っています。

引用元:感受性が強い人の特徴・感受性が強い人との付き合い方は?

例えば、ロストワンは「学校の運動会や部活動」に対して他のクラスメイトのように「夢中」になれなかったり、「落ち込んで泣きじゃくるクラスメイト」に対して他のクラスメイトのように「同情」する気になれなかったりします。

これは、「機能不全家族」という「過酷な環境」を生き延びたことによって身に付けた「ロストワンの豊かな感受性(危機回避能力の高さ)」によるものと考えられており、とくに、ロストワンは「人に惑わされること、人に振り回されること、人に騙されることに対して優れた危機回避能力を持っている」と考えられています。

なお、「学校や職場」などにおいて、自分の意思に反して周囲の人と同じ行動を取ってしまうことを「同調行動」と言います。

自分より周囲の意見や考えを優先したり、自分の意志に反して人と同じ行動を取ったりしたことはありませんか?「みんなと同じ行動をすると安心できる」「一人だけ浮くのは怖い」そういった心理から人が起こす行動を「同調行動」と呼びます。

引用元:子どもの同調行動とは?どんな影響がある?

このように、ロストワンは「機能不全家族」という「過酷な環境」を生き延びたことによって身に付けた「感受性の豊かさ(優れた危機回避能力)」よって、「『同調行動』によって引き起こされる人間関係のトラブルを冷静に回避できる」という特徴があります。

なお、「同調行動に対してロストワンが感じる危機感」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 「お世辞を言う(相手のご機嫌を取る)」ことに強い抵抗感を感じる
  • 「迎合をする(相手に合わせる)」ことに強い抵抗感を感じる
  • 「スクールカースト・人間関係の序列」など、「差別的な考え方」に強い抵抗感を感じる
  • 「仲良しグループ・派閥」など、例え自分が孤立しても「面倒な集団」には参加しない
  • 「集団いじめやマルチ商法」など、例え自分が孤立しても「曲がったこと」には参加しない

このように、人間関係における「ロストワンの感受性」とは、「他者への警戒心が強い反面、相手が自分をコントロールしようとする意図(同調圧力)を敏感に察知して冷静に回避する」という「自己防衛の役割」を果たしていると言えます。

 

人間関係での「HSPの感受性」

一方、「HSPの感受性」は「ロストワン」と違い、「機能不全家族」のような「過酷な環境で育った影響」によるものではなく、「家庭環境に関係なく、生まれながらに持っている『先天性な気質』」と考えられています。

そして、「HSP」は「感受性が豊かな分だけ『人の感情を敏感に察知できる』」という反面、「人間関係に疲れやすい」と考えられています。

HSPの人は、感受性が豊かで繊細な一面を持っているため、人間関係に疲れやすいと言われています。…(中略)…興味のないことでも相手に合わせて相槌を打ったり、楽しくないと思っていても無理に笑顔でいようとするので、人との関わりに疲れてしまいがちです。…(中略)…人の話し声や物音、におい、光などに敏感に反応してしまうほか、周りの人の感情や場の雰囲気などから多くの情報を読み取ろうとするので、過度に疲れてしまいがちです。

引用元:HSPは『人間関係リセット症候群』に陥りやすい?人間関係のストレスと上手に付き合う方法

なお、「HSPが人間関係に疲れやすい様子」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 価値観が合わない相手に対しても、無理をして気を遣って疲れてしまう
  • 相手がどう思っているのか?相手にどう思われているのか?が異常に気になって疲れてしまう
  • 相手の些細な言動をネガティブに捉えすぎて落ち込んでしまう
  • 自分の本心を隠して相手に合わせて疲れてしまう
  • 顔色や声色から相手の不満や不機嫌を敏感に感じ取って疲れてしまう
  • パーティ・集会・食事会など、大勢の人が集まる機会に参加すると疲れ切ってしまう
  • ストレスが限界に達すると人間関係をリセットしたくなる

このように、人間関係における「HSPの感受性」とは、周囲の人たちの言動や感情に無意識に敏感に反応してしまうため、他者への共感力が高い反面、人間関係において「ストレス過多の原因」になりやすいと言えます。

 

「ロストワンの感受性」と「HSPの感受性」の違い

このように、「ロストワン」と「HSP」は「『感受性が豊か』という共通の特徴」を持ちますが、「『感受性の意味合い』には違いがある」と言えます。

前述の通り、「ロストワンが持つ感受性の豊かさ」は「生まれた後に親や家族との関係で身に付けた『後天性の性格』」であり、大人になってから「他者への警戒心が強くなる反面、人間関係のトラブルを回避する役割を果たす」と考えられています。

これに対して、「HSPが持つ感受性の豊かさ」は「生まれながらに持っている『先天性な気質』」であり、大人になってから「他者への共感力が高くなる反面、人間関係においてストレス過多の原因になる」と考えられています。

HSPの人は特に周りが求めていることを敏感に察知することが得意なので、その期待に応えようと無理をしてしまう傾向があります。ACの人は自分への被害を未然に防ごうとして防衛反応が働くため、人の顔色を常にうかがう癖があります。…(中略)…「人の機嫌をうかがう」という点は同じですが、HSPとACでは要因がそれぞれ異なります。

引用元:HSPとアダルトチルドレンの『共通点』とは?自尊心や自己評価が…

なお、「『ロストワンの感受性』と『HSPの感受性』の違い」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

  意味合い 原因 感受性
の影響
ロストワンの感受性 後天的
幼少期より徐々に形成
機能不全家族や
幼少期のトラウマが原因
他者への警戒心が強くなる反面、人間関係のトラブルを回避する役割を果たす
HSPの感受性 先天的
生まれ持った気質
家庭環境や親が原因とは言いきれない 他者への共感力が高くなる反面、人間関係においてストレス過多の原因になる

参考サイト:HSP気質と親子関係ー幼少期のトラウマがアダルトチルドレンを生む理由ー

 

「ロストワンの生きづらさ」と「HSPの生きづらさ」の違い

このように「HSPの感受性」とは、あくまで「生まれながらに持っている『先天的な気質』」と考えられおり、「生まれ持った『先天的な気質』である以上、『HSPの生きづらさ』の根本的な改善は困難である」と考えられています。

それに対して「ロストワンの感受性」とは、「生まれ持った『先天的な気質』ではなく、あくまで「生まれた後に身に付けた『後天的な性格』」を指します。

ですので、「生まれた後に身に付けた『後天的な性格』である以上、『ロストワンの生きづらさ』の根本的な改善は可能である」と考えられています。

HSPとACは非常によく似た共通点がありますが、同じものではありません。HSPは「生まれつき持っている性格の気質」で、ACは「親から愛情を受けられなかった」「適切な環境で育ててもらえなかった」ことが原因で後天的になってしまう性格です。ACが機能不全家族や親からの言動が原因なのに対し、HSPは必ずしも親や家庭環境に問題があるわけではありません。しかし、HSPの人が親に特性を理解してもらえずに否定的な言葉を掛けられてしまうことによって、ACのような心性を持ち合わせてしまうこともあります。

引用元:HSPとアダルトチルドレンの『共通点』とは?自尊心や自己評価が…

また、もし「HSP」の人が、親や家族に「HSPの気質」を理解してもらえず否定的な言葉を掛けられて育った場合、それは「機能不全家族で育ったHSP」ということになり、その影響で、大人になってから「『HSPの生きづらさ』と『ロストワンの生きづらさ』を併せ持つようになる」と考えられています。

なお、「『ロストワンの生きづらさ』と『HSPの生きづらさ』の違い」とは、主に以下のように「具体例」があげられます。

  人間関係での生きづらさ 改善の可能性
ロストワンの生きづらさ 人間関係において防衛的な気持ちが敏感に働くため、他者への警戒心が強く、信頼関係が上手く築けない 「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」に取り組むことで、「他者への警戒心の緩和」が期待できる
HSPの生きづらさ 人間関係において相手の感情に共感しすぎてしまうため、相手の顔色を気にしすぎてしまい、人間関係に疲れやすい 「高すぎる共感力」を緩和することは難しいが、「他者との距離感を調整する」など対処法はある
ロストワンとHSPの生きづらさを併せ持つ場合 防衛的な気持ちが強いため他者と信頼関係が築けず、共感力が強いため人間関係に疲れやすい 「高すぎる共感力」を緩和することは難しいが、「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」に取り組むことで、「他者への警戒心の緩和」が期待できる

このように、「ロストワンの生きづらさ」は、「アダルトチルドレン(AC概念)」の生みの親である「クラウディア・ブラック」が示したが示す「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」に取り組むことで根本的な改善が期待できますが、「HSPの生きづらさ」は根本的な改善は難しいものの、「日常生活や社会生活を送る上で役立つ対処法」を学ぶことで対処的な改善は期待できます。

 

なお、「『アダルトチルドレン、回復の4ステップ』に遵守した形で考えられている『ロストワンの克服方法』」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

また、「HSPの生きづらさへの対処法」について詳しく知りたい方は、以下の外部サイトを参考にしてください。

 

まとめ

さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。

  • POINTロストワンは、周囲からは「感情の乏しい人」に映るが、「内面には豊かな感受性を秘めている」場合が多い
  • ロストワンは、感受性が豊かな分だけ「話す」ことが苦手になる反面、「芸術表現」や「モノづくり」が得意になる
  • ロストワンは「話す」ことが苦手なため、職場や学校など「会話を必要とする人間関係においてストレスを溜め込みやすい
  • 「ロストワン」と「HSP」は「感受性が豊か」という共通の特徴がある
  • ロストワンの感受性は、他者への警戒心が強い反面、「人間関係のトラブルを回避する役割」を果たす
  • HSPの感受性は、他者への共感力が高い反面、人間関係において「ストレス過多の原因」になりやすい
  • ロストワンが持つ「感受性の豊かさ」は「生まれた後に身に付けた『後天性の性格』
  • HSPが持つ「感受性の豊かさ」は「生まれながらに持っている『先天性な気質』
  • 親や家族に「HSPの気質」を理解してもらえず否定的な言葉を掛けられて育った場合、「『HSPの気質』と『アダルトチルドレンの特徴』を併せ持つようになる
  • ロストワンの生きづらさは「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」に取り組むことで根本的な改善が期待できる
  • HSPの生きづらさは根本的な改善が難しいが、「日常生活や社会生活を送る上で役立つ対処法」を学ぶことで対処的な改善は期待できる

また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。

是非、あわせてお読みください。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「ロストワンが持つ『豊かな感受性』とは?『HSPとの違い』も解説」という記事でした。

この記事を書いた人
寺井 啓二

「うつ、アダルトチルドレンの克服経験」を持つ「心理カウンセラー・心理セラピスト」。
自らの克服経験を世の中のために役立てたいと考え、2013年に「メンタル心理そらくも」を設立、代表を務める。
10年以上のカウンセリング臨床実績があり、「アダルトチルドレン、インナーチャイルド、うつ病、パニック障害、人間関係の生きづらさ、親子関係の悩み(毒親)、子育ての悩み、恋愛・結婚の悩み、中学生・高校生の悩み」などの相談を得意としている。

◆カウンセリング実績
・臨床実績:過去2000回以上
・男女比:男性40%、女性60%
・年齢層:中学生から60歳代
・来訪元:静岡県内、愛知など東海圏
     東京、神奈川など首都圏
     大阪、兵庫など関西圏
     海外在住の方

◆保有資格
・上級心理カウンセラー
・メンタル心理カウンセラー
・うつ病アドバイザー
・チャイルドカウンセラー
・家族療法カウンセラー
・セルフ・アクセプタンスカウンセラー
・EFT-Japan Level 1
・EFT-Japan プラクティショナー

“代表:寺井啓二の詳しいプロフィール”

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